バンダイナムコアミューズメントは7月7日、横浜のワールドポーターズ2階に「バンダイナムコCross Store 横浜」をオープンする。グループ各社のオフィシャルショップが13店舗集結して、物販を中心に展開。1500種類ものアイテムを集めたという体験型リテール施設となる。入場は無料だ。同種の施設は、7月16日に博多のキャナルシティでも開店予定だ。
同時にバンダイナムコCross Store横浜では、7月7日から8月21日まで、「シン・ジャパン・ヒーローズ・アミューズメントワールド」という企画展を期間限定で開催する(関連ニュース)。
こちらは「シン・ゴジラ」「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」、「シン・ウルトラマン」、「シン・仮面ライダー」という4作品がコラボ。グッズやコラボフードの販売、オリジナルアトラクションを楽しめるほか、なんと「エヴァVR」と「ゴジラVR」のVRアクティビティも楽しめる。こちらも入場無料だが、アトラクションなどはその都度、お金を払うことになる。
もちろんPANORAで注目したいのは、このVRアクティビティだ。5日、プレス向けに先行体験会が行われたので、その様子をレポートしていこう。
ついに伝説のVR体験と絶叫が関東に戻ってきた!
バンダイナムコアミューズメントといえば、日本の現代VRの歴史と切っても切り離せない存在だ。
まず「VR元年」と呼ばれた2016年、東京・お台場にVRアミューズメント施設「VR ZONE」の運営をいち早く始めた。2017年には東京・新宿に移転して、規模を拡大した「VR ZONE SHINJUKU」を開設。その後、建物の建て替えに伴い、2019年7月に東京・池袋にコンテンツを移して、「アニメとゲームに入る場所」のうたい文句で「MAZARIA」をオープンした。
店内には、ガンダム、マリオ、ドラゴンボール、エヴァなど、日本を代表する名だたるIPを活用したVRアクティビティを展開。マリオカートで運転しながらアイテムを投げたり、ドラゴンボールの「かめはめ波」を撃ったりと、各作品でファンが「体験したい!」と思うシチュエーションを見事にVRで提供してくれて、筆者も「VRの魅力を知りたいならVR ZONE or MAZARIAに行くのが手っ取り早いよ」とよく案内していた。IPを使わないオリジナルも珠玉のVRタイトルばかりで、あまりの没入感と迫力に多くの人があちこち絶叫していたのも同施設の風物詩だった。
しかし、コロナ禍という逆風が2020年初頭から吹き始め、MAZARIAも多くの人に惜しまれながら2020年9月に閉店。関東近県でバンナムのVRを遊べるのは、埼玉の「VS PARK イオンレイクタウンmori店」にある「冒険川下りVR ラピッドリバー」のみで、エヴァやゴジラのVRを遊ぼうと思ったら沖縄まで行く必要があった(沖縄がうらやましい)。
だから今回、8月21日までの期間限定とはいえ、「シン・ジャパン・ヒーローズ・アミューズメントワールド」にエヴァVRとゴジラVRが戻ってきてくれたことはヒジョーーーーーに貴重なのだ。最近、メタバースなどでVRに興味を持ったり、使い始めたという関東近県の方なら、絶対に遊んでおいて欲しい!
自宅のVRと何が違うかといえば、まず大型のアーケード筐体に乗って遊べる点だ。
エヴァならエントリープラグ、ゴジラならヘリの操縦席といった具合に、プレイヤーがVR内で取っているのと同じ姿勢を筐体側でも実現して、プレイ中のいいタイミングで振動を加えてくれる。それこそナムコ時代から脈々と培われてきたバンダイナムコのアーケード筐体技術が注ぎ込まれているわけで、視覚と聴覚に触覚のVRも合わせることで、脳が現実と錯覚するVR体験を実現しているのだ。
コンテンツ自体もとても「わかった」つくりをしている。例えば、エヴァVRは、いきなり使徒と戦うのではなく、プラグがLCLで満たされたり、ネルフ本部から地上に射出される発進のシーケンスから体験することになる。これが「あのアニメで見たシーンを登場人物の視点から味わえる!」という感動を生むだけでなく、「自分はエヴァのパイロットなんだ」と徐々に思い込ませる効果も生んでいる。催眠術ではないが、VRコンテンツの没入感はいかに遊ぶ前にプレイヤーの心を騙せるかが鍵となるのだ。
……と語っていると永遠に終わらないほどとても優れたコンテンツなので、ぜひ未体験の方はこの機会を逃さずに遊んでおいてほしい(本当に大事なことなので2回言います)。
小野大輔が長官ボイスの「シン・765作戦」など非VRアトラクションも◎
VR以外のアトラクションも用意する。
「シン・765作戦」は、プレイヤーが超常現象や地球外生命体の監視機関「G.U.E.K.」の一員となり、ゴジラ・使徒・禍威獣・SHOCKERが起こす事案にミニゲームで対応しつつ、並行して謎解きのタスクもこなすというアトラクションだ。G.U.E.K.の長官として、声優・小野大輔さんの声が流れるのもポイントだろう。
PCの前に座ってヘッドホンをしてマウスで操作……と見た目的には地味(失礼)な感じなものの、いざプレーという段階になると、さすがにゴジラ・使徒・禍威獣・SHOCKERが束になってかかってくるわけで、同時にトラブルが発生してかなり忙しい感じになる。ネタバレになるので詳細は伏せるが、謎解きもなかなかの難易度だ。
実は「シン・765作戦」は2人プレイにも対応しており、当たり前だが2人で遊んだ方が作業を手分けできるので難易度が下がる。ぜひ友達同士やカップルで臨むことをおすすめしたい。
プレイ結果によって、エキスパート/ファースト/セカンドという3つのランクに分けられ、それぞれのIDカードをもらえる。このIDカードは1プレイ1500円に特典として含まれており、さらに300円をプラスするとその場で写真を撮って顔写真も入れてくれる。記念に持って帰れるのが嬉しい。
「禍威獣第8号撃退作戦」は、映画「シン・ウルトラマン」の世界観を基にした謎解きアトラクションになる。プレイヤーは禍威獣特設対策室の新人分析官となり、ゲーム冊子やスマートフォンを用いて、オリジナル映像を見たり、会場内を回遊してヒントを見つけたりして謎を解いていく。ちなみに新人に指示する上司のボイスは声優・梅原裕一郎さんだ。
想定される所要時間は1時間だが、あくまで目安で自分のペースで楽しめばOK。1プレイ1500円でクリアファイルが特典としてついてくる。謎解きの没入感を上げてくれるペン/クリップボード/IDカードケースがセットになったオリジナルグッズも5000円で購入可能だ。
怒涛の物量に圧倒されるCross Store本体
今まで見てきたのは期間限定で開催しているシン・ジャパン・ヒーローズ・アミューズメントワールドの企画だったが、Cross Store本体もざっと紹介しておこう。なにせここだけでも13コーナーあるわけで、「あれもこれも……」とお気に入りの作品のグッズが欲しくなってしまうはずだ。
(TEXT by Minoru Hirota)