古典大好き、にじさんじの栞葉るりが「超かぐや姫!」と元ネタの古典をテーマにオタク語り

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『超かぐや姫!』の元ネタになっているであろう古典作品を好きなだけ語って悦に入る配信

大ヒット中のアニメ「超かぐや姫!」

2025年11月5日に公式SNS(XYouTubeTikTokInstagramニコニコ動画が稼働し、特報が公開された時点でもアニメファン、ボカロファンを中心に話題となってはいたが、その後、歌ってみた動画などの新コンテンツや、作品に関する新情報が発表される度に人気が拡大。そして、2026年1月22日(木)Netflixでの世界独占配信が始まると、XなどのSNSで絶賛の声が相次ぎ、急遽、全国27館での一週間限定劇場公開が決定した。さらに連日の満席によって期間延長&劇場追加と、一社限定独占配信の長編アニメとしては異例の快進撃が続いている。その人気ぶりに加え、VTuberと親和性の高い物語ということもあってか、人気VTuberによる同時視聴配信も連日実施。まだまだファンは増加中だ。

『超かぐや姫!』本予告映像| 2026年1月22日(木) Netflixにて世界独占配信

そんなムーブメントの中、同時視聴配信でも感想配信でもなく、自身の知識と趣味を活かした企画「『超かぐや姫!』の元ネタになっているであろう古典作品を好きなだけ語って悦に入る配信」を行ったのが、にじさんじ古典大好きVTuber栞葉るりさん。「超かぐや姫!」を視聴後、周りに「超かぐや姫!」を勧めまくる妖怪になっているそうだ。

「栞葉るりのゆるゆる文学教室」の配信や、ショート動画「1分古典」シリーズの投稿、さらに、著書の「ゆるゆる古典教室 オタクは実質、平安貴族」などで、古典の魅力を楽しく分かりやすく紹介してきた栞葉さんが、知っていれば「超かぐや姫!」をさらに楽しむことができる古典の小ネタを解説。「超かぐや姫!」視聴済みの人に向けて、「竹取物語」「浦島太郎」「玉水物語」などを題材に、「流行りに乗っかって、自分の好きなものについて早口で喋るっていうオタク仕草を好きなだけして良い配信」(本人談)を行った。

『超かぐや姫!』の元ネタになっているであろう古典作品を好きなだけ語って悦に入る配信

*この記事では「超かぐや姫!」の映画本編及び小説版、ファンブック内容の致命的なネタバレを含みます。ご了承の上お読みください。


車持皇子が 「車いっぱい持ちおじさん^_^」に!

配信の冒頭、古典が好きなだけで専門家ではないので、配信中に語った内容が間違っている場合もあることや、「超かぐや姫!」本編やノベライズに関する致命的なネタバレが含まれることなどの注意喚起をした後、まずはタイトルだけでも元ネタであることが一目瞭然な「竹取物語」の紹介が始まった。

栞葉さんの古典企画の時には毎回、表示される注意喚起画面。「インターネットを信じるな!」

「竹取物語」の成立過程や特徴などを語りながら、「超かぐや姫!」と関わりのあるネタも解説。「超かぐや姫!」で主人公のかぐやに求婚するため、もう一人の主人公の酒寄彩葉に格闘ゲームで挑む5人のキャラクターのアカウント名は、「竹取物語」でかぐや姫に求婚する5人の皇子(石作皇子、車持皇子、大納言大伴御行、右大臣阿倍御主人、中納言石上麿足)がモチーフになっているそうだ。

配信終了後、「超かぐや姫!」を一時停止しながらアカウント名を調べてみると、「金作皇子 【詳細はプロフへ】」「車いっぱい持ちおじさん^_^」「大きなお伴だち|FX/CFD」「阿倍野みう氏」「まろたり@DK2」となっていた。仕込む側も、見つける側も細かい!

