lucoは31日、ウェブアプリ「スコラボ」を公開した。サービス内で背景や小物などの画像を検索し、気に入ったものを選んで画面内に配置して、ライブ配信ソフト「OBS」に読み込ませることで、短時間でクオリティーの高いデザインを実現して生配信できるというツールになる。
素材はスタート時に4000点以上用意しており、例えば、時計や机、イス、マイク、キーボード、飲み物、コメント欄など、配信者が普段使いたいと思っているアイテムを幅広くカバー。特にVTuberの画面デザインに便利という本ツールについて、β版から利用しているVTuber「はっか」さんに実際の使い勝手を聞いてみた。
●はっかプロフィール
2021年11月14日にYouTubeにて配信デビュー。TikTokを中心にした活動で知られており、「100日後にVTuberになる」を目指してVlogの投稿を始め、デビュー後に自己紹介動画などで100万再生を達成。その影響力が認められ、「TikTok 2022 上半期トレンド」にノミネートされたり、VTuberでは珍しいTikTokで生配信できる権利を持つなど、活躍の幅を広げている。
「私はごくごく普通の女の子!新しいことにチャレンジしようと思い立ち……気づけばVTuberになっていました!何でも挑戦するはっか 今日もおやつを握ってどこへ向かう。すたこらさっさ、さっさのさ〜」
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@_hakka_asmr 私の名前は…!#VTuber #ASMR #vlog #デビュー ♬ オリジナル楽曲 – ️️️⛅️はっか – はっか️️️ / Hakka ⛅️
配信前に画面の準備だけで疲れてない……?
生配信といえば、今となってはスマートフォンひとつで気軽に始められる状況だが、VTuberとなると意外と面倒なことも多い。というのも、YouTuberならカメラを持ってきて生身一つで始められるところ、VTuberはバーチャルの姿を整えるだけでなく、画面に映るすべてのものを用意しておかなければいけないからだ。
しかも、雑談、歌、ゲーム、ASMRといった内容だったり、記念日や春夏秋冬といった時節に合わせてデザインを作り込んでいこうとすると、よりハードルが高くなる。
自分が思い描く理想に合った素材を見つけるために、Googleで何時間も検索しているという方も多いだろう。より突き詰めると、イラストレーターやデザイナー、もしくはその才能を持ったファンにお願いして、有償・無償で書き起こした背景や小物をつくってもらうことになる。
コンセプトに合わせて配信画面を変えたいんだけど、ネットで探したり、誰かにお願いしたりするのはやっぱり時間がかかるし、あまり時間がない中、やりとりするのもも正直面倒くさい……。そもそもの話、視聴者と楽しくコミュニケーションしたかっただけなのに、準備に時間がかかってしまうのは本末転倒では?
実際どうなのか? 配信者の本音をはっかさんに聞いてみたところ……
「やっはり配信画面は華やかに見せたくて、季節や誕生日などでも変えたいけれど、基本はお金を出して発注することになるし、やりとりも時間がかかる。Boothなどでは無料で配布されている素材もあるけれど、それを探した上で、権利表記や商用利用で使えるかどうかをきちんと確認した上でダウンロード、というのも配信と並行して作業に時間をかけるのは億劫に感じてしまう。そういう面倒さを解消できるサービスがあるといいなぁと思っていたけど、なかなか出会えなかった」
と、やっぱり同じ悩みを抱えていたようだ。そんな日々の配信に悩んでいるVTuberさんにぜひ注目してほしいのが、無料で使えるスコラボだ。
「これが無料で使えていいの?」
使い方は本当に簡単だ。
まずはパソコンでウェブブラウザーを開き、Twitterアカウントを使ってスコラボにログイン。画面左上の「+」ボタンから「時計」か「素材」を選び、現れたサムネイルから好みのものを選択する。画面下部中央の「配信ソフトと接続する」をクリックし、現れたURLをOBSの「ソース」→「ブラウザ」で現れるプロパティに貼り付ければ連動できるようになる。
時計は、スタイルを選んだ上、文字やラインなどの色、フォントを指定可能だ。すべての時計・素材は、ドラッグして表示位置やサイズを調整できる。追加していった時計・素材は、画面上部に並んでいくが、ここがレイヤーの役割をはたしており、右側に置いた時計・素材ほど手前に表示される仕組みだ。
背景/VTuberの体/机・マイク・飲み物などといったように、素材と素材の間にVTuberを挟みたい場合は、「シーン」機能を使う。左下のアイコンをクリックし、新たにシーンを追加。OSB側で背景と手前の「ブラウザ」ソースを2つつくって、それぞれにURLを貼り付ければいい。
素材の豊富さも使ってみれば一発でわかる。例えば、「背景」と検索すると、執筆時点で2700点近くが見つかる。図形や粒子を散らしたノンジャンルで使えそうなものから、和室、洋室、ライブ会場、カラオケ会場、正月、集中線など、多様なデザインを色違いで用意。より絞り込むために、例えば「背景 夏」と検索すると、ビーチやひまわりをあしらった背景が360点以上現れた。
素材の管理という観点でいえば、このスコラボ自体に素材が集約されているというのもポイントが高い。今まで配布サイトと自分のパソコンは別々の環境で、きちんと整理しておかないと「あれ、この前落とした素材どこにいった?」となりがちだ。最初からスコラボにまとめられるなら、そうした二度手間も発生しにくい。ちなみにスコラボにない素材を使いたければ、OBS側で追加すればいいわけだ。
β版から試しているという、はっかさん自身も「クオリティーが高すぎて、無料で使えていいのかな?」と驚くほどの便利さだという。
「なかなかこれは試さないとわからないし、VTuberじゃない方も活用できるはずです。サポート体制が整っている企業ならともかく、個人勢としてVTuberとしてデビューしようと考えると『体』をつくるだけでも余裕で数ヵ月かかって大変で、その上で素材まで自分で用意するとなるとさらに時間がかかってしまいます。パソコンにあまり詳しくない私でもすぐに覚えられるレベルで簡単なので、ぜひ使ってみてください」(はっかさん)
配信画面にこだわりつつも、その準備する手間を大幅に軽減してくれる点で注目のツール「スコラボ」。これからVTuberデビューしようという方だけでなく、既存の配信者もぜひ試して、その便利さを実感してみよう。
(提供/スコラボ)