XREALとASUS、ROG XREAL R1を7月出荷へ 「プロダクト大豊作の年」をになうゲーミング向けARグラスを試した

LINEで送る
Pocket

XREALとASUS JAPANは6月15日、ゲーミングARグラス「ROG XREAL R1」の国内発表会を開いた。価格はグラス本体と専用ドックがセットで、14万1550円。最大240Hz表示、57度の視野角、電子調光、ROG Ally系を含む携帯ゲーミングPCとの利用を前面に打ち出したモデルとなっている。

ARグラスといえば、これまでXR関連のデバイスの中でもややニッチな分野だったが、XREAL One、One Proの発売後、PCのサブディスプレイとしての実用性から、ガジェット好きをメインに、マニア層から一般ユーザーへと裾野を広げつつある状況だ。そんな中、ASUSのROGシリーズ、およびXREALの新しいグラスとして発表されたのが本製品になる。

さらに、日本時間の17日未明、アメリカで実施されている展示会AWEにて、XRウォッチャーに長く期待されていたAndroid XR搭載のXRグラス「XREAL AURA」も発表されるなど、今週はXREALの今後に向けた展開が垣間見える形になっている。

本記事ではROG XREAL R1の発表会の様子を中心にレポートをお届けする。


「ROG XREAL R1」は持ち運びできるゲーミングモニター

ROG XREAL R1(左)

繰り返しになるが、「ROG XREAL R1」は、最大240Hzのリフレッシュレート、ROG Control Dock、GamePlus/表示モード、ROG エコシステムとの接続性など、ゲーミングモニターとしての利用を想定した製品だ。

これまでのシリーズとは少し趣が異なり、サイバー感のあるビジュアルは特徴的。

左/通常のディスプレイ表示、右/自動調光で透過された見た目

ディスプレイは空間固定モード/追従モードがあるなど、XRグラスとしての体験自体はXREALの既存モデルと大きな違いはないものの、ドックを介したゲーム環境のスイッチングや、頭を動かした際の自動調光機能により、ディスプレイ表示が透過され、例えばデスクに置いているドリンクを手に取って飲んだり、グラスをかけたままスマートフォンをスムーズに確認できるようになっている。

デモの環境

デモとして体験できたのは「モンスターハンターワイルズ」。実際に遊んだことがあるタイトルだったが、デモではクエストに出て狩猟するようなアクション要素を体験できなかったため、高いフレームレートを存分に体感するには至らなかった。

グラス上の仮想空間に表示されるディスプレイはアスペクト比や表示されるサイズ、表示する距離などを調整できる。発表では理論上、10m先に428インチのディスプレイを配置できるという触れ込みだったが、それは目の前いっぱいに超巨大モニターが表示されるという意味ではないため、実際にそこまで大きいということはなかった。

とはいえ、2、3m先に40インチくらいのモニターがある設定にすると、通常のデスクの環境として考えると大きく感じ、リビングのソファでテレビを見るくらいの感覚があり、ディスプレイの表示に不足は感じなかった。

今回、セット販売となっている「ROG Control Dock」。これはドックを経由して複数の環境を使い分けることができるようになるというもので、対応端子はHDMI、DisplayPort、USB Type-C。モニター、PC、グラスの表示をボタン操作で切り替えられる操作感は良かった。

なお、発表で言及のあった「インスタント3D」について、今回は体験できなかった。

また、期間限定で10%オフになるというCAGUUU製品のゲーミングチェアも試した。肘掛けが自由に動くのと、フットレストを伸ばせるため、かなりフラットな姿勢になることができる。筆者の場合は座高の低さからか、完全に姿勢が低くなるとグラスの視界との相性が悪く、堪能することはできなかったが、ゲーミングチェア自体はそのまま寝られてしまいそうなくらいよかった。

以上が、実際の体験した内容だ。これを踏まえると、大きいゲーミングモニターの購入を考えているが、部屋が狭く、購入することを悩んでいる方にはおすすめできる。

価格は14万1550円〜。先行予約特典として、先着300名に6DoF対応のカメラモジュール「XREAL Eye」と、ゲーミングマウス「ROG KERIS II ACE」が同梱され、CAGUUUのAXISUチェア全シリーズが10%OFFの割引価格で購入可能。