テロップも使いながら「竹取物語」の特徴と「超かぐや姫!」との関係性を紹介

また、筆者もなんとなく良いイメージを持っていなかった「竹取物語」の帝は、「当時の価値観に照らし合わせたら、相当にいい男」であることを具体例と共に解説。その魅力は、彩葉の兄でカリスマプロゲーマーの帝アキラのキャラクターに反映されていることも語られた。

「超かぐや姫!」に直接関係ない話題だが、「竹取物語」が成立したとされている平安時代以降、帝が美女に振られる話が大量に誕生しており、きっと、それだけ「竹取物語」が人気だったのだろうという推論も紹介。後で誰かに話したくなる豆知識がどんどん増えていく。


栞葉さんの推論が次々に的中!

次に元ネタとして紹介されたのは「浦島太郎」。興味深いエピソードは数多く語られたが、特に驚いたのは、竜宮城から地上に帰って来た浦島太郎が玉手箱を開けると、おじいさんになってしまうというオチが定着したのは、明治時代以降ということ。それ以前は、玉手箱を開けると鶴になり、亀になっていた乙姫と結ばれるなど、浦島太郎と乙姫が同等の存在になり結ばれてハッピーエンドのパターンが多かったそうだ。バッドエンドに変わった理由も含めて面白い話だった。また、バッドエンドをハッピーエンドに変えるという「超かぐや姫!」のメインストーリーとの関連性も感じたという栞葉さんの考察も深い。

ハッピーエンドがバッドエンドに変わった「浦島太郎」

室町時代の末~江戸時代の初期に成立した御伽草子「玉水物語」も元ネタとして解説。「竹取物語」や「浦島太郎」ほど明確に物語に組み込まれているとは思っていないが、かぐやと彩葉の関係性に「玉水物語」と重なる部分もあると感じているそうだ。

「玉水物語」の主人公はキツネだが、彩葉が使用しているアバターもキツネがモチーフになっている。

さらに、古典以外にも作中に散りばめられた日本史ネタも紹介。実は8000年の時を生きていた月見ヤチヨ(=カグヤ)の記憶を彩葉が見たシーンに登場しているのが、神功皇后、藤原敦忠、淀殿(茶々)かもしれないという考察をその理由と共に語った。しかし、栞葉さんは知らなかったのだが、実はNetflixの配信で日本語字幕を表示すると、キャラクターの名前が表示。その仕様を知っていたリスナーたちが、栞葉さんの予想は全員正解だったことを教えると、コメント欄では称賛のコメントが数多く見られた。

同じく、タケノコ型の宇宙船がどこかの倉に収められていたシーンでは、「これは何を見ても絶対に答え合わせできないと思うんだけど……」という前置きの後、「あれは、たぶん正倉院だと思う」と予想を発表。すると、「小説(ノベライズ)に正倉院って書いてたよ」というコメントが次々に投稿されていく。字幕や小説の記述に気づかないおっちょこちょいさと、少ないヒントと豊富な知識や想像力を組み合わせて正解を導き出す聡明さという栞葉さんの二つの魅力が同時に披露されるという面白い展開だった。ちなみに、正倉院に関する記述の他にも、アニメを観るだけでは分からないさまざまな情報が記されている小説は、アニメが面白いと思った人ならば、絶対に読んだ方が良さそうだ。この配信でも少し触れていたが、あの二人がまさか……。

小ネタに関する予想は、全問正解。

その他にも、仮想空間「ツクヨミ」に数多くある橋と川が、古典では「こちら」と「あちら」を分ける重要なメタファーでもあることなど、この記事で紹介した以外にも「超かぐや姫!」がさらに面白くなるネタが満載だった栞葉さんのオタク仕草配信。栞葉さんの配信を観たことが無い人でも、「超かぐや姫!」を面白いと思った人なら、確実に楽しめるはずだ。筆者は、すでに「超かぐや姫!」を3周以上はしているが、この配信で得た知識を思い出しながらさらにリピート視聴の予定。そして、毎年秋にあるという「正倉院展」にも興味津々だ。

(TEXT by Daisuke Marumoto


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超かぐや姫!(公式サイト)