人気イラストレーターでありながら、自身もYouTubeチャンネル登録者数228万人を誇るVTuberでもあるしぐれういさんが、約1年8ヵ月ぶりのワンマンライブを実施。2026年5月30日(土)にKアリーナ横浜で、「SHIGURE UI Birthday Live “Wishing Umbrella”」(以降、「Wishing Umbrella」)が開催された。
怒濤の新衣装ラッシュや、まさかのサプライズゲスト登場。さらに、広いKアリーナの全観客をさらに楽しませるために設置された新ギミックなど、ファン心理が分かり過ぎていて、楽しく嬉しい驚きの連続だった全23曲、約2時間15分のライブをレポートする。
本記事は、SPWNによるオンライン試聴を元に執筆。ライブの5日後に配信された、しぐれさんの感想配信などは、あえて試聴せず、リアルタイムで感じた自身の感想や推論などをまとめている。記事内に掲載されているライブ画像は、アーカイブ動画のスクリーンショットとオフィシャル写真だ。
「最高のライブ体験をみんなで作りましょう」
事前に発表されたキービジュアルやグッズなどから、サーカスがコンセプトであることは明らかだった「Wishing Umbrella」。ステージの周囲は、サーカス小屋のようなセットで飾られ、奧ではカラフルな風船が浮かんで揺れている。
17時5分頃、「ピンポンパンポーン! イエーイ!」と、しぐれさんの声が聞こえてくる。ライブの定番的な注意喚起のアナウンスかと思ったが、「これテンプレじゃなくて、ガチ大事な話なんで、よーく聞いてくださいよ」と、普通の影ナレとは熱量が違いそう。来場者全員に無料で配られたサイリウム、「UO」こと「ルミカ大閃光」を折るポイントの希望を伝えた後は、マナーに関するお願いが始まった。ほとんどのライブで聞いたことがある定番の注意の後には、より具体的なアナウンス。
完全に観客目線の注意喚起からは、多くの観客にライブを最大限楽しんで欲しいという優しい気持ちが伝わってくる。
「ここにはライブ自体が初めてという人もたくさんいらっしゃいます。ルールも気にしつつ、また何度もライブに行きたくなるような最高のライブ体験をみんなで作りましょう」
優しいだけではなく、締めるところはしっかり締めるのもしぐれさんらしい。ライブグッズの無線制御ペンライトを実際に稼働させ、楽しみ方を伝えて影ナレは終了。開演前から、すでにしぐれさんの世界が展開されている気がした。
バースデーライブは「放課後マーメイド」で開幕!
ついに、オープニング映像が流れ出し、カウントダウン。すると、5周年記念衣装姿のしぐれさんが空中ブランコに座ってステージ上部から登場。1stアルバム「まだ雨はやまない」の収録曲「放課後マーメイド」を歌いながら、ゆっくりと降りて来る。前回のライブ「SHIGURE UI 5th Anniversary Live “masterpiece”」のアンコールで初披露された衣装を着てライブが始まった。
「みなさーん。私のサーカスへようこそ。ハッピーなバースデーライブ、はーじまり!」
ステージの床に降り立ったしぐれさんは、バースデーライブの開幕を可愛く宣言。最後の「はじまり!」は元の歌詞にあるフレーズで、「放課後マーメイド」が記念すべき1曲目に選ばれた理由かもしれないが、明るくハッピーな曲調もサーカスの始まりによく似合う。「はーじまり」に合わせて、両手をグルグル回転する振りも可愛い。
サーカスらしい派手な照明に照らされながら、踊り歌うしぐれさん。終盤、曲に合わせてステージにスコールが降り出し、1曲目から凝りまくっているなと思っていると、突然、配信のカメラがしぐれさんの斜め後方から観客席側を移したARカメラに変わる。
アウトロに入るとステージに紗幕が降りて、しぐれさんの姿を隠す。すると、スポットライトが照らす中、5周年記念衣装ではないシンプルなシルエットのしぐれさんが下手からぴょこんと登場。客席に手を振るとすぐに引っ込み、今度は装飾が多そうな影で現れて、ポーズを取ってすぐに退場した。さらに、どこかで見たようなシルエットに着替えたしぐれさんが登場すると、紗幕が上がってライブのキービジュアルに描かれているサーカス衣装姿を初お披露目。「おーしまい」っと可愛くポーズを決めた。
