
Netflixオリジナルのアニメ映画として、配信直後から大反響となっている「超かぐや姫!」。本編はもちろん、作中キャラクターが歌うボカロ名曲動画や、BUMP OF CHICKEN「ray」を起用したMV(という名の実質的なエピローグ動画)も大きな話題を呼び、さらには一週間限定で劇場上映も決定。
そして、2月8日から始まったバーチャル音楽フェス「Sanrio Virtual Festival 2026」(サンリオVfes)開催に合わせて、主人公のかぐやが出演する無料の3Dライブ開催発表が、多くの「超かぐや姫!」ファンとVRChatユーザーをザワつかせました。こんな早くくるなんて、聞いていない!
かぐやが3Dモデルで出演することから、「かぐや3Dお披露目ライブ」ともいえる晴れ舞台に、ライブ初演となる2月14日には多くの人がVRChatに集結。しかし、誰も予想だにしない波乱万丈が待ち受けていました。
本記事では、初演開催までをVRChat現地で見届けた筆者の視点で、今回のかぐや3Dライブの流れをまとめていきます。
かつてないほどの人々が集まった初演! ところが……?
まずは2月14日12時。かねてから期待されていたライブだったこともあり、VRChatにはいつも以上に多くの人が訪れていました。

ライブ用のワールドはすでに公開されていたため、待ちかねた人たちは先んじて入場。とりわけパブリックインスタンス(誰でも入場可能な場所)は、VRChatを始めたての人や、国外ユーザーとおぼしき人も見られました。たぶん権利的にダメなアバターを使う人も見られ、かなりカオスな状態に。
筆者も30分前にはログインし、自分でインスタンスを開いて待機。合流してくれた様々な人たちとともに、今か今かとライブ開始を待ちました。
……ところが、12時になってもライブは始まらず。1分程度ならいざ知らず、5分、10分経って始まりません。別のインスタンスで見ようとしていた人たちも集まり、「どうなっているんだ?」とざわつき始めました。
ほどなくして、「機材トラブル」によってライブ開催ができない状態であることが告知。そしてしばらく経ってから、この時間のライブ開催の中止が告知されました。
初演で2万人超の人が集結 「トラブルもやむなし」な空気も
まさかのライブ中止。しかし、筆者のインスタンスに集まった人からは、「これは仕方ないかもしれない」といった反応が少なからず寄せられました。
なぜなら、ライブ開始時刻の本ライブ会場ワールドには、なんと2万人超もの人が訪れていることが確認できたためです。筆者自身も、ウェブページ上では同時接続数2万3258人を確認し、別の人から一時2万4000人を突破したことも教えてもらいました。
筆者がこれまで、VRChatで観測した最大規模の「1ワールドの同時接続数」は、2026年1月1日の「Gion Street – 祇園通り日本」の3.5万人。また、ライブ系イベントでは2025年3月の「OKIVFES 2025」での初音ミクライブが記録した1万3000人超が、筆者の知る限りでは最多です。
あの初音ミクライブの倍近い人がアクセスしていたという事実から、未知の不具合が起きていても不思議ではないだろう……というのが、突然のライブ中止に対する感想でした。
「せっかくならみんなで遊ぼう」 かぐやが来なかったVRChatの様子
期待を寄せていたライブが中止となり、多くのVRChatユーザーの土曜正午の予定が白紙となりました。
しかし、VRChatユーザーはお祭り好きな人が少なくありません。かぐやが現れなかったステージで「超かぐや姫!」コスプレアバターの姿で立って遊んでみたり、音楽パフォーマーが突発で音楽ライブを開催するなど、せっかく集まった機会をみんなで楽しもうと動く人が現れました。
また、この日までにVRChatには「超かぐや姫!」のファンメイドワールドがいくつか登場しており、せっかくの機会にみんなでめぐりに行く人もいたようです。
そして、ライブが始まらなかったことを誰かが「かぐやの寝坊」と捉えたのか、どこからか「#かぐや起きろ」なるハッシュタグが爆誕。まるでVTuberが寝坊したときのように、予定通り始まらなかったことをネタにして楽しむ空気も生まれていました。
しまいには、実際にかぐやが寝坊しちゃったファンアートや、いろP(酒寄彩葉)が必死に不具合に対象するファンアートを早速投稿する人まで登場。「タダでは転ばない」という姿勢が、逆に盛り上がりを生み出していたことは、「超かぐや姫!」という作品がインターネット文化に根ざしていたことが大きな要因かもしれません。
トラブルを経て、ついにかぐや降臨! カメラに収まらない元気っぷり!
2月14日の20時、Virtual Sanrio Puroland公式Xが今後の公演について告知。2月15日の公演は12時に加え18時の回も追加され、3月1日18時にも公演が追加。結果として、公演回数が1回増えることになりました。
日付が変わって2月15日。筆者も含めて多くの人々が、再びVRChatに集まりました。盛大が事故が起きたにも関わらず、会場ワールドの同時接続数は前日並み……どころか、ちょっと多めのペースで増加。


