ホロライブVTuber・AZKiに聞く、VTuber Fes Japanへの想い 「みんなの記憶に少しでも残るパフォーマンスがしたい」

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注目のバーチャルアーティストによる日本最大級の音楽ライブフェスが今年も開催。「ニコニコ超会議2023」の最終日となる4月30日に、幕張メッセのニコニコ超会議2023特設ステージで「VTuber Fes Japan 2023」が行われる。

PANORAでは、総勢44名の出演者の中から特に気になる3組へのインタビューを実施。今回は、昨年に続く2回目の「VTuber Fes Japan」出演となるホロライブの歌姫AZKiさんに、昨年のステージの思い出や、この1年間での大きな心境の変化について語ってもらった。


今年はもう呼んでいただけないと思っていました(笑)

──「VTuber Fes Japan 2023」への出演が決まったときの率直な心境を教えてください。

AZKi 「VTuber Fes Japan」は、もう何回も開催されているイベントで、名前のとおり大勢のVTuberさんが集まる大きなフェスだし、去年、初めて呼んでいただけたとき、すごく嬉しかったんです。でも、去年、呼んでいただけたから、今年はもう呼んでいただけないのかなと思っていました(笑)。だから、今年も出させていただけるというお話があったときは本当に嬉しかったです。


──「VTuber Fes Japan 2022」でAZKiさんは、出演者全員で歌った公式テーマソング「ピース!!」の他に2曲を歌っていて。「Snow halation」では、ホロライブ以外の7人のVTuber(MaiRさん、朝ノ瑠璃さん、戌亥とこさん、エルセさん、かしこまりさん、宗谷いちかさん、花鋏キョウさん)と共演しました。非常に豪華なメンバーでしたね。

AZKi 「VTuber Fes Japan」に出られている方たちだから、みなさん歌がお上手だし、本当にすごいメンバーでしたね。私も、皆さんの配信を観たりしますし、個人的にお友達の方もいたりするのですが、名だたるVTuberの歌姫たちと一緒に歌う「Snow halation」は、とてもエモかったです。いろいろな事務所の垣根も越えて、同じステージで一緒にパフォーマンスできたのも、すごく良いことだと思いました。


──普段はなかなか見られない組み合わせでのパフォーマンスは、「VTuber Fes Japan」の醍醐味の一つです。

AZKi みんなと高め合える時間だったし、仲良くなれるきっかけにもなりました。まさに「VTuber Fes Japan」という舞台があったからこそ経験できたことなので、とても感謝しています。


──勝手なイメージですが、AZKiさんは、知り合ったばかりの相手に自分から積極的に声をかけたりするのは、あまり得意ではなさそうな気がします。

AZKi たしかに、そうかもしれません(笑)。でも、いろいろなVTuberさんと仲良くなって、お話もしたいという気持ちはすごくあるんです。VTuber同士でしか分からない共通の話題や悩みとかも聞いてみたいですし、普段どういう音楽を聴いてるのかとか、パーソナルなことも、めちゃくちゃ知りたいなと普段から思っています。だから、そういうきっかけをいただけたという意味でも、すごくありがたいステージでした。


──同じホロライブ所属のときのそらさん、夏色まつりさんと一緒にホロライブの全体曲「Shiny Smily Story」も披露しました。3人でのステージに関しても感想を教えてください。

ホロライブが誇る清楚系VTuber3人でのステージ

AZKi やっぱり、他の事務所のVTuberさんと一緒に歌うのとは、また違う安心感がありました。大きなステージだし、もちろん良い意味での緊張感はあるんですけど、歌い慣れていて、ホロライブのフェスなどで歌ったこともある曲だったので。そういう経験があるとないとでは、緊張感や取り組む姿勢もだいぶ変わってきたりするんです。練習やリハーサルの段階から、すごく和気あいあいとしていた記憶があります。


苦手意識を持たず、歌以外のいろいろなことも頑張っていきたい

──今年で4回目の開催となる「VTuber Fes Japan」は、毎回、有観客のリアル会場で開催されています。AZKiさんは、2019年5月に秋葉原エンタスで1stライブを開催するなど、活動の初期から積極的にリアル会場でのライブ活動を行っていました。コロナ禍の影響などで実現の難しい時期もありましたが、リアル会場でのライブは、AZKiさんの中でどのような意味を持っていますか?

