ドワンゴとKADOKAWA、東京交響楽団協力のVアーティスト開発へ 第一弾のピアニストをオーディション

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ドワンゴとKADOKAWAは24日、楽器演奏者を精密に再現する技術を導入したバーチャルアーティストを開発するプロジェクト「ポルタメタ」の始動を発表した。特別監修として東京交響楽団が協力。クラシック業界で初となる試みだという。

プロジェクト第一弾として、ピアニストのバーチャルキャラクターをお披露目して、「中の人」となるピアニストのオーディションを11月1日より募集する。

オーディションの審査委員長は、東京交響楽団の正指揮者である原田慶太楼氏が務める。応募者の年齢、性別、国籍は不問。来年以降のスケジュールは公式サイトなどで公開していく。

●一次選考
・応募期間:2023年11月1日(水)~2024年1月5日(金)
・応募方法:オーディション受付フォームより応募(11月1日オープン)
・応募要項:公式サイトにて確認

 
プロジェクトの背景として、昨今、クラシック業界におけるファン層の高齢化がある。ドワンゴやKADOKAWAはコロナ禍における東京交響楽団の無観客コンサートや、ニコニコ動画におけるサブスクチャンネル「ニコニコ東京交響楽団」の開設など、同業界の事業に携わってきた。こうしたクラシックファンの裾野を広げることを目的に本プロジェクトを立ち上げ、リアルのコンサートも視野に入れて動画やSNSでの音楽活動を展開していく。

なお、ドワンゴは2018年9月、バーチャルキャストとともに、ホロライブ所属VTuber・ときのそらのデビュー1周年記念特番において、電子楽器用の信号を判別してバーチャルキャラクターの手先の動きに反映する「運指再現技術」を発表している(プレスリリース)。

 
●原田慶太楼氏コメント

VRとクラシック音楽がフュージョンできるプロジェクトの実現を待っていました! 2023年の夏、アメリカでVRの世界をコンセプトにしたオペラを指揮してきたばかりなので、今回はテクノロジーのメッカである日本でVRとオーケストラのマリアージュが実現するのがとても楽しみです。今回のプロジェクトは世界初の発想。KADOKAWA+東響で成功させて世界に発信して行きたいと思います。このプロジェクトがきっかけで新たなオーディエンスとファンが増える事を期待しております!
クラシック音楽の歴史に新たな1ページを刻むチャンスです。あなたの応募をお待ちしています!


●原田慶太楼氏プロフィール

欧米を中心に目覚しい活躍を続けている期待の俊英。東京交響楽団正指揮者。シンシナティ交響楽団およびシンシナティ・ポップス・オーケストラ、アリゾナ・オペラ、リッチモンド交響楽団のアソシエイト・コンダクターを経て、2020年シーズンから、ジョージア州サヴァンナ・フィルハーモニックの音楽&芸術監督に就任。オペラ指揮者としてアリゾナ・オペラやノースカロライナ・オペラ、シンシナティ・オペラ、ブルガリア国立歌劇場でも活躍。2010年タングルウッド音楽祭で小澤征爾フェロー賞、13年ブルーノ・ワルター指揮者プレビュー賞、米国ショルティ財団キャリア支援賞6度、23年には日本人初となるトップのコンダクター賞を受賞。09年キャッソルトン・フェスティバルにロリン・マゼールの招待を受けて参加。11年には芸術監督ファビオ・ルイジの招聘によりPMFに参加。1985年東京生まれ。指揮をF.フェネルに師事。室内楽、バレエ、ポップスやジャズ、そして教育的プログラムにも積極的に携わっている。第29回渡邉曉雄音楽基金音楽賞、第20回齋藤秀雄メモリアル基金賞受賞。


●ポルタメタ -portameta-

音楽用語の「portamento」と「高次元の」という意味の「メタ」をかけ合わせた造語。リアルな演奏者クラシック音楽の演奏会に行ったことがない人をクラシック音楽ファンに。クラシック音楽をとりまく状況を、滑らかに音程を変える「portamento」のように変身させていきたいという想いを込めた。

©portameta Project ©KADOKAWA CORPORATION 2023 ©DWANGO Co., Ltd.  
 
●関連リンク
ポルタメタ公式サイト
オーディション受付フォーム
原田慶太楼公式サイト
ドワンゴ
KADOKAWA
東京交響楽団