2026年7月24日(金)、7月25日(土)、26日(日)に、東京都調布市の「京王アリーナ TOKYO」とライブ配信プラットフォーム・ASOBI STAGEで『アイドルマスター』シリーズ初のシリーズ越境によるxRライブイベント、「THE IDOLM@STER 20th Anniversary MORE RE@LITY LIVE IDOL WORLD SUPER FESTIVAL 2026」(以下、IWSF2026)が開催された。
今回のライブでは、3公演でそれぞれ異なるテーマが設定されている。最終日の7月26日には、「ALLコール&レスポンス」をテーマに、「-KYOUMEI-」と題する公演が行われ、様々な事務所からコール&レスポンス(以下、コーレスとも)で盛り上がる楽曲の歌い手など15名のアイドルが出演(冒頭部分の無料配信はこちら)。
本稿では、15名のアイドルと観客が、共に歌い、コールをいれ、光り輝いた、そして「ステージに俺らがいるのではないか」というほどに一緒に盛り上がったライブの模様をレポートする。
一緒にコールを、歌を歌いたくなるアイドルたち
ゲームやアニメなどをベースに様々に紡がれる「アイドルマスター」の世界の各芸能事務所等から、「確実に会場はコールで盛り上がるだろう」という楽曲を持つアイドルや、それぞれの事務所等で顔役になっている(イメージカラーが赤系の)アイドル、合計15名が出演したこの日のライブ。
この日出演したアイドルは以下の15名。
天海春香さん (765プロダクション – 765PRO ALLSTARS)
高槻やよいさん (765プロダクション – 765PRO ALLSTARS)
島村卯月さん (シンデレラガールズ)
安部菜々さん (シンデレラガールズ)
春日未来さん (765プロダクション – MILLIONSTARS)
松田亜利沙さん (765プロダクション – MILLIONSTARS)
天道輝さん (315プロダクション – DRAMATIC STARS)
紅井朱雀さん (315プロダクション – 神速一魂)
櫻木真乃さん (283プロダクション – イルミネーションスターズ)
小宮果穂さん (283プロダクション – 放課後クライマックスガールズ)
花海咲季さん (初星学園)
藤田ことねさん (初星学園)
灯里愛夏さん (876プロダクション – ヴイアライヴ)
奥空心白さん (0936プロダクション)
日高愛さん (876プロダクション – Dearly Stars)
初手から高輝度オレンジのライトが! コール必然の人気曲たち
この日の開演前のアナウンスは、天海 春香さんが担当。「-KYOUMEI-」がテーマということで、「今日は私たちと一緒に最高のステージを作ってくださいますかー」と問いかけをすると、客席からは早速歓声が沸き起こる。その声の大きさで、観客側の準備ができていることを確認した天海さんは開演を宣言する。
オーバチュアにあわせてスクリーンに表示される映像では、出演者の紹介がされた後、「AND YOU!!!!!!!!!」の文字が表示された。自分たちも共にステージを作る仲間ということを意味するこの演出に、会場からは大きな歓声が沸き起こった。
映像が終わりステージが暗くなると、会場に「キラメキリー、いっくよー!!」という声が響いた。その声が意味するところを察したのか、言葉の途中で様々な感情の声が起こり、そして高輝度のオレンジ色のケミカルライトが観客席を埋め尽くした。
ステージ下からポップアップで飛び出し、楽曲「キラメキラリ」を歌ったのは、765プロの元気印、高槻 やよいさん。
トレードマークのツインテールを揺らし、ステージを縦横無尽に駆け巡り、振りもばっちりきめ、笑顔と元気さとかわいさを振りまく。
初手から大盛り上がりの中、サビ前の「始めてみましょう ホップステップジャンプ!!」という歌詞にあわせ、ポップアップから元気娘第二段、日高愛さんが飛び出てきた。
「とつげき豆タンク」というキャッチコピー通りに、日高さんは大きな声で、高槻さんに負けないくらいの笑顔と元気とかわいさを振りまく。煽りもばっちりで、1曲目からアイドルと観客との共鳴度は最大値を超えた。
