最後はやっぱり32人集合で完全燃焼! 「Life Like a Live!」22日夜公演レポート

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9月19~22日に開催したバーチャルアイドルのオンラインライブフェス「Life Like a Live!」(えるすりー)。

メインの屋外ステージでは、20~22日の3日間で全5公演の音楽ライブを実施し、総勢20組67名ものバーチャルアイドルが出演した。ここでは、最終公演となった22日(祝)の夜公演をレポートする。

 
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世界一のVRアイドルを目指す「えのぐ」のステージで開幕!

20日(日)の夜公演と21日(祝)の昼公演に続く3度目のトップバッターとしてステージに登場したのは、VRアイドル「えのぐ」。メンバーは、鈴木あんずさん、白藤環さん、日向奈央さん、夏目ハルさんの4人組だ。

ライブの開幕にぴったりのポジティブな曲「Welcome to Live」でいきなり盛り上げると、2曲目は切ないラブソングの「ハートのペンキ」というセトリで表現力の幅を見せつける。

MCを担当した鈴木さんは、「『えのぐ』は、VRアイドルが当たり前の存在になること。その上で、世界一のVRアイドルになることが目標です」という以前からの目標を改めて表明。

「そんな絵空事を言い続けてきたら。『えるすりー』のようなバーチャルアイドルさんのイベントが生まれたり。世界最大規模のアイドルフェス『TOKYO IDOL FESTIVAL』にバーチャルTIFというステージができたり。少しずつだけど、私たちや他のバーチャルアイドルの方々の活動が実を結んできたのかなって本当に嬉しく思います。私たちもこの先も大きな目標を掲げて、必ず成し遂げます。ずっとずっと私たちに付いてきてください!」

そんな力強いメッセージから披露したのは、MCの内容にもシンクロする「絵空事」。メインステージ全5公演に出演し、すべて異なる曲を披露した「えのぐ」にとっては、このイベントで披露する13曲目の曲となる(ユニット曲含む)。この大舞台でのパフォーマンスに賭ける思いは、セトリからも伝わってきた。

間奏では、ファン、共演者、スタッフらへの感謝を叫び、メインステージの最終公演は、開幕からクライマックスな雰囲気となっていた。

 
2組目に登場したのは、4人のご当地VTuber、大蔦エルさん(愛知)、 舞鶴よかとさん(福岡)、根間ういさん(沖縄)、せんのいのりさん(福島)により結成されたユニット「日本烈島」。可愛いダンスとともに、アニメ「おそ松さん」の主題歌「はなまるぴっぴはよいこだけ」をカバー。4人とも声が非常に個性的なため、それぞれの歌声が立っており、楽しい曲がさらににぎやかな雰囲気になっていた。

MCでは、突然ヒーローショー風な小芝居がスタート。ヒーローのような名乗りとともに順番に自己紹介をしていく。初見の視聴者も多いフェスで楽しく個々のキャラクター性もアピールでき、非常にセンスを感じるMCだった。

2曲目には、オリジナル曲「We’re The Lights」を披露。さわやかな王道アイドル曲で、4人のハーモニーも美しく、MCとはステージの空気が一変した。しかし、歌い終えてステージを去る前にも、4人の掛け合いで笑いを取っていく。笑いに貪欲な楽しいユニットだった。


人気グループ「アイドル部」が初のアイドルライブに登場!

3組目は、人気VTuberグループの「アイドル部」。もこ田めめめさん、花京院ちえりさん、八重沢なとりさんの3人がリレー形式で1曲ずつ歌っていく。一番手のもこ田さんはオリジナルソング「FuwaMoko→LIFE!」を披露。ぴょこぴょこと飛び跳ねるような振りも柔らかな歌声も可愛さ全開だった。

2番手の花京院さんが歌ったのも、オリジナルソング「GO!GO!ちえり!」。「現金!」「減給!」の連呼などがユニークな電波ソングで、そのリズムがクセになる。

3人目の八重沢さんはいつもの制服姿で登場し、ボカロ曲「ぶれないアイで」を歌い始める。先月披露したばかりのアイドル衣装ではないことを少し残念にも思っていると、曲の途中でアイドル衣装へ超早着替え。さらに強いアイドルオーラを放っていた。

 
アイドル部のステージが終わると、次の出演者を示すスクリーンには「LiLYPSE」という謎の文字が。唯一のシークレット扱いだった2人組のアイドルは、お揃いのゴシックなミニドレス姿で登場すると、見事にシンクロした双子ダンスを踊りながら「ボッカデラベリタ」をカバー。

曲の後のMCでは、「LiLYPSE」の暁みかど暁おぼろと名乗り、エイベックス発のバーチャルアーティストプロダクション「AVALON」に所属していると自己紹介した。

