7月19日、ライブプラットフォームSPWNにて、バーチャルユニットフェス「VILLS」(ビルス)が開催された。もともと3月にリアルの会場にて予定していたイベントだったが、新型コロナウィルスの影響で無期限延期となり、今回オンラインライブの形で復活した。「ナゴヤVTuberまつり」の制作で知られる中京テレビ/CTV MID ENJIN/アイデアクラウドが立ち上げたXRエンターテインメント、日本テレビ、「BS日テレ」のBS日本という強力な企業が主催する点でも大きな注目を集めていた。
出演したVTuberやバーチャルシンガーは総勢26名。前半がバラエティステージ、後半が音楽ステージに分かれており、5時間にわたる豪華な饗宴だった。早速、レポートをお送りしよう。
ボヤッキーが電撃を受け続け、笑いを誘ったバラエティステージ
バラエティステージは、各ユニットから1人ずつ出場し、クイズや演技の対決をしていくという内容だった。
とにかく個性が強い出場者から飛び出す珍回答に、コメント欄は大盛り上がり。要所要所で罰ゲームの電流を受けてリアクションを取るアニメ「ヤッターマン」発のVTuber・ボヤッキーさんにも、笑いと称賛の声が上がる。そんなカオスな状況でもノリを崩さずに司会進行を担う中京テレビのVTuberアナウンサー・大蔦エルさんの活躍も見事だった。
●ユニット対決①学力テスト インテリVTuberは誰だ!?
出演者は、「アイドル部」のもこ田めめめさん、「日本烈島」のせんのいのりさん、「にじさんじ」内「ゆめぱんだ」の夢月ロアさん、「まりなす(仮)」の音葉なほさん。
野口英世についての出題で、彼の出身地である福島のご当地VTuber・せんのいのりさんが自信満々に回答していたのが印象に残っている。正解でも間違っていても、それぞれの性格がよく現れていた回答だった。
結果はせんのいのりさんと夢月ロアさんが同率1位だったのだが、ボヤッキーに電流を浴びせイベント的に「おいしく」したということで夢月ロアさんが優勝に。
最下位は、こちらも同率でもこ田めめめさんと音葉なほさんの2人だったが、「まりなす(仮)」が所属するavexのスタッフが顔を曇らせるほどの珍回答をしたということで、音葉さんが最下位に。罰ゲームとして「ごめんなちゃい、ゆるしてぴょん!」というキャラに合わない言葉を言わされて、場を大いに盛り上げていた。
●ユニット対決②演技力バトル 嘘のリアクションを見抜け!
登場したのは電脳少女シロさん、「日本烈島」の舞鶴よかとさんさん、「ゆめぱんだ」の笹木咲さん、「まりなす(仮)」の燈舞りんさん。4人のうち1人が回答者となり、他の3人のうち嘘のリアクションをしている1人を当てるというクイズだ。
お題である激辛ラーメンを実際には食べていなかったが、電脳少女シロさんに見抜かれなかった舞鶴よかとさん。その声量の大きさに出場者も視聴者も圧倒され続けた。
笹木咲さんは二回連続で嘘を見抜かれてしまったため、演技ではなく本当に足つぼマットを歩くことに。確かにリアルで痛そうな声を上げていた。
このコーナーで勝利したのは舞鶴よかとさん。「ニッポンを背負っているので負けるわけにはいかなかった」と語っていた。
●ユニット対決③ガチ恋距離! シチュエーションボイス対決
出演者は、「アイドル部」のヤマトイオリさん、「日本烈島」の根間ういさん、「ゆめぱんだ」の笹木咲さん、「まりなす(仮)」の鈴鳴すばるさん。ボヤッキー演じる架空のイケメン・ボヤオ君相手に、恋愛ゲームに出てきそうなシチュエーションの演技で対決した。
甘いシチュエーションが見られるのかと思いきや、ヤマトイオリさんが発した「クリームチーズの醤油漬け」というキーワードが場を支配してしまい、「醤油」にまつわるオチが付き続ける謎の展開に。
毎回、聞き慣れない人には意味が分からない沖縄方言が飛び出す根間ういさんも目立っていた。
最終的には最初に「醤油」の空気をつくったヤマトイオリさんが勝利した
●ユニット対決④最終決戦!! 抜き打ち!ユニット愛チェック
