スマホで見ていたアイドルの挑戦を、身体を使って見届ける 「学園アイドルマスター The 2nd Period H.I.F選抜試験」初日公演レポート

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2026年5月16日(土)、17日(日)、千葉県千葉市・幕張メッセの幕張イベントホールにて、「学園アイドルマスター The 2nd Period H.I.F選抜試験(セレクション)」の初日公演が開催された(公演冒頭の無料配信はこちら)。

この日出演したのは、初星学園*の高等部アイドル科1年生の花海咲季さん、倉本千奈さん、篠澤広さん、花海佑芽さんと、3年生の有村麻央さん、姫崎莉波さんの6人。

*アイドル育成シミュレーションゲーム「学園アイドルマスター」(学マス)の舞台となる学校

左から花海咲季さん、花海佑芽さん、姫崎莉波さん、篠澤広さん、倉本千奈さん、有村麻央さん

本公演の司会進行役は、初星学園生徒会執行部から、会長の十王星南さん、副会長の雨夜燕さん、会計監査の秦谷美鈴さんが務めた。


一番星(プリマステラ) を目指すアイドル、異なる6つの魅力の競演

冒頭、生徒会の秦谷美鈴さんから本公演に関する諸注意のアナウンスと、協賛企業の紹介、出演者映像に続いて、司会進行役の十王さん、雨夜さん、秦谷さんが登壇。本イベントの前提を説明した。

左から雨夜燕さん、十王星南さん、秦谷美鈴さん

今回の「H.I.F選抜試験」は、初星学園の学園一のアイドル「一番星(プリマステラ)」を決める祭典「Hatsuboshi IDOL FESTIVAL」(通称:H.I.F)に挑む権利を得るための試験。

決められた制限時間内であれば、各アイドルが自由にパフォーマンスの構成を組むことができるとのこと。

解説の途中で寝てしまう……フリをする秦谷さんに、本気で心配して、ツッコミを入れる雨夜さん

花海佑芽さん

こうして始まった「H.I.F選抜試験」初日。最初に登場したのはアイドル科1年2組の花海佑芽さんだ。

紹介画像に続いて舞台下手からダッシュで登場した花海佑芽さんが披露したのは、「つよつよ最強エクササイズ」だ。

花海佑芽さん

楽曲中もステージを駆け巡り、ジャンプをしまくり、ラップをキめ、休憩も一瞬で終わらせ、観客を巻き込み公演の初手から会場を熱気の渦に巻き込んだ。

MCパートでもそのハイテンションは止まず。「これから私たちのライブで、来てよかったと思わせてみせます」と宣言し、「The Rolling Riceball」の披露に突入。

見るものに休む間を与えず、いや、気が付けば佑芽さんのペースに楽しく巻き込まれて、気が付けば彼女のパートは終わってしまっていた。そんな嵐のような佑芽さんのパフォーマンスであった。


篠澤広さん

続いて登場したのは、ミステリアスで神々しさで注目を集める、アイドル科1年2組の篠澤広さん。

花海佑芽さんとは異なり、静かに語りかけるようなMCから始めた篠澤さん。いつもライブの時は会場を見渡し、どんな人が来ているかを確認するという彼女は、「覚えているよ、全員」と会場を喜ばし、「あなたが他のアイドルの歌に聞き入っている所も見ている」と牽制をいれつつ、「見てて、私を」と今回の試験への自信を見せる。

篠澤広さん

そんな篠澤さんが歌うのは「メクルメ」。白や寒色多めの照明・映像の中、拍子をコロコロと変え、意識と身体の観察を行うように歌う独特の世界のこの楽曲に、観客の視線は篠澤さんに集中せざるを得ない。

「私のライブを見に来てくれたあなたが、自慢できるような私を見せたい。会場のみんなが、見惚れるような私でいたい」とこの選抜試験における意気込みを述べ、続いて披露したのは「コントラスト」