赤髪でテンション高めのみかどさんは、ステージを走り回りながら「久しぶりのシャバよ。テンション上がらない理由がないわ」と大はしゃぎ。青髪のおぼろさんは、「下品」とたしなめながら冷静にツッコミを入れ、時にみかどさんをからかう。ライブパフォーマンスもMCも独特の世界観を持ったユニットで、今後の展開が楽しみになった。


「リブドル」は、5度目のステージでも新たな姿を披露

5組目に登場したのは「Palette Project」のグループ内ユニット「Altimate!!」。メンバーは七海ロナさん、藤宮コトハさん、神菜コハネさん。

20日の昼公演に続く2度目の登場で最初に歌ったのは、ユニットの1stオリジナルソング「Re:Myself」。コミカルで可愛いイントロから始まる2曲目は、前身ユニットの人気曲だった「Dramatic Parade」。「Altimate!!」のメンバーによるパフォーマンスは今回が初めてとのことだが、曲を聴くのが初めてだった筆者には、3人にもぴったりの曲に思えた。

最後は20日のステージでも歌った新曲「Summer is Over」。サビの盛り上がりや、間奏でのステージを広く使ったダンスなどステージ映えする印象で、こういったフェスでの定番曲になりそうだ。

 
6組目は、中国と日本を拠点に活動している国際派バーチャルアイドルの「ReVdol!」(リブドル!)。李清歌さん、モーシィさん、カティア・ウラーノヴァさん、ローズ・バレットさん、神宮司玉藻さん、イザベラ・ホリーさんの6人がこれまで同様、メインステージとは別の屋内会場に登場し、「Pre-STAR」「World of the happiness!」を披露した。MCでは各メンバーから日本のファンにメッセージを送る。「えるすりー」でのステージを締めくくったのは最新曲「Cool Girl」だった。

バイリンガルでの歌唱や統率されたフォーメーションダンスなど、メンバーのパフォーマンスだけでなく、細部までこだわった衣装もハイクオリティの「リブドル」。「えるすりー」では5公演に出演し、4種類の衣装を披露。それぞれ別の方向性の魅力があり、同じ曲のパフォーマンスでも異なる空気感を感じられた。

 
続いては、「GEMS COMPANY」のグループ内ユニット「MATULIP」の赤羽ユキノさんと、一文字マヤさんが登場。もう一人のメンバーだった花菱撫子さんが3月に卒業し、2人組になってからは初めてユニット曲「DESIGNED LOVE」を披露。クールな赤羽さんと、セクシーな一文字さんが歌う大人のラブソングは、アイドルフェスの中で独特の魅力を放っていた。

MCの後は、星菜日向夏さん、奈日抽ねねさん、有栖川レイカさん、音羽雫さん、水科葵さん、城乃柚希さん、長谷みことさんも合流。9人全員で最新曲「ゴールデンスパイス」を歌う。イントロからラストまで常に盛り上がりっぱなしの良曲だが、大サビの転調は特にクセになる。


名曲揃いのシャッフルユニットコーナーは圧巻

最終公演のクライマックスでは、「えるすりー」のために結成された4組のシャッフルユニットが続けて登場し、オリジナル曲を披露。

 
暁月クララさん(Palette Project)、音葉なほさん(まりなす(仮))、夏目ハルさん(えのぐ)、長谷みことさん(GEMS COMPANY」)の「一期感電♡ケーキ」(いちごしょーとけーき)は、電波ソングの「カオスDEフルコース」。

 
江波キョウカさん(Palette Project)、白藤環さん(えのぐ)、燈舞りんさん(まりなす(仮))、奈日抽ねねさん(GEMS COMPANY)の「りんごひめ」(読みは「プリンセスアポー」)は、楽しさと可愛さ全開の「Love Bullet」。

 
一文字マヤさん(GEMS COMPANY)、神菜コハネさん(Palette Project)、鈴鳴すばるさん(まりなす(仮))、日向ハルさん(えのぐ)の「麒麟さん連合」は、クールなロック曲「Chain the World」。

 
奏天まひろさん(まりなす(仮))、鈴木あんずさん(えのぐ)、七海ロナさん(Palette Project)、水科葵さん(GEMS COMPANY)の「#BESPHERE」は、勇壮で壮大な「Blue Hearts」。

 
どれも、もっと聴きたい見たいと思わせるユニットであり、楽曲だった。公演の最後に流れたエンディングクレジットで知ったのだが、ジャンルも異なるこの4つの神曲で、作詞、作曲、編曲を1人で担当したのはミュージシャン草川瞬さん。その名前は、今後もしっかりと覚えておきたい。


大トリ「まりなす(仮)」の後に「2」開催のサプライズ!

