水中に潜るライドが楽しい! 京セラ・VRChat上の展示ブースで未来の通信を体感しよう

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京セラはVRChat上で自社製品の展示やガイドツアーを行うワールド「Kyocera Laser World」を6月29日よりオープン。7月2日までの4日間はVRChat上にてガイド付きツアーも行われる。

当ワールドは京セラによるB2B分野のメタバース事業の一貫となっており、今回が二度目の開催となる。

リアル&メタバース同時展開の京セラ「JIMTOF 2022」ブースを取材 VRchatなら切削など機械の動きを目の前で体感できる

ワールドには京セラが開発中のレーザー製品を展示されているほか、京セラのLED通信技術Li-Fiが社会実装されるユースケースとして、水中で活動するドローンの作業風景をVR上で体験できるというものになっている。

一般のVRChatユーザーとしては関わりが薄いと思われがちなビジネス活用分野のワールドだが、社会科見学をしているようなワクワク感と、ワールドの完成度の高さに純粋な面白さがあった。

参加するまでは自分の生活圏にレーザー製品がどのように役立つのかわからなかったので「安全安心の暮らしと環境保全への役立つレーザー製品やコンセプトをご紹介」と言われてもピンときていなかった。しかしVRChat上のツアーとして体験すると、その凄さがヴィジュアルイメージとして訴求されていることで、すんなりと理解できて楽しかった。

この記事では6月27日に行われたプレス向けツアーのレポートとともに、京セラのレーザー製品や、レーザーを活用した通信技術の魅力をお伝えしたい。


「京セラレーザーコンセプト製品 バーチャル展示ブース」とは

GaN(窒化ガリウム)を使用した次世代レーザーや、Wi-FiならぬLi-Fiなど、馴染みのない単語が飛び交う京セラのガイドツアー。「安全安心の暮らしと環境保全への役立つレーザー製品やコンセプトをご紹介」という内容を見て、いくらVRで体験したとしてもレーザー製品に馴染みがなさすぎて理解できないかもしれない……という不安を感じながらツアーに参加すると、ブースのエントランスから感じる高いクオリティにワクワク感を覚えた。

入り口

AONEKOさんやレオさんなど、VRChatユーザーなら一度は聞いたことのあるクリエイターが制作スタッフとして参加しているワールドはそれだけでも見ごたえがあり、床や壁の表現からして「これは……!」と唸ってしまう。

特に、建物内に入ってすぐのところにある水槽は一目見て「これはすごい!」と感じられるものになっているはず。このクオリティのものをガイドツアーが始まる前に見られたことで、ツアーへの期待値が上がった。

水が美しい水槽


まさに社会科見学! 半導体に詳しくなくてもわかりやすい

実際にレーザー製品を触りながら説明

ガイドツアーでは京セラが製作しているレーザー製品についての説明と、レーザーがどのような仕組みで光るのかを説明される。

光の特性が一目瞭然

レーザー製品の説明時にはVR上に再現された精巧な3Dモデルを元に説明され、レーザーが照射されると製品ごとに光の特性が違うのでわかりやすい。

1km先まで届く懐中電灯

たとえばこちらはレーザーを使用した懐中電灯。京セラの2つのレーザー素子によって1000ルーメンもの明るさがあり、1km先まで照らせるという。もとはBMW向けに開発されたレーザーヘッドライトから懐中電灯として開発中とのこと。イカ釣り用として販売されているライトが500~1000ルーメンなので、いかに明るいかがわかるだろう。

Li-Fiモジュール

レーザーを光源として使うのではなく、光に変調(モデュレーション)を加えることで通信を行うことも可能だという。この、Wi-Fiならぬ光を使ったLi-Fiモジュールは、最大26Gbpsというとてつもないデータ通信速度が実現できるというから驚きだ。

Li-Fiのメリットはいくつかあり、データの傍受が困難であることからアメリカでは政府関係で活用が始まっているほか、無線通信が困難な場所での活用として航空機内などでの活用が期待されているという。