AZKi 私はバーチャルな存在ですけど、リアル会場でのライブは、ファンの皆さんと一体になって時間と場所を共有できる場所だと思っていて。私のファンのみんなは「開拓者」という名前なんですけど、「開拓者のみんな、ちゃんといるね。AZKiもいるよ」ってお互いの存在を改めて確認しあう場所というか。そういう空気感も含めて、開拓者の皆さんと一緒に一つのライブを作っていくことに、すごく意味があると思っています。


──昨年の「VTuber Fes Japan 2022」は4月29日と30日に開催されたのですが、その直前の4月1日に、AZKiさんは、ホロライブ内に存在した音楽レーベル「イノナカミュージック」からホロライブへと移籍しています。それに伴って活動環境の変化もあったと思うのですが、この1年間で意識的に変えたこと、あるいは気が付いたら自然に変わっていたことなどがあれば教えてください。

AZKi 私は、去年の4月にイノナカミュージックのプロジェクトが終了したことで、ホロライブ所属になったんです。ホロライブの皆さんは、配信をメインに活動されているのですが、それまでの私は、ライブをしたり音楽制作をしたりという活動がメインで、ストリーマーとしての活動というか、配信をすることに対しては、けっこう苦手意識がありました。だから、配信についてなどをもっと学ぶ必要があるとは思っていたんです。


──なぜ配信に苦手意識があったのですか?

AZKi 歌うことは好きだから、歌の配信はイノナカの頃からよくやっていたんですけど、どうしても喋ることが苦手で。実は、ライブのMCも未だにけっこう苦手なんですよね。5年も活動してきて、何を言ってんだと思われるかもしれないんですけど(笑)。開拓者のみんなは、「そのままのAZKiちゃんで良いよ」とか言ってくれたりもしたんですけど、ゲーム配信とか、それまでやってこなかった新しいことにも挑戦しようという意識はあって。イノナカミュージックにいたときは、ホロライブのみんなと一緒にゲームをしたりする機会もあまりなかったのですが、コラボや大会などの企画にも積極的に参加するようにはなりました。そういうことを意識して活動していたら、ゲーム配信を通して、いろいろな人にAZKiの存在を知ってもらえたこともあったんです。


──今年の1月から配信でプレーし始めた「GeoGuessr」では、初挑戦のときから好記録を連発し、ネットニュースに取り上げられるほどの大きな話題になりました。

AZKi 元々、ゲームでも何でもハマると、一つのことをずっとやってしまう性格なので、今回、それがたまたま「GeoGuessr」だっただけなんですけど。自分のそういうところをたくさんの人に面白いと思ってもらえたことに、私自身もびっくりしています(笑)。

──AZKiさんは、歌の上手いVSingerという印象が強かったので、ゲームに夢中になってやり込み、短期間ですごい好成績を出している姿が意外で面白かったのですが、ご本人としては、特別変わったことをしているという意識は無かったわけですね。

AZKi そうなんです(笑)。みんなが「AZKiちゃんもこういう風にゲームするんだ!」とびっくりしてくれたことが私にとっては新鮮で、一緒にびっくりしていました(笑)。それに、こうやって配信で自分の好きなことをやったら、観てくれているみんなにも楽しんでもらえるというのは、この1年間の経験で気付けたことです。自分に少し自信もつきましたし、苦手意識を持たず歌以外のことでも、もっと大勢の人に知ってもらえるように頑張っていきたいと思うようになりました。


──元々、ハマると一つのことをやり込む性格だということですが、幼い頃なども含めて、そんな風に熱中したことを教えてください。

AZKi 小さい頃だと、百人一首を全部覚えたりとか。あと、「ポケモン」も好きだったのですが、ストーリーをクリアーした後も、自分の持っているポケモンを(上限の)レベル100にしたり、図鑑を全部埋めて完成させたりしないと嫌なタイプでした(笑)。そういう風に、とことんまでやり込んじゃうみたいなところは、幼少期からあったかもしれません。