シャッフルユニットコーナーの後、大トリを務めるのは、奏天まひろさん、燈舞りんさん、音葉なほさん、鈴鳴すばるさんの4人組ユニット「まりなす(仮)」。

1曲目は、代表曲「WONDERLAND」のリミックス進化バージョン「WONDERLAND 2」。さらにダンサブルになった曲とともに、この4人ならではの圧倒的な歌とダンスを見せる。

MCの後は、新曲「Shooting my shot!」を初披露。SFイメージの新衣装にもマッチした曲調で、MCなどでの可愛く楽しいイメージは抑え気味に、ひたすらカッコ良く強い4人の姿を堪能できる曲だった。

激しい2曲を歌い終えた後のMCでは、10月2日(金)~4日(日)の「TOKYO IDOL FESTIVALオンライン 2020」内の「バーチャルTIF」で、「えるすりー」とのコラボステージを開催することを発表。シャッフルユニット4組と、「まりなす(仮)」「LiLYPSE」「Microphone Soul Spinners」の出演決定も告知した。

「まりなす(仮)」のステージ最後の曲は、昨年9月に幕張メッセで開催された「DIVE XR FESTIVAL!」で初披露した「亜空の先へ」。この1年、VTuber界とともにさらなる成長を続けてきた4人が、バーチャル空間ながら幕張に負けない規模のステージで、未知の世界へ向かう思いを描いたこの曲を再び歌う。そんな背景を知らない人でも、見るだけで引き込まれるようなパフォーマンスだった。

最後のMCを担当したのは、奏天さん。

「私たち、ライブが大好きと言っていますが、コロナという状況の中、それどころではなくなってしまいました。でも、私たちだからこそ、バーチャルという世界できっと新しい楽しみを作ることができる。『えるすりー』はそうやって同じ志を持ったたくさんの仲間たちで生まれた可能性です。全力で歌って踊るアイドル。アーティストさんとかいろいろな人もいますが。その魅力を最大限引き出してくださったたくさんのスタッフさん方。一緒に出て下さった皆さん。そして、私たちを見てくれているあなたたちがいて、やっと完成した希望です。全キャストを代表してお礼を言わせてください。本当に、ありがとうございました!」

最後の「本当にありがとうございました!」は4人で声を合わせながら、深くお辞儀。

「それでは以上! まりなす(仮)でしたー!」と叫んだ後、4人を映していたカメラが上空に上がっていき、映像は真っ暗になる。

 
「えるすりー」終了かと思ったところで、再び明かりの付いたステージが移ると、そこにはオープニングと同じく32人のアイドルの姿が! ステージ上には、えのぐ、GEMS COMPANY、Palette Project、まりなす(仮)の全メンバーが立ち、大型スクリーンにはリブドル!が映っている。そして、全員でエンディング用にアレンジされたテーマ曲「Life Like a Live!」を歌い出す

しかも、メインスクリーンをよく見ると、リブドル!の周りには、Microphone Soul Spinnersやあにまーれら12人の出演者の歌う姿も。しかも、曲の進行とともに、その顔ぶれは変わっていた。すべては確認できなかったが、おそらく、このエンディングにはメインステージの全出演者が登場したのだろう。32人のバーチャルアイドル同時パフォーマンスという驚きから幕を上げた史上最大のオンラインアイドルフェスは、最後にそれを上回るステージを実現させ幕を閉じた。

そして、終演後に出演者、スタッフ、後援者らの名前が映し出されたエンディングクレジットの後には、「Life Like a Live!2 開催決定」の文字が。

全4日間、取材か趣味か分からないほど、このイベントを楽しみ、大勢のバーチャルアイドルの魅力を発見や再認識できた筆者としては、詳細の発表が楽しみでならない。

 
●9月22日(火)夜公演セットリスト
M1.Welcome to Live/えのぐ
M2.ハートのペンキ/えのぐ
M3.絵空事/えのぐ
M4.はなまるぴっぴはよいこだけ(A応Pカバー)/日本烈島
M5.We’re the Lights/日本烈島
M6.FuwaMoko→LIFE!/もこ田めめめ(アイドル部)
M7.Go!Go!ちえり!/花京院ちえり(アイドル部)
M8.ぶれないアイで(初音ミクカバー)/八重沢なとり(アイドル部)
M9.ボッカデラベリタ(v flowerカバー)/LiLYPSE
M10.Re:Myself/Altimate!!(Palette Project)
M11.Dramatic Parade/Altimate!!(Palette Project)
M12.Summer is Over/Altimate!!(Palette Project)
M13.Pre-STAR/リブドル!
M14.World of the happiness/リブドル!
M15.Cool Girl/リブドル!
M16.DESIGNED LOVE/MATULIP(GEMS COMPANY)
M17.ゴールデンスパイス/GEMS COMPANY
M18.カオスDEフルコース/一期感電♡ケーキ
M19.Love Bullet/りんごひめ
M20.Chain the World/麒麟さん連合
M21.Blue Hearts/#BESPHERE
M22.WONDERLAND 2/まりなす(仮)
M23.Shooting my shot!/まりなす(仮)
M24.亜空の先へ/まりなす(仮)
M25.Life Like a Live!/出演者全員


(TEXT by Daisuke Marumoto

●関連リンク
Life Like a Live!(Twitter)
Life Like a Live!(公式サイト)