LE SSERAFIM、VRコンサート「LE SSERAFIM VR CONCERT:INVITATION」体験記 最前列より近くへ、自分だけのコンサートを楽しむ

LINEで送る
Pocket

世界中で活躍する5人組グループであるLE SSERAFIMが、初のVRコンサートツアー「LE SSERAFIM VR CONCERT:INVITATION」を開催した。

日本・韓国・米国・台湾など主要な国と地域で同時上映がスタートし、日本では東京・大阪の2都市で実施する。

HYBE JAPANでは、2024年からTOMORROW X TOGETHERとENHYPENの男性グループ2組でVRヘッドセットを使ったVRコンサートを展開してきており、各グループのファンからは非常に好意的な反応が寄せられていた。

今回はHYBE MUSIC GROUPの女性アーティストとしても初となるVRコンサートプロジェクトとなるが、開催前の同月14日に東京の109 シネマズプレミアム新宿で開催されたプレミアム先行上映会にPANORAも参加した。
熱狂的なルセラファンたちとともに、このVRコンサートがどのような内容であるかを体験させていただいた。

記事の性質上、内容の一部をネタバレするような記述が含まれているので、この後をお読みになる読者は気をつけていただきたい。

客席の最前列? いやいや、もはやメンバーのすぐ横で、その勇姿をその場にいながらビジュアルとして楽しめる、非常に臨場感・没入感に溢れた内容となっている。


コンサート開始前に、しっかりと準備を

「LE SSERAFIM VR CONCERT:INVITATION」の開催会場は、東京の109 シネマズプレミアム新宿と大阪のT・ジョイ梅田の2会場のみである。

今回の先行上映会は東京の109 シネマズプレミアム新宿で行われた。本館は2023年4月オープンで、一般的な映画館とは違い、専用ラウンジと上質なフードにくわえ、音楽家・坂本龍一が監修および設計した音響システムを備えているというプレミアムな体験ができる仕上がりだ。

とはいえ、今回は通常の映画ではなく、VRヘッドセットを使用した3D映像を楽しむことになる。

ふかふかなシートの脇にあるアームレストの下に、今回使用するVRヘッドセットが置かれている。

開演直前になると、初めて体験する方々向けにスクリーンでVRヘッドセットの使い方およびセッティングについて説明する映像が流れた。場内には10人ほどのスタッフが配置され、何か困った場合にサポートする体制が整っていた。

Meta社の「Meta Quest 3」である。調べてみると、昨年開催されたENHYPENのVRコンサートでも利用されていたようだ。先行機種であったMeta Quest 2と比べて映像の美しさが圧倒的に向上し、2023年10月の発売当初は大いに話題を呼んだ製品である。解像度が向上したため、映像に映る文字がハッキリと映り、映像もラグなどなくスムーズに表示される。

発売からあと少しで3年に達しようとしているわけで、その後に発売されたさまざまなVRヘッドセットに比べればやや劣る部分もあるが、今でも十分にその良さを発揮できると思われる。

しっかりとヘッドセットを装着し、画面に自身の手を認証する。VRゴーグルに慣れていない人であれば、少し重みを感じる方もいそうだが、少しだけ上を向いてグッと締めることで、落ちたりズレたりしないように楽しむことができるだろう。

画面上にメンバー5人、KAZUHA、SAKURA、KIM CHAEWON、HUH YUNJIN、HONG EUNCHAEが表示され、その中から1人を選ぶシーンがある。ここで1人を選び、コンサートの開始までじっと待つことになる。ちなみに筆者はSAKURAを選んだ。


目の前に広がる、“自分だけのコンサート”の世界

カウントダウンからVRコンサートがスタートすると、映像はまずエレベーターへと移る。そのまま扉が開くと、LE SSERAFIMのメンバー5人がエレベーターの中へと入ってきて、なんと同乗することになる。いきなりの登場に「おおお……!」という声が漏れ聞こえるが、何より驚かされたのはその“近さ”によるところが大きい。