前回のライブでは、アンコールで行った新衣装のお披露目が、今回は1曲目。ファンの予想を裏切ることに全力な姿勢が冒頭からすでに伝わってくる。後日、レポート執筆のためにアーカイブを観直している時、ようやく気づいたのだが、先に登場したシルエットは、今後の展開への大胆な伏線だった。きっと、察しの良いファンは、リアルタイムで気づいていたことだろう。
そして、2曲目は2ndアルバム「fiction」の収録曲「微炭酸SWIMMER」。曲中では配信のカメラがステージの全景を写し、ステージの左右では、5人編成のバンドが演奏していることも分かる。
Kアリーナのスタンドにサブステージが出現
5月18日(月)に公開されたばかりの新曲「No thank Cute!」のイントロと共に、しぐれさんがクルリと回ると、きらめくエフェクトに包まれながらお団子ヘアに変身した。1曲目で新衣装、3曲目で新衣装のバリエーションをお披露目。ライブ初披露のこの曲では、「ファンサとかはやってないので 隅々探してもありません……ありません!」と歌っているが、いきなりの新衣装&新髪型披露は、どう考えても嬉し過ぎるファンサだ。
3曲目が終わると、最初のMC……と思ったら、「みんなー楽しんでるー?」と客席に呼びかけた後、「ちょっと疲れたんで、一瞬、水飲みます」と短い給水タイム。そして、少し息を乱しながらも、休むことなく「それじゃあ、まだまだまだまだ、ノンストップで行きますよー」とライブを進行させる。
「それでは続いての曲、聴いてください」という言葉と同時に、またも早着替え。サーカス衣装はネイビーブルーが基調の別デザインに、髪型もポニーテールに変わった。このライブ2着目の新お披露目衣装「サーカス衣装ポニーテールver.」で歌うのは、1stアルバム収録曲「シンカケイスケッチ」。紅白ストライプのステッキも活かしたダンスが可愛い。
5曲目は、「Wishing Umbrella」では初めてのカバー曲、「仮装狂騒曲」を披露。ブレスのポイントが見つからないくらいに早口で連続したフレーズの続く難曲を歌い上げた。
続く6曲目は、「フォーチュンムービー」をカバー。
曲中、歌いながら舞台袖に消えたしぐれさんは、レベル5(スタンド2階席)のサイド側に位置する上部がアーチ型の小さなステージに登場。Kアリーナで開催されたリアルアイドルのライブで、レベル5や7までアイドルがやってくる演出を体験したことはあったが、そのバーチャル版を観るのは初めて。きっと、レベル5や7の観客の満足度は、爆上がりしたはずだ。
宝鐘マリン、ぽこピーら豪華ゲストが登場!
連続6曲を歌い終え、水と酸素を補給して、ようやく初めてのMC。しぐれさんは、配信のコメントもしっかり見えていることを伝えながら、5曲目くらいになると、体力を心配するコメントばかりになったことに突っ込むが、心配になった気持ちはとても分かる。そして、しぐれさんが次の曲に向けて、再び5周年記念衣装に着替えると、最初のゲストホロライブ3期生の宝鐘マリンさんが登場した。
「Ahoy!」と手を振りながら登場したカラーライズ衣装姿のマリンさんは、舞台袖からしぐれさんのパフォーマンスをずっと観ていたと語ると、自分の自己紹介も忘れて、「うい、お婆ちゃんかと思ってたのに……。あんなに6曲も連続ですごい! 歌って踊ってて、感動しました」と、感極まった声で感想を伝えた。その気持ちもとてもよく分かる。しぐれさんに促され、お決まりのポーズ付き自己紹介をした後は、2人ともサブステージに移動。そこで、しぐれさんがこの仕掛けを作った理由を語る。
「私がオタクとしてKアリーナにいっぱい来てるからさ。レベル5とか7の人は遠いでしょ。でも、ほら(ここは)、ちょっと近いでしょ。これをやりたかったのー」
