デジカは22日、米Valve(バルブ)が開発したPC向けVRシステム「VALVE INDEX」(バルブ インデックス)の国内発売を11月28日午前10時に開始すると発表した。本日より事前予約を受け付ける(レビュー記事はこちら)。
VRゴーグル/両手のコントローラー/センサー(ベースステーション)などが含まれる「VALVE INDEX VR キット」のほか、ヘッドセット+両手のコントローラー、ヘッドセット単体、両手のコントローラー、ベースステーション(1基)の個別パーツでも購入可能だ。価格(税別)は以下の通り。
・VALVE INDEX VR キット(V003683-10):12万5800円
・VALVE INDEX ヘッドセット+コントローラ(V004061-10):9万4800円
・VALVE INDEX ヘッドセット(V003614-00):6万2800円
・VALVE INDEX コントローラ(V003665-10):3万5800円
・VALVE INDEX ベースステーション(V002845-00):1万9800円
ベースステーション単体以外の購入特典として、先に発表があったVR専用のFPS「Half-Life: Alyx」がダウンロードできるSteam CDキーも配布する。
VALVEはPCゲーム配信サービス「Steam」を展開している企業で、VRでも「SteamVR」プラットフォームを推進し、台湾HTCの「VIVE」シリーズに提供していた。自社でVRハードをリリースするのは初で、INDEXは海外で今年6月より発売していた。VIVEと同じSteamVRなため、例えばヘッドセットとベースステーションはVIVEの物を使い、コントローラーだけ購入して追加できる。
最大の特徴は、開発コード名で「Knuckles」(ナックルズ)と呼ばれていた五指を再現するINDEX コントローラだ。例えば、既存のVIVEコントローラーは親指/人差し指/その他(グリップボタン)、Oculus Touchは親指/人差し指/中指に向けてボタンやトリガーを用意している。
一方、INDEX コントローラは本体に内蔵した87個のセンサーで指の位置や動き、圧力を検出して、五指を表現できる。さらにハンドストラップで甲を固定する方式で、手を広げることも可能。例えば、ソーシャルVRやゲームの協力プレイでハンドサインを出したり、じゃんけんをしたりといったことを実現してくれる。
ゴーグル部は、1440×1600ドットのRGB液晶パネルを左右の目ごとに採用。同等の有機ELパネルよりも50%多くのサブピクセル表示を可能にしているという。駆動モードは120Hz動作が基本で、90Hzの後方互換性と、144Hzの試験的なモードも用意。高性能なGPUを用意することでより滑らかな表示を実現するというPC VRならではのメリットを提示している。視野角は、既存製品では最大110度が多い中、最大130度と広くなっている。
ヘッドホンも標準で搭載。物理的に接触しないオフイヤースタイルで、頭や耳の形に左右されず、長時間の使用でも圧迫から解放される。
VR開発者向けとしては、ヘッドセットのフロントカバーを外した下に「Frunk」というくぼみを用意し、例えば、Leap MotionなどUSB 3.0 Type-A端子で拡張デバイスを追加できる。
Valveは、VALVE INDEXのゴーグル、コントローラ、ベースステーションについて、クリエイティブ・コモンズライセンス下でCADファイルや仕様を提供している。事前にValveに許可を取ることで、独自形状のヘッドセットカバーを販売することも可能だ。
PCの動作環境、製品仕様は以下の通り。なお、手持ちのPCでVALVE INDEXが動くかどうかを調べてくれる「Are You Ready for Valve Index?」、体験時の快適さを判定してくれる「SteamVR Performance Test」をネットで提供しているので、購入前に必ず試しておこう。
●システム要件
【最小構成】
・OS:Windows 10、SteamOS、Linux
・CPU:ハイパースレッディング、またはそれ以上の機能搭載。デュアルコア以上
・メモリー:8GB以上
