Metaを中心としたメタバースエキスポジャパン実行委員会は、7月27日・28日の2日間に渡って「METAVERSE EXPO JAPAN 2022」を東京・六本木のグランドハイアット東京で開催しました。
会場の展示ブースでは、Meta社やNTTドコモ、ソフトバンク、テレビ東京といった企業が出展。各社の最新の取り組みやサービスを来場者へアピールしていました。
【Meta】
- ARで未来の世界をイメージ
Meta社のブースでは、直近で値上げがあった「Meta Quest 2」のデモのほか、ブースに真っ白な街の模型を展示。その模型に、Instagramを起動したスマートフォンをかざすとARのCGが表示されると言うデモを行っていました。ARによって彩られた未来の世界をイメージしてもらいたいそうです。
【バスキュール・JAXA】
- 宇宙ステーションとリアルタイムに連携
バスキュールとJAXAが共同開発した「ISS SPACE WALK in METAVERSE」を展示。実際のISSをデジタルツイン化していて、飛行位置などはリアルタイムで再現。HMDをかぶると、原寸大で再現されたISSの回りを観察できます。
【NTTドコモ】
- 5Gを使ったライブ配信をメタバースで
メタバース内でのグローバルバーチャルライブが行える「MATRIX STREAM」のデモを展示。大容量、高速通信、同時多接続といった5Gの優位性を活かしたコンテンツやサービスを目指しているとのこと。現在のシステムは観客として参加するアバターは同じデザインですが、いずれは各自の用意したアバターで、バーチャルなライブ会場にアクセスできるよう目指しているそうです。
【W TOKYO】
- ガールズコレクションをVRで
W TOKYOは、ファッションイベント「東京ガールズコレクション(TGC)」を運営している企業。「リアルよりも楽しいかも知れない」をコンセプトに、「バーチャルTGC」を開発しています。ステージエリアでは、リアルな会場で開催されている東京ガールズコレクションの配信がみられるほか、滑り台などのアトラクションも用意。
アトラクションをクリアするとコインがゲットでき、貯めたコインは「バーチャルTGC」でアバターなどと交換できます。
【ソフトバンク】
- 店員も客もバーチャル店舗で
ソフトバンクブースでは、世界最大規模のメタバース空間「ZEPETO」内にオープンした「ソフトバンクショップ in ZEPETO」を披露。ソフトバンクショップ in ZEPETOでは客がショップ内を歩き回って、最新端末をチェックできるほか、店員もアバターとして滞在しているので、接客も行えるようになっています。
そのほか、メタバース空間に福岡の「PayPayドーム」を再現し、実際の試合と連動させながら応援するイベントなども紹介していました。
【パーソルマーケティング】
- メタバース内での新しい雇用を創成
人材派遣会社のパーソルマーケティングは、メタバースで新しい雇用が創成できないかと、取り組んでいます。展示ブースではメタバースに案内人のアバターを滞在させ、リアルタイムでの接客などをデモンストレーションしていました。
担当者によると、これまで移動や時間に制限のある人、たとえばカラダに障がいがあったり、介護のため自宅を離れられないといった人は、働きたくても難しい。それがメタバース内での仕事なら、場所にとらわれず働けるのではないか。新しい仕事として成立するのではないかということで、取り組みを進めているそうです。
【大日本印刷】
- XRコミュニケーション事業の用途や可能性を提案
大日本印刷のブースでは「新たなXRコミュニケーション事業の用途や可能性を提案」をコンセプトに、バーチャル空間を活用して、リアルタイムに映像を制作する「バーチャルプロダクション」やXR空間の構築システム「PARALLEL SITE」を展示。
大型のスクリーンを用意し、「渋谷区宮下公園」、「秋葉原」、「神田明神」のバーチャル空間を写しだし、そのスクリーンの前に人が立って、リアルとバーチャルを組み合わせた撮影を実演していました。
【サイバーエージェント】
- 花火も再現できるリアルタイム合成システム
ブース内にグリーンバックのスタジオを設置していたのがサイバーエージェント。VR空間との合成をリアルタイムに行い、イベントのなどの配信に活用するデモを披露していました。
VR空間内では各種フィルターやアクションがタブレットから操作できるようになっており、花火を打ち上げたりといった効果が簡単に行えます。