白黒のコントラストのある抽象的なもの、色めく花が広がるものと様々に変わる映像の中、篠澤さんは静かに声を広げて、曲の世界を表現していく。

曲が終わり、退場していくところでも、ゆっくりと歩きながら会場を見渡していた。この、演者と観客との緊張感あふれる関係を生み出せるのが、彼女の魅力ではないだろうか。


花海咲季さん

選抜試験の3番目に登場したのは、アイドル科1年1組の花海咲季さん。

ダンスパフォーマンス映えするストリートファッションを身に着けた彼女は、先の2人とは違い、ヘッドセットマイクを付けての登場だ。

花海咲季さん

彼女が最初に披露したのは、歌唱と共にダンスでも魅せるヒップホップ・ポップス、「Boom Boom Pow」だ。リズムに合わせステップを刻み、フェイクを利かせ、観客を煽る。

「今日一番のライブを披露するアイドルよ!」と自信たっぷりに挨拶する花海咲季さん。「思い切り期待していてください。どうか厳しい目で見ていてください。この歌で限界を超えてみせる!」と選抜試験に対して、正々堂々と、そしてその中でもパフォーマンスを磨きあげると誓う。

「Fighting my way」をパフォーマンスする花海咲季さんは、自信タップリの笑顔を見せながらステップを踏み、キックをキメ、見るものを不敵に惑わしてくれた。

パフォーマンスを終えた彼女は、ステージの左右を巡りオーディエンスに感謝の言葉を述べ、そして最後にウインクをして舞台袖に消えていった。


ここで第一ブロックが終了ということで、これまでの出演者を交えたMCコーナーに。今日のパフォーマンスについて聞かれ、佑芽さんは「元気いっぱーいに歌えて、全力を出し切れたと思いますー!」と述べ、咲季さんは「今日は自分史上、最高のパフォーマンスができたと言えるわー!」と言い、会場からの賛同の歓声を浴びていた。

なお、篠澤さんは自分のパフォーマンスを終えたことで力尽きたため、佑芽さんの口を通じて「私の曲もすごかったでしょ。今までで最高の出来」と伝える。

続いて、今日のこの日のための衣装の気に入っているポイントを紹介する流れに。出演者も司会も、他のアイドルの衣装を褒め合うところは、選抜試験と言えどもほっこりする場面であった。

佑芽さんのお気に入りポイントは、全体的にスポーティな衣装の中でエレガントに輝くパールのベルト
篠澤さんは職人技が光る袖の刺繍を見せてドヤる
咲季さんはふわふわなファーブーツがお気に入りといい、キックをして見せる

なお、咲季さんのネックレスと佑芽さんのベルトはパールでおそろいであると篠澤さんに指摘される。パフォーマンスを褒め合うなど、随所で花海姉妹の仲のよさがにじみ出ていた。


姫崎莉波さん

選抜試験の後半戦、最初に登場したのはアイドル科3年1組の姫崎莉波さん。

姫崎莉波さん

「はみ出したい たい」という歌い出しから始まる「clumsy trick」では、お姉さんアイドルとして包容力を感じさせる声の姫崎さんが、積極的に動けない恋を歌い、そのかわいさとの両面の魅力を感じさせる楽曲だ。

「みんなと会える今日をとっても楽しみにしてきました」と観客へのアピールをしっかり行う姫崎さん。「朝ご飯はちゃんと食べてきた?」「私はもちろん、しっかり食べてきました。大事なステージがある日の、勝負ご飯です!」などと、近況を伝えつつ、観客との共有ポイントを作りに行くなど、お姉さんとしての気遣いはMCからも伝わる。

やはり思うように動けない恋の歌、「L.U.V」でも、目線を配ったり、「ねえ、明日もふたりで帰ろうね」といった呼びかけるなど、きっちり観客へのアピールをしてくれた。


有村麻央さん

続いて登場したのは、アイドル科3年1組の、可愛くてカッコイイアイドルを目指すという有村麻央さん。

有村麻央さん

重低音が心地いいエレクトロ・ポップ「Feel Jewel Dream」では、曲のノリにあわせたパフォーマンスで客席をフロアに変え観客と一緒に盛り上がりつつ、「夢でもいいって キミは言うけど」という台詞をキメると大歓声を一身に受けていた。

