【データで見る、ツイ伸び新人VTuber】2021年1月第5週は、月野木ちろる、久檻夜くぅ

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企業・個人を問わず、毎日何十人もの新人がデビューしていくVTuberの世界。一方、すでに業界内には多くの才能が存在しているため、今の「推し」の動画・配信を追うだけで精一杯、新人まで気が回らないというVTuberファンも多いはず。そんな方に向けて送るのが本連載「データで見る、ツイ伸び新人VTuber」です。

分析・執筆は、Twitterのリストから随時2万人以上のVTuberのデータを収集して分析しているmyrmecoleonさんが担当。直近の7日間でTwitterのフォロワー数が急増したVTuberを数名紹介します。


こんにちは。myrmecoleonと申します。今回も最近勢いのあるVTuberを紹介していきます。以下は直近にTwitterのフォロワー数が急増したVTuberを並べたグラフです。今回はここから、いずれもフォロワーが15%以上増加した月野木(つきのき)ちろるさん、久檻夜(くおりや)くぅさんの2名をピックアップ。伸びた原因も推測しつつ、プロフィールをまとめました。


VTuberリスト登録のTwitterアカウントから、2021年1月25日13時から2月1日13時にフォロワー数が5%以上増加したうちのフォロワー数増加上位。記事で取り上げたアカウントの棒グラフはオレンジ色に変えた。


月野木ちろる

個人活動時の自己紹介動画よりスクリーンショット

月野木ちろる(旧名:月野木チロル)さんは2019年5月から17LIVE(イチナナ)とYouTubeで活動しているバーチャルジャッカロープ。ジャッカロープはシカのような角のあるウサギのような未確認生物。森の学校、「つきのきトワイライトスクール」の学長を勤めることから「チロル先生」とも呼ばれます。歌や朗読、PowerPointを使った各種のプレゼンなど凝った配信をよく行っています。

17LIVEはライブ配信アプリで、彼女のような「V-LIVER」も多数活動しています。月野木ちろるさんは過去にV-LIVERの月間ランキングでトップを取ったこともあり、ゲーム「暁のブレイカーズ」のゲームキャラとしての出演や燦鳥ノムさんとの17LIVE公式配信での共演など、17LIVE内の企画参加権を競うイベントでも多数活躍しました。

2020年に入ってからは17LIVEに加えてYouTubeでもよく配信を行うようになり、2021年1月17日に17LIVEでの活動を終了しました。これと併せてYouTube・Twitterでの活動も一時休止しておりましたが、774 inc.のVTuberグループ「有閑喫茶あにまーれ」の1月26日での全員コラボ配信彼女があにまーれの新メンバーとして加入することが発表されました。この影響で今回の7日間では77%増となる5300名以上が新規に彼女のTwitterをフォローしています。

あにまーれとの縁で言うと、あにまーれメンバーの因幡はねるさんとにじさんじの緑仙さんによる2019年7月の企画「有望な新人は潰さNIGHT」(通称ツブナイ)ではイラストが評価されトップバッターに選ばれ、のちの「タダでは宣伝させNIGHT」でも凸待ちに参加。「因幡はねる大好き芸人3」というファン企画でもゲスト参加するなど因幡はねるさん好きで知られています。2020年に個人VTuberからあにまーれに加入した白宮みみさんもツブナイの参加者で、彼女に続き2人目の外部からのあにまーれ加入となります。

この7日間に増加したフォロワーの傾向(該当アカウント群から300名超を無作為抽出の上フォローしているアカウントを集計。以下同じ)を見ると、新規フォロワーの9割が因幡はねるさんや白宮みみさんをフォローしていました。それ以外もあにまーれを中心に774 inc.のメンバー、それと交友関係のあるVTuberからのフォロワーが多く、あにまーれ加入がきっかけの増加なのがよく分かります。

記事執筆時点ではあにまーれとしての初配信の日程はまだ発表されていませんが、同じあにまーれ新人の大浦るかこさん、湖南みあさんとともに、今後の活動が期待されるところです。VTuber最協決定戦後夜祭の切り抜きがヒットした日ノ隈らんさんも含めて、あにまーれの注目が高まっています。

