2023年9月21日(木)~24(日)まで、千葉県の幕張メッセで開催されている「東京ゲームショウ2023」(TGS2023)。様々な最新技術と斬新なアイデアに出会えるブースが数多く並ぶホール9のAR/VRコーナーでユニークな展示を行っているブースを発見。
自分の愛情が詰まったアバターをデジタルフィギュアとして机の上などでいつでも眺めることができるデジタルフィギュア観賞用ディスプレイ「デジタルフィギュアボックス」を開発したGateboxのブース(09-E29)を取材してきた。
ブースでは、288人ものアバターが交代で展示
お気に入りの3DCGアバターをフィギュアと同じ感覚で現実空間へ飾れる「デジタルフィギュアボックス」。「Gatebox」のブースを覗いてみると、500mlの牛乳パックよりも少し背が高く、厚みは少し薄いカラフルな箱が並び、その中では個性豊かなアバターが可愛らしく動いている。
「Gatebox」では、「TGS2023」出展に向けて、X(旧Twitter)でブース展示のためのアバターを公募。会期中は12台の「デジタルフィギュアボックス」の中で、VTuberやVRChatユーザーなど 288人ものアバターが一定時間ごとに切り替わっているのだ。
「デジタルフィギュアボックス」の画期的なポイントは、3DCGのアバターをデジタルフィギュアとして鑑賞するためにスマホのアプリやVR機器をその都度立ち上げる必要がなく、実体のあるフィギュアと同じように、常時、目で見える場所へ飾ったままにできること。そして、アバターを表示するための機器には、ユーザーが今は使っていない古いスマホや、安価な中古スマホを使うシステムを採用したことで、1台5500円というお手頃価格を実現していることだ。
9月9日から「Gatebox」の公式BOOTHストアでの予約がスタートしている「デジタルフィギュアボックス」のキットに入っているのは、カラフルな外観の「ソトバコ」と、スマホを入れる「ウチバコ」。スマホを固定するための部品だけだ。スマホをセットして充電ケーブルを繋ぎ、専用アプリをダウンロードして、お気に入りのアバターのVRMデータを読み込めば、アングルやポーズは簡単な操作でセッティングできる。背景の画像は、あらかじめ用意されたものから選ぶだけでなく、お気に入り画像を読み込むことも可能。少し残念なのは、現在のところ、専用アプリがAndroid端末のみの対応ということだ。
ネットニュースの記事に書くことではないのかもしれないが、写真や動画ではなく、ぜひ「Gatebox」ブースを訪れて、生の目で直接、可愛く動くアバターたちを見て欲しい。「デジタルフィギュア」と呼ばれてはいるが、その姿を見ていると、サイズ的にはまるで小さな妖精が目の前にいるような気持ちにもなってくる。筆者の頭に最初に浮かんだのは「聖戦士ダンバイン」のチャム・ファウだが、より多くの読者に伝わりやすいのは、「ソードアート・オンライン」のユイかもしれない。
VTuberらのファン向けグッズへの展開も?
また、「Gatebox」は、「デジタルフィギュアボックス」をVTuberなどのファン向けグッズとして活用するプランも開発中。「TGS2023」のブースには、そのサンプルもデモ展示されている。「Gatebox」のオリジナルキャラクターでAIパートナーの「逢妻ヒカリ」が「デジタルフィギュアボックス」の中に入っているのだが、ChatGPTと連携しており、音声会話も楽しめるのだ。
約300名が交代で参加! 3Dデジタルフィギュアを飾れる「デジタルフィギュアボックス」展示中【TGS2023】https://t.co/p2SegnLR42#Gatebox #TGS2023 pic.twitter.com/SbjFybwumO
— PANORA (@panoravr) September 23, 2023
例えば、人気VTuberが常時飾れるデジタルフィギュアになるだけでも、ファングッズとしての価値は高いが、音声が収録されてAI会話もできることになれば、さらに大人気になることだろう。アイデア賞を贈呈したいこの技術の情報が我が推したちのところにも届き、いつか自宅の机の上に、推しにそっくりで会話もできるデジタルフィギュアが常駐する日の来ることを期待したい。
●ブース情報
AR/VRコーナー ホール9 09-E29
(TEXT by Daisuke Marumoto)