VN3ライセンスチーム(代表:あしやまひろこ)は6月1日に、3Dモデルに最適化した利用規約テンプレート「VN3ライセンス」のバージョン1.10を公開した。
VN3ライセンスは、3Dデータ配布をする際に利用可能な規約を簡単に作成できる雛形。その雛形を用いたジェネレーターや解説などを、有志からなるプロボノ・ボランティアグループのVN3ライセンスチームがWebサイト上で無償公開している。
VN3ライセンスは、2020年5月の公開以来、アバターを中心とした数多くの3Dデータの配布に活用されており、2021年はVRChat向けアバターの31%に採用され(1)ている。また、2022年5月末日時点のBOOTH「3Dキャラクター」カテゴリーの人気順上位50位までの製品のうち46%に採用されており(2)、2022年6月現在、日本のソーシャルVR向けアバター取引で最もよく使われている利用規約のテンプレートの1つとなっている。バージョン1.10の主な変更点は下記の通り。
■韓国語・中国語への対応
韓国語および中国語ネイティブ話者によるテンプレートの翻訳を実施し「韓国語」「中国語(繁体字・簡体字両対応)」の簡易規約を作成可能になった。利用規約作成ジェネレーターを用いれば、日本語の選択肢を選んでいくだけで、法的知識があまりない人でも簡単に高品質な日本語の利用規約、英語の対訳、韓国語と中国語の簡易翻訳を作成できる。
■簡易一覧の拡充
従来からある冒頭に表組の一覧に加えて、対象となるデータ、権利者名や問い合わせ先、クレジット表記、ハッシュタグ、許諾期間及び許諾の変更等の項目の簡易な一覧を冒頭に掲載する仕様になった。これにより利用者は冒頭2ページを参照することで契約内容の要点がつかめるようになった。
■センシティブな表現への対応の強化
センシティブな表現(性的表現・暴力的表現・政治活動への利用および、宗教活動への利用)に関わる選択肢について従来の選択肢に加えて「許可しません(ただし私的使用[プライベートな範囲での利用]については禁止しません)」の項目を追加。
(*1)ウェブサイト「VRChatの世界(β)」2021年1〜12月に掲載されたデータに基づく
(*2)ウェブサイト「BOOTH」にて「https://booth.pm/ja/browse/3Dキャラクター」の「人気順」ソート結果に基づく
■あしやまひろこ(VN3ライセンスチーム主宰)プロフィール
女装者、身体と装いと女装の研究者。筑波大学ミスコン「TSUKUBANBEAUTY 2011」グランプリ。「装う」を総合的に研究するサークル「テクノコスプレ研究会」主宰で、VTuberのフレグランスを制作。同人誌『女装と思想』発行。法務経験を生かし開発したアバターライセンス「VN3ライセンス」は、把握できているものだけでも400近いVRChat向け製品に採用されている。メタバース空間では、自身の女装の姿をモデルにしたアバターを使っている。
・Twitter:https://twitter.com/hiroko_TB
●関連リンク
・VN3ライセンス公式