ジョリーグッドと杏林大学は、産科において最も緊急性の高い手術をVRでトレーニングできる「超緊急帝王切開」を開発したと発表した。本VR事業は、ジョリーグッドが提供する臨床実習VRプラットフォーム「オペクラウドVR」にて制作・開発を行っている。
「超緊急帝王切開」は、母児に生命の危険が迫る状況で緊急的に行われる手術。一刻も早い胎児の娩出が求められる中で、多くの医療スタッフの連携が不可欠なため、本手術のチーム連携トレーニングが極めて重要となる。本VR事業では、実際に治療を行う医師の目線で、手術室内の医療スタッフの動きを360度見回して確認できる。異なる役割を担う9名の医療スタッフが、最短工数で対応し1分1秒を急ぐ緊急対応を学ぶことが可能だ。
また、感染症診療に対する教育コンテンツも提供する。これにより、新型コロナウイルスを含む感染症に罹患していると思われる外来患者の診療ポイントを学べる。
杏林大学は、コロナ禍でも母児の命を守るために必要なトレーニングを維持継続するため、医学部生への教育はもちろん、研修医や看護師、助産師の教育にもVRの活用を広げていく考えだ。
■オペクラウドVR
医療施設に高精細360度カメラとサーバーを常設してあらゆる症例を簡単に高精度VR化し、術者目線の技を360度視点で体験学習できるVR臨床教育プラットフォーム。必要機材の設置から撮影・編集レクチャーをジョリーグッドが行い、臨床実習VRをセルフ制作することができる。コロナ重症患者で需要が増した人工心肺ECMOのトレーニングや、臨床実習ツールとして医科大学をはじめとする教育機関や研究センターへの導入のほか、医療機器メーカーの安全教育など、全国各地の医療機関に導入実績がある。