ファンの皆さんがいるからこそ、今、AZKiが活動できている

──先ほど、この1年間での意識の変化について伺いましたが、逆に、AZKiさんがVSingerとして活動を始めた頃から変わらない思い、ずっと大事にしていることを教えてください。

AZKi 変わらないのは、応援してくださるファン、開拓者のみんなへの思いですね。活動当初から応援してくれている方はもちろん、最近、AZKiのことを知り応援してくださるようになった方もそうなのですが、ファンの皆さんがいるからこそ、今、AZKiが活動できているという事実はすごく大きくて。この5年間の活動の中には、いろいろな分岐点があって、具体的に辞めるか辞めないかという局面もありました。AZKiというVTuberはもう存在していない世界線もあったかもしれないんです。


──2021年4月にオンライン開催された7thライブで、AZKiさんのプロジェクトは、2022年7月で終了する予定だったことを発表。同時に、その既定路線とは異なる新たな未来へ向かう分岐「ルートβ」へと進んでいくことも宣言しました。当初の予定のままだと、「VTuber Fes Japan 2023」に出演することもなく、今こうしてお話しを伺うこともできていませんでしたね。

AZKi 応援してくれる開拓者のみんながAZKiを繋ぎ止めてくれたというか、みんながいてくれたからこそ、今もこうやって話したり、歌ったりといった活動ができているんです。もちろん、それ以前から開拓者のみんなのことは本当に大事だと思っていましたが、この1年はそういう思いをさらに強く感じています。


──再び「VTuber Fes Japan 2023」に関する質問に戻るのですが、現時点(4月上旬)で、本番に向けての準備はすでに始まっているのですか?

AZKi はい。もう大分、進んでいて、練習なども始まっています。今回、歌わせていただく曲に関しては、最初にいくつか候補の曲を提出したんですね。その中には、しんみりする曲と盛り上がっていく曲の両方を選んでいたのですが、「今回は盛り上げていきましょう」という方針があったので、そういう曲になりました。ユニットでの曲もあるので、それも楽しみにしていてください。


──「VTuber Fes Japan 2023」のステージで、どのようなパフォーマンスを見せたいですか?

AZKi 1年ぶりの「VTuber Fes Japan」なので、去年も観てくれた方には、さらに良いパフォーマンスをお観せしたいと思っていますし、今回、初めて観てくれる方には、VTuberってこんなことができるんだと感じてもらいたいので、全力で最高に盛り上がっていけるステージにしたいと思っています。


──最近、VTuberやAZKiさんのことを知った人の中には、「『GeoGuessr』が上手いAZKiちゃんって、歌も上手なんだ!」と驚く人がいる可能性もありますね。

AZKi そう思っていただけたら、ありがたいですね(笑)。今回もきっと、いろいろな新しい出会いがあるフェスだと思うので、そんな中でも、みんなの記憶に少しでも残るようなパフォーマンスがしたいなと思います。


──では、最後に「VTuber Fes Japan 2023」を楽しみにしている皆さんに向けて、メッセージをお願いします。

AZKi 5年間の活動を通して、私にはいろいろな岐路があったんですけど、その中で2023年の今年も「VTuber Fes Japan」に出られることを本当に感謝しています。ライブは、楽しんでくださる皆さんと一緒に作り上げるものだと思っているので、皆さんにも全力で楽しんでもらいたいです。すごく豪華なメンバーのフェスなので、最初から最後まで盛り上がっていきましょう!


(Text by Daisuke Marumoto

●VTuber Fes Japan 2023 Supported by Paidy 開催概要
・主催:ドワンゴ
・日程:2023年4月30日(日)
・会場:幕張メッセ ニコニコ超会議2023特設ステージ
・リアルチケット:https://vtuberfesjapan.jp/ticket/
・ニコニコ生放送配信URL:
 Part1(前半パート)開場11:30 開演12:00

 Part2(後半パート)開場11:30 開演12:00
 ※後半の開始時刻は13時40分時頃の予定。前後する可能性あり。


●関連リンク
・VTuber Fes Japan 2023(公式サイト)
・VTuber Fes Japan 2023(Twitter)
・ドワンゴチケット
・プレミアムネットチケット(Part1、2通し+オフィシャルグッズ付。ドワンゴジェイピーストア)
・AZKi(Twitter)
・AZKi Channel (YouTube)