PROJECT IM@S 「ヴイアラ」レトラ バースデーライブレポート シンガー・レトラが奏でたい歌の形とは

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2025年11月11日(火)、「アイドルマスター」シリーズを手掛けるPROJECT IM@Sによるアイドルプロジェクト「PROJECT IM@S vα-liv」(以下、ヴイアライヴ)のライバーアイドル、レトラさんの誕生日を祝うライブイベントレトラ BIRTHDAY ONLINE LIVE 2025が配信された(東京・池袋のアニメイトシアターでも現地ライブビューイングが行われた)。

レトラさん

近頃ではメンバーそれぞれの個性を重視した活動を行っているヴイアライヴ。2025年7月末にシンガープロジェクトを発表したレトラさんは、毎週木曜日の歌ってみた動画投稿や、本人は姿を見せず歌と映像でステージを作る「Singer set」形式での外部ライブ出演など、歌に特化した活動を深めていく。

今回は、ヴイアライヴの仲間やプロデューサー(彼女の活動を楽しみ盛り上げるファンのこと、レトラさんは「Pちゃま」と呼ぶ)からの祝福を受け、ホームともいえる環境で見せた、歌あり笑いあり語りありのバースデーライブの様子をレポートする。
(冒頭30分ほどの無料配信はこちら

(https://idolmaster-official.jp/news/01_16781より)

開幕映像明けに登場したレトラさん。最初に歌うのは彼女の1stシングル「群青イニシエーション」。静かな独白のような歌いだしから渇望する未来に向けて力強くなっていく歌声。

今回のライブではバックにPVが流されており、くすんだ世界が群青色の空になる様子が歌唱とともに表現されていた。

歌唱終わりにスッとしたポーズで決めるレトラさんだが、暗転が明けた後のMCパートでは「ついに始まりました、バースデーライブー!」と明るい声で宣言。配信視聴者やライブビューイング会場での「うおおおおおお」という声を出すよう煽ると、共にヴイアライヴで活動をする灯里愛夏(ともりまなか)さんと上水流宇宙(かみずるこすも)さんをゲストとして呼び込んだ。

左より灯里愛夏さん、レトラさん、上水流宇宙さん

なお、灯里さんと上水流さんはラインダンスをしながら愉快に登場。それに対しレトラさんは「画像に乱れがあったようですね」と一度追い返す。

再度の登場も漫才師の入りのようなテンションであり、レトラさんにしゃべる隙を与えない。こういう3人のやり取りを見てると、ここはやっぱりホームなんだよなあという気持ちにさせてくれる。

22たい(歳)になったと言うレトラちゃん(日本酒好き)を、えらいえらいと頭を撫でる上水流さん

バースデーライブ恒例のバラエティコーナーは、今回はレトラさんの歌を見せつけてほしい!ということで、「目指せご褒美!アカペラカラオケチャレンジ!」という企画が用意された。

採点用の音程バーは表示させるも音声は流さない状況で歌唱し、90点以上を目指すというこの企画。レトラさんは「人間音ゲー」と呼称した。

ルーレットで歌唱する楽曲を決めたところ、選ばれたのはなんと3人のデビューシングル、「リローディング」だ。これは勝利に近づいたと思いきや、レトラさんは自分の曲だから逆に緊張すると述べる。

持ち歌が選ばれたので「じゃあ2人も手伝ってよ」とリクエストがあり、歌唱前にCDジャケットのポーズをとる3人。あくまで歌唱での参加はしない2人の応援に「あ、うーん、なんかいけるかもしれない」となんとなく答えるレトラさん

3人の持ち歌なのにレトラさんだけが歌い、他のメンバーは歌わず応援をするというレアな形で楽曲を披露した後、「めっちゃムズいね」と言うレトラさん。そして結果は…92.879点と90点超えで無事チャレンジ成功だ。

これだけで物足りないのか灯里さんのリクエストによりもう一曲チャレンジすることになり、選ばれたのは初星学園・有村麻央さんの「Fluorite」。こちらも無事90点を超えることができ、レトラさんの面目躍如といったところだ。

ゆかいなMCの後、長めの暗転を挟んで披露されたのは、カバー曲「ReTale」

765プロダクションのユニット「≡君彩≡」の曲だが、カバー元アーティストと同じように、レトラさんはギター、灯里さんはピアノ、上水流さんはDJという3ピースバンド形式での披露となった。

エモ曲を3人揃って披露する姿を見て、先のバラエティパートのようなおちゃらけも、アイドル候補生になってからの活動も思い出されて少しウルっときた筆者であった。

3人揃って披露となるとダンスが映える曲が選ばれがちではあるが、元バンドメンバーであるレトラさんの希望もあり、今回はバンド形式のこの曲を披露したとのこと

「ReTale」の披露の後も、3人で揃って変な動きをしたり、灯里さん・上水流さんが暴れてレトラさんがノる・ツッこむ・素っ気なくかわすなどで対応したりと、息があったところを見せていた。