配信で、ファン(オタク)として参加したライブの感想を語っている時の様子から、しぐれさん自身は、どんな席でもライブを楽しめるタイプのように思えるが、席によってステージの見え方が大きく異なり、一喜一憂するファンも多いのは事実。「ステージが遠くて残念だった」と思うファンを一人でも減らしたいのだろう。サブステージを気に入ったマリンさんが「これパクろう(笑)」と言うと、「パクりな、パクりな。みんな嬉しいと思うから」と、真似も大歓迎の姿勢。
2人で歌う7曲目は、マリンさんの大ヒット曲「美少女無罪♡パイレーツ」。同じ赤基調の衣装で並んでいる姿が絵になる2人は、声の相性も抜群。ポイントポイントで歌詞の「マリン」を「うい」に変えているのも特別感があって楽しい。最後は、「マリン船長と」「うい先生だろ」と順番に圧をかけてフィナーレ。
そのまま、ステージが暗転すると、いきなり次のゲストが登場。「ぽこピー」こと、ピーナッツくんと甲賀流忍者ぽんぽこさんだ。
2人は、着ぐるみ姿でオリジナル曲「お気楽KING」を歌いながら、Kアリーナのリアルステージに登場。バーチャルステージに立つしぐれさんと一緒に、ハイテンションな楽曲を歌っていく。途中で、しぐれさんのイラストから生まれた着ぐるみの「ういだがー」も乱入。さらに、会場が盛り上がっていた。
MCでは、ラッパーとしても大活躍中で、さまざまなイベントやライブへの出演経験も豊富なピーナッツくんが、さすがの貫禄を見せ、観客への熱い煽りで会場をさらに温める。3人でコール&レスポンスも楽しんだ後、再びステージで1人になったしぐれさんがライブを進行しようとすると、いつの間にか退場していたういだがーが再び乱入。可愛いファンサに会場が沸いていると、マリンさんがクマに扮した姿の着ぐるみ「宝鐘クマリン」も登場。「ライブの続きをやりたいんで」と言うしぐれさんを無視してういだがーが観客を煽り、しぐれさんファンのはずの観客も一緒に声を出して盛り上がる。
サプライズゲストが次々に登場
着ぐるみが退場した後の9曲目からは、シークレットゲストのコーナー。まずは、しぐれさんの声をベースに誕生したバーチャルシンガーの雨衣(うい)さんが登場し、雨衣さんの歌声が使われた楽曲「お返事まだカナ💦❓おじさん構文😁❗️」と、人気楽曲「モニタリング(Best Friend Remix)」をデュエットした。華やかなステージ衣装で表情豊かに歌い踊るしぐれさんと、雨衣さんが一緒にステージに並ぶと、お互いのそれぞれの魅力がどちらもさらに際立つようだ。揃ったダンスが可愛い。
「お返事まだカナ💦❓おじさん構文😁❗️」の中に出てくるおじさんの声は、にじさんじの舞元啓介さんが担当。しぐれさんがキャラクターデザインを務めるホロライブの大空スバルさんも含めた3人のコラボ「大空家」などで親交が深く、「Wishing Umbrella」の4日前に公開された「No thank Cute!」のコーレス動画でもコールの声を担当した舞元さん。ここでも大活躍だ。
また、「モニタリング(Best Friend Remix)」では、しぐれさんと雨衣さんが順番にサブステージへ移動。ちなみに、配信では、画面を2分割する形で、2人のパフォーマンスを観ることができた。
落ちサビは、メインステージに1人立つ雨衣さんが担当。しぐれさんは、どこに行ったのかなと思っていると、ステージ中央に赤いドアが現れて、そこから登場。最後は2人並んで、相性抜群のハーモニーを響かせた。
曲が終わると、2人の後ろの赤いドアからポップな衣装を着た 「デコミク(ライトネス)」さんが現れて、雨衣さんとハイタッチして入れ替わりでステージに登場。次のサプライズゲストは、人気アーティストDECO*27さん仕様の初音ミク、「デコミク(ライトネス)」さんだ。11曲目として歌うのは、しぐれさんがMVのイラストとコーラスを担当し、カバー動画も上げているDECO*27さんの楽曲「チェリーポップ」。さすがにこの2人のデュエットには、感嘆まじりの驚きがあった。
そして、「Wishing Umbrella」最後のサプライズゲストが登場する。
283プロダクション所属Straylightの黛冬優子と共演!
