【データで見る、ツイ伸び新人VTuber】2022年2月第2週から3月第1週はAlban Knox、Yugo Asuma、Bubi、結城みくろ、サオヒメユエ

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企業・個人を問わず、毎日何十人もの新人がデビューしていくVTuberの世界。一方、すでに業界内には多くの才能が存在しているため、今の「推し」の動画・配信を追うだけで精一杯、新人まで気が回らないというVTuberファンも多いはず。そんな方に向けて送るのが本連載「データで見る、ツイ伸び新人VTuber」です。

分析・執筆は、Twitterのリストから随時4万人以上のVTuberのデータを収集して分析しているmyrmecoleonさんが担当。直近の7日間でTwitterのフォロワー数が急増したVTuberを数名紹介します。


こんにちは。myrmecoleonと申します。今回も最近勢いのあるVTuberを紹介していきます。なお筆者事情でしばらく休載が続いたため、今回は前回から3月7日までの28日分を対象としています。ご了承ください。
以下は直近にTwitterのフォロワー数が急増したVTuberを並べたグラフです。過去に連載で取り上げたNimuさん、Vox Akumaさん、Ike Evelandさん、Mysta Riasさん、Shu Yaminoさん、Luca Kaneshiroさん、Shotoさん、Nina Kosakaさん、Elira Pendoraさんも引き続き伸びており掲載されています。今回はここからAlban Knox(アルバーン・ノックス)さん、Yugo Asuma(遊間(あすま)ユーゴさん、Bubiさん、結城(ゆうき)みくろさん、サオヒメユエさんの5名をピックアップ。伸びた原因も推測しつつ、プロフィールをまとめました。

VTuberリスト登録のTwitterアカウントから、2022年2月7日13時から3月7日13時にフォロワー数が20%以上増加したうちの増加数上位
データはTwitter APIより取得(以下同じ)。記事で取り上げたアカウントの棒グラフはオレンジ色に変えている
結城みくろ、サオヒメユエはピックアップのため追加

Alban Knox、Yugo Asuma

Alban Knox

初配信よりスクリーンショット

Yugo Asuma

初配信よりスクリーンショット

Alban KnoxさんとYugo Asumaさんはいずれもにじさんじの英語圏向けプロジェクト「NIJISANJI EN」の新人バーチャルライバー。それぞれ未来から現代に現れた人物で、2月22日より活動開始、先輩の「LazuLight」「OBSYDIA」「Ethyria」「Luxiem」と同様に同期5名でユニット「Noctys」を構成し、27日のそれぞれの初配信の後には5人が歌うオリジナル曲「Stuck In The Abyss」も公開・音楽配信されています。

Alban Knoxさんは荒廃した未来からやってきた自由気ままな怪盗で、未来でのエピソードが動画で紹介されています。メンバーとのリレーで27日に初配信。配信はおもに英語で日本語は勉強中。上着を脱いだ服装がコンビニ店員に見えることから同期から「コンビニくん」と呼ばれ、高めの男の子っぽい声と人懐っこいしゃべり方から視聴者に可愛がられています。衣装等のデザインは先輩のLuca Kaneshiroさんも担当しているイラストレーターのおよさん。

Yugo Asumaさんは娯楽活動が禁止された未来からやってきたDJ。同じく未来でのエピソードが動画で紹介されています。リレー時トラブルがあり同日改めて初配信を行いました。中性的なきれいな声ですが男性。音楽好きで世界中に友達を作りたいと話し、タイムマシーンを見つけて自分のオーディオトラックを取り戻すのが目標。配信は英語で韓国語とタイ語も話せますが実は日本人で最近に日本に帰ってきたそうで、海外のノリと日英両方が分かることから日本語を勉強中の同期によく日本語をからめたジョークを教えています。衣装等のデザインはにじさんじのイブラヒムさんも担当しているイラストレーターの犬月煙さん。

いずれもデビューしたばかりの現在はおもに雑談やゲーム配信しており、Noctys内のコラボも活発です。

活動開始を含む3月7日までに16万7000人以上がAlban KnoxさんをTwitterでフォロー、YouTubeのチャンネルも10万9000人以上が登録、同じくYugo Asumaさんも15万人以上がフォロー、9万8000人以上が登録しています。2人はNoctysでも比較的勢いがありますが、5人とも順調に伸びています。

フォロワーの傾向(該当アカウント群から300名超を無作為抽出の上フォローしているアカウントを集計。以下同じ)を見ると2人とも9割以上がMysta RiasさんやIke Evelandさんを筆頭にNIJISANJI ENのLuxiemメンバーのフォロワー。昨年末から現在にかけて急成長しているLuxiemへの注目がそのまま流れてきている印象です。

グラフで見ても分かるとおり、今回デビューしたNoctysや昨年末のLuxiemをはじめ、関わりのあるほかのNIJISANJI ENのバーチャルライバーも継続して伸びています。Luxiemデビューから始まった英語圏向けの男性VTuberグループの試みが女性ライバーも含めて大きな成長の要因となっていることがうかがえます。

Bubi

初配信よりスクリーンショット

Bubiさんは地獄に座す悪魔の王。VShojoのironmouseさんのマスコットの使い魔の姿で以前から登場していましたが、今回独立したVTuberとして2月26日にtwitchで初配信を行いました。ちなみに”Bubi”はironmouseさんがつけた愛称で、フルネームは非常に長く“Infernal Beelzebub Anarchia Cruul de Apokalypsi, the Opposite of Divine, Prince of Suffering and Torment, Master of all Sin, Conqueror of the Underworld, and King of all Demonkind”

かつて地獄に閉じ込められていたironmouseさんを解放したさいに力を吸い取られ、それを取り戻すために悪魔の女王となった彼女を地獄でサポートしました。彼女が地獄から去り力を返されてからも強い関係に結ばれており、そのエピソードを描いた以下の動画がironmouseさんのチャンネルに投稿されています。

