日本におけるソーシャルVRでトップクラスの知名度とユーザー数を誇る(と思われる)VRChatがついに、日本語ユーザーインターフェース(UI)を導入しました。今までにもツールチップのみ日本語表記が可能でしたが、メニュー項目のほぼすべてが日本語化されることにより、英語が苦手な人でも安心して使えるプラットフォームとなりそうです。
筆者も早速導入してみましたが、スッキリとした見栄えのフォントでまとめられていることがわかりました。なお、解像力が低めのVRヘッドセットで日本語を読むと、画数の多い感じは潰れているように見えます。試しにMeta Quest 2で日本語UIのメニューを確認してみましたが、余裕のあるポイント数かつカーニング(文字詰め)によってみやすさは上々です。
また半角英数字と全角の日本語が合わさる和欧混植の文字列部分は半角英数字の前後に半角スペースが入っており、視認性・可読性・判読性を高めています。
VRChatの各種イベントに参加する際に、いくつかの設定変更が求められるケースがあります。メニュー画面が日本語化されたことで、はじめてVRChatに訪れた人でも説明や解説にしたがってセッティングできるようになるでしょう。
Steam側でOpen Betaへの参加手続きを行う
VRChatの日本語UIですが、記事執筆時点ではPC VR版のオープンベータ版でのみ利用が可能でした。そのため、最初はSteam側での設定変更が必要です。
Steamを起動したらライブラリ内の「VRChat」を右クリックして、「プロパティ」をクリックします。
Steam側のVRChat設定画面が表示されたら、「ベータ」をクリックします。
続いて「ベータへの参加」をクリック。さらにプルダウンメニュー内の「open-beta – Open Beta」をクリック。設定画面を閉じてVRChatを起動します。
「User Interface」から日本語を選択
VRChatが起動したら、クイックメニューを開きます(デスクトップモードでは「ESC」キー、Quest系コントローラの場合はB、Yボタンを押す)。続いて右上のほうにあるメニュー拡大アイコンをクリック・選択します。
「Settings」メニューが開きます。左側のタブリストの中にある「User Interface」をクリック・選択します。
「User Interface」メニュー内の「Preferred Language」欄にある「English」をクリック・選択します。
「Choose Language」の「日本語」をクリック・選択すれば、日本語表記のメニューに切り替わります。
一部の項目は英語表記のまま
メニューを日本語表記に切り替えても、ステータス欄の「Online」や、セーフティ画面の「Custom」などは英語表記のままとなっています。すべて文字列を漢字・ひらがな・カタカナに書き換えるのではなく、理解しやすい英単語はそのままにしているのでしょう。
検索メニューの推奨・ランダム検索ワードは日本語表記だか検索はアルファベット
ワールド検索欄を見てみると、いままでは英語表記だった「graffiti」「cooking」「cute」などの推奨・ランダム検索ワードが「落書き」「料理」「かわいい」といったように、日本語で表示されていました。
試しに「ホラー」を選択してみると、検索ワードは「horror」。英語です。メニューの表記と同様に、内部処理は英字のまま行っているのですね。
Unityから組み込む独自Expression Menuは英語表記のまま
リング状のアクションメニュー(デスクトップモードでは「R」キー、Quest系コントローラの場合はB、Yボタンを長押し)も日本語表記に変わっています。
ただしアバターをインポートする際に、Unity側で設定したメニュー項目は英語表記のままです。もちろん、これはVRChat側でカバーできないというケース。「ここが日本語に変わってないぞー」と茶々をいれるのは控えましょう。
Android版が提供され、iPhone/iPadで動作するiOS版のClosed Beta参加申し込みも開始されたVRChat。より多くの老若男女が訪れるプラットフォームとなるでしょう。日本からの参加者が極力悩まないように調整された日本語UIの導入は大歓迎な出来事ですよね。みなさんのお近くに「VRChatには興味あるけど英語が苦手で……」という方がいましたら、「いま日本語UIのテストがされているから期待して!」と伝えてあげてくださいね。
(TEXT by 武者良太)
●関連リンク
・VRChat(日本語X)
・VRChat(公式サイト)