上海一等地のARシアター「VAPOLLO THEATER」 未来型ライブを追求するXRイベント集団の創業者に聞く【PR】

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VTuberといえば、ここ数年で一気に広まった日本発の新しいコンテンツだ。国内だけでなく、アジアや米国、南米など海外のさまざまな場所でファンを獲得してきている。活動場所もネットを飛び出し、海外でも広告やリアルイベントにも進出するなど勢いが止まらない。

そんなVTuberの海外進出を支える企業のひとつが、今回紹介するVAPOLLO JAPAN株式会社だ。2019年10月、中国の上海に常設のARライブハウス「VAPOLLO THEATER」(ヴァポロシアター)を立ち上げて、VTuberの現地ライブを何度も開催してきた。

不幸なことにオープン直後、コロナ禍が重なってイベントの開催自体が難しくなってしまったものの、オープンから2年が経った今でも継続してライブを実施し、今、事業展開を加速し始めている。VTuberを運営する企業・個人にとって、海外でのライブといえば、ひとつの大きな目標になるはず。どんな思いでVTuber業界に携わって、VAPOLLO THEATERを運営しているのか。VAPOLLO JAPANのCEO・斉藤秀氏にインタビューした。


脱サラ直後にコロナ禍 それでも「作ってよかった」

──まず上海のVAPOLLO THEATER自体について教えてください。

斉藤(敬称略、以下同) 上海の繁華街にあるショッピングモール「城開 YOYO」の7階に位置する350人収容のライブハウスです。中国において、VTuberのライブに特化したARライブシステムを常設したのは、このVAPOLLO THEATERが初めてになります。

日中間でのデータ転送を想定していて、VTuberさんは日本にいながらリアルタイムで遠隔出演して、現地のお客さんとコミュニケーションすることが可能です。

今年6月にはbilibiliで人気のVTuber・緋赤エリオさんのファンミーティングを開催した

 
──「VAPOLLO」という名前が不思議な響きですよね。

斉藤 アメリカのニューヨーク・マンハッタンにあって、マイケル・ジャクソンやジェームズ・ブラウンをはじめ著名なアーティストを多数輩出したアポロ・シアターにあやかり、バーチャル界で世界的なスターが生まれる場所を目指すということで、バーチャルのアポロシアター、APOLLOの前にVをつけてVAPOLLOと付けたブランドと会社の名前だったりします。

 
──シアターはどういった経緯で立ち上げましたか?

斉藤 自分はもともと中国語圏におけるアイドル業界で仕事をしていました。だから2018年頃からVTuberがネットで盛り上がっていて、ライバーからタレントやアイドルへと成長して活躍の場が広がっていく中、過去の経験から、ライブやファンと接点を持つ場が大切になっていくというのがわかっていました。とはいえ当時は中国でVTuberがライブできる場もなかったし、経験ある制作イベンターもいなかった。

一方、自分はライブ制作の経験値を積んできていて、人様に引けを取らないクオリティーの仕事を提供して、業界にも貢献できる領域としてライブ制作ができると思ったし、バーチャルライブにおいてはテクニカルが大事で、いい公演を作るとなるとリハーサルに時間をかける必要がある。そうなると多分、自分達で箱を持たないと目指すクオリティーが実現できないんじゃないかと考えて、箱を持ってるイベンターとして、VAPOLLO THEATERを立ち上げました。

 
──だいぶ大きな賭けにでましたね!

斉藤 そうなんですよ。そうしたら、独立して2週間後いきなりコロナ禍が吹き荒れて、ほぼ決まっていた向こう1年間の公演が全部飛んでしまった。私もずっとサラリーマンをやってきて、子供もいてという中、夢の追いかけ人として脱サラしたのですが……。

 
──それは辛すぎる。

斉藤 立ち上げのタイミングで日本に戻ってきたのですが、コロナ禍で様子を見ているうちにビザが切れて中国に入国できなくなり、そこから2年間ずっと日本にいるんです。

 
──ええええ!

斉藤 本当に着の身着のままで、普通に旧正月に帰国してそのままずっと戻れていない。それでもVAPOLLO THEATERを作ってよかった。コロナ前の2019年10月に、柿落とし公演として犬山たまきさんのファンミーティングを実施したのですが、今まで自分がやってきたリアルのアイドルの握手会などで見てきたのと同じ、ファンが喜びのあまり絶句する光景を目の当たりにしました。

中国のシアターなのでお客さんも中国人で、多分、一晩かけて頑張って考えてきた日本語なんだけど、好きなVTuberを前にしちゃうと緊張しちゃって何も言えなくなっちゃうみたいな。そうやって感動してくれる機会を作れたことがよかったですし、バーチャルタレントがこれからどんどん広がっていくなと確信した瞬間。

 
──いい話!

