サンリオファンにこそ参加して欲しい!「SANRIO Virtual Festival 2023 in Sanrio Puroland」先行体験会レポート

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本記事では、2021年末に続いて2回目の開催が発表されたサンリオによるVR音楽フェス「SANRIO Virtual Festival 2023 in Sanrio Puroland(以下、サンリオVfes)

本イベントは、計10日間にわたって開催する大規模なメタバースイベントだ。1月13日から20日まではラジオ体操やミニライブなどを、21、22日の2日間はメインともいえる音楽フェスをそれぞれ実施している。会場としては、メタバースのひとつである「VRChat」や配信プラットフォームの「SPWN」、スマートフォン向けメタバースの「REALITY」など、異なるプラットフォームを用意(公式サイト)。

今回、東京都多摩市にあるサンリオピューロランドにて行われたVRの先行体験会を取材したところ、VRファンはもちろんのこと、サンリオファンは特に感動できる箇所が多いと感じた。2021年の初回は行けなかったという方もぜひ参加してほしいので、本イベントの楽しみ方や見どころを紹介したい(昨年のレポート記事)。

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VRだから実感できるキャラの近さ

見どころは、なんといってもサンリオが制作しているということで、キティちゃんをはじめとするキャラクターを目の前で見られたり、超リアルなピューロランドの中でイベントを楽しめるところだ。まずは下の動画を見てほしい。

サンリオVfesで1月13〜22日に毎日実施しているバーチャルパレードの様子だ(詳細は後半)。なんと本編すべてを公開しているので、一見「わざわざパレードを見に行かなくても、これでいいのでは?」と思ってしまいそうなところ、実はVRで体験するとまったく感じ方が異なる。

VRを未経験の方に向けて補足しておくと、VRのゴーグルはかぶると視界がすべて覆われて上下左右後、どの方向を見ても映像に包まれている状態になる。そして両手に持ったコントローラーでは、ボタンを押してものを持ったり、スティックを倒して移動したりといった手足の操作が可能だ。どちらも直感的なので、ゲームコントローラーでテレビに映ったキャラクターを操作するのとは異なり、自分の体でバーチャルの世界を体験しているように錯覚してしまうのが新感覚だ。

上の動画でいえば、YouTubeでは視点はカメラのものになるが、VRなら空間を移動して好きな場所からベストアングルを探せる。「推し」のキャタクターに近づいて可愛い動きをずっと眺めていたり、全体が見える位置まで下がって空間全体の演出に驚いたり。高いところに現れたキャラクターは、上を見上げて眺めたり。すべては現実のパレードと同じように、目の前で起こっているのだ。なんならパレードの車が動く先に立っていると、突っ込んできて中を見ることもできてしまう(バーチャルの体なので無傷です)。

同じVRChatの空間に居合わせた誰かと一緒に見られるというのもポイントだ。現実のパレードでも、他の人の楽しそうな笑顔を見て、より楽しい気分になることがあるはず。VRならリズムに合わせてペンライトを振るなど、ほかのみんなと動きや気持ちがシンクロする瞬間で「ああ、ライブの現場に来てよかったー!」と実感できるはず。

そしてこのパレードはあくまでも1日3回実施しているもので、本編はあくまで21、22日の音楽フェスにある。しかも4つのフロアを用意して、合計70以上の公演を展開するという怒涛のボリュームだ。この音楽フェスにも、サンリオキャラクターズが出演するライブを用意する。キャラクターグッズをいくつも持っていたり、ピューロランドに何度も足を運ぶほどのサンリオファンなら絶対に楽しめるので、「VRはちょっとよくわからないから……」と敬遠せずに体験しほしい(後述するが、実はピューロランド内でもVRで体験できます)。

イベント会場となるVRchat上のワールドは前回同様、写真から3DCGを作成するフォトグラメトリ技術で作られた本物そのもののバーチャルピューロランド。先行体験会の会場がピューロランドの地下だったため、ついさっき入ったばかりの建物が目の前に現れる感覚が楽しかった。

ちなみにピューロランドに行くためにわたる橋のあたりからオフィシャルパートナーのフォトスポットがいくつか設けられいる。それぞれのブースに置いてあるかわいいバブルガンは、出てくる泡のデザインが少しずつ異なるので、ぜひ手に取って遊んでみよう!


