凸版印刷、江戸時代の「国宝松江城」と「水都 松江」をARとVRで再現

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凸版印刷株式会社

 凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:麿 秀晴、以下 凸版印刷)、山陰中央テレビジョン株式会社(本社:島根県松江市、代表取締役社長:田部 長右衛門、以下 山陰中央テレビ)、株式会社山陰中央新報社(本社:島根県松江市、代表取締役社長:松尾 倫男、以下 山陰中央新報)は、松江城の「大手門」と、天守最上階「天狗の間」から見た江戸末期の「水都 松江」の姿を楽しめるVRコンテンツ、およびスマートフォンを松江城にかざすことで内部構造を鑑賞できるARコンテンツと、「松江の吉田くん」(※1)を利用した多言語解説コンテンツを組み合わせた『国宝松江城・城下町AR・VR』を制作しました。
 なお、本コンテンツは、凸版印刷が2016年より展開する体験型VR観光アプリ「ストリートミュージアム®」(※2)にて、2020年3月27日から公開されました。

左:松江城「大手門(南惣門)」 右:江戸末期の水都松江 製作・著作:松江市 制作:凸版印刷株式会社左:松江城「大手門(南惣門)」 右:江戸末期の水都松江 製作・著作:松江市 制作:凸版印刷株式会社

 ■ 概要・背景
 2015年に国宝に認定された松江城は、建築的特徴や歴史的価値について、正しく深い情報を来訪者に伝え、文化財としての保存と観光における活用の両立を進めています。今回、松江市の同城調査研究委員会の専門家監修のもと、凸版印刷がこれまで培ってきたAR・VR技術を活用し、『国宝松江城・城下町AR・VR』を制作しました。今は取り壊されて見ることのできない大手門や、天守の最上階「天狗の間」から見た江戸時代の松江城下眺望を高精細VRで再現。さらに、松江城の特徴的な骨組み構造「通し柱」を、現存する天守に重ねて見える高精度ARや、松江市の観光応援キャラクターであり、SNSで話題の「松江の吉田くん」を活用した多言語解説コンテンツを制作しました。
 本コンテンツにより、実際の城跡をより楽しく体験し松江城の魅力を深く感じてもらうことで、観光客・登閣者数の増加を目指します。

■ 『国宝松江城・城下町AR・VR』について
①ARコンテンツ:「天守骨組み構造・通し柱」
 「通し柱」という築城当時としては先駆的な構造をしている松江城の内部を、現存する天守に重ねて見ることができる高精度なARコンテンツを制作しました。松江城の築城時、全国的な築城ラッシュで木材不足に陥っていたため、各階層で柱通りを変えて交互に「通し柱」を配置。これにより、長大な部材を用いず短い柱を巧みに組み合わせ、大規模天守の建築を可能にしました。
 高精度なARで内部構造を天守に重ねて見ることで、言葉やイラストでは伝わりづらい「通し柱」技法を、よりリアルに体感することができます。

現存する天守と、天守の内部構造のCGがARで重ねて見える様子現存する天守と、天守の内部構造のCGがARで重ねて見える様子 ②  VRコンテンツ:今は見ることのできない「大手門」
 明治初期の廃城令で取り壊されたとされる松江城の「大手門」を高精細VRで復元。礎石・石垣の実測図のほか、「御城内絵図面」「松江城縄張図」「御本丸二ノ御丸三の丸共三枚の内」「御城内惣間数」「竹内有兵衛書つけ」など、松江城が描かれた絵図や当時の文献を参考にCGを制作しました。

③  VRコンテンツ :天守の最上階「天狗の間」から見た江戸時代末期の「水都 松江」
 松江城の天守最上階「天狗の間」から見る江戸時代末期の「水都 松江」をVRで制作。「水都 松江」の眺望を再現するにあたり、明治期に描かれたとされる「松江四季眺望図」を参考に江戸時代末期の松江城下町を忠実に再現しました。

④  ARコンテンツ:スマートフォンで読み取るだけで簡単に利用できる「城下町松江AR解説カード」
 AR技術を使って、カードにスマートフォンをかざすと「松江の吉田くん」が文化施設の概要を多言語で解説する「城下町松江 AR解説カード」を松江城天守ほか5か所で配布します。
 カードのデザインは配布場所ごとに異なっており、それぞれの場所の解説を見ることができるため、コレクションを目的にした地域の周遊を促します。なお、このカードのうち1種類は同じ国宝であり、ストリートミュージアムに掲載されている松本城となっており、地域を超えたプロモーションの相互効果を目指します。

城下町松江AR解説カード城下町松江AR解説カード■ 各社の役割
凸版印刷:VRコンテンツの制作、「ストリートミュージアム®」の提供
山陰中央テレビ:制作統括・演出
山陰中央新報:指定管理事業、コンテンツ制作に関する基礎資料提供、著作権整理
監修:和田嘉宥、大矢幸雄、金澤雄記、小林久高、松江市歴史まちづくり部松江城調査研究室、松江歴史館

■ 凸版印刷のデジタル文化財を活用した地方創生支援への取り組み
 近年、自治体や商業施設などにおいて、訪日外国人をはじめとする旅行者の誘致による地域経済の活性化や、市民意識の醸成などによる、地方創生への取り組みが本格化しています。こうした中、VRやARなどの技術を活用して地域の文化資産をデジタルアーカイブ化・コンテンツ化することで、歴史理解の促進や新たな観光資源として活用する取り組みが拡大しています。
 凸版印刷では、VRコンテンツの制作はもちろんのこと、臨場感と没入感を体験できるVRシアターや、全地球測位システム(GPS)を組み合わせた体験型VR観光アプリ「ストリートミュージアム®」など、最新のデジタル表現技術を用い、文化資産を活用した地方創生支援を展開しています。

※1松江の吉田くん
 フラッシュアニメ「秘密結社鷹の爪」作者であるFROGMANが松江市の観光大使に就任し、それをきっかけにして同作のキャラクター「吉田くん」を元に制作された松江市を応援するキャラクター

※2 体験型VR観光アプリ「ストリートミュージアム®」について
 体験型VR観光アプリ「ストリートミュージアム®」は、バーチャルリアリティ(VR)と全地球測位システム(GPS)を組み合わせたプラットフォームアプリです。現存しない城郭などの史跡を高精細かつ色鮮やかにVRコンテンツで再現し、スマートフォンやタブレット端末で位置情報と連動してその土地その場所ならではの歴史体験ができます。旅行者は本アプリを利用することでVRコンテンツを通じてバーチャル観光が体験できるほか、音声による解説で理解を深めたり、現在の地図だけでなく当時の古地図を見ながら町歩きを楽しんだりすることができます。松本城(長野県)や福岡城(福岡県)など、全国各地の史跡を1つのアプリで楽しめる史跡観光アプリとして、31コンテンツを公開しています(※2020年5月末現在)。
iOS :https://itunes.apple.com/jp/app/id1151091144?mt=8
Android:https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.toppan.streetmuseum.android
(※iOS 11以降、Android OS 5.0以降に対応、一部機種では正常に作動しないことがあります)

* 本ニュースリリースに記載された商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。
* 本ニュースリリースに記載された内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。

以  上

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