暴れる年下(19歳)の2人を「元気だー」と22歳のレトラさんは年上らしく大人のように振る舞う。と思いきや、差し入れの「ばくだん焼」を楽しみにしていたというかわいい一面も灯里さんにより紹介された

そんなゆかいな3人のMCパートの後は、再びレトラさんのソロ歌唱コーナーに。星空の映像の元歌われたのは、「きみの一等星」

やさしく寄り添ってくれる歌声は先ほどまでのにぎやかな空気を一変させ、聞いていて彼女に背中を預けたくなるバラードだ。

連続で披露したのは、今年7月にリリースした4thシングル曲、「アエルシグナル」。

リリースされている音源ではあえてエフェクトをかけた声になっているが、今回のライブでは生声で高音を響かせ、別離した相手への感情を歌った。

先月公開された実写MVをバックに流しながらの歌唱

レトラさんはここで披露した2曲を「暗い中に光がある曲」と呼び、「夜(に聴くと)チルくていいんじゃないかな」「night musicにいれてください」と紹介する。彼女の楽曲は先の2曲以外にも、テンションを大きく上げたり下げたりするのではない「日常にとける曲」が多いので、いっぱい聴いてくださいとのことだ。

と言いつつ、「今日はライブなので、テンションアゲたいですよね」ということで次に歌ったのは、カバー曲「Rebellion」(オリジナルは765プロダクション・我那覇響さん)。

「声出して―!」とここまでの楽曲にはなかった煽りを入れながら、彼女が格好いいと思う本曲を披露した。

テンションアゲ曲は続く。「Breaker」はレトラさんのオリジナル楽曲の中でも珍しい「オイ!オイ!」と客と一緒に盛り上がる曲。

「終わらないだろ!」という歌詞を「終わらねーだろっ!!!!」と吠えるなど、熱い曲をライブならではの熱気でさらに燃え上がらせて歌唱した。

MCパートで「音楽のどういうところが好きですか?」と尋ねるレトラさん。彼女は、「いつでも語り掛けてくれるところが好き」と語る。さらに、同じ歌詞でも人によってとらえ方が違ったり、歌う方もその時の心境によって感情の載せ方が変わったりする点も好きであると述べた。

レトラさんを通じて歌詞をよく見るようになったというPちゃまという声もあるとのことで、彼女とPちゃまの世界が広がっていく様がうれしいと、歌手ならではの意見も述べたところ、配信コメントには感謝のコメントが並んだ。

カバー曲「Luna say maybe」(オリジナルは初星学園・月村手毬さん)は、外部のライブも含め何度も披露するくらい好きと語る一曲。まくしたてるようなテンポの早い歌唱は、前半は不安の吐露だが、次第に興奮や願望を表すようになる一曲。その表現は歌唱だけでなく、振りや表情からも出ていた。

終盤の「君にまだ話せてないことばっかりあるんだ 聴いてほしいの」というフレーズの前に「ねえ、Pちゃま」という言葉を追加し、笑顔で歌いきる姿に、これからも歌を通じてPちゃまと語り合いたいというレトラさんの意気込みを感じた。

続くMCパートにて「自分の気持ちを歌無しで伝えるのがとてつもなく苦手」ということで、今回伝えたいことを手紙にしたためたレトラさん。

スタッフや灯里さん、上水流さんへの想いを伝えた後、「Pちゃまへ」ということで、日頃の応援やシンガープロジェクトが決まった時の喜ぶ姿に対して感謝の気持ちを述べた。見切りをつけるのが早い彼女が少しずつ成長できているのは、バンド時代に自分すらも信じられなくなり逃げ道を作りがちだった彼女がソロ武道館という目標を立てて活動で来ているのは、みんなのお陰だといい、「22歳の私もよろしくお願いします!」という言葉で手紙を締めくくった。

「みんながエモエモ大号泣している間に」と誤魔化しながら紹介した本ライブのラストナンバーは、ここが初公開のレトラさん5thシングル曲、「Glass」

これまでのレトラさん楽曲の中でも特にムーディな曲調の中、刹那的なのかラインを超えてしまったのか、そんな恋愛の苦しさをお酒を注いだグラスになぞらえ、物憂げに、そして強く歌う。

なお、この楽曲の作詞をしたのはレトラさん自身だ(「雅樂川れとら」名義)。

レトラさんによりセリフではない形で追加された(ライブ翌日の配信参照)、大さび前にマイクに向けて「チュ」と小さく鳴らす破裂音。これが舌打ちなのかキスなのか、歌詞も含めて解釈が楽しい

なお、新曲「Glass」はこれまた曲の世界が広がる刺激的なPVがライブ後に公開。配信も開始されている。

また、今回のライブの冒頭2曲とアカペラカラオケコーナーはレトラYouTubeチャンネルで無料配信されている。ライブ全編は2025年12月10日(水)23:59までアーカイブ視聴が可能だ。(チケット購入は同日18時まで)


THE IDOLM@STER™& ©Bandai Namco Entertainment Inc.

(TEXT by tabata hideki) 

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