続く2曲目のイントロでもまた、大きな歓声が沸き起こった。「できたてEvo! Revo! Generation!」は、島村卯月さんが所属するトリオユニット「new generations」の楽曲。この日は櫻木真乃さんと藤田ことねさんと共に歌う。
3名が別々の衣装で、島村さんのいつもの声に加えて、櫻木さんの透明な声と藤田さんの人懐っこい声で歌われるこの楽曲。新鮮な部分もありつつ、PPPHなどのコールはしっかり入り、会場の熱は止まないのであった。
春日未来さんのソロ曲「素敵なキセキ」も、ギターのイントロが鳴り響いたときから歓声が沸き起こった。「京王アリーナ、もっともっと盛り上がっていきましょー」と春日さんが観客を盛り上げると、それに応えるように観客はPPPHやコールを決めていく。
間奏中に春日さんに呼ばれてステージに登場したのは奥空心白さん。彼女は、765プロやシンデレラガールズ、283プロのアイドルを集めたスペシャルプロジェクト、「プロジェクトルミナス」に参加したメンバーだ(現在は0936[オクゾラ]プロに所属)。
奥空さんは仲間で仲良しの春日さんの曲を、息の合った振りで盛り上げていく。
サービス精神旺盛の春日さんは、さらに盛り上がるべく間奏中に観客にウエーブをしてほしいお願いをする。アリーナ最前からスタンド席の一番後ろまでのウエーブが成功すると、奥空さんと一緒に喜んでいた。
続いての楽曲は「We can go now!」。櫻木真乃さんが所属するトリオユニット「イルミネーションスターズ」の楽曲を、島村さんと花海 咲季さんとの3名で披露した。勝気なパフォーマンスを見せる花海さんが、この歌ではこんなにキュート寄りになるとは……!
「イ・ル・ミ・ネ」といったユニット名が入ったコールも、島村さんと花海さんが先導し、事務所を超えたライブのパフォーマンスを盛り上げていた。
「GR@TITUDE」 は、先述のプロジェクトルミナスが大舞台で披露した、同じ夢を見る仲間へ感謝を伝えあう楽曲。奥空さんや天海春香さん、高槻さん、安部菜々さん、春日さん、小宮 果穂さんといった、本ライブ出演のプロジェクトルミナスメンバーが勢揃いし歌唱した。
6名が着ているのはプロジェクトの共通衣装ではなく、それぞれの活動での衣装。今は別々の衣装・別々の活動であったとしても、こうして集まって歌ってくれることに感謝したい。「Yes!ありがとう」などの歌詞のコールは、そんな気持ちを自然と口にさせてくれた。
MCパートに登場したのは、春日さん、高槻さん、奥空さん、小宮さん。当日の昼前、会場付近がゲリラ豪雨に襲われたのだが、4名はそのことを心配して観客にどうだったか質問する。幸いその雨は止み、時間によっては濡れずに来場できたため、そのことを×というジェスチャーで示す客もいたようで、4名はその姿に安心をしたようだ。
ここまで披露した楽曲について観客の反応を見ながら振り返ったのち、小宮さんは「今日(7月26日)は何の日でしょうか?」という3択クイズを出題した。「夏風呂の日」「幽霊の日」「奥空心白さんのお誕生日」という選択肢があげられたが、観客だけでなく、出題側であるはずの小宮さん・高槻さん・春日さんも3つめに大きく反応。
ということで、奥空さんを祝うべく会場の皆で「誕生日おめでとう」コールをあげると、奥空さんは誕生日当日にライブができるだけでなく皆から祝ってもらえて嬉しいと涙ぐむ。高槻さんが「ハイ、ターッチ! いぇい!」とサプライズ成功を観客と共有すると、ライブは次のブロックへ。
いろんな方向でアツく燃え上がる定番曲たち
ここで再び歌唱パートへ。「MOON NIGHTのせいにして」は、 315プロのユニット「DRAMATIC STARS」の楽曲で、月夜のムードにのせて(あるいは月夜も背中を押してもらい)「奪うけどいいかな」と迫るスリリングなラブソング。DRAMATIC STARSの天道 輝さんがソロで歌うということで、彼の魅力を十分に味合うステージとなった。
この曲で数々の女性、そして男性をも落としてきた「おいで」というフレーズから、島村さんと花海さんも歌唱に参加。
その後、ダンスでも可憐さとイケメンさが混じった魅力をみせてくれて、オリジナルの天道さんのパフォーマンスも含めて全方面で聞くもの見るものを骨抜きにしていった。
「ビーチブレイバー」は、283プロのユニット「放課後クライマックスガールズ」の、夏にぴったりなアッパーチューン。ユニットのセンター・小宮さんに加え、天道さんと灯里 愛夏さんが参加。