照明が点くと同時に、ステージに一人立つしぐれさんは、283プロダクション所属Straylightの黛冬優子さんのソロ曲「SOS」を歌い始める。すると、いつの間にかしぐれさんの背後に下りていた緞帳がゆっくりと上がっていき、衝撃のご本人登場。冬優子さん本人が現れて、しぐれさんの隣に立ち、MVが834万回以上も再生されている人気曲を一緒に歌い始めたのだ。
しぐれさんは、以前から冬優子さんのファンであることを公言。配信でライブや楽曲の感想を熱量たっぷりに語ることも多く、2022年12月に公開された「SOS」のMVでイラストを担当した時には、他人事ながら、いちファンとして「良かったねー」と感動したものだ。しかし、ステージでの共演となると、予想外すぎて、ただただ驚くばかり。
Aメロ後、「みなさんこんばんは~!283プロダクション所属、ストレイライト 黛冬優子です♡ ふふ、今日はよろしくお願いします♡」と可愛く自己紹介する冬優子さん。公式サイトのプロフィールに書かれた「常に控えめな笑顔で、清楚に見える女の子。可愛いものが大好きで、周囲への気配りをするなど人に好かれるように振る舞う」という文章のイメージ通りに、完璧で可愛いアイドルだ。
フリルも可愛いライトグリーンの衣装を着て、しぐれさんと一緒に歌い踊る冬優子さん。2人並んでのMCで冬優子さんが改めて自己紹介すると、しぐれさんからも「というわけで、なんと! 大好きなふゆちゃんが来てくれましたー」と紹介。「いまだに現実感がなくて手が震えています」という言葉は、嘘偽りの無い心からの思いだろう。
「みんな、ちゃんとふゆちゃんに『来てくれてありがとう』って言って」というしぐれさんからのお願いに、大きな声で『ありがとう』と叫ぶ観客たち。満面の笑顔で「こちらこそ、ありがとうございます」と返した冬優子さんは、ゆっくりと会場を見渡すと、「はじめましての人が多いのかな? ふゆのこと、ちょっとでも好きになってもらえたら嬉しいです」とウィンク。「やばい! みんな好きになっちゃう! 私はもう好き!」「ふゆちゃんって、本当に可愛くって。動きも表情も正真正銘のアイドルさんで、本当に素敵でした!」と大喜びのしぐれさん。冬優子さんは、「SOS」のMVのイラストについてのお礼を伝えた後、しぐれさんのマルチな活躍ぶりを大絶賛。
「イラストも配信もお歌もいろんなことに全力で取り組んでいる姿が本当に素敵で。ふゆ、こうして、ういちゃんにゲストとして呼んで頂いて、同じステージに立てて、本当に光栄です」
冬優子さんからベタ褒めされて恐縮しながら、デュエットはもう1曲あって、しかも自分の曲を歌ってくれるのだと明かすしぐれさん。2人で声を合わせて紹介した曲名は、2ndアルバム収録曲「Paint it delight!」。「SOS」と同じく睦月周平さんが作曲と編曲を担当している楽曲だ。さまざまな色に変化するステージで、クリエイティブの楽しさを詰め込んだようなハッピーな曲を歌う2人。このライブならではの歌詞のアレンジも面白い。
しぐれさんが「今日、ふゆちゃんのことを好きになった人もたくさんいるよ。ね、みんな?」と客席に呼びかけると大きな歓声が上がる。実際、ステージ上で見せる冬優子さんの抜群のアイドル力に魅了されたファンは多いはず。冬優子さんと一緒にパフォーマンスしながら、その魅力を何万人ものファンにアピールする。
背景のタブレットにしぐれさんが描いたシルクハットの絵が、タブレットから飛び出して本物のシルクハットになるという演出には、冬優子さんも大喜び。そして、満面の笑顔のまま冬優子さんが退場し、しぐれさんにとっても、ファンにとっても夢のような時間は終わった。
天使になったしぐれうい(9さい)が降臨
14曲目、2ndアルバム収録曲の「ういこうせん」では、ぽんぽこさん、ピーナッツくん、クマリン、ういだがーと着ぐるみ勢が全員、再登場。しぐれさんも通常衣装に着替えており、先ほどまでとは、観客の雰囲気も一変していた。
同じく2ndアルバム収録曲の「うい麦畑でつかまえて」は、観客全員に配られたUO(大閃光)の出番。しぐれさんが事前にリクエストしていた最も使って欲しいタイミングは落ちサビだったが、最初から盛り上がりまくる楽曲にテンションも上がったのか、配信のカメラは、序盤からUOを振るファンの姿を何人も捉えていた。
そして、落ちサビ直前、しぐれさんが「ここで大閃光、折ってー」と叫ぶと、会場中が強烈なオレンジの光に包まれる。これが「うい麦畑」か。ここまでも、このライブでしか観られないであろう光景を何度も観てきたが、これだけのUOの光に包まれたKアリーナを観たのも初めて。会場でこの光の一部になれなかったことを少し残念に感じた。
