9月14日にVRChat上にバーチャルオフィスを公開したMyDearestは、1月16日にアップデート版を公開した。
9月に公開したワールドでは現実のオフィスをリアルに再現しつつ、部屋中をめちゃくちゃにできたり壁に落書きできるという、ユーザーが自由に楽しめるものになっている。そこには、ただ訪れる人が楽しめるだけではなく、VRゲームスタジオの立場から「VRChatとVRゲームの距離を近づけたい」という想いが現れていた(関連記事)。
今回のアップデートではなんと、「夜のオフィスに窓ガラスを割って侵入し、機密情報を盗み出す!」というストーリーが用意されている。電気が消された真っ暗なオフィスという、ちょっと危ない雰囲気の場所に入りこむ体験や、ただ侵入するだけでなく機密情報を盗み出すという、実際には絶対にできないことを体験できるというVRならではの面白みを感じた。
さらに、同ワールドでは1月20日に音楽ライブも行われるという。VRゲームスタジオがVRChatのワールドをコミュニティの場として使うばかりにとどまらず、ライブイベントまで開催してしまうのは異例のことだ。
公開に先立って行われた先行お披露目会の様子をレポートしながら、MyDearestの熱い想いをお伝えできればと思う。
やっちゃいけない「深夜のオフィスへの侵入体験」をやろう!
![](https://asset.panora.tokyo/wp-content/uploads/2024/01/16135645/VRChat_2024-01-15_21-00-55.819_3840x2160-680x383.png)
ワールドに入ると初めから真っ暗。目の前に意味深なメッセージが表示され、どうやら窓ガラスを割るというワイルドな経路でMyDearestのオフィスに侵入したらしいことを知る。
![](https://asset.panora.tokyo/wp-content/uploads/2024/01/16155927/VRChat_2024-01-15_21-00-37.180_3840x2160-680x383.png)
さすが、新作ゲーム「Brazen Blaze」(ブレイゼンブレイズ)のキャッチコピーが「現実でやっちゃいけないこと、全部やろうぜ!」なだけある。9月に公開したワールドではオフィスを破壊できるギミックが用意されていたが、アップデート版となるこのワールドで体験できるのは、夜に侵入して機密情報をリークせよというミッションらしい。
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真っ暗なオフィス内に煌々と光るモニターを目印にデスクにおかれた書類などを手に取って見ることができる。「大阪クロノス」「沖縄クロノス」など、意味深な文字が並んでいる。
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これらのアイテムのうちのいくつかは、機密情報アイテムとして取得することが可能。目の前に「機密情報入手」と表示されればOKだ。これらのアイテムはワールド全員で共有されているものではなく、ひとりひとりが取得できるローカルアイテムになっているので、大人数で遊びに行っても大丈夫。
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![](https://asset.panora.tokyo/wp-content/uploads/2024/01/16175342/VRChat_2024-01-15_21-15-30.171_3840x2160-680x383.png)
乱雑に書類が散らばったままの夜のオフィスをめぐり、「あれ、他人の財布が置きっぱなしになってる…?」とよく見ると、謎解きゲームとして話題の「人の財布」そっくりの財布になっているポイントも。
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ワールドに入った時に表示されるメッセージに「機密文書を取得したら一階に降りてきて欲しい」と書かれていた通り、一通り取得できたらエレベーターに乗ろう。
お披露目会ではある程度の時間が経ったらエレベーター前に集合することになっていたので、みんなでエレベーターに乗り込むと…
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エレベーターで降りていると、アラートが鳴り危険なムードに。窓ガラスを割って侵入して機密文書を盗んだとあればそうなりますよね、と思っていると…?
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あっという間に爆炎に飲み込まれる。
好き勝手にオフィスを壊したり侵入して機密文書を盗んだりできて、楽しいワールド体験でした!