斉藤 コロナが吹き荒れた昨年は正直、サバイブすることを最上命題としていました。一方で、我々が提供するライブが、ファンの人に喜ばれるのは実感していたし、どんな世界になろうと、リアルのライブは依然として重要であり続けるという確信があったので、これで潰れたら、所詮は自分達の生み出している価値がそこまでだったろうとあきらめて、上海の路上で、羊串の屋台でも一家でやろうと。

ただ、お陰さまでライブも着実に開催して生き残ることができ、少しは必要とされているのかな、と。なので、これから自信を持って、自分達の信じる方向に爆走を再開していけたらなと思っています。


限界のない「ぶっちぎりの未来のライブ」に向かって爆走再開!

──爆走を再開というと?

斉藤 業界にいる方なら共感いただけると思うのですが、ライブというはっきりいって汗の量と利益がバランスしない領域において、スタートアップとしてどう必要とされるか、すなわちどう勝っていくか?というと、答えはすごくシンプルで、アーティストとファンの「ため」になることをやる、ただそれだけです。じゃあそれは何かといえば、「ぶっちぎりの未来のライブ」をやるしかない。

今、我々が考えて進めている「ぶっちぎりの未来のライブ」、その究極形態はすべての境目をなくした「限界のないライブ」です。


──限界のないぶっちぎりの未来のライブ!? 中二病感がすごいですが、具体的にはどんな内容ですか?

斉藤 まずひとつ目は、「距離と国境」の限界を取り払います。演者は東京にいて、上海の会場でライブをする。ライブ会場ではない遠隔スタジオからリモート出演ですね。さらに、我々がライブ屋としてこだわっているのはリアルタイムなので、すなわち「遠隔リアルタイム海外ライブ」です。

 ──全部のせ感が半端ないし、実現するのに色々と大変そうです。

斉藤 おっしゃる通りで、スタジオと現場が別々な上、さらに会場が海外なので言葉も二言語になりますし、しかもやり直しの効かない一発本番のリアルタイムなわけです。ライブを制作したことがある方なら、おそらく全身でヒンヤリしたものを感じて頂けると思いますが、はっきり言ってアドレナリン出まくります。連絡系統だけでも数系統走っているので、耳の穴が4つ欲しい。イベント当日の朝は、スタッフ一同、インターネットの神様へのお祈りから始めます。


──八百万の神様がいる日本ならでは(笑)。しかし、なぜそこまで高いハードルにこだわるのですか?

斉藤 もちろん大変で、ほかのバーチャルのライブでは、事前に収録した映像を放映するスタイルも多かったりしますが、やっぱりライブ屋としてはリアルタイムにはこだわりたい。それはアーティストとファンが直接同じ時、空間の中でつながれるというのが、ライブの醍醐味であると思っているからです。

そしてリアルタイムだから、会場に来たお客さんをバーチャルのステージに上げて、一緒にゲームやコントで遊ぶこともできる。そのときにお客さんの興奮度が一番マックスになるんです。これが、我々がぶっ壊すふたつ目のリミットで、いわば「オンラインとオフライン」の境目を取り払うということです。アーティストとオンラインユーザーとリアル会場のお客さんが、オンとオフを超えて入り乱れる三つ巴のインタラクティブ。


──バーチャルのステージに上げる……というのはモーキャプのスーツを着る感じですか?

斉藤 これが逆転の発想で、グリーンバックの顔出しパネルを用意して、お客さんに顔をはめてもらうことでバーチャルのステージに合成しています。そもそも見た目が面白いので、現場のオフラインの人たちもクスクス笑ってるし、オンラインで参加している人達も見られる。バーチャルのアーティストもファンと同じステージに立った経験がないので、すごく喜んでくれます。

──様々な工夫と苦労の結果、すごく熱量が高いライブを実現できてるんですね。

斉藤 国境やオン・オフ超えて、リアルタイムでアーティストとファンが、一緒に歓喜したり、コントしてプロレスしているとこ見ると、ライブやりながら「未来だわー」と強く実感する瞬間です。それはリハーサルやり放題で隅々まで分かっている自箱、かつこれまで海外でライブイベントを多くやってきた経験があるからで、この「遠隔リアルタイム海外ライブ」の実績はうちが一番あると自負しています。