そのままとある階へと到着すると、映像はシーンが転換し、キッチンへと移る。洋風なキッチンには袋詰めのスナックやまな板などがあるが、目の前には”SPAGHETTI”の箱が置かれている。すると、頭上から巨大な手が現れ、その箱をもちあげると、座ってポージングしている5人が登場する。そこから最新アルバムのタイトル曲「SPAGHETTI」がスタートし、コンサートが本格的に幕を開けるのだ。

このVRコンサートでは、コンサート公演を映画館で見るときと同じく応援や声援を発しても問題なく、曲中のコールももちろん大丈夫である。だが参加したファンからコールがあがるが、その数はそれほど多くはないように見えた。

その理由は単純明快である。あまりにもメンバーが近いのだ。

コンサート体験中のファンの姿

客席の最前列ではなく、すぐ目の前、肘から手先までの距離にメンバーがいるという距離感でコンサートを楽しむのが、このVRコンサートなのである。

等身大レベルの身長で、ちょうどメンバーの目線と同じ高さに自分の視点が合うため、人によっては目をどこにやればよいのか迷うファンも出てきそうである。

そのため、真正面にいるメンバーからの視線を避けるように右か左へ目を向けると、両側を固めるほか4人のメンバーの視線もこちらに向いているという状況になる。

メンバー5人が完全に「自分に視線を集めたままパフォーマンス」しているのであり、その視線が外れることはほとんどない。

「SPAGHETTI」を歌い終えると、場所は路地裏へと移り、「Chasing Lightning」「CRAZY」などを披露したかと思うと、アメリカやヨーロッパを思わせる街角や道路へと移動してパフォーマンスし、物々しい通路を通ってから開けた場所で再び1曲を披露する。

そこから宇宙空間へと飛び出したかと思うと、凶悪なベースサウンドとキックサウンドが効いた楽曲を披露し、その後サイバー空間へと移ったところで「Perfect Night」を披露した。

約60分間に10曲を披露し、このVRコンサートは幕を下ろした。


映像と音響が生み出す、異次元の没入感

メンバーと目を合わせ続けていると心臓に悪いと思ったならば、上下左右や、あるいはその後ろの背景へと目を向けてみてもよいだろう。

そのクオリティーの高さは、驚かされるほどで、しっかりした空間および光景として構築されている。次々と場所・空間・光景が変わる中でも、ラグやノイズじみたものはほとんど見られない。

自身の両肩よりも前方に空間が構築されており、手を伸ばすと自分の手が3Dとして表示される。ちなみに109 シネマズプレミアム新宿では前の席との距離も十分に確保されているため、女性であれば思い切って腕を伸ばしても問題はないであろう。この点は、やや注意しておいてもよいかもしれない。

おもわず手を伸ばし、色々と確かめたくなる。VR体験としてもおもしろい

観客によっては、近づいているメンバーの頭や肩を”なでなで”してみるのもいいかもしれない。それくらいに近い距離感で彼女らはパフォーマンスし、MCをしているのだ。

再度メンバー5人に目を向けてみると、彼女たちの美麗さや可憐さがVRとしてしっかりと再現されている。彼女ら5人の衣装はもとより、革やデニムなどの生地をあしらった衣装を次々と変えながらパフォーマンスしていたが、その質感もしっかり再現されているように見えた。

イヤモニも曲ごとに変更していることがはっきりと確認できる上に、目をじっと見ていると……瞳にカメラが映っているように、映りそうで映らない程度の質感で描写されている。

HONG EUNCHAE

個人的におどろいたのは、曲ごとにヘアースタイルが変わり、ショートヘアーやロングヘアーなど、それぞれかわるメンバーがいることだ。その髪の毛の束感や艷やかさも損なうことなく、きれいに描写されていた点である。

髪の毛一本一本がふわっと浮かんで落ちていくという表現は、ゲームであれ映画であれアニメであれ、非常に難しい表現であるが、このVRコンサートではかなり自然なものとして見ることができた。

