ゲームエイジ総研、ゲーマーの「メタバース」認知度を調査 単語を知っているのは4.6%

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ゲームビジネスに特化したマーケティングリサーチ&コンサルティングを行っているゲームエイジ総研は、ゲーマーにおける「メタバース」の認知度に関する調査結果を発表した。

「メタバース」は一般的に「インターネット上に存在する仮想空間」という意味で使われており、特にソーシャルVR関連でよく登場するキーワード。ゲーマーにもオンラインゲームなどを通じて仮想空間での交流を経験している人が多いため、ゲーマーが「メタバース」についてどれだけ認知しているのかを調査したもの。

■「メタバース」はSF小説から生まれたワード
「メタバース」は、メタ(meta=超)とユニバース(universe=宇宙)から作られた合成語。ニール・スティーブンソン氏のSF小説「スノウ・クラッシュ」の作中で登場するインターネット上の仮想世界を指す言葉として生まれた。

身近な例で言えば、「VRChat」や「Neos VR」などのソーシャルVRが提供しているVR空間もメタバースの一種だ。物理的な位置・場所などの壁を越え、各々が自分の好きなアバター(分身)を身にまとい、交流できるものになっている。また、ミュージシャンの米津玄師や「FORTNITE」内で、アイドルグループの乃木坂46が「荒野行動」内でバーチャルライブを行なったことから、ゲーム内の空間を指して「メタバース」と呼ぶ例もる。このほか、ゲームを作ったり、ほかのユーザーが作ったゲームを遊んだりできる「ROBLOX」のようなプラットフォームを「メタバース」と呼ぶ場合もあるなど、言葉の概念やサービス領域が定まっていないのが現状と言える。

一方で、2022年にはANAが仮想空間で旅行や買い物を楽しめるアプリのサービス開始を予定しており、スタートアップ企業が多額の出資を受けるなど、注目度が非常に高い分野になっている。

■「メタバース」という単語を認知しているゲーマーは全体の4.6%
「メタバース」というワードを聞いたことがあると答えたゲーマーは全体の4.6%という結果に(グラフ1)。ほとんどのゲーマーにとっては「メタバース」というワードはまだなじみが薄いようだ。

■ワードを認知しているゲーマーの理解は33.6%、体験したことがあるのは20.7%
「メタバース」というワードを聞いたことがあると答えたゲーマーの中で、「メタバースを説明できる」と答えたゲーマーは33.6%、「なんらかのメタバースを体験したことがある」と答えたゲーマーは20.7%。メタバースを認知しているゲーマーの5分の1は「メタバース」がどんなものかを説明でき、体験していることが明らかになった。

「メタバース」は歴史の浅い概念であり、デジタル技術に関するリテラシーが比較的高いゲーマーにおいても、まだ一部の人しか知らない・触れてない、という現状が浮かび上がった。

一方、コロナ禍の影響で、リアルの旅行やイベント参加のハードルが上がっている中、上で紹介したANAの例のように、バーチャル空間の可能性を探っている企業が増えている。こうした企業によるサービスが増えていけば、メタバースの認知度は上がっていくだろう。

【利用データ】
調査対象:全国10〜50代男女、何らかのゲームをプレイしている人
サンプル数:3032
調査時期:2021年7月
調査手法:インターネット調査

●関連リンク
株式会社ゲームエイジ総研