アイドル運営のプロとして、VTuber史上最大級のプロジェクトの制作統括に抜擢

 ──先日発表された、bilibiliとソニーミュージックの共同プロジェクトで、指原莉乃さんをクリエイティブディレクターに迎えて、グローバルな活躍を目指すバーチャルアイドルグループを1年間限定で展開する「バーチャルシンデレラプロジェクト」にも関わっていると聞きました。

斉藤 そうですね。企画の立ち上げから携わっていて、当社はプロジェクトの制作と運営の統括を担当しています。これは、自分のキャリアとも関係していて、元々、大学4年の時に上海に飛んで、あるファッション雑誌社でインターンシップをはじめたんですが、とにかく仕事も遊びも面白くて「日本でなんか就職するかい!」と帰らずにそのまま中国に残りました。

その後、ご縁があって、avexが中国進出した際の現地法人の創業メンバーとして入社し、そこから10年間、中国のエンタメ業界でキャリアを積んできました。その後、AKB48の運営会社であるAKS(現在は分社化して社名も変更)に入社して、台北と上海で現地48グループの運営をやらせてもらいました。そして、前述の通り、満を持して独立し創業したのがVAPOLLO JAPANなんです。

 
──すごい! 日本タレントの中華圏の進出や、現地タレントの育成にずっと携わってきた感じなんですね。

斉藤 そうですね。今回、作詞とクリエイティブディレクターとして「バーチャルシンデレラプロジェクト」に参加して頂いている指原莉乃さんも、AKS時代に海外でファンミを実施させていただくなど、一緒にお仕事させてもらった経験もあります。

アイドル運営に必要なノウハウ、人脈、チームも揃っていて、国境を超えて、オンライン・オフラインでバーチャルのライブをやってきた実績も評価していただいて、今回、bilibiliさんとソニーミュージックさんが仕掛けるという、前代未聞のプロジェクトに制作統括としてジョインさせてもらうことになったのだと思います。

一年限定でシンデレラストーリーを生み出すこの企画、指原さん作詞の楽曲連続リリースあり、YouTube&biilibiliのレギュラー番組あり、定期ライブありと、これまでのVTuberの殻を破る展開を色々仕掛けていきますので、ぜひ注目してください。オーディションも1月17日まで受け付けているので、ご興味のある方はご応募下さい。


日本コンテンツよ、巨大な中国エンタメ市場でヒットを再び!

──斉藤さん自身は、なぜそこまで中華圏にこだわってるのでしょうか?

斉藤 答えはシンプルで、やっぱり市場規模が大きい、それに尽きます。よくカナダとアメリカで例えていて、要はカナダのアーティストは、自信と実力があったらアメリカの市場に絶対行くんです。日本と中国も同じ漢字がベースにあって、欧米よりは文化的に近い。エンタメをやるなら、これから人口が減っていく日本だけじゃなくて、近くて大きい中国の市場も当然狙うべきという考えです。それに、まさにバーチャルになって鮮明になってるんですけども、ネット文化に国境はますますなくなって来ているので、そう言う意味でもさらに日本だけにこだわる意味はないと感じています。

 
──とても正しいと思います。

斉藤 あとは、ちょっと意地もあるかなと思います。中国という人口が多くて、制作費も含めて色々な規模がアジアで一番の市場で、やっぱりヒットを生み出したい。もはや欲望です。

自分にとって、エイベックスチャイナでの経験はある意味、原体験で、当時はまだ浜崎あゆみさんや安室奈美恵さんが中国でも一定の人気があった時期でした。そこから、実は自分はしんがり社員として撤退までやったのですが、日本に帰任するまでの10年は、日本のコンテンツが目の前でバタバタと倒れていくのを目の当たりにした期間と重なります。音楽、ドラマ、映画など日本のコンテンツが、中国やアジアのエンタメシーンの中で、どんどんニッチになっていった。多分、中華圏現地でどっぷりやってきたエンタメ業界の日本人なら、あれだけ可能性あったのに、それでもダメになったという実感持っていて、みんな悔しい思いをしてきた。だから日本からヒットを出したいという思いが根底にあるんです。

そうした経験があるから、VTuberが中国で盛り上がっているのを初めて目にした時は興奮しましたね。日本人が、日本語で話し倒してもなおファンがついてくる、日本コンテンツが生き生きと中華圏で人気になっている久しぶりの光景だったから。だからそれを見て、バーチャルの分野で勝負したいな、と思ったのも創業の一つの理由です。


バーチャル界のMJやJBを生み出すライブのエコスステムを! それがVAPOLLOの生きる道

──コロナ禍が少し収まってきた今、VAPOLLOとしては今後、どういった展開を考えていますか?