●ROG XREAL R1
・価格:14万1550円(1年保証)、16万360円(3年保証)※税込
・予約可能日時:7月13日23時59分まで


「ガジェットから家電へ」スペシャルセッション

「XRオピニオンリーダー」を名乗っていたナル夫氏

「Nreal時代から追いかけてた身としては、超絶進化して『ガジェット』から『家電』になった」と語るのは近藤義仁/ナル夫氏(元GOROman氏)。Oculus日本販売の立役者で、現在は無職を自称するが、当日限定で「XRオピニオンリーダー」を名乗るなど、どこまで本気かわからないトークで現場を盛り上げていた。

登壇者一同

トークセッションのメンバーはASUS JAPAN OPビジネスグループ ゼネラルマネージャーのAlex Lin氏、CAGUUU代表取締役の中村勇輝氏、「どこでもいっしょ」で知られる南治 一徳氏、元ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)で現yospの吉田修平氏、そして前述のナル夫氏。MCはXREAL高天夫氏で行われた。

ナル夫氏は、初期のNrealの時代からXREAL系デバイスを追ってきた立場として、以前は見え方や使い勝手に課題があったが、インサートレンズ対応や、XREAL Eyeを装着することで実用性が大きく上がったとし、先ほどの「超絶進化して『ガジェット』から『家電』になった」と結論づける。

吉田修平氏

吉田修平氏は、ゲームデベロッパーならではの視点から、展示会での活用シーンについて語った。

「ゲームイベントに行くと、たくさんのゲームが並んでいるじゃないですか。そこで『ROG XREAL R1で200インチのスクリーンで体験できます』と書いておくと、それだけで来場者が足を止めて、体験してくれるんじゃないかと思うんです」と語ると、高氏がすかさず「吉田さん、そのアイデア、そのままもらっていいですか」という流れに。

「そこで、ゆったり座れるCAGUUUさんのチェアを置いて……」と、展示のアイディアに飛び火すると、「CAGUUUが全力でサポートします」と、ROG XREAL R1の使い方のアイディアがまとまってくる。

一方、南治一徳氏は、飛行機内での利用を念頭に、音の聞こえ方にも触れた。

「機内のように周囲の騒音が大きい環境では、オープンイヤー型スピーカーの音が聞こえにくくなる場合があり、耳元を覆うカバーのようなアクセサリーがあるとよいのではないか」と提案していた。


XREALの2026年は「プロダクト大豊作の年」

発表会の冒頭で、XREALの製品戦略・エコシステム統括を務める高天夫氏は、日本市場でのXREALの歩みと、2026年の製品展開について説明した。

XREALは「Nreal」として始まった日本での展開から6年が経過しており、Nreal LightからXREAL Airシリーズ、自社チップを搭載したXREAL Oneシリーズへと製品を広げてきた。

日本未発売のモデルや、日本時間で17日未明に発表があったXREAL AURAなど、すでにいくつものプロダクトが明らかになっている。その中でROG XREAL R1は、XREALのラインアップ全体の中でも、用途を「ゲーム」に最も明確に振ったモデルだ。

これにはXREAL Oneがサブモニターとして実用性を伴う家電レベルに世間的に受け入れられている中で、ゲーミングモニターとしての需要も取り入れようとする動きを感じる。言うなれば、Steamが発売を予定しているゴーグル型デバイス「Steam Flame」と近しい需要を感じた。

FPSやレーシングゲームをメインに楽しもうとすると、マシンはもちろん、ディスプレイも高額になっていくだけではなく、そもそも物理的なサイズも巨大化していく。他の国と比べれば、居住環境が比較的狭い日本において、ARグラスをディスプレイがわりにできるというのは嬉しい。

なお、6月19日まで東京ビッグサイトで開催されているビジネス向け展示イベントの「XR・メタバース総合展」にて、XREAL AURAのモックが日本初展示。試すことはできないものの、展示されている実機を見ることができる。

XREAL AURAへの関心が高まっているが、ROG XREAL R1はその中でもゲーム用途に特化したモデルとして位置付けられる。大画面かつ高リフレッシュレートの環境を手軽に持ち運べる点は大きな魅力であり、設置スペースの制約から大型ゲーミングモニターの導入をためらっているユーザーにとって、有力な選択肢になりそうだ。


(TEXT by ササニシキ

●関連リンク
XREAL公式サイト
ASUS公式サイト