星街すいせい 「Echoes Baa 2026」ライブレポート 春風と海風に舞った星色の響き

LINEで送る
Pocket

ホロライブプロダクション/Studio STELLERに所属する星街すいせいが、横浜で開催された音楽フェス「CENTRAL MUSIC & ENTERTAINMENT FESTIVAL 2026」に出演した。

4月4日・5日と2日開催された同イベントでも、赤レンガ倉庫で開催されたステージ「Echoes Baa」の2日目トリを務めた。みごとその重役を果たし、赤レンガに集まった観客たちを楽しませた。

PANORAでは当日のイベントへ潜入。彼女の熱演をお届けする。


同じステージに立つCANDY TUNEとの交流も

音楽フェス「CENTRAL MUSIC & ENTERTAINMENT FESTIVAL」は、2025年に初めて開催され、今回で2度目の開催となる音楽フェスだ。

Kアリーナ横浜、横浜赤レンガ倉庫・赤レンガパーク特設会場、KT Zepp Yokohama、臨港パークの4会場を使用した都市型フェスとして注目を集め、昨年はVIVALステージとしてヰ世界情緒、HIMEHINA、七海うらららが出演。オンライン配信出演としてAKAGIMI、天籠りのん、白玖ウタノ、月白累、CULUAといったシンガーが出演するなど、実はバーチャルシンガーにもしっかりとフォーカスしていた内容だった。

今回はそういった志向から少し目線をかえ、VTuber・ボカロシーンに寄ったステージが展開されることになった。それが星街すいせいが出演するステージ「Echoes Baa」である。

今年2日間のうち初日は春の嵐ともいえよう雨風に見舞われ、もちろん野外ステージであった「Echoes Baa」にも直撃。同時配信では、強い雨風のなかでライブを披露する出演者と、そんな天候でも音楽を楽しむ来場者の姿が見られた。

そんな悪天候だった初日から一転、取材へ向かった2日目は曇り模様ながら雨などは降っておらず、海風が心地よく会場のなかで舞うような状況だった。

CANDY TUNEやCUITE STREETを配信から楽しんでいたが、彼女らしさある独自のポップ感で会場に集まったファンたちを魅了。アイドルプロジェクト・KAWAII LAB.の一員としてともに活躍する2組が並んでいることもあり、ファンからのコール&レスポンスや合いの手はとても熱く、それに引っ張られるように周囲のファンも自然とノッてしまうという光景があった。

ちなみに、CANDY TUNEことキャンチューの配信が始まる直前、とあるVTuberが「きゃんちゅううううう!!!!」と熱いコメントを残していた。この日のヘッドライナーである星街すいせい、その人だ。

CANDY TUNEのメンバーである宮野静は星街すいせいのファンであり、星街からライブナレーションをオファーしたこともある関係である。”バーチャルアイドル”として活躍する彼女だが、もちろん当代で活躍するアイドルグループは見逃さない。ライブ終わりには、すいちゃん人形とともに撮影した写真をアップしていた。

MAISONdes、羊文学の2組を見ることができたが、前者はダンスビートを多く用いたポップなサウンドで観客を盛り上げ、後者は儚さと無骨さが両立したオルタナ・ロック直径のバンドサウンドで聴くものを魅了した。すうっと吹き抜けていく春の海風にあわせて、素晴らしいライブを見せてくれた。

星街のライブが始まる前に、「Echoes Baa」を見てまわった。

アートウォールやフォトスポット、アミューズメントとしてスケートボードができる区画がある。そもそも、観客を客席エリアへとギュと詰め込むようにしてはおらず、会場後方にある草むらに腰を下ろしてゆったりと見ている観客も多い。穏やかでユルく、音楽を楽しむ。そんな空気が会場を包んでいた。

会場のすぐ外、入場ゲートへ至るまでの道中にはオフィシャルフードとして「CURRY&MUSIC JAPAN 2026」が開催され、YOASOBIとのコラボカレーふくめ21種類のカレーが販売されるなど、フードコートはなんとも豪華。

赤レンガ構内のお店はもちろん開店しており、倉庫の間にあるエリアではフラワーガーデンも開催され、春めくイメージをこのフェスに添えていた。フェスとは関係のなさそうなご家族連れの方々も足を止めて展示を見ており、賑わいを見せていた。

