多くの人に愛される「東雲めぐ」の活動に区切り 活動をデビューから振り返り(本人・関係者コメントあり)

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11月8日、東雲めぐが「私自身の「東雲めぐ」としての活動」が来年2026年9月21日の契約期間満了に伴い終了すると発表した。

東雲めぐといえば、VTuberの中では古参といえる2018年3月にデビュー、現在ではYouTubeをメインの活動場所にしているが、デビュー自体はSHOWROOMとエクシヴィ、Gugenka(当時はシーエスレポーターズ)による共同プロジェクトとして始まったことから、SHOWROOMにて配信していた。

エクシヴィ開発の「AniCast」を用いた配信は今見ても比類なき表現力があるものの、彼女のデビューより後にVTuber配信の主流がLive2Dになるなど、時代を先取りしていたVTuberだと言えるだろう。

それだけに、多くのユーザーやVTuberに影響を与えており、「お知らせ」を投稿したXのポストには、リプライや引用でたくさんのコメントが寄せられた。

少し引っかかる表現だったが、続く配信にて「中の人としての話も含まれますので、苦手な方は見ないでください」と前置きしたうえで「私による「東雲めぐ」としての活動は終わりますが、「東雲めぐ」ちゃん自体は続きますので、私が辞めてからの発表を待っていてください。そして、これからも「東雲めぐ」ちゃんを応援してもらえたら嬉しいです」と、後を引く想いを涙ながらに告白した。

東雲めぐは2018年3月のデビュー後、2021年9月にフリーランスへと転身(関連記事)。そして2026年9月に終了という形になる。配信の中で、ファン、元所属していたGugenkaへの感謝とともに、特にフリーランスになってから関わった「コラボカフェに誘ってくれたトドちゃんや秋葉原和堂さん」「防災グッズを一緒に作ってくださったグミ協会の武者さん」「AniCastを無償で貸すよって契約書をポン!って渡してくださったGOROmanさんやエクシヴィのみなさん」「ぬいぐるみやコラボ酒を実現してくださったアウリンのこまがたさん、クロエさん」に対し、特別な感謝を述べた。

配信の段階では、Gugenkaが所有するIPとしての「東雲めぐ」が来年の契約更新後にどのように運用されるのかは不明だったが、10日に改めて東雲めぐより今後、別の方が担当するような展開はない旨が発信された。

今年の9月21日に新3Dモデルを発表したばかりで、ファンにとっては驚きの展開だったが、彼女本人にとっても「東雲めぐとして活動を続けたかった」と悔しさをにじませる様子から、想定外の出来事だったに違いない。

Gugenkaのバーチャルタレント事業中止に伴いフリーランスになったが、ほぼ全ての権利はGugenkaによって許諾されていたものの、「東雲めぐ」の権利自体はGugenkaが保持するものだったという。事務所所属でなくなった後も、モデルや名前を継続して利用できる例はどちらかといえば珍しい部類。それだけに、両者は良好な関係に見えたが、悲しい行き違いがあったようだ。

また、2026年9月21日にはすべてのアカウントを返還する必要があるとのことで、それよりも早い段階で現在の活動は終わるかもしれないと語っていた。それがいつになるのかは不明だが、その日まで、できるだけ長く彼女の笑顔を見守っていたい。

ここからは、「東雲めぐ」のこれまでを振りかえるとともに、この記事を書くにあたり 、エクシヴィの方々、トドちゃん、そして東雲めぐご本人からの一言いただいたので、ぜひご覧いただきたい。


2018年3月1日、SHOWROOMにてデビュー。AniCastの衝撃

繰り返しになるが東雲めぐは、ライブ配信プラットフォーム「SHOWROOM」初のバーチャル枠の配信者としてデビューした。これは、SHOWROOM、Gugenka(当時はシーエスレポーターズ)、エクシヴィ三社合同のプロジェクトとして、エクシヴィが開発したシステム「AniCast」を採用したVTuberという形式だ。システム開発をOculus Japanチーム設立に関わったGOROman氏率いる会社が手掛けたとあって、業界内からの注目も集まっていたからか、名だたる会社関係者や有名エンジニアがリスナーとして配信に参加していた。

そんな東雲めぐの配信では、ギフトを配信者に送れるSHOWROOMの特性を活かし、ユーザーが送ったギフトが東雲めぐの画面内に3Dモデルとして降ってきて、彼女がそれを掴んで積み重ねたりする様子が画期的だった。