ヒーローを目指すという点で小宮さんとの共通点がある天道さんは、コールではお茶目さを見せつつも、男声と長身を活かしたダンスでこの曲に色っぽさをまとわせてくれる。灯里さんは、アイドル候補生時代に勇気づけてくれたヒーロー、「果穂ちゃん先輩」こと小宮さんと、同じくヒーロー的な天道さんとの共演を果たし、笑顔と可憐さとはっちゃけで盛り上げる。小宮さんの突き抜ける元気と観客のコールとあわせ、夏のアツさを加速させていった。
白と赤の特攻服をステージ衣装とする紅井 朱雀さんは、「にゃこ」と呼んでいる愛猫、相棒の”にゃん喜威”さんを左肩に載せてライブに参加。自身が所属するデュオユニット「神速一魂」の、喜怒哀楽すべてを肯定し魂を燃やしていく、それは世界中同じだと歌う、漢気と疾風感あふれるロックナンバー、「喜怒哀楽万国共通-Burn it up!-」を歌唱した。
神速一魂がユニットとして歌うときは、直情的な赤の情熱の紅井さんと、内に秘めた青い情熱を持つ相棒(ユニットメンバー)の黒野玄武さんとの歌唱になるが、今回は高槻さんと小宮さんが紅井さんの歌唱にかわいい声でコール……合いの手をいれていく。さらに2番サビでは彼女らが主旋律を歌い、紅井さんが合いの手をいれる。
その後の間奏で高槻さんとハイタッチを決め、小宮さんとはヒーローポーズを決める紅井さんの姿を見ると、2名もまた紅井さんの相棒であり、喜怒哀楽を超えて魂を燃やすのは彼女たちも共通なのだとパフォーマンスを通じて実感する筆者であった。
形は異なるが情熱溢れるパフォーマンスは、花海さんの楽曲「Fighting My Way」でも。トラックメーカーGiga氏の作編曲というところから花海さんを知ったという人がいるという衝撃的なダンスロックナンバーに、勝気な彼女の歌唱とフィジカルに裏付けられたダンスが乗る。
そこに今回は、紅井さんと奥空さんがダンサーとして参加。時に花海さんの動きを正確にトレースし、時に紅井さんや奥空さんならではの動きでパフォーマンスに幅を持たせる。

楽曲の終盤に花海さんの合図で「Ram pam pam para pum pum pa」とコールを入れると、「最高ね」と喜びながらパフォーマンスを終えた。
MCパートは、天海さん、島村さん、櫻木さん、奥空さん、日高さんが登場。
観客が着席したのを確認した後、これまでの楽曲の振り返りを行う。喜ぶポイントが同じだったり、天海さんのコメントに皆で同意をしたりと、出演者同士の息はぴったりのようだ。さらに、観客と一緒にクラップをしたり、「男子ー」「女子ー」「アリーナ席ー」「ライブビューイング―」「配信の皆さんーん」といった呼びかけにコールを返したりと、これからさらに盛り上がるための準備を行った。
俺らがステージにいる!出演者がコールをリードしてくれた楽曲たち
ここで、今まで出演がなかった松田亜利沙さんがついに登場。アイドルちゃんへの愛に溢れ、同じようにキラキラできるようになるためにアイドルになったという経歴の持ち主が披露する楽曲の名は、「アイドルは、かく語りき」。
今回特別に「A!R!I・S・A!」というコールで場をあたためてから始まったこの曲は、彼女のファンとしてのアイドルちゃんへ抱く思想と愛と憧れと尊さを歌いつつ、それをアイドルとしての自分に当てはめた時に生まれた、苦悩と努力と目標も歌うという二重構造が特徴の楽曲。
「アイドルちゃんのいいところ7選」を述べるところからは安部さんと灯里さんが、(アイドル好きとしても、アイドルとして高みを目指す者としても)同士として歌唱に参加。さらに憧れのアイドルとして櫻木さんと藤田さんが友情出演するという、豪華キャスト出演バージョンになっていた。
灯里さんが歌ったのは、自身のソロ楽曲「ともすれば、(中略)アイドル」。こちらも曲調を波乱万丈に変化させ、彼女のアイドルとしてのポイントや武勇伝を歌う。
「やっぴーやぴぴ!」などのコールが豊富で、灯され隊(彼女のプロデュース…応援をするファンのこと)の参加により完成するという、まさにALLコーレスの公演にふさわしい1曲なのだが、今回はなんと、アイドルちゃん好きの松田さんがステージ上に。コールを先導し、灯里さんの紹介をし、バックダンサーをし、「ふぉぉー!」と奇声喜びの声をあげる。
このコールのキレを見た筆者が抱いた感想は……
「俺らがステージにいる!」