また、無線が届かない水中でも青色の可視光レーザーを活用することで通信が可能だという。京セラによるLi-Fi通信の社会実装として、水中での活用は期待される分野で、今回のライドコンテンツのメインにもなっている。

絶縁体、半導体、導体を並べて電気を通す様子

説明エリアに進むと、ボタンで動くギミックとともに半導体の仕組みや、レーザーの仕組みを紹介してもらえる。

半導体がレーザー光を発する様子

LEDにかかせない半導体の仕組みや、それによって発光する流れを説明してもらう様子はまさに社会科見学。とくに半導体がレーザー光として光を発する様子はロボットアニメのワンシーンのようで見ているだけでもワクワクし、プレスツアー中でもひときわ盛り上がる瞬間だった。


VRらしいライドコンテンツ

ガイドツアーのハイライトとなるのが、最大17人乗れるというライドコンテンツ。

水辺の美しさを感じるライド

このライドではLi-Fi技術を活用した未来の水中作業の様子を体験できるが、スタートしてしばらくは乗り物の上から水辺の景色や、透けて見える水中でゆらめく海藻などを眺めることになる。

海面が頭上に!

しばらくすると徐々に視界が低くなり、あっという間に水中へ潜っていきます!

Li-Fi通信で働く水中ドローン

水濡れや空気の心配などを無視した、まさにVRならではのライドコンテンツの在り方に興奮させられると、先ほどの説明で学んだばかりの青色の可視光で通信しているLi-Fi技術によって動く水中ドローンの作業風景があたりで繰り広げられている。

クリオネがきれい

水中にはドローンのほかに、メンダコやクリオネといったなかなか実物を見られないかわいい生物がみられます。とくにクリオネは透けた身体が美しく、水の流れにゆだねてゆらめいている様子は見ていて癒やされます。

唐突な巨大モニターもVRらしい

乗り物が水中の遺跡のような場所にたどり着くと、内部には巨大なモニターがあり、そこで先ほども説明のあった京セラが開発を進めるレーザー製品やLi-Fi技術についてのプレゼンテーションが行われます。

実際の海だと足に触れてちょっと嫌な気分になる海藻

こだわりポイントとして、水中の表現の中でも海藻に力を入れたという。こだわりを感じるビジュアルも目を引きますが、クリオネと同様に不規則な水の流れにあわせて一斉に揺れる動きもリアル。

海藻の間に身をひそめる魚(結構リアル)

この海藻などのモデリングはレオさん、水中などあらゆるシェーダー表現はAyanoさんが担当しているとのこと。 この水中へのこだわりは、環境保全への取り組みを進めている京セラならではの世界観とのこと。

メンダコとクリオネがかわいい

また、実はこの水中は乗り物に乗らなくてもライドの乗り込み口から歩いて探検することも可能。リアルさにこだわった海藻やかわいさに振ったメンダコなどを間近で見るのもおすすめだ。


メインパビリオンの展示を観て回ろう

京セラの担当者による製品の説明とライドコンテンツの体験を以ってガイドツアーは終了するが、展示されているレーザー製品を手に取って実際に照射してみると、作りの細かさをより楽しめる。

懐中電灯をトリガー操作で照射
距離によって光の当たり方が違う

レーザー製品はトリガー操作で照射させることができる。当たり前のようだが遠くの壁を照らせたり、距離によって光の強さが変わったりするところは、なかなか芸が細かい。

水中にあった海藻

ライドから戻ってくると、このひときわ目立つ水槽は先ほどの水中にあった海藻や水の表現を間近で見られるようになっていたことに気づいた。地域密着型の水族館で見られるような、その地元の海の環境を再現している「〇〇の海」のコーナーのようで面白い。

●ツアーについて
・日付:6月29日(木)〜7月2日(日)
・時間:1日3回/20時、21時、22時
・参加方法:VRC ID:kyocera1へジョイン

(TEXT by ササニシキ

●関連リンク
京セラ株式会社