2019年8月24日・25日、VRライブプラットフォーム「VARK」で史上最大のバーチャルフェスライブ「Vサマ!」が開催された。2日間行われたライブではそれぞれ昼公演と夜公演の2部制に分かれており、計15組のバーチャルアーティストが出演。
MCには24日公演にYuNi、25日にはミライアカリが抜擢され、史上最大のバーチャルフェスライブの言葉通り、今VTuber界の音楽シーンを代表するアーティスト達が勢揃いした。
*本ライブの再演がリアル・VRの量会場にて12月11日に開催します(ニュース記事)
DAY1・昼公演
Vサマ初日ではMCにYuNiが登場した。彼女らしいマイペースでのほほんとした雰囲気が会場を包み、ゲストトークから自身のライブまで完璧にこなす姿はさすがプロだと思わせる立ち回りだった。
初日に登場したのは、昼公園に「AZKi」「天神子兎音」「おめがシスターズ」だ。AZKiは数多くのオリジナル楽曲を歌っており、ライブもコンスタントに行っているシンガーということもあって綺麗な歌声が響き渡る圧巻のパフォーマンスを見せてくれた。
天神子兎音様は、持ち前のパワフルな歌唱力でロックナンバーを歌い上げた。トークから歌に入る時のスイッチの切替が相変わらずカッコいい。おめシスは、2人だからこそできるハーモニーを披露した。トークからは想像できない圧倒的な歌唱力と、2人のハモリは聞いていて耳心地がいい。
DAY1・夜公演
初日夜公演に登場したのは「まりなす(仮)」「ときのそら」「すーぱーそに子」の3組。最初に登場したまりなすは、奏天まひろと燈舞りん、鈴鳴すばると音葉なほの2チームに分かれてパフォーマンスを行った。まりなすといえばやはりキレッキレのダンスと歌唱力。Vサマという大舞台でもその存在感は存分に発揮されており、チームワークもそうだが、楽曲のクオリティも含めライブを見る度に確実に進化していると実感した。
続いて登場したのはホロライブ所属のときのそら。アイドルらしい爽やかさと可愛らしさを併せ持つ彼女は、安定感あるライブパフォーマンスを披露した。楽曲の素晴らしさは言わずもがなアイドルとしての表現力も抜群によかった。次に登場したすーぱーそに子は、自分自身初めてライブを見たのだが、堂々とした振る舞いと自身の世界観を作るのがかなり上手くて衝撃を受けた。アーティストとしての素質は抜群に高いと感じたので、これからの活躍に期待したい。
初日の最後には、ゲストの初音ミクとMCを努めたYuNiがそれぞれライブを行った。初音ミクが目の前で歌う光景、昔からのボカロファンには正直たまらない演出だったと思う。数多くの名曲を持つ初音ミクのパフォーマンスは、楽曲だけではなくヴァーチャルの世界の大先輩としての貫禄が全身に伝わるライブだった。
YuNiのライブは、安定感抜群の歌唱力に加え、曲中の盛り上げ方などさすがのパフォーマンスを見せてくれた。MCとして計7組のアーティストに対しライブの話を引き出したり、共感できるような視聴者目線でのコメントだったりとこんなにも器用だったんだと新たな発見ができた。
DAY2・昼公演
2日目ではMCにミライアカリ、ゲストでは再び初音ミクが登場した。昼公演では、最初にサントリー公式VTuber燦鳥ノムが登場した。燦鳥ノムの歌のポテンシャルは相当高く、透き通るような歌声でプロ顔負けの歌唱力を持っている。この日もトップバッターながら軽快に体を揺らしながら圧巻のパフォーマンスを見せてくれた。
次に登場した樋口楓は、にじさんじの中でも単独ライブを開催するなどアーティストとしての顔を持っており、オリジナル楽曲含め、「カッコいい」を追求しつつも、丁寧なパフォーマンスを披露してくれた。
続いて登場した東雲めぐはVARKで開催されるVRミュージカル「人魚姫」から楽曲を披露した。ステージもミュージカル仕様のセットになっており、世界観が全面に押し出されたVR空間ならではのパフォーマンスに感動した。
DAY2・夜公演
夜公演では「ピンキーポップヘップバーン」「花譜」「富士葵」が登場。トップバッターのピンキーポップヘップバーンは、最初少し緊張した様子だったが歌い出すと堂々たるライブを見せてくれた。初披露のオリジナル曲もキャッチーで今後色んな舞台で披露してくれるんじゃないかと期待している。
続いて登場した花譜は、8月に行われた初の単独ライブ「不可解」で初披露した2曲を歌った。VRライブは2回目だが彼女の歌はリアルだろうとVRだろうと心に刺さるような歌声と表現力で観客の度肝を抜いていく。リアルにはない妙な距離感は新鮮で、没入感が半端なかった。
富士葵は、応援団長らしく元気なれるような応援歌らしい2曲を披露した。応援団旗がステージに現れ、パワフルなパフォーマンスを披露したと思ったら2曲目ではしっとりとみせるような楽曲で観客の心を掴んでいた。
最後を締めくくるのは初音ミクと2日目のMCを務めたミライアカリだ。VARKの特徴でもある目の前にアーティストが現れ歌ってくれるというとんでもない演出があるのだが、初音ミクは自分の周りをぐるぐる移動しながら歌う演出があり曲の世界観もそうだが、自分にだけに向けて歌われてる感覚になる演出にかなり興奮した。
ミライアカリは、まさにトーク中とのギャップが魅力的だった。富士葵と漫才のようなトークをしたり、PPHをいじったり、明るくおちゃらけたイメージからライブでは大人っぽい声でひたすらカッコいいライブをかましてくれた。
今回初めてVARKのライブを体験したが、やはり演者が目の前に現れる演出はとんでもなかった。これはまさしくVRの世界じゃないとここまでの表現はできないだろう。他にも、曲だけに限らず曲中のイメージ合わせてステージ全体の演出が変わったりとかなり凝ったステージングで一切飽きることなくライブを楽しむことができた。
フェスというだけあって様々なアーティストが登場し、贅沢と言っていいほどファンだろうがファンじゃなかろうが最後の最後まで堪能できた。まだVARKを体験していない人は次の機会にぜひ体験してみてほしい。
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(TEXT by 森山ド・ロ)
*8月末のサイトトラブルによりレポート記事掲載が大幅に遅れていたことをお詫び申し上げます。
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