文化芸術活動の継続支援事業、申請の流れダイジェスト
個人事業主として活動しているVTuberの場合、オススメは標準的な取り組みを行うフリーランスを含む個人事業者向け「活動継続・技能向上等支援A-①」という申請だ。理由は一番簡単なことで、補助金申請にはつきものである事業計画書のようなものも必要ない。
上限は20万円。フルトラのためのVIVEトラッカーだったり、ちょっといいマイクを買ったり、動画編集ソフトを購入したりするのに補助してもらうには使いやすい金額のはず。
まずは必要な書類を用意しよう。「統括団体からの確認番号」というものがあるかどうかで分かれるのだが、VTuberという芸術を統括する団体はまだないと思われるので、確認番号がない場合を紹介する。
端的に言えば以下の4つを用意し、スキャンするか写真に撮ってウェブフォームに入れればいい。いずれも、個人事業主として活動している人ならばすぐに揃えられるはずだ。
1.事業収入証明書(以下のいずれか1点)
・持続化給付金を給付されたことが分かる資料
・直近の確定申告書
・直近の所得税青色申告決算書
2.活動歴を確認できる資料
・2017年度以降で、直近3年間2回以上の活動実績が分かるチラシなど(有料であること、またはその活動で収入を得たことが分かるもの)
3.本人確認書類(いずれか1点)
・運転免許証(両面)
・個人番号カード(写真付きの表面のみ)
・写真付き住民基本台帳カード
・住民票(個人番号の記載のないもので3か月以内に発行されたもの)
4.補助の対象となる条件を証明する資料
(求められた場合のみ)事業計画書
まずこれらを用意してから、以下のPDFを十分にちゃんと読もう。分量が多くて「うへぇ」とため息をついてしまいそうになるが、これは国家がここまで丁寧に説明しようとしてくれている、やる気の表れだ。冷静に読んでみると、かなりわかりやすい。
ちゃんと読んで内容を理解したら、申請に移ろう。最初は単にメールアドレスと補助形態を入れるだけ。会員登録みたいなものだ。
メールが来るので、メッセージに書かれたリンクをクリックして進み、パスワードの登録画面を開きます。
ログインIDは、メールに書いてあるものを入力。パスワードは、自分で作成しよう。登録が完了すると、ログイン画面が開く。
メール記載のIDと先ほどのパスワードでログイン。住所などの基本情報を登録するフォームが現れるので、記入しよう。
VTuberの場合、ほとんどの方は「統括団体」「事前確認番号」はないと思われるため記入しないでOK。芸名・雅号はVTuberとしての名前を入れればいい。
これらを記入し終わると、マイページが完成! ようやく申請できる状態になった。
ここから先は、フォームに書き込む前に下書きを作っておこう。なぜなら、フォームに書き込むのに60分の時間制限があるからだ。なんと文化庁は丁寧にも、下書き用のエクセルファイルまで用意してくれている。そのファイルの上でうんうんと悩んで下書きしておき、あとはコピペすれば、時間制限で慌てることなく書き込めるだろう。
フォームで書き込むには、丁寧にも文化庁が「コンピューターを用いた芸術」の記入例のサンプルを用意してくれている。VRヘッドセットOculus Quest 2を買って次世代型ライブ配信の可能性を研究するという、PANORA読者には馴染みやすいサンプルになっているのが嬉しい。
補助される額だが、項目によって購入金額の2/3だったり3/4だったりとややこしい。だが、怖がらなくて良い。下書きのエクセルファイル上でも、Webの申請フォーム上でも、自動的に計算される。
もちろん、各項目の特性を理解してできるだけ高い割合で補助されるように調整するのもいい。だが、そこまで考えるのが面倒でも、2/3という補助率はかなりいいので、自動計算に任せてしまっても良いだろう。細かい計算が苦手な人も、どうか諦めずに申請をしてみて欲しい。
そして、これらをフォームに転記し、下にあるファイルを送信する部分から、必要書類を送付する。全部、画像かPDFなどにして、2MB以下のZIPにしておこう。2MBまでしかアップロードできないからだ。
こうしてすべてを入力すれば申請完了だ。あとは連絡を待つことになる。
(Text by Yuichi Matsushita)
●関連リンク
・文化庁令和2年度第2次補正予算事業文化芸術活動の継続支援事業
・文化庁