そして、16曲目、UOの残光で照らされたKアリーナに天使が降臨する。「みんな、おまたせ」という純粋そうな幼い声と共に、新お披露目の天使衣装を着たしぐれうい(9さい)が登場。YouTubeでのMV再生数が1.4億回以上の超人気電波ソング「粛聖!! ロリ神レクイエム☆」を披露した。
曲中、配信カメラは、雑誌「コンプティーク」のしぐれさん特集号の付録だった「俺がしぐれうい(9)だ!お面」を付けているベーシストの姿を映していた。他のバンドメンバーも同じお面を付けていたのか? 少し気になる。
続いて、しぐれうい(9さい)は、2曲目のオリジナル曲「ウィマーマ・サーガ」をライブ初披露。すると、先ほどまで圧巻のパフォーマンスを連発していたしぐれさんが新披露の女神風衣装で登場。後光を背負ったまま、「おいおい、なにしてんの、止めろ! 私のライブだぞ」と乱入する。
オリジナル音源やMVと同じく、しぐれうい(9)と、しぐれうい(16)の共演の実現だ。
ラスサビの前には、観客の祈りに応えて、Kアリーナのリアルステージに巨大なウィマーマが降臨。熱狂は最高潮に達した。
「『ウィマサガ』ってライブでやるとこんな感じなんだ(笑)」という一言から始まったMCでは、ピアノ演奏の格好良さを絶賛。その後は、UOの光で染まった「うい麦」を振り返り、「ステージからUOを観ると、こんな感じなんだ。最高かも。ありがとう折ってくれて。本当にありがとう」と直球な言葉で感謝を伝え、さらに続ける。
「楽しかった? (大きな歓声)ああ、良かった。UOは参加型って感じで一体感が出て、私はめっちゃ好きだったので、皆さんにもそれを味わって欲しくて、グッズに入れたので、折ってもらえて、めっちゃ嬉しいでーす」
本当に安堵して、嬉しそうに言った「ああ、良かった」が、いかにもしぐれさんらしい。そして、3人のシークレットゲストとのパフォーマンスについても振り返っていく。
新衣装について語った後は、次が最後のブロックということを予告した。
黒髪姿でピアノの弾き語りも披露
しぐれさんがステージ下手に退場すると、会場が暗転。ステージ中央をスポットライトが照らすとそこには、グランドピアノが置かれ、ステージ下手から歩いてきた黒髪ショートの制服美少女がその前へと座る。そして、ピアノを弾きながら、しぐれさんの2ndアルバム収録曲「二人模様」を歌い始めた。その歌声は紛れもなく、しぐれさん。
1フレーズの弾き語りを終えた後、ピアノの前を離れると、ステージ上のブランコへと座り、静かなバラードを歌っていく黒髪のしぐれさん。ついさっきまでの熱狂が嘘のように、心が癒されていく。
19曲目は、2ndアルバムの最後を飾った「勝手に生きましょ」。1番を歌った後、黒髪のしぐれさんから、通常衣装のしぐれさんに早変わりすると、「VTuberしぐれうい」として、クリエイターでありエンターテイナーでもある自身の矜持を記したような曲をいつもの明るい声で歌っていく。
落ちサビでは、しぐれさんの背後に映っていた影が意志を持ったように分身。しぐれさんの歌声は、さらに厚みを増して響いていく。そして、最後は、青空の前で高らかに歌い上げる。最後の決めポーズが可愛い。
20曲目は、2ndアルバム収録曲「あいしてやまない」。ポップでカラフルなステージで元気に歌っていく中、客席には巨大なバルーンや風船も放たれ、サーカスのような楽しい雰囲気を加速させる。
大サビ前では、しぐれさんが、ふたたびサーカス衣装に変身。スカートには、装飾が追加されていた。最後は、観客席に何度も手を振りジャンプ。最高の笑顔で、「Wishing Umbrella」の本編ラストを締めくくった。
「ひっひっふー」でアンコール開始
会場のアンコールに応えて、会場が暗転した後、さまざまな告知を知らせる映像がディスプレイに流れ始める。そして、2ndアルバム収録曲「ひっひっふー」のイントロと共に、ステージの緞帳が上がり、通常衣装姿のしぐれさんが登場。ディスプレイとマイクが置かれた机の前に座り、高速ラップの曲を歌っていく。ライブで非常に観たかった曲ではあるが、本当に歌ってくれることへの驚きもあった。
生バンドとの相性も抜群で、アンコール1曲目から、すでに会場のテンションがMAX状態に戻っていることは、配信からも伝わってくる。間奏ではバンドメンバーも紹介。ステージ前にはスパークラーも上がり、燃えるように真っ赤に染まったKアリーナで、しぐれさんは、難曲を見事に歌い切った。
