これはときめく「魔法」の体験だ! 渋谷PARCO・ティフォニウムカフェでARパフェ&VRタロットを遊んでみた

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11月22日にリニューアルオープンとなった渋谷PARCO。各メディアでも取り上げて注目を集めているが、XR業界的にも見逃せない要素がいくつかある。

その中から、地下一階のフードフロアに店を構えるティフォンの「ティフォニウム・カフェ」を紹介していこう。正直、ARでパフェが変身する「魔法のパフェ」の作り込みが、めちゃくちゃよかったです。


ARとか言わない、これは魔法だ

ティフォンといえば、2017年のTBS「デリシャカス」でのVRお化け屋敷「CORRIDOR」(コリドー)を皮切りに、お台場や渋谷にMRシアター「ティフォニウム」をオープン。ディズニーやTBSなどから出資を受けて、米国ロサンゼルスにも出店を予定しているなど、自社アトラクションでロケーションVRを展開してきた企業だ(関連記事)。

その魅力のひとついえば、ちょっと不思議でダークな世界観なのだが、渋谷PARCOのティフォニウム・カフェでもしっかり体現されていた。PANORA的な見どころは、以下の3つになる。

・ARでデコれる「魔法パフェ」
・タロットの世界観をVRで体験できる「タロットVR」
・ARなお土産「ティフォニウム・チョコレート」

 
●魔法パフェ

まずメインである魔法パフェは、店頭で貸してくれるタブレットをコースターに向けてかざすと、その位置にCGが現れるという体験になる。コースター単体でも、その上にパフェを乗せた状態でもCGが出現するので、1回の注文で2度見られるのがお得だ。パフェの5種類に合わせてコースターも5種類あり、それぞれ違うCGを用意している。

重要なのは、デコったパフェの写真を撮ってシェアできるという点。家族や恋人、友達と一緒に向かい合って座り、わいわい話しながら相手をフレームに入れて写真を撮れるわけでその行為自体が楽しいわけだ。

パフェ自体にも非常にこだわっている。技術がらみのメニューというと得てして手間や原価率を気にして普通になりがちなところ、魔法パフェでは北海道・東京で「夜パフェ」専門店を展開するGAKUに協力を仰ぎ、「こういうパフェを作りたい」というデザインから実物に落とし込んだ。

例えば、ブルーベリーと赤ぶどうのパフェである「トワイライト」では、上部が浮いているように見せているなど、随所に職人芸が輝いている。魔法抜きで、このパフェだけでもSNS映えする。

メニュー。パフェの価格は1000〜1400円。中にはお酒が入ってるものもある。
店頭のタブレットで言語を選んで「はじまり」をタップ。
魔法を見るか、写真も撮るかを選択。今回は魔法を見るモードにした。
コースターを映すと、タブレットの画面に変化が!
バーチャルパフェの出現!
もちろん違う方向からかざすと、パフェの別の側面が見られる。
別のコースターでは、クマたちと動画を見るものもありました。
お待ちかねのパフェがやってきて、さらにタブレットをかざすと、また別の世界観が現れます。画面をタップすると動くものもあります。
こんな感じでデコったパフェで写真を撮影。タブレットのQRコードを読み取るか、メール登録でダウンロードできるURLを発行して、自分のSNSアカウントから投稿可能だ。

 
●タロットVR

「タロットVR : ボヤージュ・オブ・レヴリ〜幻想の旅〜」は、お台場や渋谷の店舗でも稼働しているアトラクションになる。1人か2人でVRゴーグルをかぶり、バーチャル世界に入って手に持ったコントローラーで1枚だけタロットカードを選択。その選んだカードの世界観を体験して、最後にリアルのカードをもらえるという内容だ。

タロット占いは、占いサービスで知られるザッパラスと共同開発し、カードは大アルカナをモチーフとした22種類を用意している。つまり、VRのワールドも、最後に渡すカードも22種類作っているわけで、それだけでもめちゃくちゃ手間がかかっていることがわかる。

また、最初にカードを選ぶ以外は座って見ているだけで複雑な操作を覚えなくて済むので、VRのことを何も知らない人が体験しても安心して楽しめる点もいいところだ。

カフェの一角に突如現れる個室。
2台のVRゴーグル(HTC VIVE Pro)を用意。タロットVRは別料金で、1プレイ800円、2人同時プレイなら1500円。
VRおじさんたちが注目したいのは、この狭いスペースに3台のベースステーション2.0を据え付けている点。トラッキングにかける意気込みが違うぜよ……!
脇にモニターがあるため、VRゴーグルを被っている人がどんな風景を見ているのか同行者が見ることも可能だ。
見るだけのVR、いいですよね。考えてみれば人が旅行などで絶景を楽しむときには何もしてないわけで、見るだけでも映像と音楽の世界がつくりこまれていたらそれだけで至上の体験になるわけです。
ちなみに筆者が選んだカードは「ワールド」。
カードの解説ももらえます。ワールドは「パーフェクトなフィナーレ」で、「なにもかもが揃う。安心感と満足感がコンプリートされた状態」とのことです。占いの結果で同行者との話題にも花が咲きそうです。

 
●ティフォニウム・チョコレート

「ティフォニウム・チョコレート」は1箱4個入りのチョコレート。チョコレートのQRコードをスマートフォンのカメラで読み取ると専用サイトに飛ばされて、その状態でさらに4つのチョコにカメラを向けるとメッセージCGが現れるという内容だ。

アプリをインストールせずにウェブブラウザーで完結するので、お土産として買って渡した相手もより手軽に「魔法」を楽しめるわけだ。

4種類のメッセージを用意。
パッケージの中身はこんな感じ。
キャラとともにメッセージが現れる。

 
全般的に見て、ティフォニウム・カフェは、普通の人が普通に楽しめるエンターテインメントだと感じた。

XR業界の猛者から見ると技術に関しては「ふーん」という感じかもしれないが、あえてARと言わなかったり、VRでの操作を極力排除したり、ウェブARでインストールの面倒さを排除したりと、とにかく「ラストワンマイル」の詰め方が上手なのだ。

ティフォンの店舗に共通するちょっとダークな世界観もリアルとバーチャルの両方で丁寧に再現されており、この辺のうまさが、池袋にあるアニメとゲームの世界に入れる「MAZARIA」に共通する印象を受ける。

パフェやチョコレートは、アニメやゲーム、VTuberとのキャラクターとのコラボ展開も期待できそうで、今後どう発展していくか楽しみだ。ぜひ現地で体験してみよう(VTuberファンなら、近くで実施している「花譜展」を見つつ立ち寄るのもアリですね)。

 
●ティフォニウム・カフェ(渋谷パルコ)
・住所:150-8377 東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷パルコ B1F
・11:00~23:00(LO 22:30)

 
 
●関連リンク
ティフォニウム・カフェ
タロットVR:ボヤージュ・オブ・レヴリ 〜幻想の旅〜
ティフォニウム・チョコレート
ティフォニウム
渋谷PARCO