君も輝くアイドルになれる。アイドルバラエティイベント「DOLSTARS」とは?【CLUSTARSコラボ連載・第6回】

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メタバースコミュニティー「CLUSTARS」は2024年3月29日、PANORAコラボ企画として公開インタビュー企画の第6弾をclusterで実施。アイドルバラエティイベント「DOLSTARS」の主催をする桜兎フルガさん・地蔵めたびさん、ワールドツアーイベント「ねことあそぶ」の主催イヌカンフーさんに話を伺いました。

公開インタビュー当日の様子。
壇上左からイヌカンフーさん、地蔵めたびさん、桜兎フルガさん、ずんださん、sunさん
(撮影:筆者)

アイドル”バラエティ”イベント「DOLSTARS」

DOLSTARSは、VRChatやclusterを中心に活動するアイドルの桜兎フルガさんと、芸人の地蔵めたびさんが主催・MCを行っている、「アイドルバラエティイベント」です。2023年6月から1ヵ月に1回のペースで開催しており、毎回3~4組のアイドルをゲストとして呼んで開催されます。

DOLSTARSは、メタバースイベントコミュニティ「CLUSTARS」が運営しているイベントのひとつですCLUSTARSは、有志が集まってVR空間でイベントを行う、「失敗上等」をモットーに掲げたコミュニティです。

イベントの特徴として、バラエティ・ライブの2つのパートに分かれていること、ポイント制によるファンサービス要素があること、clusterやVR空間の長所を強く生かしている事が挙げられます。

アイドルイベントとしての最大の特徴は、アイドル”バラエティ”と銘打っている通り、前半のパートに大喜利やクイズといったテレビ番組のバラエティに近い企画があることです。

DOLSTARSでは、バラエティ要素をより強めるため、各パートにポイント制度が導入されています。

バラエティパートではMCの地蔵さん・桜兎さんの判断で、後半のライブパートではclusterのアンケート機能を活用して、それぞれのアイドルがポイントを獲得します。イベント中に獲得したポイントが最も高いアイドルが、後述する「チェキ」の撮影を行える、というシステムになっています。

公開インタビュー直近のDOLSTARS「メンズアイドルまつり」より
メンズアイドルのシチュエーションボイスに悶絶する桜兎フルガさん
(撮影:筆者)

公開インタビューの直近で行われたDOLSTARSの「メンズアイドルまつり」で行ったバラエティパートでは、シチュエーションボイスの読み上げとクイズを組み合わせた企画を行っていました。

提示された3つのシチュエーションボイスの候補から、主催の桜兎フルガさんが考えたものを読み上げた人が正解としてポイントを加点、さらに間違った場合でもセリフの読み方によって桜兎さんのフィーリングによってポイントが加算されます。

過去のDOLSTARSでも大喜利や連想ゲームといった、テレビのバラエティ企画に寄せたパートを用意しており、この構成はイベント開始時から現在まで変わっていません。


VR空間の活用 並ばず約30秒で撮れる推しとの「チェキ」

先述したように、最もポイントを集めたアイドルは、「チェキ権」が与えられます。

通常のアイドルのチェキ撮影は、来場者への券の発行・列整理・時間管理・撮影とチェキの譲渡……など、労力と時間をかけて行われます。時には希望した参加者全員にチェキが行きわたらない場合も少なくありません。

そこで、DOLSTARSではclusterの機能「パーソナルエリア」を活用します。これは、自分を中心とした一定範囲内に入った一般参加者のアバターを視認できなくする機能です。

もとはイベントに参加する際、意図せず他参加者が視界を防ぐといったトラブルを防止するために導入されています。そのためか、イベントの主催者やスタッフ・ゲストなどの権限が与えられたユーザーのアバターは、パーソナエルエリア内でも消えません。

DOLSTARSでは、まずチェキ会撮影希望者にパーソナルエリアを設定していただきます。その後、チェキ権を獲得したアイドルが客席に降り、その周囲に撮影希望者が集まります。

「メンズアイドルまつり」におけるチェキ会の一幕。
アイドルと撮影した本人は写るが、それ以外はパーソナルエリアで消える
(撮影:筆者)

この時、撮影希望者はパーソナルエリアを設定しているので、権限を持っているアイドルはカメラに写りますが、ほかの参加者はカメラに写りません。これを徹底することで、MCの地蔵さん曰く「30秒」でチェキの撮影会を終わらせることができ、運営の簡略化を図れます。

ライブとバラエティの2つのパートを用意する理由として、歌が重要視されがちなVRアイドルという世界で、話芸や一芸を使ったバラエティに強いアイドルが強みを発揮できると、TCG芸人として芸能事務所にも入っている主催の地蔵めたびさんは話します。

