住友ゴム工業は3日、ダンロップのスタッドレスタイヤ「WINTER MAXX」シリーズをプロモーションするアニメミュージックビデオ「ROAD TO YOU ~記憶に舞う粉雪~」を公開した。VTuber業界的には、バーチャルシンガー・花譜(かふ)ちゃんがカバーしたレミオロメンの「粉雪」が楽曲として使われているのが特徴だ(関連記事)。
十数年前を舞台に、雪の日に再会した幼なじみの男女が恋人になって楽しい思い出を重ね、やがて彼女の留学とともに別れを迎えるというストーリーになっている。
ナレーションは、アニメ「からかい上手の高木さん」の高木さんや、「魔法つかいプリキュア!」のキュアミラクルなどの演じる声優の高橋李依さんが担当。キャラクター原案は、小説「病弱探偵 謎は彼女の特効薬」の表紙のイラストなどを手掛けるあすぱら氏、監督・脚本は宇多田ヒカル、ももいろクローバーZなどのMVでも知られる篠田利隆氏が手掛ける。参加クリエイターのコメントは以下の通り。
●花譜
──冬の名曲「粉雪」を歌った感想や、歌う際に工夫したポイントをお聞かせください。
とても難しかったです。小さい頃から何度も聴いている曲だったので、自信はあったのですが、いざ歌ってみると思うようにできない、ということが沢山ありました。この曲の冬の寒い感じと、なんというか温かさのようなものをうまく表現できるように、と思って歌 いました。
──レミオロメンの「粉雪」に関する思い出はありますか?
雪が降るとみんな「粉雪」か「Let It Go」しか歌わなくなりますよね。遊んでいる時も「こな〜ゆき〜」って言って雪放り投げたりして、はしゃいでいる友達がかわいかったなっていう思い出があります。世代を越えて愛されていて、雪が降るとみんな思い出す曲ってなんだかすごいな、いいな、と思いました。
●高橋李依
──本作品をご覧になった感想をお聞かせください。
お仕事のご依頼を頂いた際に「今回はキャラクターの声は息だけです」と伺い、とても驚きました。映像を見てみると、そこには言葉にしない良さが詰まっていたので、物語を邪魔せず彩れたらなと務めました。
──モノローグのナレーションをするにあたって、どのようなことを意識されましたか?
強い意思はあるけど、誰かを否定する強さではなく、自分の中に芯がある様に……、作中に登場する女の子も男の子も優しく肯定する、背中を押す様なイメージでした。
●あすぱら
──キャラクターの原案をデザインする際、最も意識したこと、こだわったことをお聞かせください。
ふたりの関係性の脆さを感じ取れるような似通わない二人。アニメーションの中でも多くいそう な特別でない佇まいになるように制作しました。
──デザインしたキャラクターが動いているアニメミュージックビデオをご覧になった感想をお聞かせください。
アニメーションのスタッフさんに息をふきこんでいただき、花譜さんの歌と先にいただいていたストーリーにそってキャラクターたちが振り回されることになるのだろうな、デザインしている時から妄想して、そわそわとしていました。実際、拝見して曲に合わせていきいきと動いていながら曲に合わせて物語の結末を感じさせる様子や、感情の起伏に合わせて変化していく表情がとても淡くて、妄想などあまり意味なくしっかり見守ってしまいました。
タイヤを主にグラフィカルに表現されているシーンでは、多くはセリフを残さなかった彼らの色とりどりの感情が物語の回転のスピードを緩めたり加速させたりしてゆっくりと進んでいく。自分のデザインしたキャラクターにアニメーションに関わられた方々の気持ちが折り混ぜられ、関わりの中で成長していく様子をみて「すすめ、すすめ」とみている自分も含めてこれから先もきっと前向きになっていくように感じました。
●篠田利隆
──複数のクリエイターが集う今回のアニメミュージックビデオの監督をするにあたって、最も意識したこと、こだわったことをお聞かせください。
冬の切ないストーリーを描くにあたって、ただストーリー描くだけでなくストーリーパートとエモーショナルパートにわけキャラクターの心の動きをイメージでグラフィカルに表現しました。そういう事が出来るところもアニメーションならではかな、と思っています。ストーリーの流れを時系列通りにせず複雑にした事で受け手のイメージがそれぞれになるようにしました。
──本作品を通して、監督が最も伝えたいメッセージと一番の見どころをお聞かせください。
人にはそれぞれの人生があり、分かれ道もある。でも前に進んで行く事しかできない。時間は 逆戻りできないのだから。とは言え、進めば何処かで気持ちも前向きになるかなと。
●関連リンク
・ROAD TO YOU ~記憶に舞う粉雪~
・公式サイト