灯里さんは、松田さんを道連れに爆発オチで倒れ、そのままステージ下に消えていくのであった。
「そのとき空から、不思議な光が降りてきたのです」というセリフから始まったのは、安部さんの楽曲「メルヘンデビュー!」。観客が「誰だ、誰だ、誰なんだー」と合いの手をいれるところでは、天道さんと紅井さんも一緒にステージの上から担当。「それは…ナナでーす」と続ける安部さんをアシストした。
その後も「ミミミン ミミミン ウーサミンー」など、コールが続くこの曲を声と身体を張って盛り上げてくれる。さらに2名は本来安部さんが歌うセリフを「ハハッ! ラブリー28歳」「ヘヘッ! 男のヒミツだぜ!」などと臆面もなく歌ってくれる。
改めて、このコールのキレを見た筆者が抱いた感想は……
「俺らがステージにいる!」
続いては、藤田ことねさんが歌う「自己肯定感爆上げ↑↑しゅきしゅきソング」。自己肯定感が低下したと言う藤田さんに対し「『しゅき』及び『だいしゅき』以外の言葉を…禁止します!!」と言われ、ひたすら「しゅき」を言いまくるこの曲。もちろん「しゅき」及び「だいしゅき」はコールの対象だ。
この曲のサビで、ステージ下からせり上がりで登場したのは、春日さん、松田さん、日高さんの3名。アイドルである3名も藤田さんに向け「しゅき」「だいしゅき」と歌ってくれた。
このコールのキレを見た筆者が抱いた感想は……
「ステージにいることね……そこ代わってくれ!」
そんな我が道を行く楽曲が続いた後に日高さんが元気たっぷりな声で歌唱したのは、「GO MY WAY!!」だ。
「今日はこの曲を、尊敬するこの方と歌いまーす!」と紹介され登場したのは天海さん。
日高さんのデビュー前後に励まし、後押しをしてくれた天海さんと、当時歌唱していた「GO MY WAY!!」を一緒に歌うことができるというのは、そのころを知るファンから見ると特別の意味があると見えるはずだ。(後のMCでも、同曲をカバーした初星学園の花海さんもその点に触れている)
MCパートでは、安部さん、松田さん、紅井さん、藤田さん、灯里さんが衣装「YOU AND アイ!」に着替えて登場。ここでも松田さんと灯里さんが大活躍。少し詳細に説明しよう。
・アイドルの衣装を360度見るためにアイドルにその場で回転してもらう「回って」の儀を、松田さんと灯里さんのコンビネーションにより実現させる(「回って」という儀式の解説付き) ・「ともすれば、(中略)アイドル」のについてのトークで、アイドル灯里さんとアイドル好き(灯され隊)松田さんがお互い感謝する流れを再現。なお、灯里さんが6月に肉離れを起こして本ライブの出演が危ぶまれた件にも触れ、そこでも声援支援をくれてありがとうと出演してくれてありがとうのやり取りもあった。 ・「メルヘンデビュー!」についてのトークで、灯里さんが「現れたのはー?」というフリ、松田さんが濁った声で「誰だ、誰なんだー」と返すことで、自然に安部さんが「それは…ナナでーす」と続けられるようにする ・「自己肯定感爆上げ↑↑しゅきしゅきソング」についてのトークで、みんなで「しゅきしゅきだいしゅき」コールをする流れをつくることで、藤田さんを喜ばせつつ、安部さん、そして硬派な紅井さんにコールをさせ、アイドルの新たな魅力のプレゼンテーションをする(同時に彼女らのアイドルちゃん好き/まなおじ[かわいい子好き]の欲望も満たせる)
このブロックについては、本稿終盤であらためて解説をする。
ありがとう、これからもよろしくねと一緒に歌いたくなる曲たち
そんなMCを経たのち、続くブロックでは「アイ・クライマックスメドレー」として、各事務所・グループの代表曲をメドレー形式で披露していった。
「THE IDOLM@STER」は、765プロの天海さん、高槻さんと876プロの日高さんが、花海さんと歌唱を行った。観客はスクリーンに表示された歌詞を歌うのではなく、表示のないところでPPPHやFuFuとコールをいれていたのは、馴染みの曲であると同時にそれらを入れやすい曲だということでもあるのか。
初星学園の伝統曲である「Campus mode!!」は、花海さんと藤田さんに加え、島村さん、小宮さん、灯里さんの5名で披露。歌唱者によって解釈やパフォーマンスが異なると言われるこの曲、今回島村さんたちなりの形で表現されていたと思うと面白い。