12時ちょうど。会場に設置されたモニターにグリッチエフェクトが起こり、「超かぐや姫!」のロゴが出現。作中でも目を引く和風な雲のエフェクトまで現れ、画面の中央が光始め……
「かぐやっほー!!」


かぐやが堂々登場! 今日は無事にやってきました!


「私のこと知ってるー?」とワクワクしながら観客に聞きつつ、「超かぐや姫!」をサラッと宣伝。そして今回サンリオVfesに来た理由を「楽しそうなことやってるなと思って!」と、実に楽しげに話してくれました。


そしてついにライブ開始! 曲はHoneyWorks書き下ろしの劇中歌「私は、わたしの事が好き。」です!






とにかく動く! 飛び跳ねる! 元気いっぱい!!
カメラのレンズに全くおさまってくれない活発さと、たまに変な踊りまで披露するお茶目さは、劇中のかぐやのイメージと見事に解釈一致。まるでアニメから飛び出してきた見た目も相まって、会場はまるで「超かぐや姫!」の作中世界!


MVでミニキャラが披露していたダンスもお披露目。会場によっては、彼女といっしょに踊りながら観覧していた人もいたそうな。


VRChatライブならではの空間表現は必要最小限。しかし、MVの雰囲気をちゃんとキャッチし、会場全体まで広がるエフェクトは、しっかりとかぐやのステージを盛り上げていました。


ハイテンションで愛らしいパフォーマンスが終わった後には、疲れてステージ上に座り込んでしまうかぐやの姿が。こういうところも隠さず見せるのがかぐやらしい……!




そして最後は、「配信で会おうね!」と言い残しつつ、なぜかひょうきんなポーズも取りつつ、作中でも特に印象的な「ツクヨミ」のログアウトエフェクトで退場! この演出、わかってます!
VRChat全体の最大同時接続記録も更新
圧巻の記録を生み出した、月のお日姫様の舞台
たった一曲のステージでしたが、とにかく素材が特上クラス。「本当にアニメから抜け出てきたような」という、手垢のついた表現を堂々と使いたくなるぐらい、生き生きとしたキャラクターが見られるライブでした。
とにかく、どの角度から撮っても、かぐやがかわいい! 動きが楽しい! 3分ちょっととは思えない、たっぷりの満足感に包まれました……!
そして、12時の回の同時接続数は、筆者が観測した限りなんと2万7000人超! 前日よりも多い、記録的な数値を叩き出しました。
さらに、この大盛況はVRChat全体にも波及。なんとこの日、VRChatの同時接続ユーザー数の記録が塗り替えられました!
1月1日の14万8886人から15万6716人と、8000人ほど記録更新。北米のゴールデンタイムに日本のアクセス集中が重なったことが、記録更新の要因となっていそうです。
ちなみに18時の回は、同時接続数は1万9000人超。昼より少なかったのは、国外ユーザーの参加が減ったからかもしれません。英語圏や中国語圏でも本作の人気は広がっていることを思えば、12時の回は世界中の人たちが見届けたかぐや3Dライブだった……と言えそうです。


なにはともあれ、VRChat史上かつてないほどの人々が見届けた、記録的なライブとなりました。
「超かぐや姫!」が公開されてからというもの、VRChatではファンメイドワールドが相次いで制作・公開され、ファンによる集会イベントも開催。市販アバターをうまくカスタマイズした、作中キャラのコスプレアバターを作る人も現れるなど、あらゆるIPコンテンツの中でもとりわけVRChatユーザーへぶっ刺さっています。
そうした熱気の頂点が、今回のライブだったのでしょう。しかしながら、実はまだ3月に以下のスケジュールで3回も開催を残しています。そのタイミングでは、準備を整えた新規ユーザーがさらにやってくる可能性もあります。
- 3月1日(日) 18:00(JST)
- 3月7日(土) 12:00(JST)
- 3月8日(日) 12:00(JST)
「かぐや旋風」、まだまだVRChatで巻き起こりそうです!
(TEXT & Photo by 浅田カズラ)
●関連リンク
・超かぐや姫!パフォーマンス(サンリオVfes公式ページ)
・サンリオVfes(公式ページ)
・超かぐや姫!(公式サイト)
