VRMコンソーシアムは12月21日、メタバース上での自己の分身「アバター」を審査・表彰する「アバターアワード2021」の授賞式をニコニコ生放送にて開催し、各賞の受賞者を発表した。
「アバターアワード」は、独創的な進化を続けるアバター文化の振興とクリエイターの社会的認知度向上を目的として、一般より広く3Dアバター作品を募集し、優れた作品を表彰するもので、今年が第2回の開催となる。
ファッション業界からは、ファッションデザイナーの丸山敬太氏とファッション・クリエイティブ・ディレクターの軍地彩弓氏が参画。コンテンツ産業からは、「ソードアート・オンライン」(SAO)などのミリオンセラーを生み出した編集者・三木一馬氏、ライトノベルの挿絵やカードゲームのイラストを中心に活動中のイラストレーター・藤ちょこ氏、VTuberのキャラクターデザインやTVCMのアートワーク、書籍イラストなどで活躍するLAM氏が参画。
エントリー期間中(11月1日〜23日)に投稿された作品総数は152点にのぼり、そのうち最終ノミネートとして選出された12作品が、12月21日の「アバターアワード2021授賞式」生放送のバーチャルランウェイにてパフォーマンスを行った。
審査員の間では、キャラクター性・ファッション性・先進性など、さまざまな観点で議論が交わされた。その結果、最優秀賞に「Nuibari」(投稿者:メシエナンバー氏)、優秀賞に「REMAKE_AEGIS」(投稿者:REIRO_MCno151 VBC CLI氏)、「金魚姫」(投稿者:猫面のタマ吉氏)、「MC_darkside」(投稿者:REIRO_MCno151 VBC CLI氏)、「公衆衛生局管理AI 覩鐘-トガネ」(投稿者:外交官ユキ氏)、「冥界の使いイザベラーダ」(投稿者:カスタムキャット五姉妹と飼い主氏)──が選出された。
なお、最終ノミネート作品12体は、メタバースコミュニケーションサービス「バーチャルキャスト」の特設展示会場で来年1月末まで展示し、VRユーザーなら誰でも実際のメタバース上で作品を鑑賞可能だ。
<受賞結果一覧>
■最優秀賞
「Nuibari」(投稿者:メシエナンバー氏)
【審査員コメント】
・アバターらしくないファンシーなキャラ。パッチワークのぬいぐるみ風なデザインに、ひとつひとつ柄を組み合わせて、ディテールまでこだわっているところがよかったです。(軍地)
・キャットウォークに出てきた瞬間から「おや、違うぞ。なんだろこれ」というフックがあり、色のバランスやアバターに込めている思いなどがトータルで群を抜いていました。かわいさの中に毒も含んでいる魅力的なアバターです。(丸山)
・カラフルで目を惹かれるアバターです!たくさんの色を使っていますが、絶妙なバランス感覚で綺麗にまとまっています。腰回りの綿がスカートのフリルのようにも見えてかわいらしいなと思いました! ただかわいいだけじゃなく、ちょっとした毒を感じる部分があるのもいいですね。(藤ちょこ)
・配色のセンスが素敵。細かな衣装のこだわりと、デフォルメされた等身がとてもキュートです。モデルの出来が群を抜いてクオリティが高いなと思いました。(LAM)
■優秀賞
「REMAKE_AEGIS」(投稿者:REIRO_MCno151 VBC CLI氏)
【審査員コメント】
・頭部にある、ゲームのラスボスと戦うステージみたいな飾りが面白い。第二体型まであるボスからの全方位攻撃を前転や横転で交わしながら攻撃しないと勝てなそう! そういう妄想をすごく刺激されるというか、バーチャルアバターならではのモデリングなのがいいなと思いました。(三木)
・脈々と受け継がれてきたものが自然にこういうところででるのが面白いです。(丸山)
・独創的なデザインがすばらしいです!現実ではまず再現できないような髪型がバーチャルならではで面白いですし、髪の揺れ方も美しく、こだわりを感じました。スラリとした立ち姿も素敵です。(藤ちょこ)
「金魚姫」(投稿者:猫面のタマ吉氏)
【審査員コメント】
・金魚のアバターなんて、物理を超えた発想に拍手! しかし、歩かせてみるとバタバタと美しくない。もう少し浮遊するような動きを期待していました。(軍地)
・人魚をオリエンタルテイストで表現した金魚マーメイドは凄く新鮮です。尾ひれがヒラヒラと宙を舞うキャットウォークなど、現実でやりたくてもできないシチュエーションをいとも簡単にできてしまって羨ましいです。(丸山)
・どのような姿にもなれるバーチャルの多様性、可能性を示したデザインです。魚のように泳いでみたい、鳥のように飛んでみたい、そんな人間の根源にある憧れを叶えてくれるような素敵なアバターだと思いました。(LAM)
「MC_darkside」(投稿者:REIRO_MCno151 VBC CLI氏)
【審査員コメント】
・デザインのぶっ飛び方がいかしている。イギリスのデザイナー、ガレス・ピューみたいな奇想天外なデザイン。後背のデザインが現代アートみたいで面白い!(軍地)
・ぱっと見で見たこともないシルエット、シェーダーの色をしており、ユニーク。造形のセンスに非凡なものを感じました(LAM)
「公衆衛生局管理AI 覩鐘-トガネ」(投稿者:外交官ユキ氏)
【審査員コメント】
・とにかくかっこいいです……! 小物の細部までこだわりぬくことで実在感が出ていて、このアバターを起点に世界観が広がっていくようなデザインだと感じました。無彩色の中でリズミカルに配置された黄色が心地よいです!(藤ちょこ)
・機械化された足やパンキッシュなファッションがカッコいい、刺激的なデザイン。「私はこれが好きなんだ」というクリエイターの意思を強く感じ、アバターデザインとして魅力を感じました。(LAM)
「冥界の使いイザベラーダ」(投稿者:カスタムキャット五姉妹と飼い主氏)
【審査員コメント】
・幻想的なモチーフを重ねた、アバターらしくないところがよかった。羊の角や骸骨のような羽根、ベルトにつけた本?などひとつひとつのモチーフに物語がありそうです。(軍地)
・ディテール一つ一つの詰めが凄く、襟元に付けている付襟のようなアクセサリも凝っていますし、バックスタイルのカッコよさに痺れました。(丸山)
■最終ノミネート作品一覧
・「春野まじこ」(投稿者:渡辺秋穂氏)
・「音無むおん」(投稿者:バーチャルしろくま氏)
・「バーチャル美少女ねむ」(投稿者:バーチャル美少女ねむ氏)
・「白紙」(投稿者:白氣凪氏)
・「タムスト人TEKA」(投稿者:タムスト人TEKA氏)
・「kuwalero .」(投稿者:kowareul / 佐久本氏)
※アバターアワード全応募作品については、Twitterのハッシュタグ検索「#AvatarAward2021」で確認可能。
●関連記事
・「アバターアワード2021」の審査員発表 丸山敬太氏、軍地彩弓氏、三木一馬氏が参画決定
・VR界のファッションコンテスト 「アバターアワード2021」作品募集開始 ノミネート作品はバーチャルランウェイにて公開
●関連リンク
・一般社団法人VRMコンソーシアム