ライブ開催までのコミュニティーイベント

本イベントは、SPWN配信やREALITY会場などVR環境がなくても楽しめる手段を用意しているものの、作りこまれたワールドやハイクオリティーなライブパフォーマンスといった体験の肝はVRChatでの参加を想定している。しかし、VR機器は持っていても知り合いがいなかったり、まだまだVRChatでの参加がハードルになる方は多いことから、事前に知人を作れるマッチングイベントを行うなど、ファン同士のつながりを大事にしていることがうかがえる。

例えば、音楽ライブが行われる前の14日から20日には、VRCahtのユーザーコミュニティーとのコラボで「VRCラジオ体操/Questラジオ体操部」、「私立VRC学園 みんななかよく課外授業」を実施している。どちらも普段からVRChat上での定期開催しているもので、コミュニティーを広げるための場でもあるので初心者も入りやすい。

「VRCラジオ体操/Questラジオ体操部」は、みんなでラジオ体操をするだけというシンプルな内容だが、会場がバーチャルピューロランドなのがサンリオVfesならではの特別版になる。今まで興味はあったけど行ったことがなかったという方も、この機会にぜひ早起きして参加してみよう。

「私立VRC学園」は、慣れない人にとってはとにかくハードルの高いVRChat自体の遊び方を学べるだけでなく、気の合う仲間と出会うきっかけもつくってくれる場になる。

こうしたコミュニケーションに重きを置く姿勢は、サンリオ側がVRChat上のイベントで何度か人と会うことで対話が生まれることに感銘を受けたことがルーツだという。現実では居合わせた人と顔見知りになることがなかなか難しいところ、VRChatなら自然と会話が生まれる。そんな可能性を感じたことから、フェスに来た人たちがVRを通じてつながって欲しいという願いを込めたそうだ。


VRのハードルが高い方には配信&REALITY会場も

VRChatでの参加が難しい方には、SPWN配信、YouTube無料配信(B4のライブ・パレードほか)、REALITY会場も用意している。VRのハードルが高く、PCやスマホでライブ配信は見たい方にはSPWN配信や、チケットは購入していないけど少し見たいという方にはYouTube配信でB4のライブを無料で見ることができる。無料とはいえ、memexやキヌといったVRChatで人気のアーティストが出演するので必見だ。

スマートフォン向けアプリのREALITY会場は、サンリオVフェスのエントランスが出張会場として登場し、Vフェスの雰囲気を体験することができる。また、会場の大型スクリーンではこちらもB4のライブやバーチャルピューロビレッジのパレードなどが流れるとのことなので、友人と集まって鑑賞できる。

サンリオファン必見の世界初バーチャルパレード「Musical Treasure Hunt」

13日21時のオープニングセレモニーでお披露目されたバーチャルパレード「Musical Treasure Hunt」は、今回注目のイベントのひとつだ。総合演出・篠田利隆、監督・0b4k3というサンリオVフェスのクリエイティブを見せつける圧巻のパフォーマンスになっている。

はじめはサンリオらしいkawaiiパレードだったが、徐々にハードコアになっていく様子がとても楽しかった。「これがサンリオ!?」と驚いてしまうこと請け合いだ。ぜひVRで見てもらいたい。

また、キャラクターたちの表情がとても豊かで、エモーショナルにコロコロと表情がかわるクロミや、震えるようにうつむいているララがとてもかわいかった。こうしたキャラクターたちの動きを近くで見られるのは、VRならではの楽しさだと感じる。

パレードは期間中、毎日決まった時間に開催される。時間になるとYoutube配信なども行われるほか、無料エリアで開催されるので、ライブチケットを購入している人もそうでない人も、みんな一緒に参加しよう。


●Musical Treasure Hunt開催スケジュール
開催予定時間(JST) 各回約20分
・1月21日:13時〜/22時〜
・1月22日:13時〜/22時〜

パレードの舞台は今回新設されたエリアで、中央のエスカレーターを降りた先にある「バーチャルピューロヴィレッジ」。サンリオファンにはおなじみのピューロヴィレッジと同じ場所にあたり、もちろんシンボルの知恵の木もある。こちらはパレード用のポータルと、通常のポータルに分かれており、行きたい方のポータルに飛び込めば移動できる。

バーチャルピューロビレッジは遺跡のような雰囲気になっている。くまなく探検すると良いことが起きるかも……? 野外音楽フェスに行くと単に音楽を楽しむだけではなく、空いた時間で自然にふれあったり、設置されているモニュメントを見たり、遊んだりすることも多い。新設されたバーチャルピューロビレッジは、まさにそうした空間に思えた。ぜひフェスを楽しむかたわら、友人と遺跡を探検をしてみよう。