自分だけの新しい扉を開く「Rat A Tat!!!」は、765プロの春日さんと松田さん、そして安部さん、櫻木さん、藤田さんが歌唱。間奏後の「Rat A Tat!!! 叩こう 夢のとびらを今」をみなバラバラに歌うところは、アイドルの世界の広さを感じる。
「GOIN’!!!」は、シンデレラガールズの島村さんと安部さんに、春日さん、天道さん、奥空さん、日高さんというメンバーで披露。島村さん・安部さんと他の4名とでパート分けされているのが心憎い。
「Beyond The Dream」は315プロの天道さん、紅井さんが、天海さん、松田さん、灯里さんと共に歌唱。もともとが男声の楽曲で、女性ながら松田さん、灯里さんの低音が映えています。
「Migratory Echoes」は283プロの櫻木さん、小宮さんがリードを取りながら高槻さん、紅井さん、奥空さんと歌う。「歌っていこう」というフレーズに観客も含めて「一緒に歌おう」と返すと、今回のライブのテーマを改めて噛み締めることができた。
ステージから客席から歌声が響き渡るメドレーに応えるように、「ほら 聞こえるよ 変わらないキミの声」と歌うのは、天海さんのソロ楽曲、「I’m yours」だ。
大好きなキミの名前を呼び、呼んでもらって気持ちを確認するラブソング。これはまさにコールアンドレスポンスの歌である。
大サビ前で天海さんが「いつでも 呼んで 私の 名前を」と歌うと、両手を広げ反応を待つ。そして「春香ー!」と呼ぶ声が会場に響き渡った。
歌い終わった天海さんは、観客のみんなと一緒に作るステージが大好きで、そんなあなたがいつも隣にいてくれるからアイドルになれているのだと感謝を伝える。それだけではなく、「アイドルは欲張りなんです」と続け、私たちの思い出が未来に残せますようにという願いを込め、次の歌へつなげる。
天海さん、島村さん、春日さん、天道さん、櫻木さん、花海さん、灯里さん、日高さんと各事務所・グループのアイドルが揃ったところで歌われたのは、ミディアムナンバー「shy→shining」だ。切なさから次第に明るい展開へと変わってメロディに、不安を乗り越え輝けるのは、応援してくれるみんながいるからだという詞を乗せた、アイドルたちからの歌の贈り物。
間奏では、アイドルたちからのありがとうと、これからもよろしくお願いしますという言葉を添えて、聞く者たちに届けてくれた。
最後のMCでは、今日の出演者15名が勢揃い。島村さんが観客からの歓声や笑顔に感謝をすると、天道さんは「みんなの歓声で、このライブも完成に近づいてるぜ」とギャグを飛ばす。この発言に対し登壇しているアイドルたちは様々な反応をしたが、灯里さんが「歓声と完成がかかっているんですね。輝さんさすがです! 勉強になります」と真正面から返すと、「感心じゃなくて笑って欲しいんだが」と逆に戸惑う様も。
会場、そして配信も含めて場を埋め尽くす声や熱気、一体感による「共鳴」を感じ、しかしライブの終わりが近づくことに寂しく思うと口々に述べる出演者たち。しかし、これからも応援がある限りきっと会えると天海さんや天道さんがいうと、みな同意をするのであった。
IWSF2026、最後の楽曲は「アイ NEED YOU(FOR WONDERFUL STORY)」。ステージ後ろのスクリーンに歌詞が表示され、アイドル15名だけでなく、観客も含めて皆で、これまでとこれからの、アイが溢れるストーリーを歌い合うのであった。
アイドルがそれぞれの形で感謝を伝えながらステージを降りると、出演者・スタッフのクレジット映像にあわせ、改めて「アイ NEED YOU(FOR WONDERFUL STORY)」が流れた。この日はきちんとモニターに歌詞が表示されたので、観客は改めてライブの終わりを惜しむように歌唱。ちなみに、「ALL コールアンドレスポンス」をうたう今回のライブであったが、クレジット表示中のこの曲を含むすべての楽曲において、客席では高輝度のオレンジ色のケミカルライトの使用があったことを付記しておく。
「俺たちがステージにいる!」と思わせる演出が生み出した効果
アイドルマスターのxRライブは、映像技術だけでなく、ライブ演出やライブ外企画も含めて「アイドルがスクリーンではない、観客と近しいところにいる」と思わせるよう腐心している、それもライブによって進化させたりいろいろ試してみたりと変化し続けている、と筆者は考えている。
