VR向けデバイスを開発するジンテクス工房は、「Meta Quest」シリーズ用コントローラー向けの拡張型フィンガートラッキングデバイス「Yubitora+(ゆびとらぷらす)」を発表した。2月には「Kickstarter」にてクラウドファンディングが開催される。
Quest コントローラーを差し込むだけで、指が自由に動くように
「Yubitora+」は、VRヘッドセット「Meta Quest 2」、「Meta Quest 3」、「Meta Quest Pro」用コントローラー「Touchコントローラー」向けの拡張デバイス。装着することで、「SteamVR」上で「Indexコントローラー」をエミュレートし、指の動きを再現することができる。
コントローラーに装着するユニットには、薄型の静電容量センサーと圧力センサーが搭載。2つのセンサーで指のトラッキングを行う仕組みだ。コントローラーをユニットに差し込むだけで装着でき、大きな改造は不要。ロック機構も備わっているので、激しく振っても外れないとのことだ。
『Yubitora+』 とPCとの通信は、専用ドングルによる独自の2.4GHz帯通信を採用。ペアリングやキャリブレーションは専用のソフトで行う仕組みだ。なお、「Meta Quest」とPCの接続は、公式機能である「Quest Link」および「Air Link」にのみ対応し、Steam公式アプリ『Steam Link』や、有料アプリ『Virtual Desktop』には、現時点では非対応となる。
指の動きを検知できるVRコントローラーといえば、Valve社の「Indexコントローラー」が有名だ。一方、従来のTouchコントローラーは、指の接触については検知できていたものの、詳細な指の動きや圧力は検知ができない。とりわけ、『VRChat』などのソーシャルVRユーザーにとって、”繊細な指の表現”はニーズが高い。動作確認済みのソフトウェアを見るに、本デバイスはソーシャルVRユーザーを意識した拡張デバイスであると思われる。
2月からクラウドファンディングを実施
2月1日(木)~3月5日(火)にかけて、 『Yubitora+』 のクラウドファンディングが「KickStarter」にて実施される。デバイスの開発費用、および一般販売へ向けた準備費用の獲得が目的となり、達成すれば一般販売が実現するとのことだ。
プロジェクトはAll-or-Nothing方式(目標金額に満たない場合は計画の実行、リターン送付がない方式)にて実施。価格は左右セットで3万円前後となる見込み。達成後のスケジュールは以下を予定している。
- クラウドファンディング終了 ~24年3月5日
- ハードウェア・ソフトウェア開発 ~24年6月
- リターン品組み立て・梱包 ~24年7月
- 発送開始 24年7月~
なお、最新情報はジンテクス工房の公式Xアカウントにて発信予定とのこと。
「KickStarter」 の支援ページはこちら。
「Yubitora+」 製品スペック
- 重量:約70g(片側)※今後の設計修正により若干前後
- 動作時間:約10時間
- 充電方法:USB Type-C端子
- 無線方式:2.4GHz帯の独自通信
- 動作確認済VRアプリケーション:VRChat、Resonite、cluster
- その他のSteamVR対応のアプリケーション
- ※全てのSteamVR上のアプリケーションでの動作を保証するものではないとのこと。
- 動作確認済VRヘッドセット:Meta Quest2、Meta Quest3 、Meta Quest Pro