冒頭でも書いたが、今回の先行体験会がサンリオピューロランドで行われたため「本当に、同じ場所にピューロヴィレッジがある!」と感激してしまった。サンリオファンならなおさら感動できるだろう。


大渋滞のタイムテーブル! おすすめのパフォーマンスは

音楽フェスのタイムテーブルはすでに発表の通りになる。ピューロランドの地下という設定でB2、B3がチケットが必要な有料フロア、B4、B5が無料フロアとなっている。さらにB4、B5はSPWNでは視聴できず、ゲーミングPCか、ゲーミングPC+PC接続VRが必要になる。

前回と同様にVRChatで活躍するアーティストやVTuberといったVRシーンのアーティストのみならず、リアルシーンで活躍しているアーティストも同じフェスにブッキングされているところが見どころになる。

原因は自分にある。
ピーナッツくん

昨年同様、B2はリアルアーティスト、B3はバーチャルアーティストが出演するステージとなっているが、今年はリアルとバーチャルの垣根をさらに一段階取り払うかのように、2次元と3次元の狭間をコンセプトに次元を行き来してパフォーマンスしているボーイズグループ「原因は自分にある。」がアバターを介してB3で、アニメやラップのほかぽんぽことのコンビ「ぽこピー」での掛け合いなど多彩な才能を発揮している「ピーナッツくん」がB2でのパフォーマンスを予定している。ぜひその目でVR界の事件になりうるパフォーマンスを目撃して欲しい。

このほか、スチャダラパー、サイプレス上野とロベルト吉野といった、いくつもの音楽フェスに出演してきた実力派アーティスト。富士葵、MonsterZ Mate等、音楽系VTuberとして活動を続けてきた人気アーティスト。YSSやAMOKA等、VRChat上での音楽活動をけん引してきたアーティストなど、枚挙に暇がない。みんな見て欲しいところだが、タイムテーブルを見て悩むのはまさに音楽フェスの醍醐味でもあるだろう。

TORIENA

無料で参加できるB4でのパフォーマンスで個人的に注目しているのがTORIENAだ。TORIENAは、家庭用ゲーム機の音源を使用した音楽ジャンル・チップチューンシーンで精力的に活動しているトラックメイカー。今回は自身のバーチャルペルソナ「LiLENA」での出演かつ、昨年キヌのパフォーマンスでも大いに話題になった光や粒子で空間を巻き込んで演出するパーティクルライブを行うという。どのようにB4で暴れるのだろうか。

また、昨年に引き続きB5の地下最深部のALT3も健在。篠田利隆とVRクラブ・GHOSTCLUBの接近から生まれたと言っても過言ではないサンリオVフェスの原液であり、最先端のVR体験が詰まっている。
こちらはゲーミングPCが必須だったり、早いもの順で入場人数が定められているといったハードルの高さもあるが、実際のクラブ体験を先鋭化させたような独特のカルチャーを楽しめる。公式Twitterおよび公式Discordにて随時情報を入手してぜひ参加しよう。
※ALT3の詳細はこちらを確認


サンリオピューロランド現地での体験

なんと、今回のサンリオVフェスの開催期間中の22日まで、サンリオピューロランドには体験コーナーが設けられており、3台のMeta Quest2がサンリオファンを待っている。VR機器を持っていないけど興味があるサンリオファンは、ぜひ開催期間中にサンリオピューロランドでバーチャルパレードを体験しよう。体験場所は知恵の木のわきにあるエンターテイメントホール入口。

VR機器を使用するのが初めての方でもスタッフの方から使い方やVRChatの操作方法もレクチャーしてもらえるため安心だ。ただ、場合によってはVR酔いをする可能性もあるので、気分が悪くなってきたら遠慮せずゴーグルを外して深呼吸しよう。

●体験会スケジュール
・期間:1月13日~1月22日 10時30分~16時(19日は休館日)
・場所:サンリオピューロランド内1Fエンターテインメントホール入口

また、サンリオピューロランド内に点在するドアごしにライブショーを見ることができるARコンテンツ「いつでもkawaiiライブショー」が用意されている。本コンテンツは、「XR City」アプリにて体験可能である。

対応するドアのそばには足マークがあるため、サンリオピューロランドに遊びにいったさいはぜひ体験してみよう(詳しくはこちらの記事)。

(TEXT by ササニシキ、Edited by Minoru Hirota

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●関連リンク
「 SANRIO Virtual Fes in Sanrio Puroland」公式サイト