・GPU:NVIDIA GeForce GTX 970以上/AMD Radeon RX480以上、接続にDisplayPort 1.2以上とUSB 2.0以上が必須(HDMIは非サポート)
【推奨構成】
・CPU:クアッドコア以上
・GPU:NVIDIA GeForce GTX 1070以上
・USB:3.0以上(ヘッドセット装着のカメラを使用したパススルー利用時に必要)
●ヘッドセット仕様
ディスプレイ | デュアル1440×1600RGB液晶ディスプレイ(フルRGB /ピクセル、超低残光グローバルバックライト照明・144Hzで0.330ms) |
対応フレームレート | 80/90/120/144Hz |
光学 | ダブルエレメント、傾斜レンズデザイン |
視野(FOV) | 最大約130度 |
瞳孔間距離(IPD) | 58〜70mmの範囲の物理的調整 |
人間工学的調整 | ヘッドバンドサイズ(後部クレードルアダプターによる調整を含む)、アイレリーフ(FOV)、瞳孔間距離(IPD)、スピーカー位置調整 |
接続 | 5mテザー、1mブレークアウェイトライデントコネクタ。USB 3.0、DisplayPort 1.2、12V電源 |
追跡 | Valve INDEX 1.0および2.0ベースステーションと互換性のあるValve INDEX 2.0センサー |
オーディオ | 内蔵:37.5mmオフイヤーバランスモードラジエータ(BMR)、周波数応答:40Hz〜24KHz、インピーダンス:6Ω、SPL:1cmで98.96 dBSPL、外部出力端子:3.5mmのステレオミニプラグ端子 |
マイク | デュアルマイクアレイ、周波数応答:20Hz〜24kHz、感度:-25dBFS / Pa@1kHz |
カメラ | ステレオ960×960ドット、グローバルシャッター、RGB(バイエル) |
同梱物(VR KIT) | ・Valve INDEX ヘッドセット(専用ケーブル・フェイスクッション・頭部クッション付属)×1台 ・Valve INDEX ヘッドセット用接続ケーブル(PC側DisplayPort, USB3.0, ACアダプターへ接続)×1本 ・Valve INDEX ヘッドセット用 後頭部クレードルアダプター×1個 ・Valve INDEX 専用コントローラー 本体(フィンガートラッキング対応) 左手用×1台+右手用×1台 ・コントローラー用USBケーブル(USB type-C to USB type-A)×2本 ・コントローラー用ストラップ×2本 ・Valve INDEX ベースステーション 本体×2台 ・Valve INDEX ベースステーション専用 電源ケーブル×2本 ・Valve INDEX ベースステーション専用 ACアダプター×2台 ・Valve INDEX ベースステーション専用 スタンド×2台 ・クリーニングクロス ・ドキュメント(セットアップガイド/安全、メンテナンス、規制、保証および規約に関する情報) |
●コントローラー仕様
インプット | Aボタン、Bボタン、システムボタン、トリガー、サムスティック、フォースセンサー付きトラックボタン、グリップフォースセンサー、フィンガートラッキング、IMU |
人間工学 | ピボット付き抗菌ストラップ |
接続 | USB type-C、2.4GHzワイヤレス |
触覚 | HD LRA |
バッテリー持続時間 | 約7時間(900mA急速充電/1100mAh リチウムイオンポリマーバッテリー) |
トラッキング | SteamVR 1.0および2.0ベースステーションと互換性のある SteamVR 2.0センサー |
●ベースステーション仕様
範囲 | 7m |
視野角 | 160×115度 |
拡張性 | 最大4台のベースステーション、最大10×10mのプレイスペース |
電源 | 12V |
販売は、デジカのオンラインストア「Degica FAN」のほか、ECカレント、ツクモ、ドスパラ、パソコン工房、ビックカメラグループ(ビックカメラ、ソフマップ、コジマ)、無線パーツでも取り扱う。メーカー保証期間は購入日より1年。製品のサポートはValveで行い、日本語での対応も受け付けるとのこと(サポートページ)。
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