URL: https://insight.rakuten.co.jp/report/20231122/
楽天インサイト株式会社は、「推し活に関する調査」をインターネットで実施しました。今回の調査は、2023年10月5日(木)に、楽天インサイトに登録しているモニター(約220万人)の中から、「推し活」(注)をしている全国の20~69歳の男女1,000人を対象に行いました。本調査では、「推し」のジャンルや「推し活」で行っていること、使用する金額、推し活をオープンにしているかなどについて調査しました。
■□ 調査結果サマリー □■
・「推し」のジャンルは20代が「国内アイドル」、50代・60代は「ミュージシャン・バンド」が最多
・「推し活」で行っていることは「動画コンテンツを見る」「テレビ番組を見る」「SNSをチェックする」がそれぞれ半数以上
・「推し活」を周囲に共有している人は74.2%で、女性の方がその割合が高い結果に
・「推し活」で人生が「良い方向に変わった」人が63.7%。「悪い方向に変わった」人はわずか2.0%
■□ 調査結果概要 □■
■「推し」のジャンルは20代が「国内アイドル」、50代・60代は「ミュージシャン・バンド」が最多
「推し活」をしている人に「推し」のジャンルを聞いたところ、「国内のアイドル」(32.4%)と回答した人が最も多く、次いで「ミュージシャン・バンド」(24.9%)、「漫画・アニメのキャラクター」(18.1%)となった。
男女別でみると、女性は「国内のアイドル」(34.3%)、「ミュージシャン・バンド」(26.8%)、「K-POPアイドル」(17.2%)の順で多かった。男性は「国内のアイドル」(29.6%)に次いで「ミュージシャン・バンド」「スポーツ選手」(22.2%)という結果となった。
年代別でみると、20代の「国内のアイドル」(41.4%)と「漫画・アニメのキャラクター」(23.4%)は全体より5ポイント以上高く、50代・60代は「ミュージシャン・バンド」(50代 34.2%、60代 33.8%)が全体より約10ポイント高かった。また、60代では「俳優・女優・モデル・タレント」(27.7%)、「スポーツ選手」(26.2%)が全体より10ポイント以上高い一方、「漫画・アニメのキャラクター」(1.5%)が全体より16ポイント以上低かった。
■「推し活」で行っていることは「動画コンテンツを見る」「テレビ番組を見る」「SNSをチェックする」がそれぞれ半数以上
「推し活」として行っていることを聞いたところ、「動画コンテンツを見る」(68.8%)、「テレビ番組を見る」(61.4%)、「SNSをチェックする」(58.3%)が半数以上となった。
年代別でみると、20代は「グッズを購入する」(53.1%)、30代は「動画コンテンツを見る」(75.9%)、「SNSをチェックする」(64.5%)が全体と比較して5ポイント以上高かった。50代・60代は「テレビ番組を見る」(50代:67.8%、60代:68.5%)、「コンサート・ライブ(現地)に参加する」(50代:52.1%、60代:56.2%)が全体より5ポイント以上高い一方、「SNSをチェックする」(50代:52.7%、60代:45.4%)、「グッズを購入する」(50代:40.4%、60代:40.8%)は全体より5ポイント以上低い結果となり、若年層と中高年層の「推し活」で行うことが異なる傾向がみられた。
「推し」のジャンル別でみると、漫画・アニメ・ゲームのキャラクターでは「グッズを購入する」(漫画・アニメのキャラクター:68.0%、ゲームのキャラクター:69.2%)が全体に比べ20ポイント以上高い結果となった。
■「Tシャツ」以外のグッズ所持数は、男性よりも女性の方が多い結果に
グッズ購入者にそれぞれのグッズを所持する数を聞いたところ、「トレーディングカード・フォトカード」が平均25.2枚で最も多かった。
男女別でみると、「Tシャツ」以外のグッズ(「トレーディングカード・フォトカード」「缶バッジ」「クリアファイル」「キーホルダー」「タオル」「うちわ」「アクリルスタンド」「ぬいぐるみ」「ペンライト」)は女性の方が男性より所持数が多かった。
■「推し活」に使っている金額の中央値は、2022年以前・2023年ともに20,000~30,000円未満
「推し活」に使っている年間の金額を聞いたところ、コロナ禍の2020年~2022年では「5,000円未満」が21.8%で最も高く、「10,000~20,000円未満」(13.9%)、「5,000~10,000円未満」(12.2%)が続いた。また、2023年も「5,000円未満」(22.3%)が最も高かったが、次いで「5,000~10,000円未満」(14.2%)、「10,000~20,000円未満」(12.8%)という結果となった。
中央値(データを大きさの順に並べた時、中央に位置する値)はコロナ禍の2020年~2022年、2023年ともに「20,000~30,000円未満」であった。
■「推し活」を周囲に共有している人は74.2%で、女性の方がその割合が高い傾向に
「推し活」をしていることをオープンにしているか聞いたところ、「オープンにしている(隠していない)」は74.2%で、「推し活」を周囲に共有している人が多いことが分かった。
男女別でみると、「オープンにしている(隠していない)」と回答した人は女性で77.8%、男性で69.0%と8ポイント以上の差があり、女性の方が「推し活」をよりオープンにしていることが分かった。
