台湾の「春魚工作室」が手掛けるバーチャルアイドルユニット「瀕臨絕種團Rescute」から、先月デビューした露恰露恰(ルチャルチャ)さん(関連記事)に続き、「歐貝爾」(オーベル)さんが6月20日にVTuberデビューする。
「瀕臨絕種團Rescute」は、台湾に棲む絶滅危惧種が瀕する状況を伝えるためにスタートした動物擬人化プロジェクト。2020年から台北市立動物園とのコラボや「チェインクロニクル3」(SEGA)の台湾版との二度にわたるコラボなどが実施されており、現地で注目されるコンテンツだ。
VTuberとしては、最初にベンガルヤマネコ(石虎)の生まれ変わりである十五號さんが2021年3月21日にYouTubeデビュー配信(YouTubeチャンネル)。
デビュー後の配信では、「Minecraft」や「リングフィット アドベンチャー」などのゲーム実況のほか、台湾の有名声優である林美秀さん(歴代のプリキュア役や「けいおん!」の平沢唯役など)へのインタビューを行うなど、多方面に活動している。ちなみに、日本語も話せるため日本語のコメントは歓迎しているそうだ。
続いて5月22日にVTuberデビューしたのは、ユーラシアカワウソの生まれ変わりである露恰露恰(ルチャルチャ)さん(YouTubeチャンネル)。
本人のお姉さん的な雰囲気の魅力だけでなく、こだわりがうかがえるLive2Dモデルの完成度によってもデビュー直後から人気を集めていた。というのも、金門島(台湾のカワウソの棲息地)の銘酒である「金門高粱酒」を手に持てるだけでなく、
なんと配信中に酒瓶からお酒を注ぐモーションまで実装されている。
さらに、手に包丁を持つ、ヤンデレ風の表情をするなどのモーションも。そして何より、「瞳」と「瞳の反射光」が別パーツで処理されているため、「まばたきに応じて瞳の輝きも細かく揺れる」という、日本のVTuberでもあまり見られないような高度なモデルの作り込みが見られる。言葉で説明するよりも、きれいな瞳の表現を見実際に見たたほうが理解が早いだろう。ぜひ動画では彼女の「まばたき」もよく観察してみてほしい。
誕生日を記念した5月29日のライブ配信では、YouTubeの同時接続視聴者数が3000人を超えたことがあり、人口的に視聴者の総数が少ないと思われがちな台湾のVTuberとしては、これもまた珍しい記録となっていた。
そして最後のメンバーである歐貝爾さんは、タイワンツキノグマ(臺灣黑熊/台湾黒熊)の生まれ変わり。デビュー配信前のYouTubeチャンネルでは、ショート動画でその声をちょっとだけ聴くことができる。
なお、十五號さんの名前は中国語の発音で「十五(shíwǔ)」と「石虎(shíhǔ)」が似ていることに、露恰露恰さんの名前はユーラシアカワウソの学名である「Lutra lutra」に由来している。歐貝爾さんの名前は、台湾語で「黒」を表す「オ」と英語の「bear(熊)」が合わさった名前(アルファベット表記は「Obear」)なのだそう。
「歐貝爾」という漢字自体は、西洋の人名「Aubert」の音訳として普通に用いられてもいるが、こちらの歐貝爾さんの発音をカタカナで表すなら「オーベイル」や「オーベル」あたりが近いようだ(運営スタッフのインタビュー動画参照)。
(TEXT by 泉信行)
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