デビュー配信後は長時間連続配信のSUBATHON中(31日目となる3月7日に終了)だったironmouseさんの配信にも出演。3月9日はironmouseさんと3時間以上に渡って話しました。地獄の王としての多忙さから基本はこのように特別な場合の出演となるようですが、チャンネルでは月に1回程度は配信していくと説明しています。

活動開始を含む3月7日までに8万3000人以上が彼をTwitterでフォロー。twitchでも現在8万7000人が彼をフォローしています。フォロワーを見ると8割がやはりironmouseさんのフォロワーで、関連した文脈で注目している点が伺えます。ほかMori CalliopeさんやVox Akumaさんなど英語圏で人気のあるVTuberのフォロワーも目立ちます。ちなみにironmouseさんと仲が良くBubiさんと非常に声が似ている有名な男性声優・YouTuberのConnor(CDawgVA)さん(Bubiさんは”Monkey”と言って嫌っています)のフォロワーも目立ちました。

男性VTuberのデビューが話題になる動きはNIJISANJI ENだけでなく、英語圏で広く起こっているようです。単に男性だけがアイドル的に話題なのでなく、(以前からの文脈があるものの)人気の女性VTuberとの関わりの中で受け入れられている点も、先輩女性ライバーとの関わりも多いLuxiemと似ており興味深いところです。

結城みくろ

2D化記念自己紹介動画よりスクリーンショット

結城みくろさんは個人で活動するVTuber。関西在住のアラサー男性のコンビニ店長でしたが、事故でバーチャル美少女に転生。声がそのままだったのでちゃんとした美少女になるためゲーム実況しつつ女の子の声を出す練習をしてました(現在はボイスチェンジャーを使用)が、Vカツのビジュアルで2020年5月に自己紹介動画を投稿しVTuberとしてデビュー。2020年10月に現在の2D化しました。おもにゲーム実況を中心に活動しています。

今回の28日間では約620%増となる5100人以上が結城みくろさんをTwitterでフォロー、YouTubeのチャンネル登録数も以前の7倍近い2300人以上増加しています。このきっかけがこちらの以下の「表情が豊かすぎるVTuber」の切り抜き。その前に個人VTuber活動をネタにした「面構えが違う」ネタのツイートでも軽くバズっており、これを受けてのブレイクです。

可愛い美少女のビジュアルながら関西弁の軽快なトークが魅力で、もともと変わったネタが好みで豊かな表情は2D化時から実装されており、推しマークはゲロを吐く姿の🤮✨と個性的。そのポテンシャルが今回のバズで発見された伸びと言えます。TwitterをきっかけにYouTubeの視聴者も増えたようで、先日の雑談では以前との変化に驚きながらもご新規もいいリスナーさんが多いと喜んでいました。ずっと作ってなかったファンネームも(ゲロにちなんで)「処理班」に決定、今回チャンネル収益化もしました。

28日間の新規フォロワーを見ると白上フブキさんやキズナアイさんなど国内のVTuberのフォロワーが半数ほど、その他YouTuberやイラストレーターのフォロワーなどさまざまな層が見られました。VTuberファンを中心としつつ国内の広い層に注目された傾向がうかがえます。

VTuber自体がメジャーになり、すでにVTuberを前提とした上で個性的な試みが話題となる時代です。何万人といる中にはこうした機会さえあればバズるVTuberもたくさんいるのでしょう。その一例と言えるケースでした。

サオヒメユエ

初配信よりスクリーンショット

サオヒメユエさんはWACTOR4期生の新人VTuber。遠い山の奥からGATEを越えて会いに来たエルフで、草を生やす能力があるとのこと。2月19日にbilibiliで、20日にYouTubeで初配信を行いデビューしました。以前紹介したヒナミソラさんらの後輩にあたり、昨年12月より開催していたbilibili連携オーディションから選ばれたメンバーのひとりです。衣装等のデザインはヒナミソラさんと同じくイラストレーターのきらさぎゆりさん

日本在住で日本語と中国語が話せ、語学好きでスペイン語、英語は勉強中。YouTubeの初配信ではスペイン語で自己紹介しました。マンガやアニメが好きでオタクを自称し、茶道や木魚が好きな古風な一面も。歌もお好きで、初配信でも歌声を披露しました。デビュー以降は歌やゲームやASMR、スペイン語の勉強の配信などをしています。

活動開始を含む3月7日までに4400人以上が彼女をTwitterでフォロー、YouTubeのチャンネル登録数も現在1万4000人以上、bilibiliでも8800人以上のファンがいます。新人VTuberとしては好調なスタートでしょう。3月2日は早くも収益化を達成しました。

フォロワーを見るとヒナミソラさんを筆頭にWACTORメンバーのフォロワーが8割以上を占め、ほか夜巡ハナさんや冬原そのさんなどスペイン語を話せるVTuberのフォロワーが目立ちました。NimuさんなどラテンアメリカのVTuberのフォロワーも若干見えます。

サオヒメユエさん自身は中国語の方が得意なようですが、Twitterのフォロワーはラテンアメリカ人気が大きいようです。WACTORの先輩らが開拓したスペイン語圏のVTuberファンが関心を持った傾向が伺えます。YouTube初配信のチャットもスペイン語が大半です。

2021年初頭からスペイン語圏・ラテンアメリカ向けの活動をはじめ、その後のオーディションでスペイン語の話せるヒナミソラさんをデビューさせたWACTOR。同期のシノノメイトさんも26日デビューしており、2期生一部メンバーの活動停止など不安な動きもありますが、WACTORの今後の活動が期待されます。


(TEXT by myrmecoleon

 
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