年代別でみると、「オープンにしている(隠していない)」人は20~40代(20代:72.8%、30代:69.7%、40代:71.6%)が7割前後であるのに対し、50代・60代(50代:79.5%、60代:83.8%)は8割前後と中高年層の方が「推し活」をオープンにしている人が多かった。
「推し」のジャンル別でみると、「スポーツ選手」では「オープンにしている(隠していない)」が81.1%と高い一方、「VTuber・ボーカロイド」「ゲームのキャラクター」では「オープンにしていない(隠している)」(VTuber・ボーカロイド:36.8%、ゲームのキャラクター:35.9%)が3割半ばであった。
■コロナ禍をきっかけに「お笑い芸人」「K-POPアイドル」の「推し活」を開始した人は4割以上
コロナ禍をきっかけに「推し活」を始めたか聞いたところ、23.7%の人が「はい」と回答した。
年代別でみると、20代は31.8%がコロナ禍をきっかけに「推し活」を始めたが、60代では16.9%であった。
「推し」のジャンル別でみると、コロナ禍をきっかけに「推し活」を始めた人は、「お笑い芸人」「K-POPアイドル」が40%以上(お笑い芸人:42.9% 、K-POPアイドル:40.6%)という結果となった。
■「推し活」で人生が「良い方向に変わった」人が63.7%。「悪い方向に変わった」人はわずか2.0%
「推し活」で人生が変わったか聞いたところ、「良い方向に変わった」と回答した人は63.7%、「悪い方向に変わった」はわずか2.0%であった。
男女別でみると、「良い方向に変わった」(女性69.0%、男性55.9%)は、男性よりも女性が13ポイント以上高い結果となった。
「推し」のジャンル別でみると、「VTuber・ボーカロイド」(73.7%)、「国内のアイドル」(73.1%)、「K-POPアイドル」(72.9%)、「声優」(70.2%)は「良い方向に変わった」が7割以上だった。
■「推し活」で「気持ちが前向きになった」と答えた人は57.8%で最多
「推し活」を通して得られたことを聞いたところ、「気持ちが前向きになった」と回答した人が57.8%で最も多く、次いで「やるべきことへの活力を持つことができた」(34.4%)、「ストレスを感じることが減った」(31.9%)となった。
年代別でみると、60代で「気持ちが前向きになった」と答えた人は67.7%で、全体と比較して約10ポイント高かった。一方で、20代では49.8%と全体より8ポイント低かった。また20代で「外見に気をつかうようになった」と答えた人は24.7%で、全体より約10ポイント高い一方、50代・60代(50代:8.9%、60代:9.2%)は全体より約6ポイント低かった。
「推し」のジャンル別でみると、「声優」を推して「やるべきことへの活力を持つことができた」(45.2%)や、「お笑い芸人」では「ストレスを感じることが減った」(42.9%)、「人生の目標ができた」(33.9%)が全体と比較して10ポイント以上高かった。
■「推し活」の具体的なエピソードは、「家族の会話が増えた」「生きる希望をもらった」など
「推し活」の具体的なエピソードを聞いたところ、以下のような回答があった。
「推し活」が人間環境に与えた影響
・イベントに参加した際、隣に座った10代の子にペンライトを貸してもらい、年齢差を超えてとても仲良くなったのが嬉しかった(女性50代)
・挨拶をする程度だった会社の同僚が同じグループを推していると判明。一気に仲が深まり今では旅行したりお互いの家を行き来したりしている(女性20代)
・SNS上で国を越えてファン同士が団結して推しを応援している(女性40代)
・家族の会話が増えた(男性40代、女性50代など)
「推し活」を通じて体験・達成したこと
・推しのおかげで韓国語が理解できるようになった。初期に聴いていた曲を今聴き直すと、歌詞の意味が分かって感動する(女性30代)
・推し活のためにそれまで使ったことがなかったパソコンを勉強。一人で出かけたことがなかったのにコンサートのために遠くまで行けるようになった(女性60代)
・頑張ってツアーにすべて参加し、いろいろな地方で日本の食文化のすばらしさを知った(女性50代)
・人生で一度も運動部に在籍したことはないが、推しの曲を聞くことで20キロも走れるようになった(男性50代)
その他
・ファンのオタク的な行動を今では推し活という言葉で言い表し、評価されることが嬉しい(男性60代)
・コンサートでファンサービスを受け、生きる希望をもらった(女性40代)
・聖地で平日に食事をしていたら、客が全員同じ推しだった(男性30代)
(注)「推し活」とは、好きなグループ、人、キャラクターなどを応援する活動のことを指します。
より詳細な調査結果は以下よりご覧いただけます。
URL: https://insight.rakuten.co.jp/report/20231122/
【調査概要】
調査エリア: 全国
調査対象者: 20歳~69歳 男女 推し活をしている人
回収サンプルサイズ: 1,000サンプルサイズ
調査期間: 2023年10月5日(木)
調査実施機関: 楽天インサイト株式会社
※本レポートでは小数点第2位以下を四捨五入しているため、合計値は必ずしも100%とならない場合があります。
以 上