朝ノ瑠璃・VTuber Fes Japan特別インタビュー「VTuberとして認めてもらえたような気持ち」

4月29、30日、幕張メッセの「ニコニコ超会議 2022」内で開催されるバーチャルアーティストによる音楽＆トークライブフェス「VTuber Fes Japan 2022」（関連記事）。

PANORAでは、音楽ステージに出演する人気VTuberの中から、10組へのインタビュー連載を掲載中。この第4回では、2018年3月から活動している忍者系声優VTuber・朝ノ瑠璃さんに、幕張メッセという大舞台に立つことへの思いなどを語ってもらった。

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気分的には、東京ドームのステージに立つくらいの感覚（笑）

──出演依頼が届いたときの心境を教えてください。

朝ノ　以前からVTuber Fesに出たいなと思っていたので、オファーをいただいたときには本当に嬉しかったです。私の中でVTuber Fesって、大人気のVTuberたちがたくさん集まって、大きい会場でライブをするイベントだと思っていたので、そこに呼んでもらえたということは、私もVTuberとして認めてもらえたような気持ちになりました。

──VTuber Fesは超会議内の企画でもあるのですが、超会議に関してはどのようなイメージがありますか？

朝ノ　2019年の超会議で「おしゃべりフェス」に出させていただいたことがあって、超会議にも遊びに行ったことがあるんです。今回も本当にお祭りみたいなイベントになるんだろうなって、すごく楽しみです。

──朝ノさんは、2018年から活動を始め、音楽ライブやイベントの出演経験も豊富ですが、コロナ禍によって、2020年以降はリアル会場での有観客イベントの開催が難しい状況が続きました。そういった時期を通して、リアル会場でのイベントに対する思いに変化はありましたか？

朝ノ　コロナ禍になって、ライブがオンラインばっかりになってしまって。お客さんの持っている熱量を感じられない虚無感のようなものや寂しさは、やっぱりあったんです。ライブって、お客さんの歓声や応援の声とか、ペンライトを振ってくれる光だったりとかがあってこそのものなんだなと、改めて思うようになりました。

だから、今回のように会場でお客さんと会えるフェスに出られてとても嬉しいです。まだ、お客さんは声が出せないとかのルールはあると思うんですけど、それでも、お客さんの前でパフォーマンスができることはとても楽しみです。

──当然、どのようなステージでも全力で臨まれているとは思うのですが、目の前にお客さんがいることで、全力以上のものが出せるといったこともあるのでしょうか？

朝ノ　パフォーマンスは変わってくると思います。下手をすると、お客さんがいないときの倍くらいになってるかもしれません（笑）。

──初めて幕張メッセのステージに立つという心境を教えてください。

朝ノ　幕張メッセって、アーティストさんがライブをするときに観に行く場所というイメージがすごく強かったので、「VTuberが幕張メッセに立つんだ！いい時代になったな」と思ったし、その中に自分も含まれているのがとても嬉しいです。気分的には、東京ドームのステージに立つくらいの感覚です（笑）。

「歌うこと」と「演じること」はイコールだと思う

──朝ノさんは、初期から歌配信などの音楽活動を積極的に行ってきました。その約4年間で、歌うことに対する意識に変化はありましたか？

朝ノ　最初は歌うことが好きだからというシンプルな理由で歌配信とかを始めたんです。でも、たくさんの人が私の歌を聴きに来てくれる中、歌うことって自分が楽しいだけではなくて、誰かの心を揺り動かすことでもあるんだ、と思うようになっていって。最近は、一人でもいいから観てくれている人の心を揺さぶりたいという気持ちも込めて歌っています。沼に落としたいなって（笑）。

──朝ノさんは、VTuberの中ではかなり早くから声優としても活動しています。昨年、アニメ「邪神ちゃんドロップキック」のオーディションで、新キャラクター「エキュート」の役を射止めたことは大きな話題になりました。11月からは声優事務所クロコダイルにも所属され、今後、声優としての活躍の場はさらに増えていくと思います。そうした環境の変化によって、歌うことに対する意識が変わったりした部分はあるのでしょうか？

朝ノ　私は最近、「歌うこと」と声優として「演じること」って、イコールだと思うようになっていて。声優として事務所に所属するようになってから、いろいろな現場にお邪魔したり、レッスンを受けたりして、いろいろなことを学ばせていただいているのですが。声優として学んだことが歌うことにも影響してきていることをすごく実感しています。ファンの方にも「最近、（瑠璃）姉さんの歌って、すごく重みを感じる」って褒めてもらえたんです。