そうしているうちに、夕方から夜闇が訪れる。バンドメンバーが現れて「もうどうなってもいいや」「ムーンライト」「プリマドンナ」を演奏してサウンドチェック。イントロが始まるたびに軽い歓声が起こり、バンド演奏がスムースに流れていく様を見守る。

「VTuberのライブが始まる直前のリハーサル」がこうしてオープンに見られるというのはかなり稀なこと。いくつかの歓声や拍手が起こるのもムリはない。

筆者は音楽フェスなどでこういった”ちょっとした待機時間”を待つのは慣れっこだが、おそらくこの日集まった星街すいせいやホロライブのファンは、あまり慣れているわけではないだろう。この時間ですらなにか起こるんじゃないか?とソワソワとしている空気があった。


いつもより距離が近いスペシャルなライブ

開演直前になると、会場後方から花火が打ち上がる。出演直前に打ち上がった花びらをみなが楽しんだ所で、星街すいせいのステージがスタートした。

注目を集める1曲目は、最も直近でリリースされた新曲「プリマドンナ」だ。ホーン隊のサウンドとバンドアンサンブルの力強さで、観客をグッと星街ワールドへと引き寄せる。

© Studio STELLAR © COVER

途中で頭・顔を覆うベールがぬげ、2曲目「もうどうなってもいいや」へ。昨年話題を集めたアニメ作品の楽曲ということで、観客からも「待ってました!」といわんばかりの歓声が響く。ステージの左右へ歩き、こちらへ目をやりながら歌っていく星街。

© Studio STELLAR © COVER

「まだまだいくぞ! 横浜!」と煽ってハンドクラップを求めた3曲目「月に向かって撃て」は、野外会場かつ月が見えるこの夜だとさらに映える。徐々に会場の空気をつかんでいく。

「みんな元気だね~? いつものコーレス、付き合ってくれますか?」と言葉を添えてから、「すいちゃんは今日も?」「かわいいー!」と挨拶を交わす。少なくない人数が返してくれる辺り、完全アウェイというわけではないのが彼女にも伝わったかもしれない。

「さっきの花火見ました?」「そして今日は晴れました!よかった!この中に晴れ男・晴れ女がいるのかもね(笑)」「初めて星街すいせいを見るよ!っていうひとどれくらいいますか?」と会場へ話しかけていく星街。

そうして4曲目「みちづれ」へ。ご存知かもしれないが、星街はこの2日間で出演した出演者とはこれまで様々な楽曲で関わっており、この曲はYOASOBIのAyaseが作曲した1曲である。

横ノリのグルーヴで会場を揺らし、続くはGiga作曲のダンスナンバー「AWAKE」で間奏でダンスしていく。その間の星街のボーカルはブレることなく、芯の通ったボーカルで会場を沸かせた。

© Studio STELLAR © COVER

一息つくようにMCタイムへと移り、「今日は月がでてますか? そんな夜にピッタリな曲を歌います」とつげ、「ムーンライト」を披露する。海がすぐ近くのこの会場で、海風にのって広がるしっとりとした世界観は、なんとも叙情的だ。

続く楽曲は「綺麗事」。ミドルテンポでしっかりと言葉をメロディに乗せて歌っていく星街のボーカル、感傷的な歌詞と星街の歌声が、横浜の海をしずかに響き、揺らしていった。

© Studio STELLAR © COVER

「野外フェスは2年ぶりです。やっぱり空気がちがうよ空気が!!」と笑いながらMCをして、観客から拍手と笑い声が起こる。「残り3曲になりました」という一言で残念がる声も起こると、「え? なんかありがとう……!」と意外だったのか有り難みを感じる一幕も。

ラストスパートの取っ掛かりに選んだのは「Stellar Stellar」。ホーンセクションとバンドアンサンブルがふたたびガツッとぶつかりあい、そこに星街すいせいのパワフルな歌声が重なり、観客を大いに盛り上げる。

そんな火種をつけたところに「ビビデバ」を披露、一気に大歓声が起こる。しかもここで、「ビビデバ」を作詞・作曲したボカロP・ツミキがギターを背負って登場、満面の笑みでギターカッティングとコーラスで演奏へ混ざる。これもまた、この日だからこそのスペシャルなコラボといえよう。