KIM CHAEWON

その表現はコンサートパフォーマンス、特にダンスパートにもしっかりと対応している。スピード感を出したところには微々たる違和感が残る気もするが、ストップ&ゴーを活かしたダンスでは、実際のコンサートで見るキレの良さを、このコンサートならではの近さで楽しむことができ、臨場感はたっぷりである。

さきほども書いたが、このVRコンサートでは歓声などをあげても問題がないのだが、あまりの臨場感や距離感、再現性の高さから、コンサートを見ている興奮というよりも、根源的な「とんでもないものを見ている!」という驚きに近い声が多数聞こえてくる。

HUH YUNJIN

開始から10分ほどで「エグい!」「ヤバイ!」「近い!」といった声のほかに、「すげぇ……」と感嘆する声も漏れ聞こえてきた。それでいて終盤に向かうにつれて、あまりの凄さに歓声はおろか言葉を失い、ただ“見て楽しむ”という観客もいたようである。

見終わったあとの空気感は、コンサートを見終えたあとの興奮というよりも、素晴らしい映像作品を観て感動したといった趣きが強く、映画館内のラウンジでは、この作品がいかに凄かったかを語り合うファンの姿が多く見られた。

SAKURA

ちなみに、右手・左手でVR上でペンライトを持って振って楽しんだり、両手でハートマークを作ることでハートをメンバーに贈ることもできる。

右手で握れば右手にペンライトが現れ、左手で握れば左手に現れるわけではなく、右手から左手へ持ちかえるという動作をすると、左手にペンライトが現れる仕組みである。こういったところは、現実をバーチャル化(仮想・拡張)する一面として表現されている。

実はこのアクションは、コンサート中に必要になる場面があるため、この記事を読んでいる方は、事前にしっかりとできるようになっておくといいだろう。

ハートマークは両手でしっかりと

また、コンサート開始時にメンバーを1人選んだが、後ほどコンサート中にしばしば自分とメンバーが1対1のような形になる時間があり、そのときに最初に選んだメンバーと対面するという内容になっている。同じメンバーと何度も会いたくなったり、全メンバーと会いたくなったりするファンもいそうだ。

映像の美しさばかりを書いてしまったが、音響も素晴らしく、非常に高い臨場感と、異質なまでの没入感をもたらしてくれるVRコンサートとなっていると感じた。

筆者はVTuberやバーチャルタレントのコンサートや取材、音楽アーティストのコンサートやレビューを書くことが多いが、「こういった形式のコンサートが、もっと広まったとしたら、ひとつのライブ・コンサートの形として受容されるのではないか?」などと、素直に感じてしまった。

なにはともあれ、これは一般的な音楽コンサートとはまったく違う、VR表現を使った新しい映像作品・表現である。 LE SSERAFIMのファンはこの体験を絶対に逃すべきではないだろう。

ちなみに、横浜ビブレ内「ツリービレッジ横浜店」特設スペースにて、本編の一部パフォーマンスを約30秒ほど試せる特別ブースが展開されている。4月11日から27日までの間、料金無料(!)で体験可能ということで東京・関東都心で気になる人はこちらに足を運んでも良いかもしれない

KAZUHA

「LE SSERAFIM VR CONCERT:INVITATION」概要

●上映スケジュール・劇場情報
・4月15日(水)~5月14日(木)東京 @ 109シネマズプレミアム新宿
・4月15日(水)~5月7日(木)大阪 @ T・ジョイ梅田
*上映スケジュールは各劇場のサイトより確認
*詳細は公式サイトで閲覧可能

●チケット料金(全て税込)
・東京 109シネマズプレミアム新宿:5000円(AfterWork招待券は4500円)
・大阪 T・ジョイ梅田:4400円(AfterWork招待券は3850円)

●販売期間
・3月18日(水)18:00~各劇場上映終了まで
*「FEARNOTチケット」は、3月18日(水)18:00~4月19日(日)各劇場上映終了まで(予定枚数無くなり次第販売終了)


(C) HYBE JAPAN
(P)&(C) SOURCE MUSIC


●関連リンク