【体験レポート】東京タワー地下でVRホラー体験「戦慄迷宮:迷」—東京タワー×VR×お化け屋敷

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7月19日(土)から8月31日(日)、夏休み期間の東京タワーに、富士急ハイランドの名物お化け屋敷「戦慄迷宮」の世界観を受け継ぐVR×おばけ屋敷「戦慄迷宮:迷」が登場した。 広大な病棟をさまよう中、聞こえてくるのは同時に体験している別グループの怖がっている反応、そして連続するジャンプスケア演出。

VR上でのホラー演出はしっかり怖いものの、腰を抜かすほどではなく、怖いけど歩けるギリギリの塩梅が絶妙だ。実際にはわずか数十メートルのリアル空間を歩きながら、VRゴーグルを被ることで8フロア・全長1kmという、広大な敷地の廃病院を実現している。

「東京タワーのVRアトラクション設営中の事件が起き、唯一の手掛かりであるVRゴーグル内には予定していたアトラクションではなく『戦慄迷宮』が広がっていた……」というストーリーのもと、その事件の調査員の一人として病院を探検し、調査する事になるというもの。


東京タワーの地下で1kmにわたるお化け屋敷

アバターを選択

まずは入場登録をするところからスタート。初めに体験内で使用する自分のアバターを作るために顔写真を撮ったり、実際に体験しながら撮影した写真を受け取るためのパスワードの設定をする。

QRコードを受け取り、荷物をロッカーに
使用機器はPICO4 Ultra (エンタープライズ版)

登録が終わったらロッカーに荷物を預けて、VRゴーグルを受け取る。大荷物じゃなくても、場合によっては自分のすぐ近くを他のユーザーが通ることもあるため、リュックやショルダーバッグなどがない方が体験しやすいだろう。

ゴーグルをつけて出発

VRゴーグルの顔側は広めにできているので、メガネユーザーでも問題なく利用できるだろう。筆者は大きめのフレームのメガネを着用しているが、問題なかった。

手を向けた方向にライトが向けられる

体験にコントローラーは必要なく、手をかざすことでVR内で懐中電灯を向けることができるようになっているのはなかなか秀逸なアイディアだ。また、かざした手を握ることで体験中の写真を撮影できる。

進めるドアやエレベーターは光るのでわかりやすい

「調査」といっても、エレベーターや扉のボタンを押す事で先に進めるようになっているので、ボタンが光っている場所を見つけながらゴール地点まで進むというシンプルな内容になっている。

意味深な黒電話
いたるところに貼られたお札

とはいえ、もちろん調査。調査のために進むと、突然鳴る電話や、意味深な絵画やファイルなどを見たりしているうちに、お化けに遭遇していく…。

角を曲がってすぐに「いる」のでかなり怖い

演出はいわゆるジャンプスケア系で、お化けが曲がり角に立っていたり、急に電話が鳴るといった演出でびっくりする形になるが、VRゴーグルをかけて歩き回ることもあってか、本気でやばい演出は抑えられている印象だった。もしホラーがどうしても苦手という場合には、グッズのお札ステッカーを購入して体験前に申告することで「お化けなしモード」でも体験可能だという。

お化けと記念写真(?)

筆者は取材なのでひとりで参加したためか少し心細かったが、同時に複数人で体験できるので、友達やご家族などのグループで参加すると、一緒に同じ場面を体験できるので楽しいと思う。

なお、大人と同行している場合のみ、子供(7歳以上・身長110cm以上の子供ひとりにつき、保護者ひとりがつく必要有)も体験可能なので、子供連れの家族グループでも体験可能なのは、夏休みのおでかけ先として有難い。

体験後は、最初に発行したチケットのQRコードを読み込んだ先から、自分が撮影した写真がダウンロード可能なので、設定したパスワードは確実に忘れないようにしたい。また、保存期間は3日間なので、早めにダウンロードするか、そのままSNSに投稿することも可能。


独自技術のVRおばけ屋敷、「東京タワーで2500円」は高コスパ?

Scape®の空間拡張技術

全8フロア・全長1Kmの「戦慄迷宮:迷」を実現しているのはロケーションベースXRのプラットフォーム「Scape®」によるもの。独自の技術により、現実の空間に複数のスペースを拡張することで、現実以上の空間をVR上で体験可能というものだ。

入口にある大きいQRコードのようなものがマーカー

入口にもあるマーカーがいたるところに配置され、それをVRゴーグルが読み込む事でVR上の空間と現実を紐づけている。

他のユーザーが近づくと、もやのように表示される

同時に体験している他のユーザーが近くにいると、VR上にもやのように現れるのでお互いに譲りあうことでぶつからずに済む。今回、体験内容がお化けが多数出現するホラーコンテンツだっただけに少しドキっとしたが、「こんにちは」「人間ですか?」といったコミュニケーションが生まれていたのは少し楽しかった。

東京タワーという立地

施設で体験するVRアトラクションの金額としては、1回2500円というのは比較的安いと感じた。イマーシブジャーニーやティフォニウム等、実際に歩いて体験するVR施設は首都圏にいくつかあるが、1回あたり3000~4000円は下らない。東京タワーという立地でしかも、平日であれば2000円台で体験可能というのは、家族連れや学生でも体験しやすい金額設定なのは嬉しいと思う。


●「戦慄迷宮:迷」体験
・開催日:2025年7月19日(土)~8月31日(日)
・営業時間:11:00~20:00(最終受付 19:15)
・チケット料金(日本語版):大人/2500円(平日)・3000円(土日祝) 、18歳以下 /2000円 (平日) ・2500円 (土日祝)
・チケット料金(英語版):大人/3000円(平日)・3500円(土日祝)、18歳以下/2500円 (平日) ・3000円 (土日祝)
・チケット販売:https://senritsuxr.abal.jp/collections/all

(TEXT by ササニシキ


●関連リンク
戦慄迷宮:迷公式サイト