横浜が音楽に包まれた3日間!約9万人が熱狂した都市型音楽フェス「CENTRAL 2026」のオフィシャルレポートが到着! - 画像一覧(4/36)
© Studio STELLAR © COVER

星街は、ラストのサビ付近で「横浜こんなもんかな~?」と笑みを浮かべながら煽り、観客に魔法の言葉を合唱させていく。最後の楽曲「ソワレ」をスタートさせると、ダンスビートにあわせて「オイ! オイ!」と観客からコールも起こる。

カラフルな照明が客席を照らし、ホーンサウンドとバンドサウンドが調和したポップな響きと星街の歌声が、横浜の夜景の中へ溶けていく。2日間にわたって開催された「Echoes Baa」ステージを締めくくるにふさわしいラストシーンだった。

© Studio STELLAR © COVER

この日会場に集まったファンを見ていると、意外なほどにホロライブまたは星街すいせいのファンが多かったように見えた。ぬいぐるみやグッズをつけた男性ファンが集まり、彼女へ歓声を届けていた。

また会場には、明らかに小学生・中学生であろう女の子のファンが、家族とともに見に来ていたのを見かけた。この日はオールスタンディングとはいえスペースがところどころに空いていたため、両脇の大画面スクリーンのすぐ近くまで進むことができた。手拍子もほどほどに彼女の歌声とダンスを見守る多くの観客がおり、その中に混じって彼女たちは笑顔を見せながら楽しんでいたのだ。

こういったフェスの場だからこそ、星街すいせいを楽しめたり、初邂逅した観客たちも多いだろうことはハッキリと伝わってきた。また写真を見ていただければわかると思うが、この近さ・この大画面で星街すいせいのライブを堪能できるというのは、アリーナ会場がメインとなっている彼女のライブからすれば「スペシャル」な出来事。

野外とは言わずとも、音楽フェスの一アクトとしてしっかりとしたライブパフォーマンスで会場を盛り上げる星街すいせいは、普段のライブとはまた違った姿・表情をみせていた。今回のライブは星街にとって数年ぶりとなる野外フェスだったのだが、普段室内でのライブが多い彼女にとって、その経験・光景・雰囲気はやはり格別なもののよう。今後も野外フェスに出演することがあれば、彼女のパフォーマンスには注目すべきだろう。


●セットリスト
1.プリマドンナ
2.もうどうなってもいいや
3.月に向かって撃て
4.みちづれ
5.AWAKE
6.ムーンライト
7.綺麗事
8.Stellar Stellar
9.ビビデバ
10.ソワレ

© Studio STELLAR © COVER

(TEXT by 草野虹

●関連記事
星街すいせい、「Studio STELLAR」設立インタビュー 「クイズ大好きなのでクイズ番組に出たい!」
バーチャルアイドル・星街すいせい記者発表会レポート 「個人事務所は私がやりたいことを実現するための秘密基地」 【ほぼ全文おこし】
【速報】VTuber・星街すいせい、個人事務所「Studio STELLAR」設立を発表
星街すいせい、渋谷の街頭広告で3/22 20時からの重大発表を告知 「今日も明日も、この身体で、この世界を、生きていく。」
ホロライブ・星街すいせい「SuperNova: REBOOT」ライブレポート トロッコでアリーナを駆け巡るVTuberの衝撃
ホロライブ・星街すいせい2ndソロライブ徹底レポート 奇跡的なタイミングでの声出し解禁、そして「いっぱい歓声、嬉しかったよ」 
目を焼き切るような彗星の輝き 星街すいせい「Live Tour 2024 “Spectra of Nova”」埼玉公演ライブレポート
星街すいせい武道館ライブ「SuperNova」レポート 彼女とホロライブの歴史 次の目標を感じさせた珠玉のステージ
#23 星街すいせい「新星目録」【Pop Up Virtual Music】
ユーザーローカル提供、2024年「年間VTuberランキング」 1位は初の1億再生越えとなった星街すいせい「ビビデバ」!

●関連リンク
星街すいせい(オフィシャルサイト)
星街すいせい(X)
星街すいせい(YouTube)
Studio STELLAR(公式サイト)
ホロライブ プロダクション