──演技の勉強をすることで、歌により深い感情が込められるようになったわけですね。

朝ノ　だから、歌も演じることも、表現をするということではイコールなんだなって。それに、どちらもものすごく好きで、自分にとって大切なことなんです。

──そうすると、どちらか片方だけに力を入れるといったことではなく、どちらかをがんばってっていれば、もう一方も自然とレベルが上がっていくという関係なのですね。

朝ノ　はい、WinｰWinな感じになっていると思います（笑）

「嬉しくて、泣いちゃった」というファンも

──これまでに出演されてきたイベントやライブの中で、特に印象的なものや、その後の活動への影響が大きかったりしたものがあれば、教えてください。

朝ノ　私にとってステージに立つことは、もちろん嬉しいことですし、自分が楽しみなことでもあるんですけど、応援してくださっているファンの方に「ありがとう。私、ここまで来られたよ」ということを伝えるための場所でもあるんです。どれかひとつのイベントがきっかけということではないのですが、ステージに立たせていただく経験を重ねていくごとに、そういった思いが強くなっていきました。

──では、今回、幕張メッセのステージから、朝ノ衆（ファンの愛称）の皆さんに感謝を伝えられるわけですね。VTuber Fesへの出演が発表されたときには、どんな反応がありましたか？

朝ノ「幕張メッセのステージに姉さんが立つのか！」って驚いてくれているファンの方が多くて、リプライからも、わくわくしている気持ちが伝わってきました。「嬉しくて、泣いちゃった」って書いてくれた人もいて、もはや親みたいな反応なんですよね（笑）。私もみんなからのリプライを読んで、思わず涙ぐんだりしました。

──フェスの当日、親のように見守っているであろう朝ノ衆の前で、どんな歌を歌われるのかは当日のお楽しみなのですが、ネタバレにならない範囲でヒントを伺うことはできますか？

朝ノ　私は、4月29日の「DAY1」の方に出させていただくんですけど、DAY1の出演者のメンツがどうしてこうなったのかということが分かるようなセットリストになっています。私としては「この曲を幕張メッセで歌えるんだ」っていう嬉しい驚きがあって、ドキドキしていますね。

「VTuberを応援してきて良かったな」と思って欲しい

──VTuber Fesのステージで、どんなパフォーマンスを披露して、観客の皆さんに、どんな思いを届けたいですか？

朝ノ　まだ、幕張メッセのステージに立つ自分がはっきりとイメージできていなくて。客席で観たとか、DVDで観たという印象の方が強いし、ふわっとした言葉になるのですが、忘れちゃいけないのは、「私を見ろ！」っていう気持ちかなと思っています。悪い意味ではなくて、みんなと調和しながらも目立つみたいな。

あと、やっぱり、まずは自分が楽しむことも大事だと思うので。自分も楽しみながらお客さんにも楽しんでもらえるという、自己満足ではないパフォーマンスをお届けしたいです。お客さんが帰りの電車の中で思い出してニヤニヤしちゃうような、「マジで今日最高だったな」って思ってもらえるようなパフォーマンスをできたらと思っています。

──ちなみに、こういったステージに立つ前は緊張するタイプですか？

朝ノ　ぶっちゃけ、いつもステージに上がる直前は心臓がバクバクしていて。下手したら壁に手をついて、「ハァ……」とか言ってるくらい超緊張するんです。普段、YouTubeで配信しているときも、ちょっと緊張しているくらい。でも、本番になってステージに立つと、「よっしゃ！」という気持ちの方が上回っちゃって。後から、「ステージ中、私、何してたっけ？」「よく覚えてないけど、楽しかったな」みたいな感じになるんです。たぶん、幕張メッセでも、そうなると思います（笑）。

──最後にVTuber Fesを楽しみにしているみなさんにメッセージをお願いします。

朝ノ　ここまで、読んでくださってありがとうございます。幕張メッセで、「ニコニコ超会議」と一緒にVTuberのフェスが開催されて、そのステージに自分が立てるということへのワクワク感がすごく強いですし、このご時勢に幕張メッセという大きな会場で、お客さんの前でパフォーマンスできることが本当に嬉しいです。

みなさんもすごくワクワクしてくださっていると思うのですが、会場に来られる方は、まずは感染対策に気を付けてください。ルールで我慢しなくちゃいけないこともあるかもしれませんが、お家に帰るまでがVTuber Fesだよという気持ちで。守ることは守りながら全力で楽しんで、「VTuberを応援してきてよかったな」と思ってくれる人が一人でも多くいたら嬉しいです。幕張でお待ちしております！

（Text by Daisuke Marumoto）

＜VTuber Fes Japan 2022 Supported by Paidy 開催概要＞
・主催：ドワンゴ
・日程：2022年4月29日（金・祝）、30日（土）
・会場：幕張メッセニコニコ超会議2022特設ステージ
・ニコニコ生放送配信URL：
　DAY1：4月29日（金・祝）開演 14:30～
　https://live.nicovideo.jp/watch/lv336038713

　DAY2：4月30日（土）開演：14:00～
　https://live.nicovideo.jp/watch/lv336038799