【楽天モバイル】
- ショッピングや遠隔医療に活用
楽天モバイルのブースでは、「5Gとデジタルツインを活用した遠隔歯科医療教育」や「メタバースショップ」など、これまで行ってきた実証実験やテストサービスなどの成果を展示。同社のネットワーク仮想化技術と組み合わせて、楽天モバイルの通信がメタバースに適していることをアピールしていました。
【HIKKY】
・世界最大級のVRイベント「バーチャルマーケット」を今年も開催
大型のVRイベント「バーチャルマーケット」を運営するHIKKYは、8月13日から「バーチャルマーケット 2022 サマー」を開催することもあり、体験展示および出展希望者の募集を行っていました。
【凸版印刷】
- 精細でリアル感のある企業向けVRショールームなどを展示
凸版印刷は同社が展開している3つのサービスを展示。ひとつは、バーチャルモールアプリ「メタパ」。仮想空間上に複数の店舗をあつめ、モールのように集約したバーチャルモールアプリで、スマートフォンから手軽にメタバースを体験できるのがポイント。複数人でアクセスできるので、家族や友だちとショッピングをしている雰囲気が味わるほか、AR機能で実寸サイズを確認できるなど、ショッピングしやすい機能も装備しています。
もうひとつは、企業向けショールーム構築サービスの「MiraVerseショールーム」。VR空間内に、正確な色再現技術・独自の質感計測技術と3DCG/VR技術、制作ノウハウをベースとして、空間やモノをリアルに再現。実物と大差ないリアル感を伝えられるため、企業向けの販促/プロモーション向けの技術です。
3つめは3Dアバター自動生成サービス「MetaClone アバター」。顔写真を1枚撮れば1分ほどで3Dアバターが作成できるというもの。会場内では来場者自身のアバターを作成するデモも行われていました。
【Pixiv】
- 無料で簡単に3Dアバターが作れる「VRoid Studio」
Pixivブースでは、同社が開発した日本発のサービスだが、海外からのユーザーの方が多いほど人気となっている3Dアバター作成ソフト「VRoid Studio」のデモを展示。各種パーツを選びながら3Dアバターを作成していく手順を紹介していました。
【テレビ東京】
- テレビ番組とメタバースを組み合わせ
テレビ東京は、同社が展開しているバーチャルサービス「池袋ミラワールド」について展示。テレビ東京がメタバースに参入したきっかけは、池袋にある「Mixalive 東京」に劇場を設立し、ライブ事業に参画したこと。
ところがコロナ禍によって、劇場でのリアルなライブ事業が厳しくなったため、この劇場を使ってなにかできないかと考えて組み合わせたのがメタバースです。劇場が池袋にあるため、バーチャル空間として「池袋ミラワールド」を構築。劇場でのライブをバーチャル空間で配信するといった取り組みが行われています。
現在ではロンドンブーツ1号2号の田村淳さんを「バーチャル豊島区長」にむかえ、地上波番組「田村淳が豊島区池袋」との連携も行われています。
【コインチェック】
- オープン予定のメタバース都市「Oasis」をチラ見せ
暗号通貨取引所を運営するコインチェックのブースでは、同社が製作をすすめているメタバース都市「Oasis TOKYO」をPVなどで紹介。今後はOasis TOKYO内に企業などを誘致し、NFTなどの市場拡大を目指していきたいとのことです。
【森ビル】
- ビーナスフォートをデジタルツインで再現
森ビルは、昨年お台場ビーナスフォートで開催したAR空間提供の実証実験について展示。実証実験では、お台場ビーナスフォート内でAR情報を表示したり、お台場ビーナスフォート自体をデジタルツインで再現して、その中を歩き回れるといったことが行われました。
ちなみにお台場ビーナスフォートはすでに閉館してしまいましたが、デジタルツインなら今回のように、メタバース上に再現してアクセスできるというのもポイントです。
【SANDBOX SHIBUYA109】
- 渋谷の楽しさも再現
SHIBUYA109エンタテイメントは、メタバース「SANDBOX」内に展開している、SHIBUYA109 LANDについての展示していました。渋谷駅前から109をメインに渋谷の街を再現。アーティストやキャラクターとのコラボレーションイベントなどを行っているそうです。
(Reported by Satoru Nakayama)