久檻夜くぅ

初配信よりスクリーンショット

久檻夜くぅさんは2020年7月に初配信のバーチャルタレント事務所「Re:AcT」所属の南国生まれの氷の妖精。モチーフはクリオネ。歌とともに「APEX LEGENDS」や「VALORANT」などのFPSの実況配信をよく行っています。タイ語と英語に、まだ勉強中ですが日本語が話せ、初配信から英語圏やタイのリスナーが多いのが特徴。昨年末の特番「Start:Up」などRe:AcTメンバーとのコラボでは言葉の通じにくい中でお互いに交流している様子がよく見られます。

今回の7日間ではフォロワーが2800名以上増えて17%増となりました。要因としては前回も紹介した「VTuber最協決定戦 ver.APEX LEGENDS Season 2」(本戦本配信)。久檻夜くぅさんを含むRe:AcTメンバーによるチーム「ジャンマス譲ります」は同率1位でこれに優勝、また久檻夜くぅさんは大会通しての最多キル賞を受賞して大活躍しました。久檻夜くぅさんは初配信から1ヶ月の前回の大会でも同じメンバーで参加し11位で、雪辱を果たしたかたちです。29日にはひさびさに歌ってみた動画も投稿、久檻夜くぅさんのさまざまな側面を見てファンとなった方も多かったのではないかと思います。

VTuber最協決定戦の参加者は開催後も注目を集めており、ほか前回紹介したおだのぶさんや、前述の日ノ隈らんさん、一ノ瀬うるはさん、ヌンボラさん、胡桃のあさん、白雪レイドさん、小森めとさんがグラフ見えます。大会後に切り抜き動画がブレイクしたり、参加者同士でコラボする様子も各所で見られ、開催から1週間がたった今も継続的な影響を与えているようです。

7日間の新規フォロワーの傾向を見ると、後夜祭のシャッフルチームで一緒にチャンピオンをとったにじさんじのさんや主催の渋谷ハルさんのフォロワーが約半数ほど、ほかもVTuber最協決定戦の参加者が目立つなど前回のおだのぶさんと似ています。

一方で、参加者でホロライブの白上フブキさんや夏色まつりさんなどのフォロワーの割合が高いのも特徴。割合としては大きくないもののGawr Guraさんのフォロワーも3割くらいが見え、ホロライブの海外リスナーもフォローしている様子が見えます。女性で英語話者と相性が良かったのも影響しているかもしれません。他、ぶいすぽっ!の一ノ瀬うるはさんや花芽すみれさん、NIJISANJI KRのヌンボラさん、ブイアパの杏戸ゆげさんなどFPSに強い女性VTuberのフォロワーでは特に久檻夜くぅさんに関心を持った方が多いようです。

久檻夜くぅさんが所属するRe:AcTはこれまで歌など音楽活動が中心で、海外展開が目立つわけでなく、FPSを本格的にやっているメンバーも少ないため、久檻夜くぅさんは独特なポジションの存在と言えます。VTuber最協決定戦での活躍は、そうした投資が実を結んだ一歩と言えるでしょう。


その他、今回フォロワー数増加が大きかったVTuberとしては、Twitterで以下のような海外のネタ動画の物真似がヒットしたイギリスのVTuber・Shizukouさん(1800名以上・30%増)、Twitterでフマキラー公式とのコラボ企画があった17LIVEのゴキブリV-LIVER・來久ろちさん(1600名以上・71%増)が挙げられます。

Shizukouさんは英語圏でYouTubeも使っていますがメインのプラットフォームはtwitch、來久ろちさんは17LIVEといずれもYouTube以外で筆者の手に余るため今回は詳しい紹介を控えますが、海外や各プラットフォームでさまざまなかたちでブレイクするVTuberがあります。今後機会と準備が整えばご紹介してみたいと思います。

(TEXT by myrmecoleon

 
●関連リンク
月野木ちろる(Twitter)
月野木ちろる(YouTube)
久檻夜くぅ(Twitter)
久檻夜くぅ(YouTube)