「バラエティ企画のほうで跳ねるアイドルも居たりするじゃないですか。そちらが得意な方を拾ってあげたいな、という感じで始めた企画ですね」

実際の会場の空気感も、MCが積極的に観客のコメントを拾ってくれたり、逆に観客サイドも積極的に場を温めるコメントしてくれたりと、通常のライブイベントとは違う方向で盛り上がっています。

地蔵さんはこの雰囲気も含め、DOLSTARSの空気感を「歌を聞けるバラエティイベント」と表現しています。


ワールドツアーイベント「ねことあそぶ」とアイドル

DOLSTARSと同じく「CLUSTARS」が開催するイベントのなかに「ねことあそぶ」があります。

最初はclusterをはじめたばかりの人に向けて、相談や交流の練習をする場として始まったこのイベントに、桜兎さんがたまたま遊びに来たこと転機が訪れます。

「桜兎ちゃんが遊びに来て、ファンサをしてくれて。その回が神回だったんですよ、すごい盛り上がって」

参加者との交流の一環として、ワールドツアーを兼ねた撮影会が盛り上がる様が、イヌカンフーさんの心象に突き刺さります。以降、「ねことあそぶ」ではゲストとしてアイドルを呼び込み、ワールドツアーを通してレクリエーションをするような構成に変わっていきました。

CLUSTARS一周年記念のイベントのひとつとして行われた、「ねことあそぶ」特別回の様子。
このワールドでは実際にバスケットボールが出来る(写真提供:イヌカンフーさん)

「根本にあるのは初心者の方が操作を覚えながら遊べるってところにあるので、きれいなワールド1つ、ゲームが出来るようなワールド1つ見に行って、全体をアイドルに盛り上げてもらう」

初心者をターゲットとしたイベントに、アイドルを呼び込む最大の理由は、場を明るくする力を持っていること。アイドルの方々がイベントを盛り上げてくれるので、イベント全体を通し、ただ相談をするだけとは違う活発な空気を持たせてくれます。

実際の参加者の人数も、1対1の相談会形式だった頃が「20人前後」だったのに対して、アイドルを呼び初めてからは「70人くらい」と3〜4倍に増えたと、主催自身がその影響が目に見えて結果にあらわれていることを実感しています。


目的は仲間とライバル。DOLSTARSの今後について

ファンが構えたカメラにファンサする桜兎フルガさん
(写真:ナオトさん)

DOLSTARSには桜兎フルガさんや地蔵めたびさんを立たせたような企画はありません。

バラエティパートに関連づけられることはあっても、基本の役割は前説とMCのみ。アイドルとして歌うのはゲストのアイドルのみとなっています。

なぜこのようなイベント構成になったのか。桜兎フルガさんはアイドルとして、「30分自分だけの枠が欲しいと思ったことは?」という質問について、DOLSTARSの成り立ちから答えてくれました。

「アイドルって今もあんまりいないんですよ、clusterに!」

桜兎さん自身もアイドルとして、VR空間内で定期ライブイベントを行ったり、リアルでは秋葉原でのワンマンライブを控えています。2年以上のアイドル活動のなか、足りないと感じたものは、同じアイドル仲間でした。

「それがすごいさみしくて。自分が出たいというよりも、仲間が欲しい、ライバルが欲しいという気持ちでDOLSTARSを始めたので。自分で言っちゃえばアイドルなんで、名乗ってしまえばアイドルなので!」

質問に答えたあと、桜兎さんは観客に向かって笑顔で手を振ります。

DOLSTARSの主催二人は、今のアイドルバラエティの形式を変える予定はないと言い切ります。

地蔵さんは、「DOLSTARSに出たアイドルにはいろんなイベントに出てほしい」と話し、今後とも様々な個性を持ったアイドルを誘う予定であると今後の展望を語ります。歌だけでなくキレキレなダンスが出来る人など、自分の個性が発揮できる人を求めていると話す。

桜兎さんは、DOLSTARSがバラエティを強調するイベントである理由を、まず「この世界ってみんなが可愛いじゃん!」と、ルックスの平等を、アイドルだけでなく観客も含めた全体を指して言います。

「ってなったらやっぱ面白さじゃん、喋れるかじゃんと私は思っているので。可愛いだけじゃね、やっぱアイドルはやっていけないんですよ!」

だからこそ、アイドルになってみんなに殻を破ってほしいと、桜兎さんは話します。


自身の一芸や長所、あるいは今までやれていなかったことが、アイドルになることで出来るかもしれない。DOLSTARSは、VR空間にいる”アイドル候補生”を募集しています。

(TEXT by 改札口西口 , INTERVIEW by ずんだ , RECODE by sun