MCパートではファンだけでなく、ステージを作り上げたスタッフにも感謝の意を伝えた有村さん。続いて、夢を追う事は楽しさだけでなく辛さもあると述べた有村さんが「そんなあなたに聞いてほしい。素敵なあなたに届いてほしい」といい、「迷う事があっても、ボクは君の味方でいるから」との宣言をして披露したのは、楽曲「Fluorite」だ。

「僕らは世界を吸収する 瞬きをして、呼吸をして、火花を散らして」などの台詞も含めて、はかなさを強調した音源と比較して、実感がこもった力強い歌唱でパフォーマンスを行った有村さん。

最後はライトが一本指す中で後ろ姿で決めた。これも彼女が輝くカタチなのであろう。


倉本千奈さん

選抜試験1日目の最後に登場したのは、アイドル科1年2組の倉本千奈さん。

倉本千奈さん

彼女が歌う「ときめきのソルフェージュ」は、目に映る世界から様々なときめきを発見する、そんなメルヘンティックな冒険を感じさせるシンフォニックなポップス。彼女の純真な歌声が世界の広大さを強調してくれる。

この日の選抜試験のトリを務めることの重大さに、「いっそ開き直った心持ちでおりますわ」と胸を張る倉本さん、その姿に客席から歓声が沸き起こった。自身を奮い立たせつつ、「今宵の宴に、華々しいフィナーレを!皆様に最高の思い出を!」と述べ、彼女が披露した楽曲は「Wonder Scale」

オーケストラの演奏の中、彼女の世界が広がっていく壮大な楽曲だが、この日の彼女のパフォーマンスでは彼女が世界を広げていく、そんな力を筆者は感じた。

後半3人のパフォーマンスを終え、ここで十王さん、雨夜さんが司会を務めるMCコーナーへ。

本日のパフォーマンスを振り返って姫崎さんは、「自分の中で、最高だと思えるパフォーマンスを見せることができました。(観客の顔を見たら)限界を超えることができたんです」と答え、有村さんは「ボクのこれまで歩んできた道、これからのボクが見せたいアイドルの道は、全力でパフォーマンスに込めました」と胸を張る。

倉本さんが「コンサートライトの輝きに、皆様の声援。この思い出は大切な宝物。きっと生涯忘れませんわ」と述べた後、先輩である3年生の十王さんと雨夜さんに褒めらると、倉本さんが感涙する場面も。そこで同じく3年生の姫崎さんと有村さんがフォローに入ったり、あるいは3年生同士の自然な会話の中にもお互いへのリスペクトがあったりと、アイドルとしての姿と普段の学生としての姿の両方がみえたMCコーナーであった。

そして、後半パートの3人もステージ衣装のいいところを紹介する流れとなった。

フワフワの袖がお気に入りだという姫崎さん。飛び跳ねて実際に袖が揺れる様をアピールした
倉本さんのお気に入りはワンピースの衣装。ふんわりとした形と、そして柄がかわいいといい、「くるくるくるー」と回転して衣装の後ろまでを観客に見せた
有村さんは右肩に付けた肩章を「王子様っぽくて、ボクにぴったりだと思いませんか」という。なお、肩章は左肩にはなく、そのアシンメトリーなところがアイドル・有村麻央としての表現なのだろう。さらに司会の雨夜さんは左胸の刺繍についても言及した

初星学園で切磋琢磨するアイドル、6人(+1人)の個性の共演

「これでH.I.F選抜試験は終了!」と発言する司会の雨夜さん。しかし「なんだがー」と続け、この後は出演者によるエキシビジョンライブが続くことを宣言した。

十王さんと雨夜さんが息を合わせて客席に向けてコールを求め会場を温めると、有村さん・倉本さん・篠澤さん・姫崎さんの4人が登場。「キミとセミブルー」で会場をさらにアツい夏の空気にした。

アツさではこちらも負けてられない。炎が燃える背景の中、なんと花海佑芽さんと花海咲季さんが姉妹で「SUPREMACY」を披露。エキシビジョンとは言え両者の違いを堪能しつつ息があったパフォーマンスに、観客が持つコンサートライトは真っ赤に染まった。

