メタバースプラットフォーム「cluster」を運営するクラスターは21〜24日、幕張メッセにて開催中の「東京ゲームショウ2023」(TGS)に出展中だ。21日には、「cluster事業戦略発表会」と題した記者発表会を実施。
同社の代表取締役CEO・加藤直氏、そして今年5月、clusterに正式連携したモーションキャプチャー機器「mocopi」を手掛けるソニーのモーション事業 担当部長 Mocopi事業室 室長である相見猛氏によるプレゼンのほか、メディアアーティストである落合陽一氏も交えた3社でのトークセッションを展開した。
加藤氏からバトンタッチした相見氏は、mocopiの概要を解説。現状、一般人にとって、アバターで何かを表現することの楽しさやワクワクさがわかりにくいこともあり、まずは表現者として活動しているVTuberさんを支えようという方針をブレずに貫いているとのこと。mocopiのソフトは3ヵ月に1回メジャーアップデートしており、まもなく大きなアップデートが控えているということにも触れていた。
トークセッションでは、mocopiのデザインについて尋ねられた落合氏が「可愛いですよね。でも、VR好きな人たちが使うのようなのと、mocopiが目指すところ外れていますよね」と指摘。
相見氏が「この文化をテックギークの間だけで終わらせたくなかった。まずそこを変える必要があるかなと」と反応すると、「テックギーク向けだったら青い円状のヤツが光って、LEDが回る。容易に想像できるんですが、そうしてないのが売りなんです」と「わかり手」なジョーク(?)で返していた。
「人類とコンピューターの未来を語る」というテーマにおいて、AIとメタバースの関係を尋ねられた際には、落合氏は「メタバースは正直、時期尚早だなとずっと思っていた。なぜかというと実装コストが高すぎるから。ただ、AIが出てきて誰ても実装できるようになると一気にこれが変わる」とコメント。
「生成AIとメタバースの相性はめちゃくちゃよくて、自然空間に著作権はないから生成AIを使う上で何の問題もないでしょ。著作物じゃないものはこの世界に死ぬほどあるのだから、そういうものを考えると、じゃあ3Dつくれるならつくる、プログラムを自動で書けるなら書ける、Unityつくれる、Unreal Engineもつくれる、全部コーディングがエンジニアの数によらないから、その点ではすごい重要だし、右クリックするだけで多分ワールドを作れるようになる。みんなTwitter始めるときにカメラでカシャッとするだけでアイコンつくれるからアカウント作るわけで、それでやっとできる感じにみんななるから、ここが一気にアクセルを踏むポイントになると思う」と時代の潮目について力説していた。
(TEXT by Minoru Hirota)
●関連リンク
・cluster
・東京ゲームショウ2023