斉藤 実は「VAPOLLO TOKYO」、つまり東京にも拠点をひとつ作ろうと考えています。と言うのも、これから我々は「現実とバーチャルの境目」の限界をぶち破っていく。すなわち、もはやどれがリアルでどれがバーチャルなのか見分けがつかない、でも、体験としてはすごくリッチでリアルでエモーショナルなライブ。そのために東京にも拠点が必要なんです。


──中国人向けなら上海、日本人向けなら東京と、ライブの内容によって会場を使い分ける感じですか?

斉藤 いや、そうではなくて、今準備しているのは、nヵ所の会場で同時開催するライブです。具体的には、東京にも、上海にも、バンコクにも、ジャカルタにも会場が存在し、演者は東京からパフォーマンスの映像や歌唱をリアルタイムでそのnヵ所に送出して、世界中のお客さんの前に同時にメイン会場を作るという構想です。

これはアーティストがいるメインと、中継されるサブで体験が変わってくるライブビューイングとは異なり、すべてがメイン会場になります。演者やお客さんが、物理的な空間や国境というリミットを超えて、複数の場所で同じ時と空間を共有する。ライブの醍醐味が同時多発的に世界中で味わえるわけで、これを当たり前にしていきたい。


──だいぶぶっ飛んだ発想ですね!

斉藤 もちろんライブはリアル会場に限らず、オンラインやVRでも同時配信するし、メタバース上のバーチャルな会場でも同時開催します。そしてリアル会場・オンライン配信・メタバースのお客さんがステージに上がるなど、演出面でもオン/オフのリミットをどんどん外していく。それを加速していきたい。

ゆくゆくはリアルタレントもバーチャル化されていくと思っています。実際、映画のCGが事実上そうなっていますが、多分20年後とか30年後には、ライブでも3Dモデルなのか実物なのか区別がつかないレベルが実現して、リアルのアーティストやタレントも同じことをやっているようになる。

そんな未来が必ず来るわけで、我々はその来るべき未来に向かって、乗り越えるべき課題を、アーティストやお客さんと楽しみながら一緒に乗り越えていく、ということをやってるわけです。

そのために必要なのは、ハード、技術、経験のある人、諦めず楽しみ抜く想いです。そして国境や次元を超えたリアルタイムライブには、リハの時間を気にせずに色々実験できる上海のようなシアターが東京にも必要なので、ここでやっと話がVAPOLLO TOKYOに戻ってきて、ぜひ東京にそんな拠点を作りたいなと。

まあ単純に、横浜にあったDMM VR THEATERさんがなくなって、VTuberを産んだバーチャル先進国の日本にAR専門のシアターがないのはちょっと残念なので、じゃあ我々が作るか、と言う思いもあります。ご一緒することにご興味あるシアターさんやライブハウスさんあればぜひご連絡ください! 我々がもつノウハウの全て、惜しみなく全公開します(笑)


──そんな貴重なノウハウを広めていいんですか!?

斉藤 現状、我々だけで足りないところはいっぱいあるんです。例えば、VRコンテンツの制作の部分で、スタジオやモーションエンジン、そしてクリエイターが足りないところがあり、それらを持ち、かつ、同じ中二病感あふれる想いを共有できるNTTドコモさんと一緒に組んでやっていこうとしています。

NTTドコモさんは、バーチャルコンテンツ制作におけるイメージはあまりないかもしれませんが、モーションキャプチャスタジオを持っていて、リアルタイムのXRライブエンジン「Matrix Stream」も自社開発されています。Matrix Streamはすごくて、配信プラットフォームごとのオンライン配信はもちろん、リアル会場やVR配信など、ひとつのシステムで、いろんなライブの形態が制作できるという優れもので、リアルタイムでエモく表現されるライティングやシェーダーもかなりイケてます。

ファンのコメントと連動した応援アイテムや花火が上がる、など遊び心満載のインタラクティブ機能もあったりで、はじめてスタジオで拝見した時に「同じライブの未来を見ているな」と直感しました。(参考記事

──パートナーと組むことで、広がる可能性。

斉藤 実はバーチャルシンデレラプロジェクトでも、XRライブ部分の座組みに入っていただいて、ライブでもご一緒します。このNTTドコモさんとのタッグで、スタジオから制作からシアターまでワンストップでライブ制作を提供できるようになるので、個人や小規模チームで活動している圧倒的多数のバーチャルアーティストに、ライブを実施するという選択肢を提供できるわけです。しかもそれが、東京・上海での同時リアルタイム開催で、国境超えてVRの1on1イベントも展開したり、バーチャルならではのリミットレスなライブが標準パターンとか、ちょっとイケてると思いません?(笑)


