バーチャルキャストは21日、同名のメタバースコミュニケーションサービス「バーチャルキャスト」にて、VTuber・ミライアカリさんと1対1でトークできる有料オンラインイベント「ミライアカリVRグリーティング」を開催した(ニュース記事)。
1日8部、1部あたり8〜12人ほどのファンが参加。ミライアカリさんの目の前に立って1人あたり90秒トークしたうえで、さらにツーショットも撮影できるという盛りだくさんな内容だった。その様子をPANORAで取材したので、現地の熱気をレポートしていこう。
VRだから「近い!!」(照)が実感できる
バーチャルキャストは、最近注目されているメタバースのひとつ。Oculus QuestシリーズやVIVEシリーズなどのVR機器を装着し、インターネットを通じてメタバースの空間にログインして、アバターの姿でコミュニケーションできるというサービスになる。ネット越しだけど、リアルで会うように近さや大きさを感じられるのが新しい。
VRグリーティングは、そんなVRならではのよさを実感できる企画になる。
手前味噌になるがPANORAの「ネットおしゃべりフェス」のように、コロナ禍の影響でイベントのオンライン化が進んでいるものの、スマホやPCでの参加ではどうしても画面を越えられない。
一方でVR機器を使ったメタバースなら、アーティストや「推し」を間近に感じられるし、(触覚はないものの)握手をしたり、肩を叩くといった「接触」も可能なわけだ。ツーショット撮影においては、全身でポーズを取れるという点が有利。アバターでも自己表現が可能で、なんなら本人のコスプレで参加できる。
バーチャルキャストにおけるVRグリーティングは、初音ミクがテーマのVR/ARアミューズメントパーク「MIKULAND」内で実施してきたうえで、今年2月に単独の「インサイドちゃんずVRグリーティング」を開催。それに続く2回目がミライアカリさんとなった。
当日の流れは、まず回ごとに参加者が待機部屋に集まるところからスタートした。この待機部屋もユニークで、ミニキャラが壁紙にあしらわれていたり、過去衣装の等身大フィギュアが置かれていたりとアカリさん一色だった。
個人的に面白かったのは、「もぎり」を手動で行なっていた点。具体的には、チケットがバーチャルキャストで使えるデジタルアイテムとして配布され、それを待機部屋で取り出してスタッフさんに見せて確認してもらうという手順だった。同時にボイスチャットができるかどうかもチェックする。
グリーティングの部屋も凝っていた。背景に4月に発売予定のアルバム「ミライアカリVSココロヤミ」のジャケットイラストをあしらい、その前にアカリさんが立つと「完成」するという粋な仕組みになっていた。
さて、肝心のグリーティングだが、和気藹々とした雰囲気だった。一応90秒という制限はあるものの、時間終了と同時に無理やり「はがす」という感じではなく、写真撮影も含めて2分以上かけるという優しい運営だった。
ファン側も気合が入っており、この日のためにアバターを調整してきたり、彼女に見せたいアイテムを持ってきたりと準備万端だった。にもかかわらず、「推し」を目の当たりにすると「色々しゃべろうと思っていたけど、可愛いから全部忘れた」という方もいて、グリーティングはなかなか難しい。
アカリちゃんの「神対応」も印象に残った。いつもの明るい雰囲気で「来てくれてありがとうー!」と一人一人に丁寧に伝えたり、自分から話題を振ったり、ツーショットでも「〜〜で撮ろうか?」とポーズを提案してくれたりと、かなり積極的だった。今回のグリーティングでも何度か足を運んだファンがいたと聞いたのだが、納得できる魅力だった。
終了後にアカリさん自身にお話を聞いてみた。
──丸1日のグリーティング、お疲れ様でした。これだけ長時間しゃべっているのも大変だと思われますが……。
結構、コミュ障なんですが、1対1の方が話しやすかったりします。結構団体の中で1人喋るのは苦手なんですが、1対1は多分、一生できます(笑)
──スゴい(笑)。VRグリーティングを開催してみて、率直な感想は?
今、コロナ禍でリアルイベントは人数制限とかがあると思うんですけど、VRなら気軽に来れますよね。バーチャルの子たちのリアルイベントももちろん楽しいと思うけど、バーチャルのリアルをより感じられるのは、やっぱりVR空間なんじゃないかなと思いまして。
今後はARとかも出てくるのかもしれませんが、より自分の「推し」をリアルに感じたいとしたら、このVRの空間でのグリーティングも一度試してみてもいいんじゃないかなと思います。
今回、アストネスさんにご協力いただいたように、最近ではVRもレンタルできます。最初にハードを買うのを躊躇している方でも、レンタルして体験してみて買うのもいいんじゃないかなーって思いました。
個人的にも、すごい自分がいつもここに住んでいる空間に人間のみんなが来てくれてドキドキしました。好きな人とこんなに近くで話せる、触れ合えるのって、「これがトキメキなのかな……」って。「もしかしたら恋ってこういうものなんじゃないかな」ってすごく感じました。
──「ガチ恋距離」で話せますものね。
逆にアカリがガチ恋距離を経験させていただいた。そうなんです、みんなが近いから逆に照れてしまって、すごい幸せというか、「この時間が一分一秒でも長く続けばいいのに」と思いました。でも限られているからこそ、この時間が幸せなんだろうなと。
今後もアカリはどちらかというと配信より自分で3Dで動いて活動する方で、体を全面的に使ってパフォーマンスすることこそがミライアカリだと思うので、グリーティングなどでメタバースを使ってバーチャルの可能性をお届けできたらなと思います。
「推し」と濃密な時間を過ごせるVRグリーティング。次回の開催は未定だが、自分の「推し」が出演する際はぜひ参加してみよう。
(TEXT by Minoru Hirota)
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