日本マイクロソフト、南紀白浜空港における実証実験にクラウドとMRで協力

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日本マイクロソフトは、南紀白浜空港における新たな観光体験の創出と点検作業のスマート化を目指す実証実験において、「Azure」「HoloLens 2」の技術サポートで協力したと発表した。

南紀白浜空港では、同空港を運営する南紀白浜エアポートを中心に、業界各社が参画し、最新のテクノロジーを導入して、空港来訪者の利便性向上や空港職員の業務効率化を図るなど、先進的なプロジェクトを積極的に推進している。

今回、南紀白浜空港の空港ターミナルビル内とエプロン(航空機の駐機場)、滑走路周りの場周道路を対象に、高速大容量・低遅延なローカル5Gネットワーク環境を構築し、以下の3つの実証実験を行う。

1.HoloLens 2を活用した点検作業のスマート化
点検に際して、HoloLens 2を活用して現実空間に前回の点検記録を重ね合わせて表示。前回との比較が明確になるため、目視と比べ、作業時間の短縮と確認の効率化が可能になるとともに、担当者の経験の多寡にかかわらず、点検の品質を担保できる。
また、空港では、周囲の環境の中で高さ制限を超えるものがないか点検する業務がある。本プロジェクトでは、樹木など、高さ制限を超えたものの分析・検出結果をHoloLens 2に表示することで見落としを防ぐことが可能。

2.ロボットによる来訪者案内とデジタルサイネージ広告
Azureにローカル 5G経由で接続された複数のロボットが協調しながら、来訪者を案内。複数台のロボットを協調するために、Azure Digital TwinsなどのIoTサービスを利用し、リアルタイムでロボットの稼働状況などの確認が可能。将来的には、ビルに設置されている機器や、空調設備などから送られるデータなどと連携して、より複雑な業務や遠隔地からの状況把握が出来るデジタルツインの実現を目指す。
また、案内スタッフによる遠隔操作も可能なため、現地でのイレギュラーな対応が可能なだけでなく、案内業務の省力化やコロナ後の状況も見据えたテレワークにもつながる。
案内終了後には、移動型デジタルサイネージ上に周辺の観光情報などの広告を表示する。

3.HoloLens 2を活用した飛行機の離発着見学体験
南紀白浜空港が実施している、普段は立ち入りできない空港のバックヤードを巡る非日常の体験ツアーのコンテンツとして、HoloLens 2を活用したイベントを企画する。

実証実験は、3月14〜31日の期間で実施され、以下の企業が参加する。

・株式会社南紀白浜エアポート:実証環境提供
・日本電気株式会社:ローカル5GとMECシステム構築、スマートメンテナンスサービス開発、複数ロボット協調制御機能開発
・THK株式会社:サイネージロボット技術サポート
・株式会社オリエンタルコンサルタンツ:空港内施設点検業務アドバイザー、技術サポート

(協力)
・凸版印刷株式会社:MR体験コンテンツの開発、実証
・日本マイクロソフト株式会社:Azure(クラウド・IoT・MEC)技術サポート、Microsoft HoloLens 2技術サポート

●関連リンク
日本マイクロソフト プレスリリース