株式会社LearnMore(本社:大阪市中央区 代表取締役:坂口 雄哉)は、oVice株式会社とリセールパートナー契約を締結し、二次元メタバース空間を活用した新たな教育環境づくりをスタート。不登校児童生徒や放課後スクールなどをはじめとした、全ての子ども達に学ぶ機会と、社会性を育む機会を提供し、自ら考えて行動する力を身につけるためのサポートをいたします。
- 教育現場の課題
299,048名。これは令和4年度における、小中学校の不登校児童生徒の数です。
出典:令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要-文部科学省
不登校児童生徒の人数は、年々増加しており、コロナ禍を機に急増。コロナ前の令和元年度の小中学校の不登校児童生徒の割合は1.88%だったのに対し、コロナ後の令和4年度は3.17%と、1.29%も増加しており、非常に大きな問題になっております。
最初に学校に行きづらいと感じはじめた主なきっかけは、①先生のこと ②心身の不調 ③生活のリズムの乱れ ④友達のことの4つであり、最初のきっかけとは別の学校に行きづらくなる1番の理由は、「勉強がわからない」というデータが出ております(「令和2年度不登校児童生徒の実態調査」-文部科学省)。実際に学校を休んだ後の一番多い感想としては、小学校中学校ともに「もっと登校すればよかった」が最も多く(「令和2年度不登校児童生徒の実態調査」-文部科学省)、不登校児童生徒の中には「登校したい」という思いはある生徒が多いことがわかります。
加えて共働き家庭の増加に伴い、年々増加する放課後児童も大きな問題となっています。登録児童数だけで対前年43,883人増の1,392,158人(令和4年(2022年) 放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の実施状況 -厚生労働省)、「放課後に家庭で子どもの世話をする時間がない」「放課後、子どもが自宅 にいるときに犯罪や災害にまきこまれないため」という声に対応すべく各自治体が支援を行う放課後児童クラブにも様々問題があり、所謂待機児童が毎年増減があるものの平成27年(2015年)からは15,000人程度の水準を上下する状態。奇しくもコロナ禍リモートワークなどの影響か待機児童数は減少したものの、最新2022年の時点では反転し増加しています。
出典:令和4年(2022年) 放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の実施状況 -厚生労働省
- 課題解決へ向け二次元メタバースを活用した新たな教育支援
そのような教育現場における課題を解決すべく株式会社LearnMoreでは、oVice株式会社とリセールパートナー契約を締結し、二次元メタバースを活用した新たな教育環境づくりをスタートすることといたしました。
その取り組みの第一弾では、特に不登校児童生徒に向けて、二次元メタバースを活用した授業支援を行います。具体的には、学校の授業や先生とのやりとり、他の生徒とのコミュニケーションをオンライン上で行うことができるようにする。それだけではなく、デジタル教材の活用や、オンラインによるキャリア教育、主権者教育など、子ども達が、どのような環境においても公平に学ぶ機会と、社会と関わる機会を提供することで、自ら考えて行動する力を育むためのサポートをします。コロナ禍リモートで授業ができるように環境整備されたところ、なかなか学校にこれなかった児童が今年になって登校できるようになった。などの声が教育現場ではちらほらと好事例として取り上げられる機会があります。
oVice株式会社とのリセールパートナー契約:https://www.ovice.com/ja/salespartner
- 二次元メタバース空間とは
メタバースとは、インターネット上の仮想空間のことを指します。メタバースのポイントは現実世界に限りなく近い状態で活動できることです。現実世界と同じく常に時間が流れ続けている世界で、アバターを動かして遊んだり集まってミーティングをすることができます。
教育現場においては、放課後に教室や校庭に集まって話をしたり、クラブ活動やサークル活動のような雑談など、何気ないコミュニケーションをWeb上の空間でも取ることが可能になります。
今回当社で導入するのは、oVice株式会社が提供している二次元のビジネスメタバース「ovice」です。oviceは、「オンラインでのコミュニケーションを最大化」することを目指して開発されたビジネスメタバースで、アバターを使ってオンライン画面上を自由に動いて、自由に話しかけることができます。また、周囲のやり取りを耳にしたり、通りすがりで会話に参加することもできます。他のオンラインツールやメタバースに比べて、児童でも操作しやすい簡便性が特徴で、拍手や挙手などの音声付きの感情の共有機能もあり、リアルに近い体験ができるのが特徴です。
すでにoviceは、東京プライム市場上場企業などを含む4,000以上の企業団体が継続的に利用するに留まらず、三重県教育委員会をはじめとした、自治体や塾などの教育現場でも導入されており、今後はICT化の推進とともに、さらなる活用が見込まれるツールとして期待されます。
- 「バーチャル教室(メタバース空間)」を活用した教育支援の3つのメリット
バーチャル教室を活用する主なメリットは、以下の3点です。
①公平な教育機会の提供
我が国においては、学校などで平等な教育環境が整えられていると言えますが、生徒の個性や特徴によって個別最適化された教育、すなわち公平な学びの提供については、現在GIGAスクール構想にて進めている段階であり、まだ完全に整えられているとは言えない状況です。このバーチャル教室では、一人ひとりの教育環境や、学習状況に合わせて学ぶことが可能であり、公平な学びの提供に近いものとなっていると言えます。
