
2026年5月16日(土)に結成8周年記念ライブ「enogu 8th Anniversary Live 決戦前夜」の開催を控えているVRアイドルえのぐ(鈴木あんずさん、白藤環さん、日向奈央さん)が、5月10日(日)の19時から自身の公式YouTubeチャンネルで「今後の活動に関する大切なお知らせ」と題した生放送を実施。
多くの注目が集まる中、3人による自己マネジメントのため2024年1月に設立された「えのぐ合同会社」から、株式会社VEXZ(バーチャル・エイベックスから商号を変更)がプロデュースするVTuberプロダクション「AceeeZ」へ電撃移籍することを発表した。
この大型移籍によって、2018年3月から活動を続けてきたえのぐと、2018年12月から活動を続けているまりなす(燈舞りんさん、鈴鳴すばるさん)という歌とダンスで魅せるバーチャルアーティスト界のビッグネームが同じ事務所の所属となることに。配信の中では、コンピレーションアルバムの制作や、ツーマンライブ開催決定なども発表された。
前回の生放送では、配信スタジオ喪失を発表
4月30日(木)にも「配信スタジオ喪失に伴う、今後の活動に関する重要なお知らせ」と題した生放送を行ったえのぐ。事前に公式Xでも公開していた情報だが、デビュー当時から拠点としてレッスン、リハーサル、配信など広範囲に利用してきたスタジオが、6月1日(月)以降は利用できなくなったことを発表。
同じ頻度で別のスタジオを借りることになると使用料が大幅に増額するため「このままだと6月1日以降、活動を縮小せざるをえない可能性が高いし、そうならない道を模索することに、全力で取り組んでいる」と語っていた。
それからの約10日間、VEXZが幹事を務めるVTuberの博覧会「VTUBER EXPO 2026」への出演や、9時間半を越えるゴールデンウィーク特別企画配信、個人配信など、普段どおりに活発な活動を行ってきた。そして、5月9日(土)の19時には、公式Xで「大切な決断について」と題した文章と共に翌日の生放送実施を告知。
その文章だけでは、「大切な決断」がポジティブな内容なのかネガティブな内容なのか明確には分からず、きっと、少し心配な気持ちになった「えのぐみ」(えのぐのファンネーム)もいたことだろう。
ところが、10日(日)の16時30分にメンバーの鈴木さんが、Xの個人アカウントで右手を差し出した画像を投稿。その後、17時には白藤さんが、鈴木さんと白藤さんの二人の手が映った画像を投稿し、17時半には日向さんが3人の右手の画像を投稿。まるで円陣を組んでいるような画像からは、ネガティブな雰囲気はなく、放送前に少し安心したファンも多かったのではないだろうか。
さらに、生放送開始約1時間前の18時過ぎには、えのぐの公式アカウントが、えのぐの3人に、2本の手が加わった画像を投稿。ファンの疑問と期待が大きく膨らむ中、生放送「今後の活動に関する大切なお知らせ」が始まった。
まるで記者会見場のような場所に立って、お決まりの挨拶をした後、少しシリアス気味に、この放送を行なう事になった経緯から語り出す3人。
そして、前所属事務所・岩本町芸能社の廃業による独立後、アイドル活動をしながら所属事務所を運営してきた2年間の楽しさを振り返りながらも、その「二足のわらじ」の体制に限界を感じていたことも告白。そんな中、スタジオ喪失という事態も重なり、「世界一のVRアイドルになる」という目標を変えることなく活動するための決断として、3人一緒に、えのぐ合同会社から株式会社VEXZがプロデュースするプロダクション「AceeeZ」へ完全移籍することを発表した。
えのぐが新プロダクションAceeeZに加入!