東雲めぐが初のバーチャル枠として活動してからは、数多くのVTuberがデビュー。九条林檎や結目ユイらが誕生した、いわゆる「バーチャル蠱毒」もSHOWROOMで行われたオーディションだった。少なくとも、SHOWROOMにおけるVTuberの先駆者であったことは事実だ。

エクシヴィより、AniCastの開発者であるMuRo、元副社長のダーダダ・ジェット・ブランコ、元社長のGOROmanに対して今回の発表を受けて今後の東雲めぐへのコメントを求めたところ、以下の様な言葉が帰ってきた。

MuRo「英断!長い間おつかれさま。枷をなくした新たな旅立ちと今後の活躍を楽しみしてます!」

ダーダダ・ジェット・ブランコ「思い立ったが吉日!!」

GOROman「乙〜」

彼らは東雲めぐがフリーランスとなった以降も、AniCastの使用許可や、サポートや相談を受けるなど、関係を継続してきたという。会社自体はなくなってしまったにも関わらず、いまだに関わりがあるのは彼女の人徳かもしれない。


2018年9月、「VTuber」として活動開始 VRChatも積極活用

SHOWROOMからデビューした東雲めぐは、デビューからはしばらく「自分はVTuberではない」という引け目を感じさせる発言があったが、2018年9月に始まったVTuberオーディション番組「バージョンドット」にて、Gugenkaのアバターサービス「MakeAvatar」を用いたモデルで参加。第一回目の配信では「バーチャルYouTuberの方と話すのは初めての事なので緊張しています」と話すなど、まだ「VTuber」という呼び名が定着していなかった時代から活動している古参ならではの歴史を感じる。

これを皮切りに、VRChat上のイベントへの出演を通じたYouTubeでの活動をする傍ら、オムニセブンのキャンペーン映画「レディ・プレイヤー1」公式応援アンバサダーといったファン参加型のイベント等の活動を数多く行ってきた。現在ではVTuberによる企業とのコラボや、VRChat活用の事例も珍しくはないが、2018、2019年の東雲めぐとGugenkaは、その礎を築いていたといえるだろう。

前述の通り、バージョンドットの公式キャラクターを務めていたトドちゃんとの交流は現在も続き、独立後の2022年には、コラボカフェの開催場所を紹介される間柄に。そのトドちゃんに、彼女へのコメントを伺ったところ、以下のメッセージがきた。

「人生は選択の連続!未来の君に幸あれ」


2021年9月、Gugenkaから独立 以後はフリーとして活動

フリーランスとなってからもイベント出演を重ねつつ、事務所所属時代にはできなかったコラボ配信や24時間配信など、自由に活動。2022年に20歳の誕生日を迎えてからは飲酒配信や、コラボのお酒を販売するなど、未成年時代にできなかった活動をしたり、2023年には周年ライブのパブリックビューイングを行うなど、フリーになっても精力的な活動を行っていた。

2018年3月のデビュー時は15歳の中学三年生だった彼女は、活動年月日とともに高校生になり、その高校も卒業。19歳で独立し、成人を迎え、自分でイベントを開催したり、楽曲やMVも依頼して発表。3Dモデルもお披露目したばかりだった。すべてのVTuberが活動の月日と共に年齢を積み重ねるわけではない中で、ファンにとっては、自分の人生やライフイベントと彼女の成長を重ね合わせることになってきた。それが、単なる卒業とも違う結末を迎えようとしていて、まだ心の整理がつかない方もいるだろう。

しかし、その活動を通じて、彼女が時代の先端にいたこと。現在もAniCastが特筆すべき表現を持っていること。そして、多くの人に愛されてここまで活動してきた事を記事として残したい。

最後に、東雲めぐご本人からコメントをいただいた。今回のニュースを見て驚いているファンも、久しぶりに東雲めぐの名前を見たVTuberを追っているフォロワーも、ぜひ読んで欲しい。

「長い間応援してくれて、本当にありがとう。
活動の形が変わるたびに驚かせてしまったり、不安にさせてしまったこともあったと思います。
それでもいつも優しくそばにいてくれたこと、見守ってくれていたこと、心から感謝しています。
最後まで笑顔で、みんなと大切な時間を過ごしたいです!沢山素敵な思い出をつくろうね♪」


(TEXT by ササニシキ


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