当社の社員に以下のような原体験を持つものがおります。「学生時代、不登校だった友人が有名国立大学で教鞭をふるうようになりました。彼曰く、自宅やゼミなどで上限を振り切って学ぶことができるようになると、『学ぶって楽しい!』と思うようになり、教育現場で仕事をする道を選んだそうです。」
このように不登校児童生徒に限らず、学習者の感覚は様々です。協調性を育む教育が重要であることは勿論のこと、選択肢として幅広い教育が提供できるようになります。そして、これには前述のオンライン学習ツールなどとのコラボレーションがより効果を発揮します。
②距離の制約を取り除く
昨今の少子化や、教員をはじめとする教育リソースの合理化などの影響により学校の統廃合が進み、通学時間の増大や、スクールバスの導入件数が2倍以上に増加する(小中高等学校の統廃合の現状と課題-文部科学省)といった現象が起こっております。「放課後、友達とゆっくり過ごす時間がなく、学校が楽しくない。」「通学距離や時間、天候トラブルなどによるストレスが原因で欠席してしまい、授業についていけなくなった。」といった事態が起こり、その結果、不登校になるという悪循環を引き起こしかねないと考えられます。
バーチャル教室では、メタバース空間でリアルに近い学校生活を送ることができるため、リアルとバーチャル登校を組み合わせることにより、身体的負担や心理的ストレスが減り、不登校を未然に防ぐことができるという可能性を秘めております。
また、距離の制約がないことから、自身が生活する地域だけでなく、他の地方や、修学旅行以外では訪れる機会のないような地域とのコミュニケーションを取ることもできます。
さらには、国外のグローバルな地域とのコンタクトも容易になることから、海外における通学困難を理由に教育機会を逸している子どもに対する解決策としても、このバーチャル教室を活用することができるなど、国内にとどまらず、海外でも活用することが可能です。
③メタバースツール間における優位性
oviceの特徴を活かせる点として、下記の3点があります。
・使い方が簡単
URLをクリックするだけ。アバターで入ることができるので顔出しも不要なので、利用のハードルが低いです。入室者の存在が視覚的にわかり、アバターで近づき声をかけられます。周囲のやり取りを耳にしたり、通りすがりで会話に参加もでき、実際に人が隣にいるような感覚で会話やチャットができます。
・カスタマイズができる
オンラインで繋ぐことも、デジタルツールを使うことも可能です。家にいながら現実世界の教室を見て授業を受けることや、動画教材・デジタル教材などを使用することもできます。生徒がどこで、何をしているのかが一目でわかるのも安心です。学校教育との相性が非常によいものとなっています。
・利用データから効果検証ができる
利用データから、会話発生数、入室回数、滞在時間などを把握することができます。このデータをもとに効果検証し、今後の施策に活用することも可能です。
さらに、当社がこれまで実施してきた学校教育支援と組み合わせることで、これまで先生が、時間とマンパワーの関係で取り組むことが難しかった領域へのサポートも可能となります。
- 今後の展開
まずは、不登校児童生徒の支援からスタートし、第二弾として放課後児童支援、第三弾として学校の先生の視野拡大や、地域との関係性の構築、総合学習などに活用できる実務支援を目的とした活用を想定しています。最終的には、小中高のリモート学習の一環として活用してもらうことで、新たな教育環境づくりを進めていきます。
また、学校、生徒の困りごとは全て先生が解決する。そんな当たり前を変えるべく、「地域のチカラ」を借りた支援も進めていきます。具体的には、キャリア教育や主権者教育などにおける実地学習として、子ども達を受け入れてくれる先の協力を得て、子ども達の社会性を育むことに繋げていきます。リアルとオンラインのハイブリット運用により、生きた学びを身につけていくためのサポートを行っていきます。
そして、先生のミカタとして活動するLearnMoreとしては、学校教育の現場で最先端の技術活用を選択できるようにしたい。そして、先生の業務を効率化し、本当に必要なことに集中できる環境を作りたいという想いから、今後、新たにリリースされる様々な技術、サービスとの連携にも積極的に取り組み、新たな可能性を広げ続けていきます。
- 会社概要
会社名:株式会社LearnMore
所在地:大阪府大阪市中央区南本町2丁目2番10号CUBE南本町3階
代表者:坂口 雄哉
設立:2020年8月
URL:https://www.learn-more.co.jp/
事業内容:私たちは教育のあるべき姿を「先生が真に必要なことに集中でき、その教育を経た子ども達が社会で活躍できる人に育ち、一部がまた先生となって学校に戻ってくる好循環が生まれる社会」と定義しています。その実現に向け、ICTを活用した学校教育支援を行い、先生のミカタ事業、映像教材受託事業、自社映像教材事業の3事業を展開しております。先生のミカタ事業は、大阪トップランナー育成事業としても認定され、教育のあるべき姿を実現するものとして、先生の見方=学校の健康診断、先生の味方=実務支援、先生の視方=先生の社会力の向上、先生の力の活用の3つを軸に実施しております。また、今年5月にリリースしたAI搭載漢字学習アプリ「かんじぃPT」を活用した企画が、2025年大阪・関西万博に向けた取り組み「みんなで考える未来の街プロジェクト「咲洲テック・ラボ・プログラム」に採択されたり、共創パートナー・共創チャレンジにも登録されるなど、大阪・関西万博での取り組みにも積極的に参画しております。今後も教育の最前線に立つ先生のミカタとして、先生と共に“教育”という“未来”をよりよくすべく、様々な取り組みを進めていきます。
- 本件についての問い合わせ
株式会社LearnMore
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TEL:06-7777-4270