ハイテンションなポップス「ミラクルナナウ(゚∀゚)!」は咲季さん・有村さん・姫崎さんで披露。愉快な振り付けも含めて会場は沸き、コールで応えていた。

「Let’s GO!! ICHI-NO-NI!!」はその名の通り、1年2組の篠澤さん・倉本さん・佑芽さんで披露。

曲の終盤では佑芽さんが舞台袖から、1年2組所属でこの日は司会を務めていた秦谷さんを連れてきた。クラスメイト3人…ではなく4人の仲の良さとそれぞれのアイドルとしてのアピールポイントの違いが楽しめた。

ここで本日の出演者6人が登壇。有村さんが「初星学園の生徒の皆様、そしてファンの皆様。歌える方はご唱和ください」と告げ、みなで初星学園の校歌「標」を歌唱し、この日のH.I.F選抜試験を終えた。

選抜試験ではあるがライブでもある、そんな公演でもやはり客席からはアンコールの声が。その声に応え、有村さん・倉本さん・篠澤さん・佑芽さん・咲季さん・姫崎さんの6人が登場し、この日(5月16日)に公開になった新曲「ガラクタロード」を披露した。なお、公開になっているのは初星学園のアイドル13人による歌唱なので、この6人による歌分けはこの公演ならではのものであり、各人なりの歌唱を聞きながらこの日最後の盛り上がりを見せた。

その後、司会の十王さん、雨夜さん、秦谷さんが登壇。この日のアイドルの健闘を称えつつ、2日目(5月17日)の公演では彼女らがパフォーマンスする側として出演することを告知。「どうぞ、ご期待ください」(十王さん)、「まばたきすることすら惜しいパフォーマンスを見せてやる」(雨夜さん)と次の日への期待を盛り上げ、この日の選抜試験を終えた。


「学園アイドルマスター」初の3DCGライブイベントが顕現させた体験

2024年5月16日にスマートフォン向けゲームアプリのサービスが始まった「学園アイドルマスター」について、これまでアイドルを演じるキャストが出演するライブはこれまでたびたび開催されてきた。また、3DCGで描かれたアイドルが出演するライブは、1曲から数曲のものはゲーム内や動画配信サイト、イベントで見ることはできた。しかし、イベントを通して3DCGで描かれたアイドルによる興行が行われたのは今回が初めてだ。

アイドルがパフォーマンスする姿を、現実にある会場で見る/その姿を配信を通じてみて、改めてアイドルの魅力を再発見することに繋がったのではないだろうか。

筆者的には、花海佑芽さんの、「初星学園の怪物」とも呼ばれるひたすらに突き抜ける勢い……

篠澤さんの、目が離せない神秘性と不可思議さ……

花海咲季さんの、勝負に向けての飽くなき情熱とパフォーマンス……

姫崎さんの、本当に「お姉さん」と呼びたくなる包容力と可愛さ……

有村さんの、王子様という言葉だけでは収まりきらない、全方向への情の厚さ……

倉本さんの、愛嬌と密かに感じさせる世界の広さ……

を、会場からステージの上でのパフォーマンスを見て、聞いて、感じて、まさに全身で実感をした。倉本さんの振る舞いと歌声を見届けている時に、筆者や周りの人の瞳が潤んでいたのは偽りない事実であろう。

さらに言うと、この日サービス開始2周年を迎えたゲームでは、新シナリオ「Hatsuboshi IDOL FESTIVAL」 が開幕となった。これまでゲームをプレイしてきた人、つまり初星学園のアイドルをプロデュースしてきたプロデューサーにとっては、ゲームの中のイベントが目の前で開催されてるというのは、さらに大きな体験なのではないだろうか。

どういう立場であれ、これからも初星学園のアイドルから目が離せない。

この日の公演のセットリストはこちら。

本公演はYouTubeでは花海佑芽さんの2曲と篠澤さんの最初のMCまでが無料配信されている。また、本編は2026年6月22日(月)までアーカイブ配信されている。


THE IDOLM@STER™& ©Bandai Namco Entertainment Inc.


(TEXT by tabata hideki) 

●関連リンク

学園アイドルマスター The 2nd Period