バーチャル美少女ねむさんは6月30日、アバターの身体でVR世界を感じる「VR感覚」(ファントムセンス)をテーマとした楽曲・360° MV映像を制作する「ファントムセンス」プロジェクトの実施に向け、CAMPFIREにてクラウドファンディングを開始した。募集期間は30日間だ。
「VR感覚」とは、実際は視覚・聴覚情報しかないはずの仮想現実体験において、存在しないはずの触覚や味覚、嗅覚などの感覚を疑似的に感じること。事故などで手や足を失った人が、欠損した部位の痛みを感じる幻肢痛(ファントムペイン)になぞらえて、「ファントムセンス」と呼ばれることもある。特にソーシャルVRユーザーの中には、こうした感覚を持つユーザーが一定数いて、最近では学術面でも研究論文が発表されたり、「VRChat」内に「VR適正研究所」というチームがいたりと、注目を集めている概念だ。
今回のクラウドファンディングでは、ストレッチゴールを含め7つの目標を設定している。(1)ファントムセンスをテーマにした楽曲をVR/VTuberのみんなの想いを集めて制作すること、(2)漫画家のホタテユウキさん原案による新3Dモデル「ファントムセンスねむ(仮)」の制作、(3)360度映像によるMVの制作、(4)「歌ってみた」コンテストの実施、(5)有識者を招いた対談企画「ファントムスピーク」の実施──の5つのゴール。そして、(6)3D音楽ライブイベントの実施、(7)ソーシャルVR内で360度MVを視聴したりカラオケができる専用ワールドの制作──の2つのストレッチゴールだ。
楽曲の制作は、これまでも「ココロコスプレ」や「キミノキオク」 などバーチャル美少女ねむさんのオリジナル楽曲を手掛けてきたKapruitさんが担当する。現在、同楽曲の仮音源を公開し、広く歌詞を募集する作詞コンテストを7月3日まで実施中だ。1番のみ、1フレーズのみ、タイトルのみでも受け付けており、「#ファントムセンス作詞」のハッシュタグをつけてツイートすることで応募できる。応募概要および詳細は、こちらのnote記事にて確認してほしい。
支援者は、「ファントムセンス」プロジェクトの公式サポーターを、感覚を媒介する幻影「ファントム」として認定し、完成したMV動画の備考欄にクレジット名を入れる。そのほか、プラン別のリターンとしては、新モデルでのナデナデ動画、ブロマイド、「撫でられしファントム」の認定がもらえる「ナデナデ❤パック」(5000円)や、動画およびライブ配信でコラボができる「ねむとコラボ❤パック」(3万円)、VRChatやビデオ通話で1時間30分デートができる「ねむとデート❤パック」(3万円)など合計で7つのプランを用意している。
対談企画「ファントムスピーク」の第1弾は、NPO法人バーチャルライツの理事長で、今年5月にVR感覚に関する論文を発表したSUKANEKIさんを招いて、7月3日22時から配信する。そのほか、今後はアメリカ催眠士協会認定ヒプノセラピストで、催眠を使ってVR感覚を開発する独自のセラピーを行っているPyloricomさんや、世界初のVR風俗店「X-Oasis」の経営者兼キャストで、バーチャルAV女優のKarinさんなどをゲストに予定しているとのことだ。
(TEXT by アシュトン)
●関連リンク
・バーチャル美少女ねむ(YouTube、Twitter)
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