![](https://asset.panora.tokyo/wp-content/uploads/2024/01/17001929/VRChat_2024-01-15_21-22-25.092_3840x2160-680x383.png)
しかし、爆発して終わりではない。
爆発が落ち着くと、外が光っているのが見える。脱出するにはドアをぶっ壊すしかなさそうだが、壊すといえばやはり「ガントレット」。ゲームでは壁を壊したり空を飛んだりできるブレイゼンブレイズのキーアイテムが落ちているので、嵌めて外に出よう。
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VRゲームスタジオがVRChatワールドを公開する意味
![](https://asset.panora.tokyo/wp-content/uploads/2024/01/17002010/VRChat_2024-01-15_21-22-45.094_3840x2160-680x383.png)
エレベーターを出るとメッセージが表示され、ブレイゼンブレイズのロビーに来たという説明を受ける。
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そう、爆炎に飲まれてたどり着いた先は、ゲーム「ブレイゼンブレイズ」の中ということだ。
VRゲームスタジオが制作したVRChatワールドなだけあって、ここで用いられている3Dモデルアセットは本物。自社でIPを持っている会社ならではの強みと言える。
![](https://asset.panora.tokyo/wp-content/uploads/2024/01/17010028/VRChat_2024-01-15_21-23-52.257_3840x2160-680x383.png)
![](https://asset.panora.tokyo/wp-content/uploads/2024/01/17152139/VRChat_2024-01-15_21-24-52.600_3840x2160-680x383.png)
ロビーの壁には取得した機密文書の数に応じてポスターが最大4種、表示される。
オフィスのエリアで入手できる機密文書のうち1つは少しわかりにくく設置されているので、是非くまなくさがしてポスターを全て表示させよう。
1月20日に音楽ライブ開催!
![](https://asset.panora.tokyo/wp-content/uploads/2024/01/17010134/VRChat_2024-01-15_21-42-59.296_3840x2160-680x383.png)
このロビーはなんと、MyDearestが1月20日に行う音楽ライブ「MyDearest JAM 2024 -OPEN THE GATE-」の会場にもなる。
memexやAMOKAなど、VRChat音楽シーンではお馴染みのアーティストのほか、AzumosはMyDearest社員の有志が結成したユニットだという。もちろんMyDearestの過去作の歌も歌う予定とのことで、VRゲームスタジオならではのコンテンツ力を感じる。
●MyDearest JAM 2024 -OPEN THE GATE-
・開催日:1月20日(土)
・OPEN:21:00
・START:21:30
・会場:MyDearestバーチャルオフィス(※グループインスタンス)
会場はお伝えした通りアップデートされたバーチャルオフィス地下エリアだが、ライブへの参加は誰かにJOINする方法ではなく、VRChatで作られた特定のグループメンバーだけが入れるインスタンスでの開催となるので、まずMyDearestのVRChatグループに参加しよう。
サテライト会場などはないため、もし参加できなかった場合はYoutube配信でライブを観ることも可能。アーティストのネームバリューを考えれば「JOINできたらラッキー」という感覚で、Youtubeで観る前提でいるくらいがよいかもしれない。
![](https://asset.panora.tokyo/wp-content/uploads/2024/01/17182315/VRChat_2024-01-15_21-27-16.872_3840x2160-680x383.png)
VRゲームスタジオであるMyDearestがなぜ音楽ライブをやるのか、ニュースだけを見ると不思議に思う方も多いだろう。
MyDearestは9月にバーチャルオフィスをオープンした時から「VRChatとVRゲームのファン層が離れている」という課題に対してアクションを続けてきたが、今回はソーシャルVRで遊んでいるユーザーに「OPEN THE GATE(門を開けよう)」と、ソーシャルVRからVRゲームへの扉を開けようというメッセージを込めたものになっている。
だからこそ、夜のオフィスに侵入する非現実的な体験の後でゲームのキーアイテムであるガントレットで扉を壊して、ゲームの中に入ってしまうというコンセプトになっていたのだ。熱い想いを込めてワールドをアップデートするMyDearestのことがどんどん好きになってしまう。
![](https://asset.panora.tokyo/wp-content/uploads/2024/01/17155031/VRChat_2024-01-15_21-30-36.296_3840x2160-680x383.png)
そもそものワールドの形状がステージっぽいことから「少し手を加えればライブができるのでは?」という思いつきがライブ開催のスタートにあったという。ソーシャルVRのファン層に対してMyDearestを知ってもらうための施策を考えている中で音楽ライブが最適というところに行きつき、このアイディアと結びついたあとは勢いで進めたとのこと。
![](https://asset.panora.tokyo/wp-content/uploads/2024/01/17164415/VRChat_2024-01-15_21-27-08.993_3840x2160-680x383.png)
VRChatで日常的に遊んでいる方や、音楽ライブなどのイベントごとへの参加がメインという方など、VRは好きだけどVRゲームはそこまで馴染みがないという方こそ、ガントレットで扉を壊した先にあるゲーム空間に行ってみたくなりませんか?
(TEXT by ササニシキ)