──だいぶ壮大な構想ですね。

斉藤 一方で、いきなり、日中で300人クラスのライブをやるのは、なかなかハードルが高くて、それを埋められるバーチャルアーティストはそう多くない。でも、配信だけじゃなくて、次の一歩を踏み出すためにライブをしたいというニーズは多い。そこで、もう少しハードルを下げた場として、「路上VAPOLLO」を全国各地に作りたいと思っています。バーチャルが路上でライブできるようにするんです。これはこれで、ロックだと思いません?

 
──バーチャルで路上ライブというと、モニターを台車で連れていくみたいなイメージですか?

斉藤 いや、透明パネルを使って、あたかも路上に実在する感を出していきたいな、と。それで、例えば、そこで100人集まって騒ぎになったなら、ぜひ次のステップとしてVAPOLLO THEATERを活用してほしいという考えです。東京と上海のリアル会場で同時開催し、さらに活躍してバーチャル界のMJやJ-Bになってほしい。それが我々の願いです。

 
──路上から一歩一歩ステップアップしていく感じがいいですね!

斉藤 さらにプラスでバーチャルVAPOLLOみたいなものも考えていて、どこかのメタバースの中にバーチャルのシアターをオープンして、さまざまな垣根を飛び越えて、世界中の才能が飛び立つ場所にしたい。

我々が作りたいのは、バーチャル界のライブのエコシステムなんです。冒頭でアーティストやお客さんの「ため」になることが唯一の道、と言ったのは、すなわちこういうことで、今までと同じことやっててはダメで、いろんな限界を取っ払った未来のライブの形を追求することが、アーティストやファンに喜んでもらうことに繋がり、それが同時に、我々が存在する意味にもなるのかなと。


人間とは何ぞや!? のゾクゾクする未来へ向けて、アライアンスも大歓迎!

──正直、想像を超える話の展開でした。

斉藤 最後に風呂敷広げると、私には小さい娘がいますが、彼女たちは確実にメタバース&ブロックチェーンネイティブの世代になる訳で、彼女たちが大きくなるころには、メタバースが現実世界と等価になってる。場合によっては「あっちの世界」の方が価値があって、滞在時間も長いかもしれない。

さらに、自分の性格や記憶を完璧にマスターしたAIを搭載した超フォトリアルな不老不死の自分、つまり分身アバターが作れるようになるし、自分の理想の人生が脳内VR体験できているかもしれない。人間や人生とはなんぞや、がひっくり返る人類史的に未曾有のゾーンに突入していくと思う。

今やってるVTuberやライブは、そんなゾクゾクする未来につながってる訳で、より面白く、より美しく、より人間的な未来にするために、常に動きながら考えながら、自分達ができることを、自己資金が尽きるまでやっていきたいと思っています。ライブに限らず、ブロックチェーン、NFT、AIを活用したIP制作など様々なプロジェクトも始動させているので、ぜひ楽しみにしていてください。また、アライアンスも大歓迎ですので、ご興味持って頂いた関係者の方やクリエイターの方はぜひお気軽にご連絡ください!


*VAPOLLO THEATERの問い合わせはこちら →  [email protected]
 

●VAPOLLO JAPAN 株式会社CEO 齊藤秀 プロフィール

慶応義塾大学法学部卒業後、avexに入社し、avex Chinaの立上げから参画し、タイアップ部門の責任者、avex上海の代表として、北京と上海にて約10年間駐在。東京本社に帰任後は、「dTV」の制作プロデューサーとしてバラエティ番組を多数制作。2015年にAKB48のマネジメント会社であるAKS(現在は分社化して社名も変更)海外事業部に転職し、台北に赴任して、TPE48(現AKB48 Team TP)の事業責任者としてグループを運営。2019年から、上海現地の姉妹グループAKB48 Team SHの立上げ監修のため上海赴任。その後、VTuberのライブに特化した中国初のARシアターを上海にオープンし、VAPOLLO JAPANを創業。

趣味は養豚。写真は、中国で13年間同棲していた愛豚の回鍋肉クンとの仲睦まじい様子。中国にしっかり根を張っていることがここからも伺える。

 
 
●関連リンク
VAPOLLO THEATER(公式サイト)
VAPOLLO THEATER(Twitter)
バーチャルシンデレラプロジェクト(公式サイト)
バーチャルシンデレラプロジェクト(Twitter)