株式会社ビームスは、5月31日(金)にVRChat上にワールド「Tokyo Mood by BEAMS」を公開した。
同社はこれまでBEAMSの店舗をVketに出展したり、アパレルアイテムをBoothで展開したりと、かなり積極的にVRChatのカルチャーに寄り添った展開をしてきたが、ついに自社のワールドを常設で構える運びとなる。
もちろん実際にBoothで購入できるアイテムの試着等もできるが、このワールドのメインはBEAMSの店舗というより街そのもの。
しかも、ワールド制作を手掛けるのはVRChat内で映画製作を行う「カデシュ・プロジェクト」という、いち企業の公式ワールドとしてはかなり尖ったものになっている。
ワールド公開当日の5月31日(金)21時には、AMOKA、StrollZ、JOHNNY HENRYによるライブパフォーマンスも行われる。
「このワールドがBEAMSのワールドであることを忘れるくらい馴染んで欲しい」という願いを込めて作られた、公式らしからぬ公式ワールドを楽しんで欲しいと思う。
ワールドのメインは「ユーザーが普段使いできる街」
スポーン地点の高架下と思しきトンネルから一歩出ると、居酒屋やラーメン屋、コンビニなどが立ち並ぶ、どこにでもある街並みが広がる。
奥にちらっと見えている白い建物がBEAMSのお店なのだが、目立つところに看板があるわけでもないので一見するとわかりにくいというのは企業の公式ワールドとしては珍しく感じさせられたが、BEAMSが路面店として原宿や渋谷という街に溶け込んでいるというのもあり、この形になったという。
さらに、ワールド自体もVRChatのカルチャーにも溶け込みたいという想いから、VRChatユーザーが普段づかいできるワールドとして制作することで、ワールドそのものがユーザーが過ごすVRChatでの日常に溶け込んでいって欲しいという願いが込められている。
VRChatユーザーが普段づかいしやすいように、路地裏の居酒屋は中に入れるようになっている。友達同士の集まりや、小規模な飲み会イベントなど、ユーザーにとって嬉しい場所が用意されている。
また、路地裏ではないが大型のバーもあるため、広い場所を使いたい場合におすすめできる。モニターでは動画も流せる。
VR飲みの場としてだけでなく、BEAMSらしく、全体的にかっこいい写真が撮れる場所がたくさんあるのもこのワールドの特徴。
なお、このワールドの看板や自動販売機の飲料のラベルまで、全てが手作業によって作られているため、著作権などを心配する必要がないのも嬉しい。
ちなみに、スポーン地点のトンネル内部のグラフィティに紛れてワールド全体のコントロールパネルがある。あまりに馴染みすぎているため素通りしてしまいがちだが、ここでワールドのBGMを制御したりできる。
とくに「PHOTO MODE」をONにすることで壁の物理衝突がなくなり、壁にめり込んで写真を撮れるようになるので、おすすめとのこと(担当者談)。
ラーメン屋さんの建物の外階段を上るとルーフトップになっているエリアに行けるようになっている。ワールド内を4分に一回の間隔で走っている電車が目の前を通るため、のんびりとチルな時間を過ごしながら「あ、また4分経ったね」なんていう会話が目に浮かぶ。
BEAMSの店舗には試着だけでなくフォトスタジオも
ワールドに入ってすぐの通りの奥に見える白い建物がBEAMSの店舗になっている。
もちろん店内では商品の展示や試着も可能。入って左側にはいくつかのアイテムが並んでおり、パネルを選択することで自分のブラウザにBoothのサイトが表示されるようになっている。
また、ここの展示は一定の期間で変えていくという。まさに実際のお店のようで、長年アパレルをやっているBEAMSならではの作りが嬉しくなった。
試着ブースでは、写真には写っていないが右側操作パネルがあるので、どの部位ごとに服の大きさを変えながら試着できるようになっており、実際に衣装改変する際のイメージがつきやすいのが嬉しい。
二階はフォトスタジオになっている。もちろん実際の店舗にはフォトスタジオはないが、しっかり照明機材が置かれたブースを目の前にするとつい写真を撮りたくなる。
イベントや今後の展開
今回、ワールド公開記念でYAMAHAの提供によるライブイベントも開催される。VRChatでの人気アーティストによるライブを観れるチャンスなので、かなりの倍率だと思うがぜひ見て欲しい。Youtubeでの配信もあるため、インスタンスに入れなくてもライブ自体は観られるとのこと。
●Tokyo Mood by BEAMS on VRChat
・日時:5月31日(金)21:00~
・出演:AMOKA、StrollZ、JOHNNYHENRY
・参加方法:グループインスタンスよりJOIN
・配信:https://www.youtube.com/live/wEZmdfAd6u0
グループインスタンスへのJOINは、上記のリンクよりあらかじめグループに参加し、そのグループで立てられているインスタンスにJOINする形だ。
それ以降のイベント等は現時点では決まっていないとのことだが、ここまでVRChatのカルチャーに寄り添い、長く愛されるワールドを目指しているBEAMSのワールドなので、我こそは!…という方はコンタクトを取ってみてもいいかもしれない。
(TEXT by ササニシキ)
●関連リンク
・BEAMS_virtual_staff(Xアカウント)
・Tokyo Mood by BEAMS
・カデシュ・プロジェクト