【詳報】Meta、ハイエンド一体型VRゴーグル「Meta Quest Pro」を22万6800円で10/26発売 MR利用も想定、マイクロソフトと連携も

Metaは米国時間の11日、オンラインにて年次イベント「Meta Connect」を開催し、基調講演にてハイエンド一体型VRゴーグル「Meta Quest Pro」を米国時間の10月25日（日本時間の10月26日）に発売すると発表した。価格は22万6800円で、日本からもオンラインのMetaストアにて予約可能だ。Meta Quest Touch Proコントローラー、スタイラスペン先、部分遮光ブロッカー、充電器などが付属する。

Quest Proでは、VRに加えて、現実空間の特定位置にCGを重ね合わせるMR（複合）の利用も想定するようになった。

既存のQuest 2は、視界すべてがCGの世界に覆われるVR用途が主で、モノクロのパススルーでヘッドマウントディスプレイをつけながら外の世界を見ることもできた。Quest Proでは、このパススルーの映像をカラー化したうえで、画素数もQuest 2の4倍に高解像度化している。さらにカメラも単眼ではなく、複数のカメラからの映像を元に左右の目に合わせて合成する仕組みなので、奥行きなどが把握しやすい。

例えば、「Immersed」などのアプリを利用し、机の広さに関係なく空間に複数のスクリーンを浮かべて、物理的なキーボードとマウスを使って作業が可能。家具デザイナーなら、「Arkio」や「Gravity Sketch」を利用して、他の人と一緒に3Dモデルを一緒に作成し、実際の空間でどのように見えるかを確認可能だ。

基調講演では、Microsoft Teams、Microsoft Windows 365、Microsoft 365アプリのQuest版をリリースすることも発表。さらに、TeamsとHorizon Workroomsの連携、Teams上でのMetaのアバター利用、Microsoft IntuneとAzure Active DirectoryがMeta Quest をサポートすることも明らかにしている。

なお、Quest Proでは周辺部が開いたデザインになっており、VRの没入感を高めたい場合は、同梱のマグネット式遮光ブロッカーを装着する。より高い遮光性を求める場合、年内に発売予定のフル遮光ブロッカー（6820円、税込）を利用することになる。

Quest Proでは、アイトラッキングと「自然な表情機能」を用意し、自分の表情をアバターに反映しやすくなっている。

アバター関連の発表では、既存のOculusアバター向けに、バーチャルの服を購入できるアバターストアを年内にローンチすることを明らかにしている。またOculusアバターで作成したアバターは、現状、MetaのソーシャルVR（メタバース）「Horizon Worlds」で試用したうえで、来年に開発者が自身のゲームやアプリに、アバターの動きや行動をカスタムで実装できるようにしていく。

ハードウェアでは、「Meta Quest Touch Proコントローラー」に3つのセンサーを内蔵。Quest 2ではヘッドマウントディスプレイの四隅にあるカメラで空間における位置を認識していたが、Proコントローラーではヘッドセットとは無関係に空間での位置を追跡して、安定した手のトラッキングを実現した。

Quest 2より広範囲に触覚をフィードバックしてくれる「TruTouchハプティクス」の内蔵も新要素だ。また充電式バッテリーを採用し、付属の充電器を使って、ヘッドマウントディスプレイとコントローラーの両方を充電できるようになった。このProコントローラーは年内に3万7180円（税込）で単体で販売し、Quest 2で利用することも可能だ。

●ヘッドマウントディスプレイ仕様
・ディスプレイ：片目ごとに1800×1920ピクセル、最大90Hz（72Hz対応）
・視野角：平行106度、垂直96度
・IPD調節：55～75mm（アイレリーフ調整ダイアルでレンズと目の距離の調整も可能）
・プロセッサー：Snapdragon XR2+ Platform
・メモリー：12GB
・ストレージ：256GB
・オーディオ：内蔵スピーカー、3.5mmミニプラグ
・無線LAN：Wi-Fi 6E対応
・Bluetooth：Bluetooth 5.2
・バッテリー駆動時間：1〜2時間（付属の2mケーブルを使って給電しながらの利用も可能）
・満充電までの時間：2時間
・PCサポート：有線、無線（AirLink）で対応
・本体サイズ（ストラップ最小設定時）：幅196×奥行き265×高さ127mm
・重量：722g