市場調査とマーケティングを行う矢野経済研究所は、VTuberに関する消費者アンケート調査の実施結果を発表した。VTuber関連動画の視聴傾向、VTuber関連グッズ・イベント等の支出状況について調査・分析が行われ、VTuberファンの属性、およびVTuberファンが推しているVTuber事務所・プロジェクトの調査・分析結果が公開されている。
VTuberファンは10～30代の男性と、10～20代の女性に集中
今回の調査は、2023年11月に日本国内在住の15～44歳の男女32,918名に対し、趣味設問項目の中から「VTuber」を選択した1104名（男性555名、女性549名）に対して実施された。これら調査対象者を「VTuberファン」とし、その年齢・性別について分析した結果は以下の通り。
これらの「VTuberファン」について、性別と年齢別でみてみると、男性の方が女性よりも「VTuberファン」回答率が高い傾向にあり、男性10代（15-19歳）で9.2%と最も高く、次いで男性20代前半（20-24歳）で9.0%、男性30代後半（35-39歳）7.8%、20代後半（25-29歳）7.2%であった。一方、女性では、年齢層が高くなると回答率が減少傾向にあり、10代（15-19歳）5.9%が最も高く、次いで20代前半（20-24歳）4.8%、20代後半（25-29歳）3.5%という結果であった。
矢野経済研究所 プレスリリースより
本調査結果から、「VTuberファン」は10～30代の男性、10～20代の女性を中心に構成されていると考える。
『ホロライブ』と『にじさんじ』が圧倒的人気。しかし男女差は真逆
注目トピックとして、調査対象に「どの（国内）VTuber事務所/プロジェクトを愛好している（推している）のか」を質問した結果が公開された。
グラフを見ると、男女ともに『ホロライブプロダクション』と『にじさんじプロジェクト』が群を抜いて人気であることがうかがえる。同時に、 『ホロライブプロダクション』 は男性が女性よりも30ポイント以上、 『にじさんじプロジェクト』 は女性が男性よりも約20ポイント高いことがわかる。「ホロライブは男性人気が、にじさんじは女性人気が高い」と推察できる。
この結果について、レポート内では次のように考察されている。
背景としては、「ホロライブプロダクション」が一部の男性VTuberグループを除き、女性VTuberを中心に活動して男性の支持を伸ばしているのに対し、「にじさんじプロジェクト」では女性VTuberと並び、男性VTuberが多数所属していることがあると考える。
矢野経済研究所 プレスリリースより
上記2事務所に次いで回答率の高い「ぶいすぽっ！」と「あおぎり高校」は男性のほうが回答数が多い一方、「ネオポルテ」は男女回答比率に偏りは見られていない。レポートでは、 「ぶいすぽっ！」と「あおぎり高校」 は女性VTuberのみで構成されているのに対し、『ネオポルテ』は男性VTuberも女性VTuberも所属することから、「演者の性別、配信内容など様々な要因により、ファンの属性に違いがある」と考察されている。
また、「LIVE」などでは10代よりも20代～40代の回答率が多いことから、「視聴者の属性に応じて愛好する（推している）VTuber事務所/プロジェクトが異なる」という結果であると、レポートは締めくくられている。
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本調査に関する、オリジナル情報が掲載されたショートレポートが、1100円（税込）で提供されている。全7ページのショートレポートには、上記の注目トピックに関する追加情報や、調査結果の詳細が掲載されている。
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