急ピッチで決定した移籍のためか、えのぐ合同会社が保有する権利や事業の扱いに関しては、現在も両者間で協議中とのこと。ファンクラブやDiscordなどの各種サービスの今後についても5月中に発表されるようだ。しかし、えのぐの「プロデュース権」に関しては、3人が保持したままの移籍となることがすでに合意済み。鈴木さんは、「生放送やレッスンなど、これまでの活動は継続。ライブ出演やイベント出演は、これまでよりもさらに積極的に行っていきたいと考えております」と語っており、前向きな決断だったことは間違いない。
「VTUBER EXPO 2026」でお披露目されたばかりの新プロダクションAceeeZには、まりなす、LiLYPSE、アイデスらが所属。「全員、切り札。」をキャッチコピーとする強者揃いのプロダクションに加わることになった大ベテランな大型新人の3人からは、力強い言葉もあった。
白藤 今回、この移籍を決めた背景につきまして、「世界一のVRアイドルになる」という目標をかなえるための選択であることはもちろんですが、同時に、VEXZとえのぐ、バーチャルアーティストの黎明期から活動してきた両者が力を合わせることで、VEXZとAceeeZが掲げる「バーチャルで世界を拡張する」という挑戦。そして、私たちが掲げる「VRアイドルやバーチャルアイドルを名乗って活動するスターがたくさん生まれるための礎を築いて道を切り開く」という挑戦。どちらの挑戦も実現が近付くと考えています。(中略)根っこの信念というか、活動に対する思いが強く共鳴したことが、今回の移籍を決めた要因です。
日向 まりなすさんを始めとした、ずっと同じ世界で戦って、切磋琢磨してきた戦友の方々も所属しているので、もっともっとお互い刺激し合って成長できる環境なんじゃないかなって思っています。グループとして目標に挑戦し続けることはもちろん、AceeeZ所属のタレントとして全員で力を合わせて、この世界で活動するバーチャルアーティストさんや応援してくださる皆さんが、今よりもっと豊かに楽しい時間を過ごせる未来を作りたい。そう考えています。
鈴木 他の所属アーティストの皆さんとは違って、私たちはVEXZ始まって以来の移籍アイドルです。だから、これから自分たちの価値を証明する必要があると思っています。なので、ここで宣言します。アイドルとして9年間、活動してきた経験。そして、2年間、事務所を運営してきた経験。両方を活かして、VEXZと力を合わせて、AceeeZを日本で一番有名なバーチャルタレント事務所にします。
戦友のまりなすも生放送に登場
3人による発表の後は、長年、交流もあるまりなすの燈舞さんと鈴鳴さんがゲストとして登場。まりなすやVEXZのことを紹介していったのだが、フリーダムで楽しい2人の登場により、生放送の雰囲気はガラリと変貌。えのぐの3人は、笑うことと突っ込むことで大忙しだ。
そんな中でも、さまざまな気になる情報を紹介。VEXZはバーチャルアーティストのプロデュースやマネジメントをしているだけではなく、「Life Like a live!」(えるすりー)や「Virtual Music Award」(ぶいあわ)」などのイベントも主催。自社スタジオを有したライブの制作会社としての側面もあり、昨年、えのぐが開催した「enogu online one-man Live『X-DAY』」もVEXZ制作で、今月の8周年ライブも担当しているそうだ。
また、5人でのトークの中では、えのぐの移籍決定までの経緯も少し語られた。4月の中頃、拠点のスタジオが利用できなくなると発覚した後、えのぐの3人は「いの一番」でVEXZの代表取締役社長である原佳祐さんに相談。「VTUBER EXPO 2026」の出演時にも、その合間に話し合いを続けていたそうだ。そして、燈舞さんが原さんからのメッセージを代読。
原 話を聞いた時に自社活動やタレントのこともあるし、正直、どうしようかなって思ってたんですよね。IPを引き取るって、そんなに軽い話じゃないので。でも、話していく中で、えのぐちゃんたちが成し遂げたいことと、VEXZがやりたいことの方向性の一致を感じたんです。えのぐちゃんがいたら、VEXZ、AceeeZはもっと強くなれるのではと。えのぐちゃんのことは昔から知っていて、友人であり、良きライバルであると思っていたので、両者が手を組んだら最強なのでは、ということで今回の結論に至りました。
さらに、まりなすの2人は、原さんからえのぐの移籍決定について報告された時の状況を再現。鈴鳴さんが驚きのあまり混乱して言葉も無い中、燈舞さんは即座に「やるじゃん」と言い放ったそうだ。
えのぐとまりなすのツーマンライブ開催決定
デビュー以来、共演する機会も多くすでに意気投合している2組は、これまでの歩みなども振り返りながら、同じ事務所で活動できることの喜びを語っていく。そして、白藤さんは、改めて「バーチャルアーティストの事務所で世界一を目指そう」と宣言。5人で、「一緒に頑張ろう。大きくしよう」と声を掛け合っていた。そして、白藤さんが「最後は、鈴木あんずさんにめちゃくちゃ良いこと言って締めてもらいましょう(笑)」という鬼のようなキラーパス。以前は、ライブのMCでも良くあった展開だからか、「どうして、そんなことさせるの」と嘆きつつ、鈴木さんはいつも通りに力強いメッセージで綺麗に締めた。
鈴木 これから、みんなで力を合わせて頑張って行くという形になったので、VEXZ、AceeeZを大きくしていきたいなと思います。ライブもいっぱいやりたいなって、本当に思うし。オンラインもそうだし、リアル会場でのライブももっともっとやっていきたいなって思います。リアルとバーチャルで分けるではなくて、自分で好きな方を選べたりとか、そういうのがあるから面白いと思うので。いっぱい、リアル、バーチャルごちゃまぜに、みんなで楽しめる世界を作っていきたいなと思うので、よろしくお願いします。
その後は、6月に開催されるまりなす主催フェス「MUSH MUSH!!」へのえのぐの参戦決定や「まりなす×えのぐ」のコンピレーションアルバム制作決定が発表。どんな曲を歌いたいかという話題でもさらに盛り上がった。そして、最後にまりなすとえのぐのツーマンライブという特大ニュースを発表。時期などの詳細は未定だが、同じNo.1を目指すユニット同士の競演は注目だ。
先日、配信スタジオ喪失を発表した時の状況からは、想像もできないほどポジティブな内容ばかりだったえのぐの生放送。間近に控えた8周年記念ライブ「enogu 8th Anniversary Live 決戦前夜」はもちろん、新しい仲間たちと共に進む、その先の歩みもますます楽しみだ。
(TEXT by Daisuke Marumoto)