MCでは、さまざまな告知を改めて紹介。そして、「二人模様」で披露した姿に再び変身すると、「制服黒髪衣装」という名前を明らかにした後、この衣装を作った理由を語っていく。
さらに、「あいしてやまない」のラストで登場したサーカス衣装のフルセットに着替えて紹介した後、キービジュアルの衣装に変身。今回のライブのテーマについて種明かしをしてくれた。
「今回は、しぐれういのモチーフになっている傘を、でっかいサーカステントに見立てて。日常のちょっとした不和から一瞬でも雨宿りできるような、ひたすら『楽しい!』をやるライブだったんですけども。まあ、みんなの日常の困りごとは、私には解決できないじゃん。でも、一瞬でも守れる傘には私がなれるかなと思っていたので、そういうテーマにしたというお話があります」
ライブのコンセプトを語ったしぐれさんが、さらに裏テーマがあったことも明かす。
「それは、君たちが思ってもいないハッピーなサプライズを死ぬほどする、でした。おもちゃ箱をひっくり返して、わくわくするような、そんなライブにしたくて。みんなに一つ一つのプレゼントを作る感覚で、サプライズをたくさん用意してみました。例えば、私の好きな人をシークレットゲストで3人もお呼びしたり。舞元を入れたら4人か。私の死ぬほど苦手なピアノを頑張って、ちょっとだけ弾いたり。あとは、衣装を意味わからんほど作る。これ、私にしかできないと思って。6着ってやばいよね、新衣装」
すべての新衣装のデザインはもちろん、しぐれさん本人。「新衣装、いっぱいあったら楽しくね?」という軽いノリで始めたら、大変すぎて地獄を見たそうだ。しかし、一番大変だったのは衣装制作を担当してくれた3Dモデラーだったはずと語り、感謝と謝罪をしていた。
新曲「Wishing Umbrella」も初披露!
誕生日当日ということで、観客の持つペンライトをロウソクに見立てて、息で吹き消そうとするが、会場の広さとペンライトの仕様のせいなのか、ロウソクはなかなか消えない。「なんか、思ったのと違う」と言いながらも、しぐれさんは嬉しそうだったので、きっと成功なのだろう。
続く22曲目は、このライブのために描き下ろされた新曲だと予告。しかも、スマホでの撮影もOKということで、観客席からは歓喜の声が聞こえる。さらに、スマホを持つ時のマナーまで具体的に説明するのが、さすがしぐれさんだ。
「このライブも残すところ2曲となりました。私からのプレゼント、最後まで思いっきり楽しんでいってね。それでは聴いて下さい、『Wishing Umbrella』」
ライブタイトルを冠した最新曲は、サーカスモチーフにぴったりの華やかな曲。サーカス衣装姿でステッキを持ったしぐれさんの明るい歌声と、カラフルな照明と自動制御ペンライトのコンビネーションが、ライブのクライマックスをさらに盛り上げる。
そして、フィナーレを飾る23曲目は、2ndアルバム収録曲「ハッピーヒプノシズム」。前回のライブでは最初に歌った曲を、ラストに持ってきた狙いは何なのか。筆者は、このライブの後も一緒に楽しく生きていこうという呼びかけだと感じたが、実際のところは分からない。
ラストの「おはよう!」と同時に銀テープが発射。
「本日は宝箱をぶちまけまくって、みんなも楽しくできたかなと思います。私はとっても楽しかったです。最高の誕生日! ありがとう!」
サービス精神が旺盛で、ファンを楽しませることが大好きだが、必ず自分も楽しむことを大前提にすべての活動を行っているように見えるしぐれさん。そんな思いと多彩な才能と行動力を兼ね備えたが7年も活動を続けていると、こんな境地にまで行き着くのかという驚きの光景を見せてもらった「Wishing Umbrella」。いろいろな枠組を超越し過ぎた豪華サプライズゲストの登場が大きなトピックスだったことは間違いないが、筆者がそれ以上に驚いたのは、しぐれさんの歌い踊るというライブの基本パフォーマンスにおける上達ぶり。
次にステージでパフォーマンスするしぐれさんを観られるのは、いつになるのか予想もつかないが、「『Wishing Umbrella』のしぐれうい」をどのように越えていくのか? 楽しみ過ぎて何年でも待てそうだ。
@Ui Shigure
(TEXT by Daisuke Marumoto)
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