IWSF2026の第1公演(レポート記事)では、「ダンス特化型アイドル」が「現実世界のダンサー」と「普段は接点のないコレオグラファー」と、第2公演(レポート記事)では、「ボーカル特化型アイドル」が「現実世界のバンド」「現実世界のストリングス」と接点をもたせることで「アイドルがスクリーンではない、観客と近しいところにいる」と思わせるような演出をしていた。

では、本稿でレポートした第3公演ではどうであったか。
本公演では、「コールアンドレスポンス」がテーマということで、アイドルのコールに観客がレスポンスを入れやすいような、あるいは観客がコールを入れやすいような楽曲を集めていた。
同時に、MCパートでは観客からのコールに対してアイドルがきちんと反応=レスポンスできるような仕組みにもなっていた。
つまり、本公演ではアイドルと接点を持たせた現実世界の対象は、ダンサーやバンドではなく、観客自身であり、そのことにより、「アイドルがスクリーンではない、観客と近しいところにいる」と感じさせようとしていたと思われる。
本公演での工夫はそれだけではない。松田亜利沙さんの「アイドルは、かく語りき」から始まり、「ともすれば、(中略)アイドル」「メルヘンデビュー!」「自己肯定感爆上げ↑↑しゅきしゅきソング」といった楽曲では、ステージ上のアイドルが共演するアイドルに対してコールを入れていたブロックがあった。そこでは、少なくとも筆者は 「俺たちと同じような行動をする人がステージにいる!」 と思ってしまった。
これは、観客と同じようにアイドルもアイドルファンになり、ステージ上で楽しくはっちゃけていたともいえるが、同時に「アイドルが立つステージと、俺たちがいる世界は同じようなものである」と思わせていたのでもあったのではないだろうか。
そう、これもまた「アイドルがスクリーンではない、観客と近しいところにいる」と思わせた演出であったのだ。
しかも、そのブロックのキーとなったアイドルが、「アイドルであり、同時にアイドルファンである」松田亜利沙さんと、「ライバーアイドルとして観客と同じ時間を生き、劇中アイドルとも触れ合うことができる」灯里愛夏さんというのが絶妙である。
あのブロックのMCパートでいえば、【安部菜々さん・紅井朱雀さん・藤田ことねさん】←→【松田亜利沙さん】←→【灯里愛夏さん】←→【観客】までが繋がることで、安部さんたちも「スクリーン上に表示されたのではない、観客と近しいところにいる」ように感じられたのだ。
本公演後、「NEXT xR LIVE PROJECT」として、2027年7月24日、25日に「765 PRODUCTION × 961 PRODUCTION IDOL ULTIMATE ONCE AND FOR ALL」が開催されることが告知された。
それだけではなく、2026年の8月に765プロの「dual twin live tour 双海 亜美・双海 真美 twin live “ ふたごぼしのつばさ ” / 三浦 あずさ・秋月 律子 twin live “ つみまつよるまち ”」「MIKI HOSHII SOLO SHOWCASE「THE FUTURE SPOTLIGHT」in KOREA」、シンデレラガールズの「Pop’n ToyBox!!」、2026年12月から2027年1月にかけては315プロの「F@NTASTIC BATTLE FES ~Wanna step in~」といったライブも予定されている。ヴイアライヴも「ナガノアニエラフェスタ2026」などの出演など内部外部問わず常に動いている。
引き続き「アイドルがスクリーンではない、観客と近しいところにいる」仕組みを楽しみにしよう。
セットリストは下記画像の通り。
本公演はYouTubeのアイドルマスターチャンネルにて冒頭部分の無料配信がされている。また、2026年8月17日(月)までアソビステージにて、アーカイブ配信もされている(全景定点カメラの映像セットもある)。
©窪岡俊之 THE IDOLM@STER™& ©Bandai Namco Entertainment Inc.
(TEXT by tabata hideki)
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