ラストは、「日本烈島」のリーダーとして今まで司会を務めていた大蔦エルさんが回答者として参戦。電脳少女シロさん、「ゆめぱんだ」の夢月ロアさん、「まりなす(仮)」の奏天まひろさんと対決した。
ボヤッキー単独の司会で進行するユニット愛を試すクイズコーナー。非常にマニアックな出題が続くが、それぞれが自分のユニットに関わる問題についてはかなりの正答率で、確かなユニット愛を見せつけてくれた。
勝利したのは、最初から「まりなす(仮)」愛への自信を見せ、自ユニットの問題に見事全問正解した奏天まひろさん。
こうして4つのコーナーを経て、最終的なポイント合計で「にじさんじ」の笹木咲と夢月ロアによるユニット「ゆめぱんだ」の優勝が決まった。
ちなみに、バラエティステージの転換のタイミングには、大蔦エルさんがキズナアイさんにインタビューしたVTRを放送していた。
2時間ノンストップ! 怒濤の音楽ステージ
後半の開幕は、9人が所属する「Palette Project」内で、暁月クララさん、遠坂ユラさん、常磐カナメさん、雨ヶ崎笑虹さん、江波キョウカさんの5人で結成したスペシャルユニット。歌だけでなくアイドルらしいダンスでも視聴者を魅了した。
2番手は「KoNoITO」。今回のイベントの協賛にも名を連ねるWright Flyer Live Entertainmentが展開する「REALITY」のイベントで選出した特別ユニットだ。ゲーム情報メディア「INSIDE」の公式VTuberとして、普段は司会の活躍も多い「インサイドちゃんMark1」さんと、すでにオリジナル曲を複数リリースしているがライブは初めてという式部めぐりさんの二人組。
3番手の「まりなす(仮)」は、avexプロデュースらしいダンサブルナンバーをハイレベルなダンスと共に披露してくれた。メンバーは奏天まひろさん、燈舞りんさん、音葉なほさん、鈴鳴すばるさんの4名。
まりなす公式からは、終了後にこんなツイートもあった。
4番手は羽呂真さんとボヤッキーさん。いつもはヤッターマンチャンネルでカミナリアイさんを相棒に活動しているボヤッキーさんだが、今回は協賛社でもあるガス器具メーカー・パロマの公式VTuber・羽呂真さんと組んで登場した。
公式プロフィールの特技欄に「カラオケで高得点を出すこと」とある羽呂真さんの歌唱力と、ボヤッキーさんによる魅惑の低音ボイスで、今回のイベント唯一の男声ボーカルパートを輝かせた。
5番手は「日本烈島」。福島のせんのいのりさん、愛知の大蔦エルさん、福岡の舞鶴よかとさん、沖縄の根間ういさんという、全国のご当地VTuber4名で結成したアイドルユニットだ。日本烈島としては2回目のライブになるが、ラップから正統派アイドルソングまで、息の合った迫力のあるパフォーマンスを見せた。
6番手は、IAさん・ONEさん。バーチャルシンガーとしての活動歴が長い彼女たちも「VTuberさんのフェスに呼んでもらうのは初めてなんです」と喜びながら、名曲の数々をメドレー形式で歌い上げた。
7番手は「miComet」。「ホロライブ」のさくらみこさん、星街すいせいさんによる今回のために結成したスペシャルユニットだ。今年1月24日に開催した「hololive 1st fes. ノンストップ・ストーリー」の衣装で登場し、ファンにライブを強く意識させた。3曲ともオリジナル曲で、この2人で一緒に歌うのは初めてとのこと。
音楽ステージのラストは、電脳少女シロさんと「アイドル部」のもこ田めめめさん、ヤマトイオリさん。同じ「.LIVE」(どっとらいぶ)に所属する3人だ。
「ようこそジャパリパークへ」では、終盤のコーラス部分をあえて「ららららーららららーWelcom to the VILLSへー」と歌詞を変え、音楽ステージ出演者が全員手を振る粋な演出で締められた。
エンディングのスタッフロールでは、支援者の名前も掲載していたのが印象的だった。ファンも一緒になって作り上げたイベントとして、たくさんの絶賛のコメントと共に幕を下ろしていた。
(TEXT by Yuichi Matsushita)
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